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自動列車停止装置の地上子制御リレー監視装置
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- 【要約】
【目的】 わざわざ地上子の設置場所に行って地上子制御リレーの端子電圧を測定しなくとも、常時、地上子制御リレーの動作状況を監視し、異常の場合にはその原因故障を調査かつ復旧してATS装置の誤動作を未然に防ぐこと。
【構成】 自動列車停止装置において、制御回線5および信号機現示リレーHSlRの動作接点と接続して信号機1の周辺に設置され、制御回線5の電流および信号機現示リレーHSlRの動作接点の開放又は構成条件からそれぞれの条件のときの電流値を求め、この電流値を表示するディスプレイ21を有する第1電流監視部8を具えている。また、第1電流監視部8と伝送端末機24を介して接続して保守区に設置され、前記電流値を表示するディスプレイを有する第2電流監視部23を具えている。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 地上子制御リレーと信号機現示リレーの動作接点とが、信号機と地上子間に布設された制御回線で接続された自動列車停止装置において、前記制御回線および信号機現示リレーの動作接点と接続して信号機の周辺に設置され、制御回線の電流および信号機現示リレーの動作接点の開放又は構成条件からそれぞれの条件のときの電流値を求め、この電流値を表示するディスプレイを有する第1電流監視部と、この第1電流監視部と伝送端末機を介して接続して保守区に設置され、前記電流値を表示するディスプレイを有する第2電流監視部とを具えたことを特徴とする自動列車停止装置の地上子制御リレー監視装置。
【請求項2】 第1電流監視部が、制御回線と順次直列に接続された直流電流検知センサ、A−D変換器、インターフェース、中央処理装置、および信号機現示リレーの動作接点と接続され、かつ前記中央処理装置に接続されたリレー接点入力カプラからなっている請求項1記載の自動列車停止装置の地上子制御リレー監視装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動列車停止装置(以下、ATS装置という)の地上子制御リレー監視装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3において1は信号機、2は地上子、QRは地上子制御リレー、3はその端子電圧、HSlRは信号機現示リレー、また5は制御回線で、電源6、地上子制御リレーQR、信号機現示リレーHSlRの動作接点を接続して信号機1と地上子2間に布設されている。
【0003】地上子2は列車TRが地上子2を通過後、ATS装置により自動的にブレーキが作用して信号機1の手前に停止するまでの距離Lをおいて設置され、地上子制御リレーQRはこの地上子2の位置に設置されている。地上子制御リレーQRは信号機1が停止現示のとき復旧して動作接点を開放し、共振回路を構成してATS装置を動作させる一方、信号機1が停止現示でないとき動作して動作接点を構成し、共振回路を構成しないでATS装置を動作させない。このように地上子制御リレーQRはATS装置の動作の基本となるものであるので、保守員は地上子2の設置場所に行って地上子制御リレーQRの端子電圧3を測定して、該リレーが停止現示でないときに動作しているかどうかを点検する必要があった。すなわち、信号機1が停止現示のとき零ボルト、停止現示でないときは所定ボルトとなるので、所定ボルトでないとき、電源6の故障か、制御回線5の故障かを調査している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のATS装置の場合は前記のように地上子制御リレーQRが正常に動作しているかを点検するために、わざわざ地上子の設置場所まで行って信号機が停止現示でないとき地上子制御リレーQRの端子電圧3を測定しなければならなかった。
【0005】そこでこの発明は、このような問題点を解決し、わざわざ地上子の設置場所に行って地上子制御リレーの端子電圧を測定しなくとも、常時、地上子制御リレーの動作状況を監視し、異常の場合にはその原因故障を調査かつ復旧してATS装置の誤動作を未然に防ぐことができる地上子制御リレー監視装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため、この発明の地上子制御リレー監視装置は、地上子制御リレーと信号機現示リレーの動作接点とが、信号機と地上子間に布設された制御回線で接続された自動列車停止装置において、制御回線および信号機現示リレーの動作接点と接続して信号機の周辺に設置され、制御回線の電流および信号機現示リレーの動作接点の開放又は構成条件からそれぞれの条件のときの電流値を求め、この電流値を表示するディスプレイを有する第1電流監視部と、この第1電流監視部と伝送端末機を介して接続して保守区に設置され、電流値を表示するディスプレイを有する第2電流監視部とを具えている。第1電流監視部は、制御回線と順次直列に接続された直流電流検知センサ、A−D変換器、インターフェース、中央処理装置、および信号機現示リレーの動作接点と接続され、かつ中央処理装置に接続されたリレー接点入力カプラからなっている。
【0007】
