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動力散布機の散布剤のつき固まり崩壊方法及び崩壊装置
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- 【要約】
【目的】 背負動力散布機10において、散布剤タンク22内全体にわたる散布剤24のつき固まりを、簡単な構成により崩壊させる。
【構成】 適当な個数の衝突体36が散布剤タンク22内の散布剤24に混入され、衝突体36は、エンジンからの伝達振動により振動等の運動を行って、散布剤24に衝突し、散布剤24のつき固まりを崩壊させる。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数個の衝突体(36,36b,36c)を散布剤タンク(22)内の散布剤(24)に混入させ、エンジンからの伝達振動により前記衝突体(36,36b,36c)を前記散布剤(24)内で運動させて、前記散布剤(24)のつき固まりを崩壊させることを特徴とする動力散布機の散布剤のつき固まり崩壊方法。
【請求項2】 エンジンからの伝達振動により運動する複数個の衝突体(36,36b,36c)が動力散布機(10)の散布剤タンク(22)内の散布剤(24)に混入されていることを特徴とする動力散布機の散布剤のつき固まり崩壊装置。
【請求項3】 前記複数個の衝突体(36,36b,36c)は前記散布剤(24)に対する比重が種々存在することを特徴とする請求項2記載の動力散布機の散布剤のつき固まり崩壊装置。
【請求項4】 前記衝突体(36,36b,36c)は、前記エンジンからの伝達振動により振動する種々の長さの針状突起(40)を有していることを特徴とする請求項2又は3記載の動力散布機の散布剤のつき固まり崩壊装置。
【請求項5】 前記衝突体(36c)は、中空部(42)と、この中空部(42)内に変位自在に配設されるボール(44)とを有していることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の動力散布機の散布剤のつき固まり崩壊装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、背負動力散布機等の動力散布機に装備される散布剤タンク内の散布剤のつき固まりを防止する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】背負動力散布機等では、薬剤及び肥料等の粉粒状散布剤が散布剤タンク内でつき固まりの状態となり、散布に支障が生じることがある。実開昭63−77653号公報は、背負動力散布機の散布剤タンクの下部導出口近辺にコイルばねを配設し、エンジンからの伝達振動によりコイルばねを振動させて、散布剤のつき固まりを崩壊させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】実開昭63−77653号公報の装置では、散布剤タンクの下部導出口近辺の散布剤のつき固まりは崩壊させることは可能であるが、散布剤タンクの中央及び上部の散布剤のつき固まりを解消することは困難である。これに対処するために、コイルばねを散布剤タンク内の全体に分布させることは構成を複雑化させる。
【0004】請求項1及び2の発明の目的は、散布剤タンク内全体にわたる散布剤のつき固まりを簡単な構成により崩壊させることができる方法及び装置を提供することである。請求項3の発明の目的は、散布剤のつき固まりの崩壊に寄与する衝突体を散布剤タンク内全体への分布を適切化することができる動力散布機の散布剤のつき固まり崩壊装置を提供することである。請求項4及び5の発明の目的は、衝突体による散布剤のつき固まりの崩壊を効率化することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明を、実施例に対応する図面の符号を使用して説明する。請求項1の動力散布機(10)の散布剤(24)のつき固まり崩壊方法では、複数個の衝突体(36,36b,36c)を散布剤タンク(22)内の散布剤(24)に混入させ、エンジンからの伝達振動により衝突体(36,36b,36c)を散布剤(24)内で運動させて、散布剤(24)のつき固まりを崩壊させることを特徴とする動力散布機の散布剤のつき固まり崩壊方法。
