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スパイラルルーパーのスレッディング方法
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- 【要約】
【目的】 スパイラルルーパーにおいて、最初の巻姿を容易に形成すること。
【構成】 スパイラルルーパー10のスレッディング方法において、帯板1の先端材(リーダストリップ2)にスレッディングガイド30を取付け、このスレッディングガイド30を外巻側ロール14に載置し、外巻側ロール14を駆動することにて最初の巻姿を形成するもの。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 帯板ストレージ領域の外周ラインに沿う多数の竪置形アウタガイドロールと内周ラインに沿う多数の竪置形インナガイドロールとを備えるとともに、帯板ストレージ領域の床面のアウタガイドロール寄りに位置する多数の横置形外巻側ロールとインナガイドロール寄りに位置する多数の横置形内巻側ロールとを備え、帯板を内巻部分からスパイラル状に巻き回して下工程へと取出し可能としたスパイラルルーパーのスレッディング方法において、帯板の先端材にスレッディングガイドを取付け、このスレッディングガイドを外巻側ロールに載置し、外巻側ロールを駆動することにて最初の巻姿を形成することを特徴とするスパイラルルーパーのスレッディング方法。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスパイラルルーパーのスレッディング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接鋼管製造ライン等の帯板連続処理ラインで、帯板をストレージするルーパーとして、スパイラルルーパーが知られている。このスパイラルルーパーは、帯板ストレージ領域の外周ラインに沿う多数の竪置形アウタガイドロールと内周ラインに沿う多数の竪置形インナガイドロールとを備えるとともに、帯板ストレージ領域の床面のアウタガイドロール寄りに位置する多数の横置形外巻側ロールとインナガイドロール寄りに位置する多数の横置形内巻側ロールとを備えて構成されている。
【0003】そして、このスパイラルルーパーでは、帯板をアウタガイドロールにてガイドしつつ外巻側ロール状に巻数Noの外巻をストレージし、且つその外巻に連なる帯板をインナガイドロールにてガイドしつつ内巻側ロール上に巻数Niの内巻をストレージし、この帯板を内巻部分からスパイラル状に巻き回して下工程へと取出し可能としている。
【0004】ここで、スパイラルルーパーにあっては、外巻の巻数Noと内巻の巻数Niとの合計値は常に一定とされ、外巻と内巻の周長差がストレージ量となる。
【0005】然るに、スパイラルルーパーの操業時には、最初の帯通しにより、帯板ストレージ領域に必要ストレージ量の外巻か内巻かを作る必要があり、一般的には、図6に示す如く、帯板1の先端に溶接、ボルト締め等にて接続したリーダストリップ2を用いて外巻を作り、その後、該リーダストリップ2の先端をロープ3等で引張って内巻を形成することとしている。
【0006】リーダストリップ2としては、作業性が良いことから狭幅のものが用いられており、その先端をルーパー内にスレッディングする方法として、下記■もしくは■の方法が採用されている。
【0007】■リーダストリップ2の先端を帯板1に溶接して1巻のリングを作り、その後、外巻側ロールを駆動して巻数を増加させていく方法(図7)。
【0008】■リーダストリップ2の先端を板幅方向でテーパ加工し、これを外巻側ロールの駆動によって送り込んでいき、巻姿を得る方法(図8)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術には、下記(1) 、(2) の問題点がある。
(1) 上記■の方法では、溶接が外れて巻姿の形成に長時間を要したり、ルーパー内に作業者が入って修正を施す必要を生ずることがある。
【0010】(2) 上記■の方法ではリーダストリップの腰が弱いため(腰の強いリーダストリップは巻姿形成時に跳ねやすく不適当)に途中で折れたり、ロールに突っ掛かったりして巻姿の形成に長時間を要したり、ルーパー内に作業者が入って修正を施す必要を生ずることがある。
【0011】本発明は、スパイラルルーパーにおいて、最初の巻姿を容易に形成することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、帯板ストレージ領域の外周ラインに沿う多数の竪置形アウタガイドロールと内周ラインに沿う多数の竪置形インナガイドロールとを備えるとともに、帯板ストレージ領域の床面のアウタガイドロール寄りに位置する多数の横置形外巻側ロールとインナガイドロール寄りに位置する多数の横置形内巻側ロールとを備え、帯板を内巻部分からスパイラル状に巻き回して下工程へと取出し可能としたスパイラルルーパーのスレッディング方法において、帯板の先端材にスレッディングガイドを取付け、このスレッディングガイドを外巻側ロールに載置し、外巻側ロールを駆動することにて最初の巻姿を形成するようにしたものである。
【0013】
【作用】帯板の先端材(リーダストリップ、もしくは帯板自身)にスレッデイングガイドを取付け、このスレッディングガイドをルーパー内にてスレッディングすることにより、帯板の先端材はアウタガイドロールや外巻側ロール等に突っ掛かる等がなく、スムースにルーパー内に入り込んでいき、所望の巻姿を安全に効率良く形成できる。
【0014】
【実施例】図1は本発明が適用されるスパイラルルーパーを示す平面図、図2は図1のII-II 線に沿う断面図、図3はスパイラルルーパーによる巻姿を示す模式図、図4はスレッディングガイドの使用状態を示す模式図、図5はスレッディングガイドを示す模式図、図6は巻姿の形成作業状態を示す模式図、図7は従来のスレッディング方法を示す模式図、図8は従来の他のスレッディング方法を示す模式図である。
