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性フエロモン剤取付け具
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- 【要約】
【目的】 性フェロモン剤を果樹の枝等に簡単に取り付けることができるようにして作業者の負担を軽減し、作業能率を向上させることができるようにした性フェロモン剤取付け具を提供する。
【構成】 バンド2はバンド部4の基部にバンド部4を挿通する穴18を有する頭部5を連設する。バンド部4に係止部6、7を列設する。頭部5に任意の係止部6、7を係止し得る係止爪19、20を一体に設ける。バンド2の頭部5に性フェロモン剤の保持具として性フェロモン剤を収納する容器3を一体に設ける。果樹の枝等の外周でバンド部4を頭部5の穴18に挿通し、係止部6、7を係止爪19、20に係止し、任意のループに形成して取り付ける。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 バンド部、このバンド部の基部に連設され、バンド部挿通用の穴を有する頭部、上記バンド部に形成された係止部、上記頭部に一体に設けられ、上記穴に対する上記バンド部の挿通時に弾性変形して上記係止部の通過を許し、この係止部を抜け止め状態に係止する係止爪を有するバンドと、このバンドに一体に設けられ、性フェロモン剤を保持する保持具とを備えた性フェロモン剤取付け具。
【請求項2】 係止部が帯状に形成されたバンド部の両側扁平面に形成され、係止爪が頭部におけるバンド部挿通用の穴の出口側外端でバンド部の挿通方向に沿うような方向で一対突設されている請求項1記載の性フェロモン剤取付け具。
【請求項3】 保持具が性フェロモン剤を収納する容器であり、バンドの頭部に一体に設けられた請求項1または2記載の性フェロモン剤取付け具。
【請求項4】 容器が本体と、蓋体と、上記本体に上記蓋体を開閉可能に連結するヒンジ部と、上記本体と蓋体に上記ヒンジ部とは反対側で設けられた離脱可能な係止部とを備えた請求項3記載の性フェロモン剤取付け具。
【請求項5】 保持具が抱持枠状に形成されてバンドの頭部に一体に設けられ、性フェロモン剤が充填され、両端が閉塞された微細孔を有する高分子材料から成る筒体、性フェロモン剤を混合した高分子材料により上記性フェロモン剤を放出可能に成形した棒状体、高分子材料により多孔性に成形し、性フェロモン剤を含浸した棒状体のいずれかが圧入されて保持されるように構成された請求項1または2記載の性フェロモン剤取付け具。
【請求項6】 光分解プラスチック、生分解プラスチックのいずれかにより形成された請求項1ないし5のいずれかに記載の性フェロモン剤取付け具。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、性フェロモン剤を果樹の枝等に取り付けるための性フェロモン剤取付け具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、農作物に被害を及ぼす害虫を駆除するには、殺虫剤を散布し、若しくはネットにより被覆するなどの方法が採られている。しかしながら、前者の方法では、害虫ばかりでなく、環境等に悪影響を及ぼす。一方、後者の方法では、設備費が高価であるばかりでなく、作業も面倒である。
【0003】近年、これらの問題を解決するため、虫の交尾期に雌が雄を誘引するために出す性フェロモンが注目されている。この性フェロモンを利用することにより、雄を誘引し、雌の居所がわからないようにかく乱して交尾行動を阻止する。これにより繁殖機会を人為的に制限して次世代の害虫の発生を量的に減らすことができる。
【0004】そして、従来においては、軟質で微細孔による通気可能なプラスチック製の細管に針金を通し、上記細管に虫特有の性フェロモンを人工的に合成した性フェロモン剤を充填し、細管の両端を熱融着等により閉塞している。そして、これを長く形成して農作物の周囲に張ったり、短く形成して果樹の枝等に結んでいる。細管内の性フェロモン剤は細管の微細孔より除々に放出され、上記のように害虫の交尾行動を阻止するが、特定の害虫以外の虫、すなわち、害虫の天敵である虫や、農作物に害を与えない虫に全く影響を及ぼさず、また、農作物に残留して人体に影響を及ぼさないという利点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、性フェロモン剤を充填した細管を針金と共に果樹の枝等に結ぶ作業は手数を要し、作業者に大きな負担を与えるばかりでなく、能率に劣るなどの問題があった。
