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締付けバンド
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- 【要約】
【目的】 取付けた際の被締付け体の締付けは従来と同様に良好になし得て、かつ締付け後における被締付け体の老化あるいはクリ−プ変形などに対して対応し得る締付けバンドを提供する。
【構成】 被締付け体の外周に巻付けてクランプする締付けバンドである。両端部を重ね合せ可能な輪状にされた帯板の長手方向の一端部側には外方へ折曲げた第1操作片及び係合手段が設けられている。また、長手方向の他端部側には前記係合手段と係合する係止手段及びこの端部の長手方向内方において外方へ折曲げた第2操作片が設けられている。帯板にはクランプした際に縮み方向へ作用するばね部が形成されてなる。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 両端部を重ね合せ可能な輪状にされた帯板の長手方向の一端部側には外方へ折曲げた第1操作片及び係合手段が設けられ、また、長手方向の他端部側には前記係合手段と係合する係止手段及びこの端部の長手方向内方において外方へ折曲げた第2操作片が設けられてなり、被締付け体の外周に巻付けてクランプする締付けバンドであって、前記帯板にはクランプした際に縮み方向へ作用するばね部が形成されてなることを特徴とした締付けバンド。
【請求項2】 ばね部が帯板の一部を折曲げて外方へ形成した構造よりなることを特徴とした請求項1記載の締付けバンド。
【請求項3】 ばね部が、第1操作片、及び係合手段とともにばね材にて別部品として形成され、この別部品を非ばね材の帯板に取付けてなることを特徴とした請求項1記載の締付けバンド。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえばホ−スとパイプの接続部、あるいは継手のブ−ツ等の接続部分の被締付け体を締付けるための締付けバンドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホ−スとパイプの接続部に取付けて、ホ−スをパイプに締付けるホ−スバンドとしては、図15に示す構造のホ−スバンド100 が知られている。すなわち、この従来のホ−スバンド100 は図15に示すように、金属の帯板101 の一端部101Aに締付け部102 が設けられてなり、パイプとホ−スの接続部分に配置し、ホ−スを囲むように、帯板101 の他端部101Bを締付け部102 に挿通して輪状のクランプ部104 を形成する。そして、締付け部102 の締めネジ103 を締付けることにより、挿通側の帯板101 端部101Bの横溝105 に締めネジ103 のネジ山103Aが螺合してクランプ部104 を縮径してホ−スを締付けるように形成されている。
【0003】また、自在継手にブ−ツを固定する際に用いられる従来の締付けバンドとしては、図16に示す構造の固定バンド200 が知られている。この固定バンド200 は帯板201 の両端部201A,201Bを外方に向けて合せ、かつ外方へ突出させた状態の湾曲部材202 の基部を、共にカシメ部203 にてカシメてなる輪状に形成され、かつ湾曲部材202 側の近傍には湾曲部材202 の止め片204 が設けられているものである。図17に示すように、従動軸シャフト側の外輪部205 に装着したブ−ツ206 の装着側には固定バンド200 が挿入され、湾曲部材202 を図16の矢印方向へ折り曲げて、図17に示すように輪状部分の外面に重ね、輪状部分を小径に絞ってブ−ツ206 の装着部206Aを圧着固定するとともに、止め片204 を折り曲げて湾曲部材202 を固定することを特徴としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記した従来のホ−スバンド100 は、クランプしたホ−スが老化したり、熱によりクリ−プ変形した場合、帯板101 の輪が締付け部102 にて固定されているため、締付け力が低下し、ホ−スのシ−ル性が低下する問題があった。また、前記した従来の締付け用の固定バンド200 においても締付け時の固定バンド200 の径状態が保持されるため、クランプ後のブ−ツ206 の老化やクリ−プ変形に対応ができない不都合があった。
