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袋付きネズミ取り器
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- 【要約】
【目的】 ネズミの捕獲が確実に行え、流通時等における粘着面同士の接着等の恐れもなく、捕獲後の処理にも不快感を伴わないネズミ取り器を得る。
【構成】 中央部が切り抜かれた枠状の台紙2の裏面に、下部が袋状とされた2枚のシート8a,8bの上部内面をそれぞれ貼付し、一方、台紙2の表面側に可撓性シート9を貼付し、該シート9の表面に粘着剤12を塗布して袋付きネズミ取り器1とする。可撓性シート9は、一方のシート8aの略中央部に位置する長方形状の強接着部10とその他の部分に設けられた多数のスポット状の弱接着部11により接着し、粘着剤12の表面にネズミが乗って暴れると、可撓性シート9が弱接着部11の部分で剥がれてネズミの身体に巻き付くようにする。捕獲後のネズミは袋8内に落とし込んでそのまま廃棄する。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 中央部に所定形状の切り抜きを設けた台紙の片面に該台紙に沿って袋を貼り付けるとともに、可撓性シートを前記台紙の他面側から重ね、前記台紙もしくは袋に前記可撓性シートを前記袋の開封部近傍では強接着により、少なくとも周縁部では弱接着により貼り付け、かつ、前記可撓性シートの表面に粘着剤を塗布したことを特徴とする袋付きネズミ取り器。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は粘着剤によってネズミを捕獲するようにした袋付きネズミ取り器に関する。
【0002】
【従来の技術】ネズミを駆除する方法としては、金網製のネズミ捕獲器や殺鼠剤を用いる方法が一般に知られているが、このような方法では捕獲効率が良くなかったり、殺鼠後の処理が煩わしいなどの問題があった。
【0003】そこで、最近、粘着剤によってネズミを接着捕獲するようにしたものが種々提案されている。例えば、実公昭52−1797号公報や特開昭55−74741号公報においては、正面三角形等の箱体の底面等に捕獲用粘着剤を塗布するようにしたネズミ取り器が開示されている。これらの公報に記載のものでは、粘着剤は例えば表面に離型紙(剥離紙)を設け、使用時にこの離型紙を剥がして粘着剤表面を露出させるようにしている。
【0004】また、実開昭56−120088号公報においては、袋状にした可撓性フィルムからなる捕獲シートの内面に捕獲用粘着剤を塗布して、使用時に該シートを広げて器台上にセットするようにし、粘着剤表面にネズミが乗って暴れると上記シートがネズミの身体に巻き付くよう構成したものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記実公昭52−1797号公報および特開昭55−74741号公報に記載のような、筒形箱体の内面に粘着剤を塗布するようにしたネズミ取り器では、単に粘着剤の粘着力でネズミを捕獲しようというものであって、ネズミの動きを完全に封じることができないため、一旦粘着台紙上に乗ったネズミが逃げ出してしまうことも多く、また、捕獲されたネズミを処理する際に、外からその死骸が見えて人に不快感を与えるという問題があった。また、粘着剤が露出したままでは流通時に取り扱いにくいため、粘着剤を保護する何等かの対策が必要であるが、流通・販売時等に捕獲用粘着剤の表面を離型紙で保護しようとすると、該離型紙自体が接着してしまわない程度に該粘着剤の粘着力を抑えなければならず、その場合には、ネズミのような小動物の捕獲は困難である。
【0006】また、上記実開昭56−120088号公報に記載のものでは、フィルム状物をネズミに巻き付けて捕獲するので、捕獲力が強く、また、処理時の不快感の問題もある程度解決しているが、該公報に記載のもののように、捕獲したネズミを単に粘着紙で巻き付けるだけではネズミを完全に包み込むことができず、処理時において依然として不快感が伴うという問題があるほか、該公報に記載の捕獲シートでは、流通・販売時に粘着面同士が接着するため、使用時に広げる際にかなり強い力が必要であったりするという問題がある。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、ネズミの捕獲が確実に行えるとともに、流通時等における粘着面の接着等の恐れもなく、しかも、捕獲後の処理にも不快感を伴うことのないネズミ取り器を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る袋付きネズミ取り器は、中央部に所定形状の切り抜きを設けた台紙の片面に該台紙に沿って袋を貼り付けるとともに、可撓性シートを台紙の他面側から重ね、台紙もしくは袋に可撓性シートを袋の開封部近傍では強接着により、少なくとも周縁部では弱接着により貼り付け、かつ、可撓性シートの表面に粘着剤を塗布したことを特徴としている。
【0009】
【作用】粘着剤塗布面にネズミが乗って暴れると、可撓性シートは弱接着部が剥がれてネズミの身体に巻き付き、一方、強接着部は剥がれないので、ネズミは動きにくくなって確実に捕獲される。捕獲後においては、台紙を中央部で折り曲げて該台紙の両端部を上方へ引き上げると、ネズミは可撓性シートに包み込まれたまま自重によって2枚のシートにより形成された袋内に入り込む。したがって、不快感を覚えることなく袋ごと廃棄が可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0011】図1は本発明の一実施例に係る袋付きネズミ取り器の平面図、図2は図1のA−A線断面図、図3は同実施例の袋付きネズミ取り器を流通時の状態で示す斜視図である。
