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真空弁
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- 【要約】
【目的】 コンパクトな装置構成により、真空下水管に吸込まれる空気と汚水の気液比を適正化し、汚水の吸引と搬送の安定を図ること。
【構成】 真空弁15において、タンク11の液位上昇を空気圧に変換してコントローラ部27の液位検知ダイヤフラム60に加える液位検知管A(37)を有するとともに、液位検知管Aと並列のもう一つの液位検知管B(201)を有し、液位検知管Aとコントローラ部27との連通路の途中に逆止弁202を設け、この逆止弁202とコントローラ部27との連通路に液位検知管Bを接続したもの。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 タンクに連通する吸込み管と真空源に連通する真空下水管との間の連絡部を開閉可能とし、上記連絡部を開閉する弁体と、弁体と連結されているプランジャを収容する弁作動室と、弁作動室に内蔵されて弁体に閉じ力を付与する閉じ力付与手段と、弁作動室に真空圧を付与して弁体に開き力を付与するコントローラ部とを有して構成される真空弁において、前記コントローラ部が、弁作動室に真空通路と大気通路とを切換接続可能とする3方弁と、タンクの液位に応答して作動する液位検知ダイヤフラムと、3方弁が真空通路を弁作動室に接続するように3方弁に真空力を付与せしめる圧力制御室と、圧力制御室内に配設されて該圧力制御室に真空力を導入可能とする検知スイッチと、液位検知ダイヤフラムにより直接駆動されるとともに、圧力制御室内に挿通されて検知スイッチをオン/オフするプランジャとを有してなり、タンクの液位上昇を空気圧に変換してコントローラ部の液位検知ダイヤフラムに加える液位検知管Aを有するとともに、液位検知管Aと並列のもう一つの液位検知管Bを有し、液位検知管Aとコントローラ部との連通路の途中に逆止弁を設け、液位検知管Aからコントローラ部への空気導通は可能とし、この逆止弁とコントローラ部との連通路に液位検知管Bを接続し、液位検知管Bの管端位置を液位検知管Aの管端位置より低く設定してなることを特徴とする真空弁。
【請求項2】 前記液位検知管Aの管端に細径の空気管を挿入固定し、空気管の下方管端は液位検知管Bの管端よりも上に設定し、空気管の上方管端は液位検知管A内の蓄積汚水よりも上になるように設定してなる請求項1記載の真空弁。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空式下水道システム等に用いて好適な真空弁に関する。
【0002】
【従来の技術】真空式下水道は、特開平3-43527 号公報に記載される如く、家庭や工場等から排出される汚水を自然流下式の汚水流入管から真空弁ユニットの汚水タンクに流入せしめ、汚水タンクに溜った汚水を真空下水管によって集水タンクに集め、その後圧送ポンプによって下水処理場等に送る。
【0003】汚水タンクには真空弁が設置され、汚水タンクの底部から立ちあげられている吸込管と、真空源に連通している真空下水管との間の連絡部をこの真空弁によって開閉可能としている。そして、汚水タンクの水位が一定以上に上昇したときに、上記真空弁を開き、真空下水管の真空圧を吸込管に及ぼし、汚水タンクの水面に作用して汚水を加圧している大気圧と、吸込管に付与された真空圧との差圧により、汚水タンク内の汚水を真空下水管を介して集水タンクに送るのである。
【0004】このとき、真空弁のコントローラ部は、汚水タンクの所定の液位に応答して作動する液位検知ダイヤフラムと、真空弁の開閉を切替える3方弁を有し、液位検知ダイヤフラムの動きでプランジャを介して検知弁を作動させることにより真空下水管から圧力制御室に真空力を導き、この真空力により3方弁を作動させるものとしている。そして、この圧力制御室に導いた真空力はニードル弁により大気解放することとしている。
【0005】即ち、従来の真空弁開閉は、汚水タンクに流入する汚水蓄積によって起こる液位変化を、タンク内の液位検知管によって圧力変換し(吸込み管より吸引する水量が約40リットルとなるように液位検知管の位置を調整)、その圧縮空気によって真空弁コントローラ部の液位検知ダイヤフラムを起動させ、真空弁を作動させていた。また、真空弁の閉作動は吸込み管より汚水が吸引され、液位が低下し始めると、一定液位まで下がった時点で検知弁が閉じ、ニードル弁調整設定によるエアータイマーの後、真空弁が閉じる。従来はこのように真空弁の開放時間をニードル弁で調整することによって、気液比(吸込む空気と汚水の体積比)を3:1にすることを標準としていた。その他、真空弁の開放時間の設定方法には、フロートを使用した機械式の水位検知方法も採用されている。双方ともに、真空弁の開閉作動及び時間調整等に電気を使用しないことを特徴とするものである。また、フロート使用のシステムにおいては、汚水吸引方法に気液同時吸引方式を採用しており、汚水吸引時に同時に空気も吸引するため、吸込み時点より気液の二相層流となっている。この場合の気液比の設定は 1.5:1となることを標準としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術には以下の如くの問題点がある。