【0006】本発明は、上記のような従来の問題を解決するものであり、性フェロモン剤を果樹の枝等に簡単に取り付けることができ、したがって、作業者の負担を軽減することができ、しかも、作業能率を向上させることができるようにした性フェロモン剤取付け具を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するための本発明の技術的解決手段は、バンド部、このバンド部の基部に連設され、バンド部挿通用の穴を有する頭部、上記バンド部に形成された係止部、上記頭部に一体に設けられ、上記穴に対する上記バンド部の挿通時に弾性変形して上記係止部の通過を許し、この係止部を抜け止め状態に係止する係止爪を有するバンドと、このバンドに一体に設けられ、性フェロモン剤を保持する保持具とを備えたものである。
【0008】そして、上記係止部を帯状に形成された上記バンド部の両側扁平面に形成し、上記係止爪を上記頭部におけるバンド部挿通用の穴の出口側外端で上記バンド部の挿通方向に沿うような方向で一対突設するのが好ましい。また、上記保持具が容器であり、上記バンドの頭部に一体に設け、この容器は本体と、蓋体と、上記本体に上記蓋体を開閉可能に連結するヒンジ部と、上記本体と蓋体に上記ヒンジ部とは反対側で設けられた離脱可能な係止部とを備えることができる。また、上記保持具を抱持枠状に形成して上記バンドの頭部に一体に設け、性フェロモン剤が充填され、両端が閉塞された微細孔を有する高分子材料から成る筒体、性フェロモン剤を混合した高分子材料により上記性フェロモン剤を放出可能に成形した棒状体、高分子材料により多孔性に成形し、性フェロモン剤を含浸した棒状体のいずれかを圧入して保持するように構成することができる。また、光分解プラスチック、生分解プラスチックのいずれかにより形成するのが好ましい。
【0009】
【作用】したがって、本発明によれば、保持具に性フェロモン剤を保持させ、果樹の枝等の外周でバンド部を先端側から頭部の穴に挿通して引張ることにより、係止部を頭部の係止爪の弾性変形の利用により通過させ、所望のループを形成した後、バンド部の引張力を解放することにより、係止部を係止爪に係止して抜け止めし、性フェロモン剤を果樹の枝等に取り付けることができる。これにより性フェロモン剤を大気中に除々に放出して害虫の交尾行動を阻止することができる。そして、上記のようにバンド部を頭部の穴に挿通して引張るだけの簡単な作業により果樹の枝等に取り付けることができ、結束機により取り付けるようにすれば、その作業は更に簡単となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。まず、本発明の第1の実施例について説明する。図1ないし図8は本発明の第1の実施例における性フェロモン剤取付け具を示し、図1は全体の概略平面図、図2は図1の正面図、図3はバンドの一部破断拡大平面図、図4は図3の中央縦断面図、図5は図3の右側面図、図6は性フェロモン剤を保持する容器の断面図、図7は容器の蓋体を開いた状態の正面図、図8は果樹の枝に取り付けた使用状態の説明図である。
【0011】図1および図2に示すように、本発明の性フェロモン剤取付け具1は、高分子材料によりバンド2と性フェロモン剤の保持具である容器3等から構成されている。
【0012】図1ないし図4、特に、図3および図4から明らかなように、バンド2はバンド部4の基部に頭部5が連設されている。バンド部4は細長い帯状に形成され、両側の扁平面には第1と第2の係止部6と7が長手方向に多数列設され、各係止部6と7は長手方向と直角方向で、バンド部4の扁平面に対して垂直な係止面8を有し、係止面8の外端からバンド部4の先端側に向かって次第に狭くなる傾斜部9を有し、各係止部6、6間および7、7間は短い薄肉部10となっている。バンド部4の長手方向の両側縁は第1と第2の係止部6と7の外端とほぼ同じ高さとなるガイドリブ11と12が形成され、先端部13は薄肉に形成され、かつ先端に至るに従い次第に幅が狭くなるように形成されている。頭部5におけるバンド部4の連設側とこの連設側とは反対側の対向壁14と15は他方の対向壁16と17より低く形成され、これら対向壁14と15、16と17の内側にバンド部4を挿通するための穴18が形成されている。対向壁14と15における穴18の出口側外端で第1と第2の係止爪19と20がバンド部4の挿通方向に沿うような方向で突設されている。各係止爪19、20はこれらを挟む対向壁16と17から分離されて可撓性を有するように形成され、その内側形状は第1と第2の係止部6と7の外形形状に対応するように形成されて先端側の係止部21が穴18を狭めるように形成され、先端外面は内端より外端に至るに従い次第に低くなるようにやや傾斜されている。第1と第2の係止爪19と20を挟む対向壁16と17は第1と第2の係止爪19と20より高く突出するように設定されている。また、第1と第2の係止爪19と20の係止部21の先端の間隔がバンド部4の薄肉部10の肉厚より狭くなるように設定されている。対向壁14、15における穴18の入口側はバンド部4を挿入しやすくするために面取りされている。そして、バンド部4を先端部13側から頭部5の穴18に挿通して引張ることにより、第1と第2の係止部6と7を第1と第2の係止爪19と20の弾性変形の利用により順次通過させ、引張力を解放することにより任意の第1と第2の係止部6と7の係止面8を第1と第2の係止爪19と20の係止部21に抜け止め状態に係止することができ(図4の鎖線参照)、任意の大きさのループを形成することができる(図8参照)。
