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廃棄物処理用収納体
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- 【要約】
【目的】 使用時、輸送時および保管時などにおいてかさばらず、捕獲したあとの有害動物をきわめて容易に拘束し、かつ覆い隠した状態で廃棄しうる衛生的かつ簡易な廃棄物処理用収納体を提供すること。
【構成】 開口部5を有するシート状基材2と、開口部5に設けられた粘着捕獲シート3と、開口部5における粘着捕獲シート3と反対側にその入口が接続され、全体が扁平状に折り畳まれた袋体4とから構成されている。
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- 【特許請求の範囲】
1 有害動物を落し込むための開口部が形成されたシート状基材と、前記開口部に設けられた粘着捕獲シートと、前記開口部における、前記粘着捕獲シートと反対側の面にその入口が接続され、全体が扁平状に折り畳まれた、有害動物を前記粘着捕獲シートごと収納するための袋体とからなる廃棄物処理用収納体。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は廃棄物処理用収納体に関する。さらに詳しくは、使用時はシート状であり、捕獲した有害動物を廃棄するときはこれを拘束、収納する収納体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来、粘着捕獲型のねずみ捕獲シートがあったが(実開昭51-39079号公報など)、ねずみが捕獲されても、ねずみの死骸が見えたまま捨てなければならず、きわめて不快なものであった。
【0003】またねずみ捕獲シート自体が、ねずみが捕獲されると丸まるものがあったがこのものでも、やはりねずみの体を隠すことはできず、長いねずみのシッポがはみ出していたりして気持のよいものではなかった。一方、粘着捕獲型のものでも不透明基材からなるトンネル式のものがあったが、これはねずみに対して警戒心を起させ、捕獲効果が悪いと共に、前記同様たとえ捕獲されても、体半分やシッポが捕獲器外部にとび出しており、やはり不快感をぬぐいきれず、衛生上も好ましくないという大きな欠点を有していた。
【0004】また捕獲器の一端に収納袋を設けたもの(特公昭41-17609号公報、実開昭53-103876 号公報)も知られているが、これらの捕獲器では袋内でねずみが動くので、処理するときに気味がわるく、ばあいにより袋が喰い破られて逃げられるという致命的な問題がある。
【0005】本発明は前記従来の問題点を一掃することを目的として鋭意研究の結果完成したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の廃棄物処理収納体(以下、単に収納体という)は、有害動物を落し込むための開口部が形成されたシート状基材と、前記開口部に設けられた粘着捕獲シートと、前記開口部における、前記粘着捕獲シートと反対側の面にその入口が接続され、全体が扁平状に折り畳まれた、有害動物を前記粘着捕獲シートごと収納するための袋体とから構成されている。
【0007】
【作用】本発明の収納体は前記のごとく構成されているので、基材上に侵入してきた有害動物を粘着捕獲シートによって粘着捕獲することができる。さらに基材の有害動物落し込み用の開口部が袋体への通路となっているので、捕獲後は基材を上方へそのまま持上げるだけできわめて効果的、衛生的かつ簡単に完全に袋体中に粘着捕獲されたままの有害動物を自動的に納めることができる。したがってなんの不快感もなく廃棄処理が行なえる。
【0008】さらに袋体内へ有害動物を落し込めば粘着捕獲シートの周辺部が袋体の内面に付着するので、有害動物の動きを確実に拘束し、逃がさないという効果がある。すなわち本発明の収納体では、粘着捕獲シートが有害動物の捕獲手段と廃棄時の拘束手段とを兼用するのである。
【0009】本発明において、基材の形態は、シート状であり、かつ有害動物を落しこむための開口部を有するものであればとくに限定はない。
【0010】基材の材質は、紙(耐水紙が好ましい)、合成紙、天然樹脂、合成樹脂などの単独および組合せを例示しうる。
