スポンサード リンク
コンバインの操向旋回制御装置
スポンサード リンク
- 【要約】
【目的】コンバイン作業において、緩旋回モードによる操向旋回時にパワステレバーに設けた切替スイッチを操作したときは、緩旋回モードからブレーキ旋回モードへ瞬時に切り替えて旋回半径を大から小に変更する。
【構成】左右一対のクロ−ラ1の一方に操向ブレーキ2を効かせて操向旋回するブレーキ旋回モードAと、一方の回転を他方の回転に対して緩速駆動して操向旋回する緩旋回モードBとに切り替えできる旋回モード切替レバー3を有すると共に、左又は右への傾斜操作によって各旋回モードA,Bにおける操向旋回を入り切りさせるパワステレバー4を有するコンバインにおいて、該パワステレバー4で緩旋回モードBからブレーキ旋回モードAに切り替え可能な切替スイッチ5を設けてなる操向旋回制御装置の構成とする。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 左右一対のクロ−ラ1の一方に操向ブレーキ2を効かせて操向旋回するブレーキ旋回モードAと、一方の回転を他方の回転に対して緩速駆動して操向旋回する緩旋回モードBとに切り替えできる旋回モード切替レバー3を有すると共に、左又は右への傾斜操作によって各旋回モードA,Bにおける操向旋回を入り切りさせるパワステレバー4を有するコンバインにおいて、該パワステレバー4で緩旋回モードBからブレーキ旋回モードAに切り替え可能な切替スイッチ5を設けてなる操向旋回制御装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、コンバインの操向旋回制御装置に関し、ブレーキ旋回,緩旋回の各旋回モードを適時切り替えて作業時の旋回を行うもの等に利用できる。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】コンバインの作業時に、圃場端の枕地等において操向旋回を行うときに、ブレーキ制動による標準的な旋回を行うブレーキ旋回モードと、回転差による緩やかな旋回を行う緩旋回モードとを、圃場の条件に合わせて適時切り替えて走行するもの等については、既に周知である。
【0003】しかし、このような緩旋回モードによるブレーキ制動を行わない操向旋回においては、どうしても旋回半径が大きくなるので、この大きな旋回半径により刈取条の条合わせ等が阻害されたり、極端な場合には危険を伴うこともある。このため、瞬時に緩旋回モードからブレーキ旋回モードに切り替える必要があるが、従来では、この切り替えを行うには、旋回モードを切り替える旋回モード切替レバーの操作が必要であり、瞬時の切り替えを行い難く、作業の進行や危険の回避に支障をきたしかねない。また、この切り替え時に、その都度旋回モード切替レバーの操作を行うことは大変に面倒で煩わしいものであった。
【0004】そこでこの発明は、緩旋回モードによる操向旋回時に、パワステレバーに設けた切替スイッチを操作したときは、緩旋回モードからブレーキ旋回モードへ瞬時に切り替わるようにする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、左右一対のクロ−ラ1の一方に操向ブレーキ2を効かせて操向旋回するブレーキ旋回モードAと、一方の回転を他方の回転に対して緩速駆動して操向旋回する緩旋回モードBとに切り替えできる旋回モード切替レバー3を有すると共に、左又は右への傾斜操作によって各旋回モードA,Bにおける操向旋回を入り切りさせるパワステレバー4を有するコンバインにおいて、該パワステレバー4で緩旋回モードBからブレーキ旋回モードAに切り替え可能な切替スイッチ5を設けてなる操向旋回制御装置の構成とする。
【0006】
