直視型カラー液晶表示装置
スポンサード リンク
- 【要約】
【目的】 低消費電力で、薄型、軽量な直視型のカラー液晶表示装置の提供。
【構成】 液晶駆動用電極3R,3G,3Bをもつ一対の基板1,2間に、色素7と液晶分子5とを含む液晶層3を設け、前記基板のうちの裏基板上に液晶層を透過してきた光を吸収する構造9を設ける。
スポンサード リンク
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶駆動用電極を設けた一対の基板間に液晶を挟持し、前記液晶層が、ポリマーにより形成された三次元網状構造に取り込まれるように液晶を分散させ、かつポリマー中に色素を添加させたポリマーネットワーク型液晶からなる膜により構成され、前記一対の基板のうち、表示装置の使用者が見る側を表基板、反対側を裏基板とした場合に、裏基板上に液晶層を透過してきた光を吸収させるための構造を設けたことを特徴とする直視型のカラー液晶表示装置。
【請求項2】 前記液晶層を透過してきた光を吸収させるための構造が、裏基板上に設けられたカラーフィルターである請求項1記載の直視型のカラー液晶表示装置。
【請求項3】 前記液晶層はマトリックス状の表示画素毎にパターン化され、各パターンのポリマー中にはR、G、Bの色素を添加し、裏基板上に設けられた光を吸収させるための構造も前記液晶層の各パターンに対応してパターン化されたシアン、マゼンタ、イエローのカラーフィルターであることを特徴とする請求項1または2記載の直視型のカラー液晶表示装置。
【請求項4】 前記液晶駆動用電極が各画素対応の非線形スイッチング素子により駆動されている請求項1、2または3記載の直視型のカラー液晶表示装置。
【請求項5】 前記液晶駆動用電極を設けた一対の基板の少なくとも一方が透明で、かつ可撓性を有するポリマー基板である請求項1,2,3または4記載の直視型のカラー液晶表示装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、直視型のカラー液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来技術】現在、OA用の表示機器はCRTから液晶表示装置へと移りつつある。特にパーソナルOA機器の表示装置としては液晶が主流をしめる。これは、液晶を用いればパーソナルOA機器として要求される、装置の小型、軽量化、及び低消費電力化が可能なためである。一方、情報の多様化及びソフトの充実に伴い、表示のカラー化に対する要求も高まり、現在ではフルカラー液晶表示装置を搭載した機器も商品化されている。液晶でカラー表示を行なう手法としては、カラーフィルターを透明電極パターンに合わせてそれぞれ形成し、液晶パネルの裏面に光源を設置し、その透過光を利用してカラーフィルターの色を認識する方法が最も一般的である。しかし、この方法では照明装置を必要とし、しかも、通常偏光子を二枚設置するTNモードや白黒STNモードで用いられるため、表示が暗くなりやすいことから、高輝度の照明を用いる必要がある。照明装置は、光源となる冷陰極管あるいは熱陰極管等のランプ、導光板、拡散板より構成されているため、液晶表示装置の薄型、軽量化を図るのが非常にむずかしい。例えば、現在、エッジライト方式に用いられるランプの径は最小でも4mmである(Flat Panel Display 91)。一方、照明装置を用いることのもう一つの欠点は、消費電力が非常に大きくなることである。特に、高輝度の光源を用いた場合は顕著であり、例えば、持ち運び可能な電池駆動のパーソナルOA機器等においては大きな問題となる。一方、近年、ポリマーのマトリックス中に液晶を分散させたポリマー分散型あるいはポリマーネットワーク型液晶表示装置の提案がなされている。この方法では、従来のTNあるいはSTNタイプのカラー方式に比べて液晶層の厚さの影響を受けにくく、大面積化が容易である。又偏光子を必要としないため、透過光強度が大きい、さらに視野角が広い、応答性が良い等の優れた特徴を有する。これらの方式を用いたカラー表示の試みもなされている。特開平1-241520には、ポリマー分散型液晶を用い、一方の基板上に形成された赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルター、及び、黒の色素を使用した液晶カプセルとにより、RGB及び黒表示を行なう技術が示されている。しかしながら、この方法では表示パネル裏面からの照明光を用いることが前提となっているため、表示装置の薄型化、低消費電力は望めない。又、電子通信学会技法EID89-103 p15〜22には、紫外線重合化合物が形成する三次元網目構造中に液晶を分散させたポリマーネットワーク型液晶を液晶層に用いることにより、低電圧駆動、優れた急峻性等の利点が得られることが示されている。しかし、その文献はカラー表示の実施については何ら言及していない。