■従来のコントロール方法は、真空弁に付与される真空圧が常に一定であると仮定した状態においてニードル弁を調整し、真空弁の開放時間を決定することによって気液比を調整していた。この状態では、真空弁と連通する真空下水管内部の真空圧が、設定時よりも大幅に下がった場合(汚水の吸引力が低下するため、汚水水位低下速度も落ちる)や、短時間に大流量の汚水が流入した場合等では、汚水吸引時にも流入汚水が大量に継続するため、汚水水位低下が遅く、設定時間の真空弁開放時間では空気の吸引が少なくなったり、全く吸わなかったりする場合がある。こうした気液比の低下はシステムを不安定にさせるとともに、ウォーターハンマー等の発生原因にもなる。
【0007】■機械式フロートタイプのものは、真空弁の開閉を完全に液位制御により行っているため、真空下水管内の真空度の変化による作動不安定はないものの、同時吸引による気液比の設定の低さにより汚水の吸引力と搬送力に劣っていた。また、機械式の制御装置が大型のため、汚水タンク内部の限られたスペース内に設置すると、設置工事及びメンテナンスの作業性が悪化することがあった。
【0008】本発明は、コンパクトな装置構成により、真空下水管に吸い込まれる空気と汚水の気液比を適正化し、汚水の吸引と搬送の安定を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明は、タンクに連通する吸込み管と真空源に連通する真空下水管との間の連絡部を開閉可能とし、上記連絡部を開閉する弁体と、弁体と連結されているプランジャを収容する弁作動室と、弁作動室に内蔵されて弁体に閉じ力を付与する閉じ力付与手段と、弁作動室に真空圧を付与して弁体に開き力を付与するコントローラ部とを有して構成される真空弁において、前記コントローラ部が、弁作動室に真空通路と大気通路とを切換接続可能とする3方弁と、タンクの液位に応答して作動する液位検知ダイヤフラムと、3方弁が真空通路を弁作動室に接続するように3方弁に真空力を付与せしめる圧力制御室と、圧力制御室内に配設されて該圧力制御室に真空力を導入可能とする検知スイッチと、液位検知ダイヤフラムにより直接駆動されるとともに、圧力制御室内に挿通されて検知スイッチをオン/オフするプランジャとを有してなり、タンクの液位上昇を空気圧に変換してコントローラ部の液位検知ダイヤフラムに加える液位検知管Aを有するとともに、液位検知管Aと並列のもう一つの液位検知管Bを有し、液位検知管Aとコントローラ部との連通路の途中に逆止弁を設け、液位検知管Aからコントローラ部への空気導通は可能とし、この逆止弁とコントローラ部との連通路に液位検知管Bを接続し、液位検知管Bの管端位置を液位検知管Aの管端位置より低く設定してなるようにしたものである。
【0010】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において更に、前記液位検知管Aの管端に細径の空気管を挿入固定し、空気管の下方管端は液位検知管Bの管端よりも上に設定し、空気管の上方管端は液位検知管A内の蓄積汚水よりも上になるように設定してなるようにしたものである。
【0011】請求項1に記載の本発明によれば下記■、■の作用効果がある。
■液位検知管Bの管端設定位置によって真空弁の閉作動を開始できる。即ち、真空弁の閉作動を液位によって制御できるから、真空下水管内の真空度が低下した場合においても、確実に空気を吸引でき、真空下水管に吸い込まれる空気と汚水の気液比を適正化し、汚水の吸引と搬送の安定を図ることができる。
【0012】■機械式フロートタイプのものと異なり、汚水タンク内に2本の液位検知管A、Bと逆止弁を設けるだけのコンパクトな装置構成にできる。このため、設置工事及びメンテナンスの作業性が良好となる。
【0013】請求項2に記載の本発明によれば下記■の作用効果がある。
■空気管の下方管端を液位が下回るとき、大気圧が空気管を介して液位検知管A内の蓄積汚水上に及ぶため、液位検知管A内の蓄積汚水を必ず解除できる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は真空式汚水収集装置を示す模式図、図2は真空弁を示す模式図、図3は真空弁のコントローラ部を示す模式図、図4は汚水タンク内の液位制御を示す模式図、図5は真空弁の作動原理を示す模式図、図6は真空弁の作動原理を示す模式図である。
【0015】(第1実施例)真空式汚水収集装置10は、図1に示す如く、汚水タンク11に汚水流入管12を接続しており、タンク11に連通する吸込み管13と、真空源に連通する真空下水管14との間の連絡部を開閉可能とする真空弁15を有している。
【0016】即ち、各家庭等から排出される汚水は、自然流下式の汚水流入管12からタンク11に流込む。そして汚水がタンクに溜まると、真空弁15が開き、タンク11内の汚水は吸込み管13から吸込まれる。そして、この汚水は真空弁15を通って真空下水管14に吸込まれ、真空ポンプ上の集水タンクに集められ、その後圧送ポンプによって下水処理場等に送られる。
【0017】真空弁15は、図1、図2に示す如く、第1と第2の各ハウジング21、22をバンドクランプ23によって一体化して構成されており、弁体24と弁作動室25と、バネ26と、コントローラ部27を有して構成されている。
【0018】弁体24は上述の吸込み管13と真空下水管14との連絡部を構成する連絡路28を開閉する。
【0019】弁作動室25はバルブ弁体24と弁棒29を介して連結されているカップ状のプランジャ30をスライド可能に収容する。