【0005】そこで本発明の課題は、従来のホ−スバンド100 及び締付け用の固定バンド200 の不都合な点を解決しようとしたものであって、取付けた際の被締付け体の締付けは従来と同様に良好になし得て、かつ締付け後における被締付け体の老化あるいはクリ−プ変形などに対して対応し得る締付けバンドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決するために、請求項1の発明は、両端部を重ね合せ可能な輪状にされた帯板の長手方向の一端部側には外方へ折曲げた第1操作片及び係合手段が設けられ、また、長手方向の他端部側には前記係合手段と係合する係止手段及びこの端部の長手方向内方において外方へ折曲げた第2操作片が設けられてなり、被締付け体の外周に巻付けてクランプする締付けバンドであって、前記帯板にはクランプした際に縮み方向へ作用するばね部が形成されてなることを特徴とする。
【0007】前記課題を解決するために、請求項2の発明は、請求項1記載の締付けバンドにおいて、ばね部が帯板の一部を折曲げて外方へ形成した構造よりなることを特徴とする。
【0008】前記課題を解決するための請求項3の発明は、請求項1記載の締付けバンドにおいて、ばね部が、第1操作片、及び係合手段とともにばね材にて別部品として形成され、この別部品を非ばね材の帯板に取付けてなることを特徴とする。
【0009】
【作用】請求項1の締付けバンドは、被締付け体を輪状の帯板にてクランプする。クランプ状態におけるばね部は引張り状態にあり、被締付け体が老化、クリ−プ変形した際、ばね部は縮み方向へ作用しクランプ部の径を縮小させる。
【0010】請求項2の締付けバンドは、被締付け体のクランプ状態においてばね部が引張り状態にあり、請求項1と同様に、被締付け体が老化、クリ−プ変形した場合、ばね部が縮み方向へ作用する。
【0011】請求項3の締付けバンドは、ばね部がばね材にて形成されたことより被締付け体が老化、クリ−プ変形した場合、縮み方向へ有効に作用する。
【0012】
【実施例】次に、本発明の第1の実施例を図1〜図6に基づいて説明する。図1は本例の締付けバンド1(なお、本例はホ−スとパイプの接続部に適用してホ−スとパイプに締付けるため、一般には、ホ−スバンドとも云われる。)の構造を示す。この締付けバンド1は帯板を加工して両端が対向する輪状に形成され、ホ−スHなど被締付け体のクランプに適した形状をなす。
【0013】本例の締付けバンド1は、図3に示すように、輪状のほとんどを占める本体2の一端部3側に、別部品である接続部材12の一端部16を、図3の破線位置をカシメ部あるいはスポット溶接部18として取付けて形成されている(この取付け状態は図1参照)。前記接続部材12の外端には外方へ折曲げた第1操作片13が設けられ、この接続部材12の長手方向の内方には、貫孔よりなる係合孔14が設けられかつ係合孔14より、さらに内方には外方へコ字状に折曲げ形成したばね部15が設けられている。接続部材12は金属のばね材にて形成されコ字状のばね部15の両端を開くように引っ張った場合は、元の形状に戻る強いばね力を発揮する。
【0014】前記本体2の端部、すなわち、第1操作片13に対向する端部側はばね部15の下方を被うための重ね部4とされ、この内方には所定間隔で複数の係止爪5が切起し形成されている。この各係止爪5は前記した接続部材12の係合孔14に係合可能とされている。本例の係止爪5よりさらに内方位置には、折曲げ形成により外方へ突出する第2操作片6が形成されている。本例2は金属の非ばね材にて形成されている。なお、本例2及び接続部材12を接続した締付けバンド1は、予じめ被締付け体であるホ−スHの外径より大き目の輪状に成形されている。締付けバンド1は第1操作片13と第2操作片6を治具(図示せず)にて接近させ、係合孔14に係止爪5の一つを係合させることにより、図2の形状となし得て、被締付け体を締付け得る。なお、締付けバンド1の締付けに際しては、複数の係止爪5のうちの適当位置の一係止爪5が係合孔14に係合される。