【0012】この実施例の袋付きネズミ取り器1は、所定幅の周辺部のみを残して中央部が切り抜かれた厚さ2mm程度の枠状の台紙2を備えている。この台紙2には、各短辺の両端にそれぞれ2段の凸部3,3,3,3が形成されるとともに、各長辺の中央にそれぞれ矩形の切欠き4,4が形成されている。また、該台紙2の各長辺の裏面側には、左右対称位置に台紙2の外縁から内縁に亙って短辺に平行な各2条の切り罫5,5;6,6が形成され、また、各短辺の表面側には、上下対称位置に台紙2の外縁から内縁に亙って長辺に平行な各1条の切り罫7,7が形成されている。上記長辺側の切り罫5,5;6,6および短辺側の切り罫7,7は、それぞれ台紙2を表面側および裏面側へ折り曲げる際の折り罫とされる。ここで、長辺側の切り罫5,5;6,6は、切欠き4から内側の各切り罫5までの長さと外側の各切り罫6から台紙2の各短辺の外縁までの長さが等しくされ、また、これらの長さを1としたとき各内側の切り罫5から各外側の切り罫6までの長さが2の平方根になるようにされている。
【0013】また、上記台紙2の裏面には、不織布/ポリエチレン(PE)の積層体で構成され台紙2の外形とほぼ同じ大きさの2枚のシート8a,8bからなる袋8が貼付されている。すなわち、これらの各シート8a,8bは、その長手方向の中央部より下部においてはPE面を内側にして互いに重ね合わせられて周縁部が三方シールされるとともに、中央部より上部においては各シート8a,8bの周縁部が台紙2の裏面に切欠き4,4の左右位置においてそれぞれシールされ、それによって、台紙2の長手方向の両端を手で持った時、台紙2と袋8とは、図2に示すように、下方に垂れ下がった中央部分のみが袋状となるよう全体としてT字状に形成される。
【0014】また、上記台紙2の表面側には、ポリエステルフィルム(PET25)で構成され台紙2の外形よりやや小さい長方形状の可撓性シート9がホットメルト接着剤によって貼付される。その際、接着部は、袋8を構成する一方のシート8aの略中央部に位置する長方形状の強接着部10と、台紙2および各シート8a,8bの表面に位置する縦横に並んだスポット状の弱接着部(仮着部)11に設定されている。また、上記可撓性シート9の表面には台紙2の内縁とほぼ同じ大きさの塗布形状でネズミ捕獲用の粘着剤12が塗布される。
【0015】以上のような構成からなる袋付きネズミ取り器1は、流通・販売に際しては、台紙2を長辺側の切り罫5,5;6,6から表側へ折り曲げて各凸部3,3,3,3の先端をそれぞれ対応する切欠き4,4に挿入して固定し、図3に示すような三角柱形状とし、こうして折り畳まれた2つのネズミ取り器を三角形の長辺同士を重ね合わせるようにして断面正方形の紙箱内に挿入する。また、使用時には、該ネズミ取り器1を図1に示すような平坦な状態となるように広げて、ネズミの出没しそうな場所の床面に置く。
【0016】ネズミがこのネズミ取り器1の上を通過しようとすると、強力な粘着剤12によって接着される。そして、逃げようとして暴れると、可撓性シート9のスポット状の弱接着部11が容易に剥がれ、該可撓性シート9がネズミの身体に巻き付く。その場合、可撓性シート9は強接着部10によって袋8に接着されているので、ネズミは可撓性シート9に巻き付いた状態で逃げ出すようなことはなく、確実に捕獲される。
【0017】捕獲後、台紙2の長手方向の両端を手でつかんで持ち上げると、台紙2が短辺側の切り罫7,7から裏面側へ折り曲がることによって袋8の中央部分が大きく開口し、捕獲したネズミが可撓性シート9に巻き付いた状態のまま袋8の中へ落ち込む。その状態でネズミ取り器1ごと廃棄すれば、外から見えることなく処理することが可能となる。
【0018】本実施例の袋付きネズミ取り器1によれば、流通時や不使用時においては、コンパクトな形に折り畳むことができ、また、使用時には簡単に広げてセットすることができ、セット時に粘着剤12が移動したりするという不都合もない。なお、上記のようにネズミ取り器1を折り畳んで凸部3を切欠き4に挿入,固定した時、凸部3が2段に形成されているため、台紙2の短辺の外縁と可撓性シート9中央部の粘着剤12表面との間には間隙(図3にhで示す。)が形成され、台紙2が粘着剤12に接触するようなことはない。
【0019】図4は本発明の他の実施例に係る袋付きネズミ取り器の平面図である。
【0020】この実施例の袋付きネズミ取り器13は、台紙14を、中央部を円形に切り抜いた形状としたものである。なお、その他の構成および作用については先の実施例と基本的に異なるところがない。台紙14を上記のような形状にすると、ネズミ取り器13を折り畳んだ時台紙14がより腰の強いものとなり、流通時等における形態が一層安定したものとなる。
【0021】なお、中央部の切り抜き形状は、図4に二点鎖線で示すように正方形としたり、その他菱形とするなど、いろいろな形とすることができる。
【0022】上記各実施例においては、袋の積層構成を不織布/PEとしたものを説明したが、この積層構成は、他に、ポリエステル(PET)/PEや、延伸ナイロン(ON)/PEとすることができる。
【0023】また、可撓性シートについても、上記のようにポリエステルフィルム単体とするほか、例えばポリエステルフィルム(PET12)と紙(30g/m2)の積層体とするなどいろいろな態様で実施することが可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているので、ネズミの捕獲が確実に行えるとともに、流通時等における粘着面の接着等の恐れもなく、しかも、捕獲後の処理にも不快感を伴うことのない袋付きネズミ取り器が得られる。
- 【公開番号】特開平5−111345
【公開日】平成5年(1993)5月7日
【発明の名称】袋付きネズミ取り器
- 【出願番号】特願平3−277834
【出願日】平成3年(1991)10月24日
【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】進藤 純一 (外1名)
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