【0020】バネ26は弁作動室25のプランジャ30より上室に内蔵されて、プランジャ30にバネ力を及ぼし、弁体24に閉止力を付与する。尚、弁作動室25のプランジャ30より下室は、大気連通管43がホース46を介して接続され大気圧になっている。
【0021】コントローラ部27は、タンク11内の汚水レベルの上昇時に弁作動室25の上室に真空圧を付与し、上下室の差圧(下室は大気圧)によってプランジャ30を引上げることにてバルブ弁体24に開力を付与し、真空弁15を開状態として吸込み管13に真空下水管14を導通せしめる。
【0022】コントローラ部27は以下の如く構成されている。コントローラ部27は、図3に示す如く、第1〜第5のシリンダ状のケース51〜55を通しボルトで一体化して構成されている。通常第4のケース54を真空弁15の第2ハウジング22にバンドクランプ36によって一体化される。
【0023】コントローラ部27には、タンク11に連通する液位検知管37がホース38を介して接続される液位検知管接続口56を有している。液位検知管接続口56は第1ケース51に制振防止ダイヤフラム59を介して接続されている。ダイヤフラム59には微小な貫通孔が設けられており圧力が伝わるようになっているとともに、ダイヤフラム59の外周部は固定されておらず、下側からの空気はダイヤフラム59の周囲も通り抜けるようになっている。
【0024】また、コントローラ部27は、真空下水管14がホース41を介して接続される真空圧接続口57を第3ケース53に設けている。
【0025】また、コントローラ部27は、大気連通管43がホース44を介して接続される大気圧接続口58を第3ケース53に設けている。
【0026】第1ケース51と第2ケース52は液位検知ダイヤフラム60を介して接続されている。第1ケース51の上部には液位検知ダイヤフラム60を手動で変位できるようプランジャ61、バネ63、弾性体カバー62で構成されるプッシュボタンを有している。第2ケース52にはダイヤフラム60の下にプランジャ65が、第3ケース53に設置した検知弁68(検知スイッチ)に届くよう設けている。第2ケース52と第3ケース53とが形成する圧力制御室としての上部部屋83に空気の漏洩を生じないようにプランジャ65の部屋83への挿通部まわりにはUパッキンもしくはOリング等の軸シール67が設けられている。
【0027】検知弁68は、部屋83内に配設されてプランジャ65によりオン/オフせしめられ、該部屋83内に真空力を導入可能とする。即ち、第3ケース53は真空圧接続口57に連通する通路57Aを備え、検知弁68は通路57Aの部屋83への開口(真空口)を開閉可能とするのである。尚、66はプランジャ65の戻しバネである。
【0028】第4ケース54と第5ケース55には弁座72、73が設けられ、第4ケース54の上部部屋85は大気に通路92を通じて連通しており、第5ケース55の下部部屋87は真空下水管に通路91を通じて連通している。第4ケース54下部と第5ケース55上部で作られる部屋86は真空弁本体の作動室25に通路96を通じて連通している。両者の弁座72、73の間に設けた弁体71は、上下スライドすることにより大気と真空のいずれかを部屋86に導くよう3方弁としての役割を果たしている。弁体71は第3ケース53と第4ケース54との間に設けた3方弁ダイヤフラム70に連結され、ダイヤフラム70の上部には圧縮バネ69が設けられ第5ケース55の弁座73に押付けられている。第3ケース53には隔壁が設けられているが一部に連通口88があり、検知弁68が作動して開になったとき上部部屋83に付与される真空圧を下部部屋84に通じるようになっている。
【0029】また、第3ケース53の上部部屋83(圧力制御室)の内外を連通する通路93には真空力解除弁としてのダイヤフラム付きニードル弁74が設けられており、ニードル弁74を通って大気が徐々に入ってくるようになっている。
【0030】然るに、真空式汚水収集装置10にあっては、汚水タンク11の液位上昇を空気圧に変換してコントローラ部27の液位検知ダイヤフラム60に加える液位検知管37(液位検知管A)を前述の如く有する以外に、液位検知管37と並列のもう一つの液位検知管201(液位検知管B)を有している。そして、液位検知管37とコントローラ部27との連絡路であるホース38の途中に逆止弁202を設け、液位検知管37からコントローラ部27への空気導通は可能とし、この逆止弁202とコントローラ部27との間のホース38に液位検知管201を接続し、液位検知管201の管端位置を液位検知管37の管端位置より低く設定している。
【0031】また、液位検知管37の管端に細径の空気管203を挿入固定し、空気管203の下方管端は液位検知管201の管端よりも上に設定し、空気管203の上方管端は液位検知管37内の蓄積汚水よりも上になるように設定している。
- 【公開番号】特開平9−32950
【公開日】平成9年(1997)2月7日
【発明の名称】真空弁
【発明者】
【氏名】大塚 哲史
【氏名】山部 泰男
- 【出願番号】特願平7−182580
【出願日】平成7年(1995)7月19日
【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
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