【0015】スパイラルルーパー10は、図1、図2に示す如く、帯板ストレージ領域11の外周ラインに沿う多数の竪置形アウタガイドロール12と、内周ラインに沿う多数の竪置形インナガイドロール13とを備える。そして、スパイラルルーパー10は、帯板ストレージ領域11の床面のアウタガイドロール12寄りに位置する多数の横置形外巻側ロール14と、インナガイドロール13寄りに位置する多数の横置形内巻側ロール15とを備える。外巻側ロール14はドライブロールであり、インバーター制御される駆動モータ16にて駆動される。内巻側ロール15はアイドルロールである。帯板ストレージ領域11において、外巻側ロール14と内巻側ロール15との境界部にはシュー17が配置されている。また、帯板ストレージ領域11において、隣り合う外巻側ロール14、14の間にはスキューロール18が配置されている。
【0016】尚、スパイラルルーパー10は、その入側に入側ツイストゾーン21を配置しており、水平に搬入されてくる帯板1を鉛直状とし、この鉛直状帯板1をメジャリングロール21Bにて測長しつつ、入側ピンチロール21Cの駆動により帯板ストレージ領域11内に送り込む。
【0017】また、スパイラルルーパー10は、その出側に出側ツイストゾーン22を配置しており、帯板ストレージ領域11から排出されてくる鉛直状帯板1をメジャリングロール22Bにて測長しつつ、90度ツイストさせ水平状として下工程へと搬出する。
【0018】このスパイラルルーパー10では、入側ツイストゾーン21から帯板ストレージ領域11内に送り込まれてくる帯板1をアウタガイドロール12にてガイドしつつ外巻側ロール14上に巻数Noの外巻をストレージし、且つその外巻に連なる帯板1をインナガイドロール13にてガイドしつつ内巻側ロール15上に巻数Niの内巻をストレージし、この帯板1を内巻部分からスパイラル状に巻き回して出側ツイストゾーン22の側に排出する(図3)。
【0019】ここで、スパイラルルーパー10にあっては、外巻の巻数Noと内巻の巻数Niとの合計値は常に一定とされ、外巻と内巻の周長差がストレージ量となる。
【0020】そして、スパイラルルーパー10の操業時には、最初の帯通しにより、帯板ストレージ領域11に必要ストレージ量の外巻か内巻かを作る必要があり、一般的には、前述した如く、帯板1の先端に溶接、ボルト締め等にて接続したリーダストリップ2を用いて外巻を作り、その後、該リーダストリップ2の先端をロープ3等で引張って内巻を形成することとしている。
【0021】然るに、スパイラルルーパー10にあっては、帯板1の先端材としてのリーダストリップ2を帯板ストレージ領域11内にスレッディングする方法として下記(1) 〜(3) を採用している。
【0022】(1) 入側ツイストゾーン21における入側ピンチロール21Cの出側で、リーダストリップ2の先端部に設けてある孔にロープを連結し、このロープを引張ることにて、もしくは、ロープなしでピンチロール及びドライブロール14を駆動することによりリーダストリップ2を帯板ストレージ領域11内に導く。
【0023】(2) リーダストリップ2の先端部にスレッディングガイド30を取付ける(図4)。スレッディングガイド30は、図5に示す如く、全体湾曲状であり、底部30A、両サイド部30B、30C、及び先端閉塞部30Dを有し、両サイド部30B、30Cの間にリーダストリップ2の端部を差込み、サイド部30Bに螺着される固定ねじ31により該リーダストリップ2をサイド部30Cとの間に挟持するようになっている。
【0024】尚、スレッディングガイド30の曲率半径はルーパー外巻径(Do)相当が良く、スレッディングガイド30の長さとしてはルーパー周方向の60度程度(帯板ストレージ領域11の床面上で2本以上の外巻側ロール14に載置し得る範囲)が良い。
【0025】(3) スレッディングガイド30を帯板ストレージ領域11内の外巻側ロール14に載置し、入側ピンチロール21C、外巻側ロール14を駆動することにて、規定ストレージ量の帯板1を巻き込む。ストレージ量はメジャリングロール21Bにて測長される。
【0026】尚、一定量の外巻(最初の有効外巻)形成後、リーダストリップ2の先端に連結してあるロープ3を前述図6の如くに引張って内巻を形成し、更にはこのリーダストリップ2の先端部を出側ツイストゾーン22の側に導く。
【0027】以下、本実施例の作用について説明する。帯板1の先端材(リーダストリップ2、もしくは帯板自身)にスレッデイングガイド30を取付け、このスレッディングガイド30をルーパー10内にてスレッディングすることにより、帯板1の先端材はアウタガイドロール12や外巻側ロール14等に突っ掛かる等がなく、スムースにルーパー10内に入り込んでいき、所望の巻姿を安全に効率良く形成できる。
【0028】表1は鍛接ミル入側に設けたスパイラルルーパー10の仕様と効果を示すものである。表1によれば、本発明方法(リーダストリップにスレッディングガイド30を取付けたもの)により、スレッディング時間は従来方法の 1/4である15分に短縮できることが認められる。
【0029】
【表1】【0030】以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、スレッディングガイドは、リーダストリップを用いない帯板の先端部に取付けられて用いられるものであっても良い。
【0031】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、スパイラルルーパーにおいて、最初の巻姿を容易に形成することができる。
- 【公開番号】特開平7−60348
【公開日】平成7年(1995)3月7日
【発明の名称】スパイラルルーパーのスレッディング方法
- 【出願番号】特願平5−235859
【出願日】平成5年(1993)8月30日
【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】川崎製鉄株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 修治
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