【0006】請求項2の動力散布機(10)の散布剤(24)のつき固まり崩壊装置では、エンジンからの伝達振動により運動する複数個の衝突体(36,36b,36c)が動力散布機(10)の散布剤タンク(22)内の散布剤(24)に混入されている。
【0007】請求項3の動力散布機(10)の散布剤(24)のつき固まり崩壊装置では、複数個の衝突体(36,36b,36c)は散布剤(24)に対する比重が種々存在する。
【0008】請求項4の動力散布機(10)の散布剤(24)のつき固まり崩壊装置では、衝突体(36,36b,36c)は、エンジンからの伝達振動により振動する種々の長さの針状突起(40)を有している。
【0009】請求項5の動力散布機(10)の散布剤(24)のつき固まり崩壊装置では、衝突体(36c)は、中空部(42)と、この中空部(42)内に変位自在に配設されるボール(44)とを有している。
【0010】
【作用】請求項1及び2の発明では、エンジンからの振動が散布剤タンク(22)へ伝達され、散布剤タンク(22)内の散布剤(24)に混入されている衝突体(36,36b,36c)は、その伝達振動を受けて、振動等の運動を行う。衝突体(36,36b,36c)は、散布剤(24)に衝突し、散布剤(24)のつき固まりを崩壊させる。
【0011】請求項3の発明では、衝突体(36,36b,36c)は、エンジンからの伝達振動を受けて、散布剤(24)に対する比重に応じた高さの所へ移動し、その近辺を中心に振動等の運動を行って、散布剤(24)との衝突を繰り返す。
【0012】請求項4の発明では、各衝突体(36,36b,36c)の複数個の針状突起(40)の内、エンジンからの伝達振動の周波数に共振する固有振動数のものが、大きく振動し、散布剤(24)のつき固まり内にひび割れのようなものを形成する。このひび割れは、衝突体(36,36b,36c)を誘導させ、誘導された衝突体(36,36b,36c)の散布剤(24)との衝突により拡大し、すなわち散布剤(24)のつき固まりの崩壊が進む。
【0013】請求項5の発明では、ボール(44)が、エンジンからの伝達振動に伴って衝突体(36c)の中空部(42)内で振動して、中空部(42)の内面に衝突し、衝突体(36c)の運動力を増大させる。
【0014】
【実施例】以下、この発明を図面の実施例について説明する。図1は背負動力散布機10の垂直断面図である。背負動力散布機10は、エンジン(図示せず)により駆動されて加圧空気を生成する羽根車12を備えている。ファンケース14は、内部に羽根車12を収容するとともに、羽根車12の周囲に渦状に延びて径を漸増する加圧空気通路16を形成し、加圧空気通路16はファンケース14の加圧空気出口18へ至っている。曲り管20は、ほぼ直角に曲げられ、上端において水平方向の角度範囲において回転自在に加圧空気出口18に結合している。散布剤タンク22は、蓋34により閉鎖される投入口(図示せず)を上部に有し、ファンケース14の上側に配設され、薬剤及び肥料等の粉状の散布剤24を内部に貯留する。シャッタケース26は上下方向に関してファンケース14と散布剤タンク22との間に介在し、シャッタ28は、シャッタケース26内に配設されるとともに、シャッタケース26に回動自在に軸支され、シャッタレバー(図示せず)により開度を調整されて、散布剤タンク22からの散布剤24の導出量を調整する。シャッタカバー30は、シャッタ28から離れてシャッタ28の上方を覆うように、散布剤タンク22内に配設されている。吐出管32は、加圧空気通路16内の下流範囲に延び、上流及び下流の端部においてそれぞれシャッタ28の下方及び加圧空気出口18の近傍に開口している。衝突体36は、シャッタカバー30の下部へ導入されるのを阻止される程度の大きさを備え、散布剤タンク22内に投入され、散布剤タンク22内の散布剤24の全体にわたって分布している。衝突体36の大きさ及び散布剤24に対する衝突体36の比重は種々となっている。