【0011】基材の形状・大きさは、あまり大きくても場所をとるだけであり、コスト的にも無駄が多く、逆に小さすぎると有害動物を捕獲する上での実用性がなくなるので、有害動物の種類により適当に決定すればよい。また、有害動物の種類によってはその性質から、室内などのコーナーを通過することが多いので、矩形状、わん曲状などのコーナーに合致するような形状のものでもよい。
【0012】本発明においては、粘着捕獲シートによる捕獲方式を採用している。そのため安全性、衛生上、コスト的な面で有利である。また本発明を実施する上で、粘着捕獲シートが袋体内で有害動物をその粘着性により、袋体内底面にて固定してしまうので、有害動物は身動きがとれなくなり、袋体を喰いちぎられる心配も著しく少なくなるので有利である。
【0013】前記粘着捕獲シートの粘着剤は通常使用される害獣捕獲に用いられている粘着剤であれば、各種のものを単独あるいは組合せたものなど任意である。ここで害獣とは、ねずみなどのげっ歯類動物、ヘビなどのハ虫類、ハトなどの鳥類、野犬などのイヌ科の動物などをいう。
【0014】前記粘着剤は各種薬剤を併用してもよく、たとえば殺鼠剤、げっ歯類動物および害虫の誘引剤、殺虫剤、殺菌剤、脱臭剤、芳香・消臭剤、ミョウバンなどの防腐剤の少なくとも1種以上をあげうる。
【0015】前記粘着捕獲シートは、基材に形成される開口部を通路として通過しうる大きさの適当なシート状の間接部材に粘着剤を塗布することにより構成してもよい。また基材の一部を容易に分離しうるように形成し、その部分の上面に粘着剤を直接塗布することにより構成することもできる。この分離部は当然捕獲すべき動物よりも大きくしておくことが必要である。そして、この分離部が分離したあとの開口は有害動物が前記分離部と共に通過する前記開口部となる。
【0016】前記間接部材(および分離できる基材の一部)は粘着剤を塗布しうるものであれば、形態的にはシート状、板状、皿状、マット状、網目などを例示できるが、これらのものに限定されない。材質も塗布可能な限り任意である。特許請求の範囲にいう粘着捕獲シートとはそれらに粘着剤を塗布したものをすべて含む概念である。粘着捕獲シートの形状、大きさは、前記基材の形状、大きさに合わせて適宜に決められる。また、折曲げ容易なものや変形自在なものが好ましく、さらに粘着剤の流出や流動を防止するために、シート状や板状のばあいは公知の流動防止手段を用いうる。
【0017】本発明において、袋体の形態は、使用時に扁平にしておけるものであって有害動物が納まる程度のものであればよく、もちろんその種類によって大きさや形状などは異なるが、袋状折畳み式のものなどを例示しうる。材質も、封筒状、袋状、折り畳み式(蛇腹式を含む)としたときに支障のない限り任意である。
【0018】袋体の基材開口部への設け方は、一体もしくは着脱自在に設けられる。このとき、袋体の開口部への取付部は封筒型のゴミ袋状を有するばあいは適当なヒダ状、短冊状、ヒモ状などの余白部分を袋体の上端入口の対向2面を延長部として形成することが必要である。このような特定の袋を用いることにより、形態も簡単で、材料も少なくて済み、輸送時にもかさばらないので有利である。
【0019】また、たとえば正・背面が図6(A) 、底面が図6(B)、左右側面が図6(C) にそれぞれ示すような袋状の袋体20のばあいも前記袋状袋体と同様にヒダ状などの余白部分を設けることが有利である。これら余白部分は袋体の一部に切込みを入れるなどして、袋体の一部が兼ねてもよく、別に設けてもよい。さらに袋体の形態が蛇腹形式のもの、伸縮自在形式のものでは、できるだけかさばらないように、適当な着脱自在なテープ、クリップなどの止着部材により固定しておくのがよい。すなわち前記形式の袋体自体を止めたり、袋体を基材に固定してかさばらないように止めておく。また、袋体の形態、材質により容易に扁平状になるものもあるのでこのような場合は止着部材を要せず、また基材の一部に構造的に止着効果を与えうるような押片を設けるときも止着部材を必要としない。
【0020】
【実施例】つぎに添付図面を参照しながら本発明の収納体を説明する。