【0013】図1、図2、図6、図7に示すように、容器3は本体22の一側縁にヒンジ部23を介して蓋体24が開閉可能に連設されている。本体22におけるヒンジ部23とは反対側には係止縁25が突設され、蓋体24におけるヒンジ部23とは反対側には係止突部26が突設されている。係止突部26はフック状に形成され、先端内側には傾斜部が形成され、蓋体24を押圧した際、この傾斜部を利用して係止突部26を係止縁25に対して強制的に通過させ、係止突部26を係止縁25に係止して本体22に対し、蓋体24を閉じることができる。これとは逆に、係止突部26を係止縁25より強制的に離脱させることにより、本体22に対し、蓋体24を開放することができる。この容器3はその本体22におけるヒンジ部23および係止縁25、係止突部26と直角になる側が結合片27によりバンド2の頭部5の壁体15にバンド部4とは反対側に一体に連設されている。
【0014】以上の構成において、以下、その使用要領について説明する。あらかじめ、図7に示すように、容器3の蓋体24を開放した状態で本体22内に対象とする害虫に特有の性フェロモン剤を充填し、上記のように蓋体24を押圧し、図6に示すように、係合突部26を係合縁25に係合し、蓋体24を閉じて性フェロモン剤を保持させる。そして、図8に示すように、果樹の枝Aの外周でバンド部4の先端部13側から頭部5の穴18に挿通して先端部13を引張る。これにより、第1と第2の係止部6と7を第1と第2の係止爪19と20の弾性変形を利用してこれら係止爪19、20を順次通過させることができる。このとき、上記のようにバンド部4の両側長手縁に係止部6、7の突出端とほぼ同じ高さとなるガイドリブ11、12を設けているので、バンド部4を穴18に容易に挿通させることができると共に、各係止部6、7はその傾斜部9により係止爪19、20を容易に通過させることができる。このようにして枝Aを傷つけないように枝Aよりもやや大きいループに形成した後(枝Aに締め付けることも可能である)、バンド部4の引張力を解放することにより、この状態で第1と第2の係止爪19と20を最後に通過した第1と第2の係止部6と7の係止面8を第1と第2の係止爪19と20に係止して抜け止めし(図4の鎖線参照)、枝Aに取り付けることができる。このとき、上記のように各係止爪19、20の係止部21の先端の間隔がバンド部4の薄肉部10の肉厚より狭くなるように設定しているので、第1、第2の係止爪19、20の反撥弾性によりその係止部21を薄肉部10に食い込むように加圧し、各係止部6、7の係止面8に確実に係止して抜け止めすることができる。取付け後、バンド部4における各係止爪19、20の先方突出部は適宜位置で切断すればよい。
【0015】上記取付け作業は手作業で行うこともできるが、結束機を用いて行うことにより作業能率を向上させることができる。そして、上記のように各係止爪19、20を挟む対向壁16、17を各係止爪19、20より高く突出するように設定しているので、結束機により対向壁16、17を規制し、バンド部4を引張ってループを縮小する際、各係止爪19、20を自由に動き得るようにし、また、バンド部4の先方突出部を結束機で切断する際、各係止爪19、20の損傷を防止することができる。
【0016】そして、性フェロモン剤を容器3の微細な隙間から除々に大気中に放出し、これにより害虫の雄を誘引してかく乱し、交尾行動を阻止することができる。
【0017】上記実施例によれば、第1と第2の係止爪19と20を頭部5の対向壁14と15における穴18の出口側外端でバンド部4の挿通方向に沿うような方向(図4においては上方)で一体的に突設しているので、係止爪19、20を肉厚に形成してその強度を向上させることができ、第1と第2の係止部6と7が通過し、また、取付け後、ループを拡大するような力が加わっても、第1と第2の係止爪19と20の切損を防止することができる。したがって、取付けの信頼性を向上させることができる。また、上記のように第1と第2の係止爪19と20を頭部5の対向壁14と15の外端に一体的に突設しているので、頭部5の外形を小さくすることができ、したがって、狭い空間に容易に納めることができる。更に、構造の簡素化を図ることができ、したがって、インジェクション成形しても金型の簡素化を図ることができることは勿論のこと、プレス成型をも可能とし、低コストで提供することができる。また、上記のような構造により成形性が悪くてもポリエチレン、ポリプロピレン等の低コストの材料を用いることができ、また、ガラスファイバ入りの樹脂等の高強度の材料を用いて小型化を図ることができる。
