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付着間紙の除去装置
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- 【要約】
【目的】板面に「すり疵」等の欠陥を生じさせず、かつ検出精度の優れた金属帯板の付着間紙除去装置の提供を目的とする。
【構成】金属板面を押えるロールと、該ロールとの間に金属帯板をはさんで一対をなし、かつ金属帯板から一定距離を保持可能にした付着間紙の検出手段を設け、検出された間紙をガス吹きで剥離する手段及び剥離された間紙をライン外に除去する手段を備えている。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 帯板処理ライン上を移動する帯板に付着している間紙を検出、除去する装置において、帯板をはさんで押えロールに対向し、かつ帯板との間隔を一定に保持する付着間紙検出手段と、検出された該間紙をガス吹きで帯板から剥離する付着間紙剥離手段と、帯板から剥離した該間紙をライン外へ排除する手段とを備えたことを特徴とする付着間紙の除去装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工程の途中で間紙を使用しているステンレス冷延鋼板等帯板を、その後の処理設備の入側で、付着した不要な間紙を帯板から除去するのに好適な、付着間紙の除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板等の鋼帯を製造工程の途中で巻き取るときには、鋼板同志のずれによって発生する「すり疵」を防止するために、間紙(クラフト紙、中性紙等からなる)を鋼板の間に挿入することが一般に行われている。この間紙は、次の処理工程で不要なので、鋼帯を次工程入側で通板する時に回収される。その際、間紙が正常に回収されれば問題ないが、破断あるいは2枚挿入(前工程で鋼帯巻取り中に間紙が不足し、他の間紙供給装置から間紙が供給されて、間紙が二重になる)が生じた場合、間紙の一部は未回収のままに後の処理設備内に入る恐れがある。図2に、ステンレス鋼帯の処理設備をフロ−で示す。間紙が鋼板に付着したまま処理設備内にはいってしまうと、該間紙は例えば溶接機周辺で燃えたり、ロール等に巻付いたりして鋼帯に製品品質上の不具合を生じさせる恐れがある。
【0003】従って、前記のような未回収の間紙は鋼帯30に付着して処理設備内に入る前に、即ち図2で溶接機12と巻き出し機11の間で、見つけだして除去する必要がある。従来、このような付着間紙は人が監視することが一般に行われていたが、作業の効率化や作業環境の改善の見地から、検出機器により検出することが要請されている。このため、付着間紙を検出する技術として、特開平4−130295において、付着間紙を光学的に検出する方法が提案された。この検出方法は、帯板の色を光学的に検出し、検出色と基準色の色差に基づき、間紙の存在を検出するものである。
【0004】しかしながら、従来技術では、間紙の色によっては、帯板との色差がとれず、間紙を検出しきれないことがある。例えば、油を十分に吸い込んだ茶色系の間紙は、帯板との色差がとれない。この問題を解決する技術として、特願平4−341004は、上記帯板の色成分を光学的に検出し、検出光の色成分間の比率に基づき、上記間紙の存在を検出する方法を提案し、検出精度の向上を図っている。この検出装置は、帯板の色成分(赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色成分)を光学的に検出し、検出光の色成分間の比率(例えばR/B)と基準色の同一色成分間の比率(R/B)に基づき、帯板に付着している間紙の存在を検出するものである(検出原理は省略)。さらに、特願平4−341004は、上記付着間紙検出装置が間紙を検出した場合に、該間紙を帯板から除去する装置も開示した。この間紙除去装置は、図3に示す如く、上流側に設けられた付着間紙検出器により間紙が検出された場合に、該間紙を帯板から除去するための、ロール周面にブラシが固定されていて回動、且つ上下動可能なブラシロールと、除去された間紙を空気等の気体を吹付けることによってライン外へ排除するためのエアノズルとを有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特願平4−341004に記載の付着間紙検出器は、まず帯板の先端部でその帯板の色を読み込み、通板中の帯板上に間紙が付着しているかどうかを検出するが、前記読み込みに際し帯板の形状やパスライン変動等が外乱として働くので、数十回サンプリングし、平均値を基準色の代表値としているか、過検出、未検出等の誤動作が多くセンサとしての信頼性がない。