【0021】図1は本発明の収納体の一実施例を示す一部切欠斜視図、図2は図1のII−II線断面図、図3〜4はそれぞれ本発明の収納体の他の実施例を示す断面図、図5は図1の収納体を用いて有害動物を捕獲した状態を示す一部切欠正面図、図6(A) 〜(C) はそれぞれ本発明の収納体における袋体の一例を示す正面図、底面図および側面図である。
【0022】図1〜2において1が収納体であり、矩形を呈した平板状の基材2と矩形の粘着捕獲シート3と袋体4とから構成されている。
【0023】基材2の中央部には前記粘着捕獲シート3が通過しうる大きさの矩形の開口部5が形成されている。
【0024】開口部5上に粘着捕獲シート3を設けるときは、図1に示すように、貼着捕獲シート3の両端に舌片6を形成し、一方、基材2の開口部5周縁近辺にスリット7を形成し、前記舌片6をスリット7に挿入して係止しておくこともできる。
【0025】なお、図1においては舌片6とスリット7とからなる係止部が開口部5の対向2辺それぞれの中央部に形成されているがそれに限定されることはない。たとえば粘着捕獲シート3が反転しやすいように中央から一方へずれた位置に設けてもよい。
【0026】袋体4は、図2に示すように基材2の下面に蛇腹状に折り畳まれて備えられている。このばあい、袋体4の入口周縁に形成されたヒダ部8が基材2の下面に接合されている。そしてこの袋体4を引き延ばせば、たとえば図1中の2点鎖線で示すような形状となる。
【0027】なお、ヒダ部8は袋体4の入口周縁の4辺共に形成してもよいが、たとえば対向2辺あるいは3辺に形成してもよい。また、図3に示されるごとく、ヒダ部8を基材2の上面に接合してもよい。
【0028】図4には基材9の片側半分に開口部10が形成され、袋体11が基材9の下面全面に収容されるように仮止めされた収納体12が示されている。この収納体12のばあい、有害動物を袋体11内に落し込んだあと基材9を2つ折りにすればちょうど開口部10が基材9自体で蓋されるようになるので好ましい。
【0029】使用に際し、収納体1、12(以下、1で代表させる)をネズミなど有害動物の通りそうな場所に置いておく。そして、基材2の開口部5上に仮着された粘着捕獲シート3でもって有害動物が粘着捕獲されたとき、基材2をそのまま上方へ持上げるだけで、かの有害動物が粘着捕獲シート3と共に開口部5を通じて袋体4中に落下する。そのあとは、たとえば基材2を2つ折りにして開口部5を閉じれば簡単に有害動物を袋体中に隠ペイでき(図5参照)、このまま収納体1ごと、あるいは袋体4だけを基材2から分離することにより、ゴミ箱などへ廃棄できる。したがって、ネズミなどの有害動物の死骸をみることなく、きわめて衛生的かつ不快な思いをすることなしに行なえる。なお袋体4中では粘着捕獲シート3が、有害動物の体の上におおいかぶさった状態となり、粘着捕獲シート3の粘着剤が、収納体1内面に付着し、有害動物を身動きできなくしてしまう効果をも有するものである。
【0030】なお、図示されてはいないが基材の開口部周囲の部分を広く形成し、折りやすくするためにミシン目などを施した収納体も本発明に含まれる。このものは扁平なシート状のまま使用することもできるが、以下のごとく、本発明の範囲には含まれない立体的な形状に組立てたものとして使用することもできる。すなわち、基材を三角筒や四角筒状に構成し、開口部と粘着捕獲シートを備えた面を底面とする収納体、あるいは、その収納体の内部に有害動物誘引用のえさを取り付けられるものなどである。
【0031】
【発明の効果】本発明の収納体は、使用時、輸送時および保管時などにおいてかさばらず、捕獲したあとの有害動物をきわめて容易に拘束し、かつ覆い隠した状態で廃棄しうるので非常に衛生的であり、扱いやすいという効果を奏する。
- 【公開番号】特開平5−76266
【公開日】平成5年(1993)3月30日
【発明の名称】廃棄物処理用収納体
- 【出願番号】特願平4−60821
【出願日】昭和56年(1981)11月26日
【出願人】
【識別番号】000100539
【氏名又は名称】アース製薬株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外1名)
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