【0003】
【目的】本発明の目的はこのような従来技術の実情に鑑み、液晶パネル裏面からの照明を用いなくても充分なコントラストでカラー表示を行なうことができ、しかも薄型、軽量、低消費電力化が可能なカラー液晶表示装置を提供する点にある。
【0004】
【構成】本発明は、液晶駆動用電極を設けた一対の基板間に液晶を挟持し、前記液晶層が、ポリマーにより形成された三次元網状構造に取り込まれるように、液晶を分散させ、かつポリマー中に色素を添加させたポリマーネットワーク型液晶からなる膜より構成され、前記一対の基板のうち、表示装置の使用者が見る側を表基板、反対側を裏基板とした場合に、裏基板上に液晶層を透過してきた光を吸収させるための構造を設けたことを特徴とする直視型のカラー液晶表示装置に関する。裏基板上に設けられた光を吸収させるための構造としては、(1) 表示面側に設けられたカラーフィルタに対向して、それぞれの色のカラーフィルタを透過する波長の光のみを吸収する材料を設けた構造(2) 透過してきた光の波長にかかわらず可視光を吸収する材料を設けた構造(3) 裏基板自体が透過してきた光の波長にかかわらず可視光を吸収する材料である構造(4) 光透過性の材料で形成された裏基板の外側に、透過してきた光の波長にかかわらず可視光を吸収する材料、あるいは表基板のカラーフィルタに対向してこれを透過してきた波長の光のみを吸収する材料の層を設けた構造(5) 画素電極上に導電性の光を吸収するような材料の層を設けた構造等があるが、いずれの構造においても液晶層を透過した光が表示面側へ戻らないような構造をとっている。前記液晶層を透過して来た光を吸収させるための構造としては、裏基板に設けられたカラーフィルターであることができる。本発明において、液晶層は、マトリックス状の表示画素毎にパターン化され、各パターンのポリマー中には、R、G、Bの色素を各々添加し、裏基板上に設けられた光を吸収させるための構造も前記液晶層の各パターンに対応してパターン化されたシアン、マゼンタ、イエローのカラーフィルターとする。前記液晶駆動用電極は、各画素対応の非線形スイッチング素子により、電圧のON,OFFを行うことが好ましい。また、液晶駆動用電極を設けた一対の基板の少なくとも一方は透明で、かつ可撓性を有するポリマー基板であることが好ましい。
【0005】ポリマーネットワーク型液晶層は、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)15wt%のトルエン溶液に重量比で20:1の割合でネマチック液晶を添加し、撹拌均一化した後駆動用電極上に塗布後加熱し、溶媒を除去することにより、PMMA中に分散した液晶層が作成される。このポリマーネットワーク型液晶に用いられるポリマーとしては、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、シロキサンやエステル系等の高分子液晶(例えば、ポリ4-シアノフェニル-4′-ヘキシルオキシベンゾエートメチルシロキサン、ポリ4-メトキシフェニル-4′-プロピルオキシベンゾエートメチルシロキサン等)、エポキシ樹脂、ポリアミド等の通常の高分子化合物等が例示される。色素としてはアゾ系、アントラキノン系の色素が例示される。液晶粒子含有量は、樹脂/液晶重量比が80/20〜10/90が適当である。色素の含有量は、20wt%程度が適当である。このようなポリマーネットワーク型液晶からなる膜より形成された液晶層の厚さは1〜10μm程度が適当である。ポリマー中に色素を添加する方法は、所謂ポリマーネットワーク中の液晶に二色性色素を添加する方法と同様で、樹脂、溶媒、色素、液晶の混合液を撹拌均一化した後に基板上に塗布、加熱して溶媒を除去して行なう。ここで色素としては樹脂中に溶けやすく液晶に溶けにくい極性の強い色素、たとえば水溶性の色素を選択するのが好ましい。