また、ブラシ式の間紙除去装置は、除去した間紙を取り除くのに時間が掛るので、ライン稼動率の低下等も考えられる。ブラシの毛が硬すぎると帯板の表面にキズが入り、品質不良となる。一方、ブラシの毛が柔らか過ぎると、付着した間紙が除去できない等の問題がある。本発明は、上記問題を解決し、帯板処理ラインで付着間紙を確実に検出、除去する装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、帯板処理ラインの帯板に付着している間紙を除去する装置において、帯板をはさんで押えロールに対向し、かつ帯板との間隔を一定に保持する付着間紙検出器と、検出された該間紙をガス吹きで帯板から除去する付着間紙剥離手段と、帯板から除去した該間紙をライン外へ排除する手段とを備えたことを特徴とする付着間紙の除去装置である。この場合、付着間紙検出器としては、特願平4−341004記載のものが好ましいが、それ以前から使用されているものでもよい。また、非接触の剥離手段や吹き飛ばし除去の手段としては、通常エアブローをもちいるが、雰囲気が重要な場合には非酸化性ガスを用いてもよい。
【0007】
【作用】本発明では、付着間紙検出器を帯板を挟んでその押えロールに対向させて配設し、鋼帯との間隔を一定に保たせ、押えロールは軽圧下するようにしたので、鋼帯の形状の影響を受けず、ライン変動による外乱が作用しないようになり、検出精度が向上する。また、付着間紙の鋼帯からの剥離をガス吹きにしたので、鋼帯の疵発生が防止できる。
【0008】さらには、剥離した間紙をライン外へ吹き飛ばすようにしたので、オペレ−タの人力による間紙除去作業が不要となる。以下、本発明に係る装置の内容を、図1に基づき説明する。まず、間紙検出器1は帯板30を挟んで、押えロールと対をなし、押えロール3、検出器1はそれぞれが鋼板に対し軽圧下できるよう昇降可能にするシリンダ7を取付けてある。さらに、検出器1は帯板の両面に作用するように配置されて、「検出もれ」を防止している。付着間紙の存在が確認された場合には、エアノズル5によって、帯板30から間紙を剥離する。その際、エア圧とノズル先端の方向が剥離作用の効果に重大な影響をもたらし、ブロア9と吹き飛ばし用ノズル8により、ライン外へと間紙を除去するのである。なお、剥離は非接触であることが重要なのでガスブローとするが、ライン外への除去手段は機械的なものでも利用できる場合がある。
【0009】
【実施例】本発明に係る装置を用いたステンレス冷延鋼板の製造設備においての1実施例について説明する。まず、ラインスピード60m/minで鋼帯を巻出し装置よりおくり出し、間紙検出器下を通板させた。その際、鋼帯と検出器間の間隔は当初40mmにセットされ、外乱が生じた都度に適宜調整した。但し、その調整は、鋼帯面の平滑度を維持する程度に軽圧下する押しロールを対にして配設してあるため、5mm以内であった。
【0010】検出された付着間紙は間紙剥離用ノズルから1kg/cm2 のエアを吹きつけて剥離し、さらに、間紙吹き飛用ノズルからのエアブローによって、完全にライン外に除去することができた。その際、剥離用ノズルは鋼板面の垂直方向から30度傾けられて使用した。この角度は間紙の鋼板への付着程度および間紙の寸法等に依存するが、本実施例では途中での角度調整は不要であった。将来、場合によっては自動角度調整の機構を加えてもよいが、現在は10度から85度の範囲でほとんど問題なく、実施ができた。なお、本発明に係る付着間紙の除去装置は必ずしも鋼帯に適用が限られず、銅、亜鉛、アルミ等の金属帯でもよい。
【0011】
【発明の効果】本発明に係る装置を用いると、間紙巻き込みトラブルが従来に比較して、90%程度減少し、すり疵はなくなった。また、オペレータも従来度々起きた間紙がブラシに巻き付くトラブルがなくなったので、他の作業に専念できるようになり、操業が一段と安定すると共に、作業の安全性が向上した。さらに、焼鈍炉で付着間紙が燃え、鋼板表面上に油焼付模様等の品質不良が発生することもなく、火災事故の予防にもなる。
- 【公開番号】特開平7−68317
【公開日】平成7年(1995)3月14日
【発明の名称】付着間紙の除去装置
- 【出願番号】特願平5−155214
【出願日】平成5年(1993)6月25日
【出願人】
【識別番号】000001258
【氏名又は名称】川崎製鉄株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 佳男 (外2名)
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