【作用、及び発明の効果】コンバインの作業時に圃場端の枕地等において、旋回モードを旋回モード切替レバー3により緩旋回モードBに切り替え、パワステレバー4を左又は右へ傾斜操作したときは、操向側の操向クラッチを切ると同時に、操向側のクロ−ラ1の回転比を変えて、非操向側のクロ−ラ1に対して緩速駆動させる比較的大きな旋回半径の操向旋回を行うが、この緩旋回では旋回半径が大きすぎて旋回途中において何等かの不都合が生じるようなときには、該パワステレバー4に設けた切替スイッチ5を操作することによって、該旋回モード切替レバー3の切り替えを行うことなく、瞬時に緩旋回モードBからブレーキ旋回モードAへ切り替え、操向側の操向クラッチの切りと操向ブレーキ2の制動とにより、比較的小さな旋回半径の操向旋回に移行することができる。
【0007】このように、パワステレバー4の傾斜操作による操向旋回時に、このレバー4に設けた切替スイッチ5の操作により、旋回モード切替レバー3の切替操作を不要として、緩旋回モードBによる比較的大きな旋回半径からブレーキ旋回モードAによる比較的小さな旋回半径に、瞬時に切り替えることができるので、刈取条の条合わせ等の齟齬により作業の進行を妨げられるようなこともなく、極端な場合における危険からも回避が可能であると共に、モード切り替えの都度、旋回モード切替レバー3の操作を必要とする煩わしさからも解放される。
【0008】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。コンバインの車台6の下部側に土壌面を走行する左右一対のクロ−ラ1を有する走行装置7を配設し、該車台6上にフィ−ドチェン8に挟持して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留する穀粒タンク9を備えた脱穀装置10を載設する。この脱穀装置10の前方側に前端位置から立毛穀稈を分草する分草体11と、分草された穀稈を引き起こす引起部12と、引き起こされた穀稈を刈り取る刈刃部13と、この刈り取られた穀稈を後方へ搬送して該フィ−ドチェン8へ受渡しする穀稈搬送部14とを有する刈取装置15を、該車台6の前端部へ刈取懸架部16によって上下回動自在に懸架支持すると共に、土壌面に対して昇降自在に設ける。該刈取装置15の一側に、コンバインの操作制御を行う操作装置17と、この操作のための操作席18とを設け、この操作席18の下方にエンジン19を搭載し、これらの後方側に該穀粒タンク9を配置すると共に、該走行装置7,脱穀装置10,刈取装置15,操作装置17,エンジン19等によってコンバインの車体20を構成する。
【0009】該車台6の前端側に走行用ミッションケース24を装架し、このミッションケース24にギヤ伝動機構を内装して設ける。このギヤ伝動機構は、図2,3,4に示す如く、第1軸としての入力軸25に軸回転する二連の変速ギヤ26に、シフタステー27によって左右摺動可能に軸承する変速シフタ28を嵌挿するシフタ溝26aを設け、この変速シフタ28の作用によって、該変速ギヤ26と、第2軸としてのカウンタ軸29に軸止する高速ギヤ30と低速ギヤ31とを、各々切り替え噛み合い連動させ、該カウンタ軸29に横並びに軸止した変速伝動ギヤ32と、第3軸としての操向軸21に軸止する二連の操向センタギヤ33とを、カウンタ軸29による高速側と低速側との変速動力を伝達させるべく噛み合い連動させる。
【0010】該操向センタギヤ33の両側面に噛み合い用のクラッチ爪33bを各々設け、この左右のクラッチ爪33bに近接させて、ギヤ部23aの側面に該クラッチ爪33bと噛み合い接続するクラッチ爪23bを有した、左右の操向クラッチ23を各々遊転軸承すると共に、この左右の操向クラッチ23には、各々クラッチ爪23bの反対側の延長部分に左右の操向ブレーキ2を係合して設けると共に、この延長部分に操向クラッチ23のリターン用ばね48を内装し、該ギヤ部23aと延長部分との間に、各々操向クラッチ23を左右に摺動させる左右の操向シフタ34を嵌挿するシフタ溝23cを設け、この左右の操向シフタ34をシフタ軸34aの回動により作用させ、該両クラッチ爪33bと23bとを噛み合いさせて、操向クラッチ23が入りとなる側と、逆に、該両クラッチ爪33bと23bとを切り離して、操向クラッチ23が切りとなり、同時に操向ブレーキ2が制動される側とに作用させる構成としている。