【0006】図1はポリマーネットワーク型液晶の基本動作原理を示す図である。電極が形成された一対の基板1、2を離間対向配置し、その間に液晶層を設けた構造をしている。図中、4はポリマーネットワーク中に分散している液晶、5は液晶分子、7は入射光を示す。液晶層が電圧無印加時には、液晶分子5は一定方向に配列していないため、入射光7は散乱され基板2に到達する光はごくかぎられる。一方、電圧印加時には液晶分子が光の透過方向に平行に配列するため(液晶が正の誘電異方性を持つ場合)、光は液晶層を透過し基板2に到達する。本発明は、上記ポリマー中に色素9を添加し、基板2を透過してきた光を吸収する構造8を設けることにより、液晶層が電圧無印加時には基板1側から色素の色が認識でき、電圧印加時には液晶層を透過した光が基板2で吸収され、基板1側から見た場合に黒として認識できるようにして、直視型のカラー表示をおこなうことを特徴とする。以下、本発明の直視型のカラー液晶表示装置の具体例を図面に基づき詳細に説明する。図2中1,2は駆動用電極を設けた基板を示し、1は表示面側(入射光側)の基板である。3は液晶層である。図2のように、液晶層3は各表示画素に対応してパターン化され、R、G、Bの色素がそれぞれポリマー中に添加されている。本発明では、電圧無印加状態で液晶層中の色素により基板1側から見た場合に色が認識される。例えば、R、G、Bの色素をそれぞれ含んだ液晶層3−R、3−G、3−Bが全て電圧無印加の場合(図2のa)、基板1側からはR、G、Bの全ての色が認識される。それぞれの表示ドットが充分小さい場合は、白表示として認識できる。この場合の色素の濃度は充分な着色が認められる程度で良い。一方、液晶層3が電圧印加状態にあるときは、R、G、B、それぞれの色素を含んだパターン化された液晶層(3R,3G,3B)を透過してきた入射光6は、それぞれR、G、Bの光として基板2に到達する。ここで、基板2上には、透過してきたそれぞれの光を吸収するような構造8が設けてある。例えば、図3のものはR光に対してはシアン、G光に対してはマゼンタ、B光に対してはイエローのカラーフィルターが基板上に設けられている。図3の使用態様の場合のように、Rの液晶層3RがONで、G、Bの液晶層(3G,3B)がOFF状態にあるときは、Rの液晶層3Rを透過した光は基板2上に設けられたシアン色のフィルターに吸収され、基板1側から見た場合、黒表示となる。一方、G、Bの液晶層3G,3Bでは、基板1側からはそれぞれG、Bの光が認識されるため、全体としては、シアンが認識できる。同様に、GがON、B、RがOFFのときはマゼンタ、BがON、R、GがOFFのときはイエロー、RとGがON、BがOFFのときは青、RとBがON、GがOFFのときは緑、GとBがON、GがOFFのときは赤、R、G、BがすべてONのときは黒表示となる。本発明の構成を用い、文字、図等のカラー表示を行なうためには、R、G、Bの各液晶層パターンを各表示ドット画素として、各ドット画素に対応させて、例えば、基板2上にTFT、MIM等の非線形スイッチング素子を設けてドット画素毎に駆動すればよい。
【0007】
【効果】液晶駆動用電極を設けた一対の基板間に、色素を添加したポリマーネットワーク型あるいはポリマー分散型液晶層を設け、前記基板のうち裏基板上に液晶層を透過してきた光を吸収する構造を設けることにより、黒表示が可能となり、高コントラスト、低消費電力、薄型、軽量な直視型のカラー液晶表示装置が可能となった。液晶層を表示ドット毎にパターン化し、各パターンのポリマー中にR、G、Bの色素をそれぞれ添加し、さらに反射層を配設した基板上に設けた上記の光吸収構造を液晶層パターンに対応させてパターン化し(例えば液晶層のR、G、Bに対応してシアン、マゼンタ、イエローのパターン)、各ドット毎にTFT或いはMIM等の非線形スイッチング素子を設けることにより、文字、図等のカラー表示が可能となる。基板の少なくとも一方を透明で、且つ、可撓性を有するポリマー基板とすることにより、本発明の液晶表示装置をさらに、薄型、軽量とすることができる。
- 【公開番号】特開平5−45632
【公開日】平成5年(1993)2月26日
【発明の名称】直視型カラー液晶表示装置
【発明者】
【氏名】島崎 裕
- 【出願番号】特願平3−233900
【出願日】平成3年(1991)8月21日
【出願人】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】友松 英爾
★当サイトのどのページも全てリンクフリーです、自由にお使いください
※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。
★携帯電話でも特許データを見られます 携帯URL:http://m.tokkyoj.com/md/tk1993-45632.php
【友達に教える】
スポンサード リンク