【0018】次に、本発明の第2の実施例について説明する。図9、図10は本発明の第2の実施例における性フェロモン剤取付け具を示し、図9は全体の概略平面図、図10は図9の右側面図である。
【0019】図9、図10に示すように、本実施例においては、バンド2の頭部5の側方に結合片27により容器3が一体に連設されたものであり、その他の構成については上記第1の実施例と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。
【0020】次に、本発明の第3の実施例について説明する。図11は本発明の第3の実施例における性フェロモン剤取付け具を示す一部の概略平面図である。
【0021】図11に示すように、本実施例においては、図1ないし図8に示す上記第1の実施例の性フェロモン剤取付け具1を結合片28により縦方向に多数連続したものであり、その他の構成については第1の実施例と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例における性フェロモン剤取付け具1は、連続方向の縦方向に巻き取り、結束機により結合片28で順次1個ずつ切り離しながら取付け作業を行うのに適する。
【0022】次に、本発明の第4の実施例について説明する。図12は本発明の第4の実施例における性フェロモン剤取付け具を示す一部の概略平面図である。
【0023】図12に示すように、本実施例においては、図9および図10に示す上記第2の実施例の性フェロモン剤取付け具1を結合片28により縦方向に多数連続したものであり、その他の構成については第2の実施例と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例における性フェロモン剤取け具1は、上記第3の実施例と同様に、連続方向の縦方向に巻き取り、結束機により結合片28で順次1個ずつ切り離しながら取付け作業を行うのに適する。
【0024】次に、本発明の第5の実施例について説明する。図13および図14は本発明の第5の実施例における性フェロモン剤取付け具を示し、図13は要部の平面図、図14は図13の正面図である。
【0025】図13、図14に示すように、本実施例においては、バンド2の頭部5の壁15にバンド部4とは反対側に結合片29が突設され、容器3の本体22に結合片30が突設されている。結合片29はその先端が切溝31により二股状に形成され、この二股状部の両外側部に係止部32が形成されている。一方、結合片30の起立部33には係止用穴34が形成されている。そして、結合片29の二股状部がその弾性の利用により結合片30の係止用穴34に強制的に圧入され、係止部32が係止用穴34を通過すると、反撥弾性により拡開して係止用穴34の外縁に係止して抜け止めされ、一体に連設されている。その他の構成については上記第1の実施例と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例のようにバンド2と容器3を別々に成形することにより、容易に成形することができ、コストの低下を図ることができる。
【0026】次に、本発明の第6の実施例について説明する。図15は本発明の第6の実施例における性フェロモン剤取付け具を示す要部の平面図である。
【0027】図15に示すように、本実施例においては、バンド2の頭部5の側方に結合片29を突設し、この結合片29を容器3の結合片30と係止して一体に連設するようにしたものであり、その他の構成については上記第5の実施例と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例においても、上記第5の実施例と同様に、バンド2と容器3を別々に成形することにより、容易に成形することができ、コストの低下を図ることができる。
【0028】次に、本発明の第7の実施例について説明する。図16および図17は本発明の第7の実施例における性フェロモン剤取付け具を示し、図16は一部の概略平面図、図17は図16の右側面図である。
【0029】図16、図17に示すように、本実施例においては、バンド2の頭部5の側方に性フェロモン剤の保持具である抱持枠状部35が一体に連設され、上部の開放部36が弾性に抗して拡開され、若しくは反撥弾性により復元されるように構成されたものであり、その他の構成については上記第1の実施例と同様であるので、同一符号を付してその説明を省略する。本実施例において保持する性フェロモン剤は、その一例として、シリコーン等の微細孔により通気可能な円筒体37に充填され、円筒体37の両端37aが閉塞されて使用される。そして、円筒体37が抱持枠状部35に開放部36より圧入されて保持されるようになっている。円筒体37内には強度を得るため、必要に応じて針金が挿入される。