【作用】前記構成により、制御回線の電流および信号機現示リレーの動作接点の開放又は構成条件が第1電流監視部に入力され、それぞれの条件のときの電流値が第1電流監視部で求められてディスプレイに表示される。また、前記の電流値はさらに伝送端末機により保守区の第2電流監視部のディスプレイに表示される。したがって、保守員はこの保守区にある第2電流監視部のディスプレイに表示された電流値が、信号機の停止現示のとき、停止現示でないときに設定させている前記条件下の正常電流値と異なるときに、異常であると判断する。このように保守区で地上子制御リレーの動作状態を監視することが可能なため、従来のように判断のために地上子の設置場所にわざわざ行く必要がない。
【0008】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示す。この実施例において図3に示した従来のものと同一の部材には同一符号を引用して説明を省略することとする。
【0009】8は信号機1の周辺に設置された第1電流監視部で、図2に示すようにこの電流監視部8の一方の入力端子10には制御回線5がケーブル11を介して接続され、他方の入力端子12には信号機現示リレーHSlRの動作接点がケーブル13を介して接続されている。第1電流監視部8は入力接点10と順次直列に接続された直流電流検知センサ15、A−D変換器16、インターフェース17、中央処理装置(CPU)18、入力接点12と接続されているとともに、CPU18に接続されたリレー接点入力カプラ20、およびCPU18と接続されたディスプレイ21からなっており、制御回線5の電流および信号機現示リレーHSlRの動作接点の開放又は構成条件からそれぞれの条件のときの電流値を求め、この電流値をディスプレイ21に表示できるようになっている。第1電流監視部8と伝送端末機24は図示しない信号機器具箱内に収納される。
【0010】23は保守区に設置された第2電流監視部で、第1電流監視部8と伝送端末機24、ケーブル25を介して接続されている。第2電流監視部23は図示しないディスプレイを有し、このディスプレイに前記の電流値を表示できるようになっている。
【0011】制御回線5の電流はケーブル11により第1電流監視部8へ入力端子10から入力され、直流電流検知センサ15で検知される。そしてA−D変換器16でデジタル信号に変換された後、インターフェース17を経てCPU18へ送られる。一方、信号現示リレーHSlRの動作接点の開放又は構成条件はケーブル13により第1電流監視部8へ入力端子12から入力され、CPU18へ送られる。CPU18では送られてきた制御回線5の電流と信号現示リレーHSlRの動作接点の開放又は構成条件から、それぞれの条件のときの電流値を演算処理して求める。求められた各条件ごとの電流値はディスプレイ21に表示される。また、この電流値はさらに伝送端末機24を介してケーブル25により保守区の第2電流監視部23のディスプレイに表示される。したがって、保守員はこの保守区にある第2電流監視部23のディスプレイに表示された電流値が信号機1の停止現示のとき、停止現示でないときに設定させている前記条件下の正常電流値と異なるか否かを見て、異なるときは異常であると判断する。すなわち、電流値が正常な値と異なるときは、信号機1が停止現示でないのに地上子制御リレーQRが復旧している、或は停止現示のときなのに地上子制御リレーQRが動作しているので、その原因故障を調査かつ復旧すればよい。この際、信号機1の周辺にある第1電流監視部8のディスプレイ21にも同じ電流値が表示されるので、保守員はここでも電流値の確認をすることができる。
【0012】前記において電流値が正常の値でないとき、異常を知らせる警報を発する警報機を第2電流監視部23に設置してもよく、このような警報機を設けると地上子制御リレーQRの監視がより効果的である。
【0013】図2に示した第1電流監視部8の具体的構成は好ましい一例を示したにすぎず、この発明は実施に際して要旨を変更しない範囲でこの構成を適宜に変更、修正することが可能である。
【0014】
【発明の効果】請求項1の発明は前記のような構成からなるので、保守員は保守区にある第2電流監視部のディスプレイに表示された電流値から地上子制御リレーの動作状態を監視でき、電流値が正常の値でなく、異常であると判断したときに、その原因故障を調査かつ復旧すればよく、従来のように地上子の設置場所にわざわざ行く必要がない。したがって、異常の調査や復旧作業を迅速かつ容易に行え、信号機が停止現示でないのに地上子制御リレーが復旧してATS装置を誤動作させるようなことを未然に防止することができる。請求項2の発明はディスプレイに表示された電流値をディジタル信号で見ることができ、正常、異常の判断がより簡単となる。
- 【公開番号】特開平5−8728
【公開日】平成5年(1993)1月19日
【発明の名称】自動列車停止装置の地上子制御リレー監視装置
- 【出願番号】特願平3−189189
【出願日】平成3年(1991)7月3日
【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
【識別番号】000207470
【氏名又は名称】大同信号株式会社
【識別番号】000144348
【氏名又は名称】株式会社三工社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】佐田 守雄 (外1名)
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