【0015】しかして、図1の状態の締め付けバンド1にてホ−スHを締付ける場合は、従来と同様に、たとえば接続するホ−スH側に締付けバンド1を挿通させた後、パイプP端部の外周にホ−スHを挿着してホ−スHの挿着部分(接続部)HAに締付けバンド1を配置して締付ける。すなわち、図1において、第2操作片6側の重ね部4の上に、第1操作片13を重ね、第1操作片13及び第2操作片6を工具にて近ずけて締付けバンド1の輪を小径とし、締付け状態の良好となる位置の係止爪5を係合孔14に挿入させることにより、図5及び図6の如く、締付けが終了する。締付け時においては、ばね部15は引張り付勢された状態にあり、かつ締付けバンド1の小径の輪状部によってホ−スHの外周が締付け保持される。輪状部は係合孔14に係止爪5が挿入されていることにより、外れることなく締付けた輪形状が保持される。ばね部15下方の凹状部分は重ね部4が被っており、ホ−スHの外周は均等に締付けられる。
【0016】この締付け状態においてホ−スHの接続部HAに熱が加わったり、あるいはホ−スHの材質が老化した場合は、図6の仮想線Kに示すように、接続部HAの肉厚が減少するため、係合状態の締付けバンド1の締付け力は低下する。締付けバンド1の両端部側は係合孔14と係止爪5により係合されているため、締付け後におけるさらなる締付けはできないが、ばね部15は初めの締付け操作時において引張り状態とされ、元の形状に戻るばね作用を有しているため、締付け後におけるホ−スHの肉厚が減少した場合はばね部15の縮み方向へのばね作用(図6の矢印方向参照)により輪状部が自動的に縮径される。したがって、締付け後におけるホ−ス肉厚の減少に対応し、接続部HAの締付け力を維持することができる。
【0017】本例のばね部15はばね材よりなるため、ホ−スHの肉厚減少に対して縮み方向へ積極的に作用し、ホ−スHの締付け部HAの締付けを長期に亘り良好に維持することができる。
【0018】次に、本発明の第2の実施例を図7〜図11に基づいて説明する。前記した実施例の締付けバンド1はばね部15を設けたばね材よりなる別部品(接続部材12)を、非ばね材の本体2に取付けた構造としたが、本例の締付けバンド21は、図7に示すように、剛性の帯板より一体形成した構造よりなる。
【0019】すなわち、この締付けバンド21は図9(イ)(ロ)に示すように、ステンレスなどの帯板より加工して、図7に示すように両端が対向する輪状に形成されている。図7において、帯板よりなる本体22の右方の一端には外方へ折曲げた、第1操作片33が設けられ、この端部の長手方向の内方には、貫孔よりなる係合孔34が設けられかつ係合孔34より、さらに内方には外方へ略コ字状に折曲げ形成したばね部35が設けられている。本例のばね部35の形状は図7、図8(イ)及び図9(ロ)に示すように外方へ突出したコ字状の外側面が内方へ凹曲面に曲げ形成されていて、ばね部35の両端を開くように引っ張った場合における、元の形状に戻るばね性を強めてある。なお、ばね部35はこのコ字形に限るものではなく、図11(イ)(ロ)に示すばね部45のように、外方へ突出した円弧状とすることもできるし、クランプした際に縮み方向へ作用する適宜形状を採用し得る。
【0020】また、図7において、本体22の左方の他端部、すなわち第1操作片33に対向する端部側はばね部35の下方を被うための重ね部24とされ、この内方には所定間隔で複数の係止爪25が切起し形成されている。この各係止爪25は前記した他端側の係合孔34に係合可能とされている。係止爪25よりさらに内方位置には、折曲げ形成により外方へ突出する第2操作片26が形成されている。締付けバンド21は予じめ、被締付け体の外径より少し大きい輪状に成形されている。
【0021】締付けバンド21は第1操作片33と第2操作片26を治具(図示せず)にて接近させ、適当位置の係止爪25の一つを係合孔34に係合させることにより、被締付け体を締付け得る。
【0022】しかして、図7の状態の締め付けバンド21にてホ−スH1を締付ける場合は、前記した第1の実施例と同様になし得る。すなわち、第2操作片26側の重ね部24の上に、第1操作片33を重ね、第1操作片33及び第2操作片26を工具にて近ずけて締付けバンド21の輪を小径とし締付け状態の良好となる位置の係止爪25を係合孔34に係合させることにより締付けが終了する(図10参照)。そして締付け時においては、ばね部35は引張り付勢された状態とされ、かつ締付けバンド21の小径の本例22によってホ−スH1の外周が締付け保持される。