【0015】図2は図1の衝突体36の拡大斜視図である。衝突体36は、球状本体38と、球状本体38の表面から放射方向へ突出する複数本の針状突起40とを有している。針状突起40は、種々の長さを有し、この結果、固有振動数も種々となっている。
【0016】実施例の作用について説明する。衝突体36は、種々の大きさ及び散布剤24に対する種々の比重のものが用意され、適切な個数の衝突体36が、散布剤タンク22内への散布剤24の投入に先立って、散布剤タンク22内へ予め投入される。背負動力散布機10の運転に伴って、図示していないエンジンからの振動が散布剤タンク22へ伝達され、散布剤タンク22内の衝突体36は、この伝達振動を受けて、振動等の運動を行う。衝突体36は、また、散布剤24に対する比重が種々となっているので、運動に伴って、散布剤24に対する比重に応じた高さの所へ散布剤24内を移動し、その高さを中心に前述の振動等の運動を行う。衝突体36は、運動の際、散布剤24に衝突し、散布剤24のつき固まりを崩壊させる。一方、各衝突体36の複数個の針状突起40の内、エンジンからの伝達振動の周波数に共振する固有振動数のものが、大きく振動し、散布剤24のつき固まり内にひび割れのようなものを形成する。このひび割れは、衝突体36を誘導させるとともに、誘導された衝突体36の散布剤24との衝突により拡大し、すなわち散布剤24のつき固まりの崩壊が進む。
【0017】図3は別の衝突体36bの拡大斜視図である。衝突体36bは図2の衝突体36の代わりに使用される。衝突体36bは、正四面体状本体38bと、正四面体状本体38bの各頂点から突出する種々の長さの針状突起40とを有している。正四面体状本体38bの鋭角的な頂点が散布剤24のつき固まりに衝突することにより、散布剤24のつき固まりの崩壊効率を向上させることができる。
【0018】図4はさらに別の衝突体36cの拡大斜視図である。衝突体36cは図2の衝突体36の代わりに使用される。衝突体36cは、内部に球状中空部42をもつ球状本体38cと、球状中空部42内に移動自在に配設されるボール44と、球状本体38cの表面に適切に分布して突出する種々の長さの針状突起40とを有している。ボール44は、エンジンからの伝達振動に伴って球状本体38cとは別個に球状中空部42内で振動して、球状本体38cの内面に衝突し、衝突体36の運動力を増大させる。
【0019】
【発明の効果】請求項1及び2の発明では、衝突体を散布剤タンク内の散布剤に混入させて、エンジンからの伝達振動により振動等の運動を行わせて、散布剤のつき固まりを崩壊させる。衝突体は散布剤の全体にわたって分布させることが容易であるので、散布剤全体のつき固まりに簡単な構成により対処することができる。
【0020】請求項3の発明では、衝突体の比重は散布剤に対して種々となっているので、衝突体は、エンジンからの伝達振動に伴って、比重に応じた散布剤タンク内の高さへ移動し、その高さにおいて散布剤のつき固まりを崩壊させるので、散布剤全体にわたるつき固まりの崩壊を、より効果的に行うことができる。
【0021】請求項4の発明では、衝突体は、種々の長さ、すなわち種々の固有振動数の針状突起を有し、エンジンからの伝達振動に対して所定の針状突起が共振して、衝突体を誘導するひび割れを散布剤のつき固まり内に形成するので、衝突体による散布剤のつき固まりの崩壊効果を向上させることができる。
【0022】請求項5の発明では、衝突体は中空部内にボールを備え、ボールがエンジンから伝達振動により中空部の内面に衝突して、衝突体の運動力、すなわち衝突力を増大させるので、散布剤のつき固まりの崩壊効果を高めることができる。
- 【公開番号】特開平5−64535
【公開日】平成5年(1993)3月19日
【発明の名称】動力散布機の散布剤のつき固まり崩壊方法及び崩壊装置
- 【出願番号】特願平3−254164
【出願日】平成3年(1991)9月6日
【出願人】
【識別番号】000141174
【氏名又は名称】株式会社丸山製作所
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】石山 博 (外1名)
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