【0030】図18、図19は図16、図17に示す上記第7の実施例における性フェロモン剤取付け具を示し、図18は一部の概略平面図、図19は図18の右側面図である。
【0031】図18、図19に示す例においては、性フェロモン剤を混合した高分子材料により上記性フェロモン剤が除々に放出可能に成形された棒状体(円柱体)、若しくは高分子材料により多孔性となるように棒状体(円柱体)38に成形され、孔に性フェロモン剤が徐々に放出可能に含浸されたものが使用される。そして、棒状体38が抱持枠状部35に開放部36より圧入されて保持されるようになっている。
【0032】上記各実施例の性フェロモン剤取付け具1を生分解プラスチックにより成形することにより、不要の際、切断してそのまま地面上に放置しても微生物によって分解することができ、また、光分解プラスチックにより成形することにより、不要の時期に至るとそのまま光により分解することができるので、取扱いに便利である。
【0033】なお、バンド部4の係止部は一側扁平面にのみ形成し、頭部5に1個の係止爪を有するタイプでもよく、また、係止爪を頭部5の内部に設けたタイプでもよい。また、バンド部4の係止部は上記各実施例のように列設することなく、1箇所、若しくは複数箇所に形成するようにしてもよい。また、保持具である容器3、抱持枠状部35はバンド部4における頭部5側の基部に一体に設けることもできる。また、容器3は性フェロモン剤を収納した後、シリコーン等の通気性を有する膜により被覆するようにしてもよい。また、容器3に性フェロモン剤をシリコーン等の通気性を有する袋に封入した状態で収納するようにしてもよい。このほか、本発明は、その基本的技術思想を逸脱しない範囲で種々設計変更することができる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、保持具に性フェロモン剤を保持させ、果樹の枝等の外周でバンド部を先端側から頭部の穴に挿通して引張ることにより、係止部を頭部の係止爪の弾性変形の利用により通過させ、所望のループを形成した後、バンド部の引張力を解放することにより、係止部を係止爪に係止して抜け止めし、性フェロモン剤を果樹の枝等に取り付けることができ、これにより性フェロモン剤を大気中に徐々に放出して害虫の交尾行動を阻止することができる。このようにバンド部を頭部の穴に挿通して引張るだけの簡単な作業により果樹の枝等に取り付けることができ、結束機により取り付けるようにすれば、その作業は更に簡単となる。したがって、作業者の負担を軽減することができ、しかも、作業能率を向上させることができる。
【0035】また、係止部を帯状に形成されたバンド部の両側扁平面に形成し、係止爪を頭部におけるバンド部挿通用の穴の出口側外端でバンド部の挿通方向に沿うような方向で一対突設することにより、係止爪を肉厚に形成して強度を向上させ、結束の信頼性を向上させることができる。また、頭部の外形を小さくすることができ、狭い空間に納めることができる。更に、構造の簡素化を図ることができ、低コストで提供することができる。
【0036】また、保持具である性フェロモン剤収納用の容器をバンドの頭部に一体に設けることにより容器が取付け作業の邪魔をするのを防止することができる。この容器は本体に蓋体をヒンジ部により開閉可能に連結し、本体と蓋体をヒンジ部の反対側で係止部により離脱可能に係止することにより、性フェロモン剤の充填作業等を容易に行うことができる。
【0037】また、保持具である抱持枠状部をバンドの頭部に一体に設けることにより抱持枠状部が取付け作業の邪魔をするのを防止することができ、性フェロモン剤が充填され、両端が閉塞された微細孔を有する高分子材料から成る筒体、性フェロモン剤を混合した高分子材料により成形した棒状体、高分子材料により多孔性に成形し、性フェロモン剤を含浸した棒状体のいずれかを抱持枠状部に圧入して保持させるようにすることにより、性フェロモン剤の保持作業を容易に行うことができる。
【0038】また、光分解プラスチック、生分解プラスチックにより形成することにより、不要の際、放置することができるので、取扱いに便利である。
- 【公開番号】特開平5−95751
【公開日】平成5年(1993)4月20日
【発明の名称】性フエロモン剤取付け具
- 【出願番号】特願平3−289223
【出願日】平成3年(1991)10月8日
【出願人】
【識別番号】592026820
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 景介
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