【0023】この締付け状態においてパイプP1とホ−スH1の接続部HA1 に熱が加わったり、あるいはホ−スH1の材質が老化した場合は、図10の仮想線K1に示すように、接続部HA1 の肉厚が減少するため、係合状態の締付バンド21の締付け力は低下する。締付けバンド21の両端部側は係合孔34と係止爪25により係合されているため、締付け後におけるさらなる締付けはできないが、ばね部35は初めの締付け操作時において引張り状態とされ、元の形状に戻るばね作用を有しているため、締付け後におけるホ−スH1の肉厚が減少した場合は、ばね部35の縮み方向へのばね作用(図10の矢印方向参照)により輪状部が自動的に縮径される。したがって、締付け後におけるホ−ス肉厚の減少に対応し、接続部HA1 の締付け力を維持することができる。
【0024】前記した第1及び第2の実施例ではパイプP,P1とホ−スH,H1の接続部HA,HA1に締付けバンド1,21を使用したが、本発明の締付けバンドは各種の部材を被うブ−ツ(カバ−)止め用、あるいは束ワイヤ−の止め具など、広範囲に適用することができる。前記した第1,第2の実施例においては両端を輪状に固定する手段として、係合孔と係止爪とを用いたが、係合孔及び係止爪は前記した両実施例のものに限るものではなく、相互に係合固定し得る適宜な係合手段と係止手段となし得る。ばね部の凹状部分を被う重ね部は締付け性の良化のためには必要であるが、被締付け体の締付けがラフでもよい場合には省略することができる。
【0025】前記した第1実施例の締付けバンド1は、ホ−スHを締付ける場合に、対向(あるいは当接)する、重ね部4の先端及び本体2のスポット溶接部18側の端部3を各々周方向に対して直角に切断した端部形状(図1,図2参照)としたが、この端部3,4の形状は図12(イ)(ロ)に示すように周方向に対して斜めに切断し(なお図12(イ)の仮想線Lは周方向に対する直角方向を示す。)かつ相互に当接可能な斜め形状としたものである。この斜め形状とした場合は両端部3,4間に隙間が生じた際におけるホ−スHの締付け性の良化をはかることができる。また、端部3,4の形状は図12(ハ)に示すように、相互に当接可能なV形状、あるいは波形状(図示せず)としてホ−スHの締付け性の良化をはかることもできる。
【0026】前記した第1,第2の実施例の締付けバンド1,21における第2操作片6,26は、帯状の本体2,22を折曲げて形成したが、この第2操作片6,26はこの形状のものに限定するものではなく、図13(イ)に示すように、本体2の所定部位を切起した切起し片6Aあるいは図13(ロ)に示すように本体2の一部に切込みを入れて外方へ突出させた突出片6Bとして構成することができる。
【0027】前記した第1,第2の実施例の締付けバンド1,21は、締付け時における重ね部4,24と第1操作片13,33側の帯状部分との横ずれを防ぐ手段を設けてないが、前記締付けバンド1,21には、図14(イ)(ロ)に示すように、重ね部4,24と第1操作片13,33側の帯状部分との横ずれを防ぐ横ずれ防止片50A ,50B を設けたものとすることができる。なお、図14(イ)は重ね部4の後方部位の本体2の両側に横ずれ防止片50A を設けた例であり、図14(ロ)は第1操作片33とばね部35間の帯状部分の両側に横ずれ防止片50B を設けた例である。
【0028】
【発明の効果】請求項1の締付けバンドは被締付け体の外周を、ばね部を設けた帯板にてクランプするため、被締付け体の締付けは従来と同様に良好になし得る。そして請求項1の締付けバンドは縮み方向へ作用するばね部を設けた帯板にてクランプさせるため、締付け後において被締付け体の老化あるいはクリ−プ変形などの縮径変化が生じた際は、ばね部の作用によって被締付け体の縮径変化に応じた締付けを行なうことができる。請求項2の締付けバンド及び請求項3の締付けバンドにおいても、被締付け体の外周を、縮み方向に作用するばね部を有する帯板にてクランプさせるため、前記した請求項1の締付けバンドと同様の効果を有する。
- 【公開番号】特開平9−14550
【公開日】平成9年(1997)1月17日
【発明の名称】締付けバンド
【発明者】
【氏名】杉村 寛和
- 【出願番号】特願平7−165949
【出願日】平成7年(1995)6月30日
【出願人】
【識別番号】000151597
【氏名又は名称】株式会社東郷製作所
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 英彦 (外1名)
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