【0011】該二連の操向センタギヤ33の片方の小径ギヤ33aと、第6軸としての旋回軸22に遊転軸承した緩旋回ギヤ35、及び第4軸としての減速軸36に遊転軸承した二連のスピン中間ギヤ37の一方の小径ギヤ37aとを各々噛み合い連動させると共に、このスピン中間ギヤ37の他方の大径ギア37bと、該旋回軸22に遊転軸承したスピン旋回ギヤ38とを噛み合い連動させ、該緩旋回ギヤ35とスピン旋回ギヤ38との間に、両側面にクラッチ爪39aを設けた切替クラッチ39を配置し、この切替クラッチ39に、該クラッチ39を左右に摺動させる切替シフタ40を嵌挿するシフタ溝39bを設け、この切替シフタ40の作用により該両クラッチ爪39aと、該両旋回ギヤ35及び38の各側面に設けたクラッチ爪35a及び38aとの何れか一方とを、各別に噛み合い接続させる構成としている。
【0012】前記左右の操向クラッチ23の各ギヤ部23aと、該減速軸36に遊転軸承する左右の二連の操向伝動ギヤ41とを各々噛み合い連動させると共に、前記旋回軸22に左右の旋回伝動ギヤ42を各々遊転軸承し、この旋回伝動ギヤ42を軸回転させる左右の旋回クラッチ50を各々軸止させ、該左右の旋回伝動ギヤ42と、第7軸としての旋回中間軸43に各々遊転軸承した左右の二連の旋回中間ギヤ44とを各々噛み合い連動させ、この左右の旋回中間ギヤ44の片方の小径ギヤ44aと、該左右の操向伝動ギヤ41とを各々噛み合い連動させる構成としている。
【0013】該左右の二連の操向伝動ギヤ41の片方の小径ギヤ41aと、第5軸としての左右のホイル軸45の一端部に軸止した、左右のホイルギヤ46とを各々噛み合い連動させ、該左右のホイル軸45の他端部に、前記左右のクローラ1を駆動させる左右の駆動輪47を各々軸止して構成する。ブレーキ旋回モードA・緩旋回モードB・スピン旋回モードCの各旋回モードを切り替える切替クラッチ39を作用させる旋回モード切替レバー3と、図5に示す如く、このレバー3が各々緩旋回モードB又はスピン旋回モードCの位置のときに係合してONさせる弁切替スイッチ49と、車体20の進行方向の左右操向及び旋回を行わせるパワステレバー4と、このレバー4に係合してその操作角度を検出するポジションセンサ52と、図6に示す如く、該レバー4の傾斜操作時にその左右両端位置において各々接当ONするよう係合配置した左右の補助スイッチ5aがON状態のときに操作することにより、緩旋回モードBからブレーキ旋回モードAに切り替える該レバー4の握り部4aに設けた押しボタン形式の切替スイッチ5とを、各々前記操作装置17の一側に配置して構成する。
【0014】車速を検出する車速センサ51と、左右の操向クラッチ23の切り状態を検出する左右のクラッチセンサ65とを、前記ミッションケース24の伝動経路に係合して配設構成する。CPUを主体として各自動回路の演算制御を行うコントローラ53を該操作装置17の近傍に設けると共に、図7に示す如く、このコントローラ53の入力側に、前記切替スイッチ5及び左右の補助スイッチ5a,車速センサ47,弁切替スイッチ49,ポジションセンサ52,左右のクラッチセンサ65等を各々接続すると共に、出力側に、左右の操向クラッチ23と操向ブレーキ2用の操向シフタ34を作用させる操向クラッチ電磁弁54,左右の旋回クラッチ50を作動させる旋回クラッチ電磁弁55,左右の操向クラッチ23の切りに伴う操向ブレーキ2のブレーキ出力を切り替え制御する圧抜き電磁弁56等を各々接続して構成する。
【0015】該左右の操向クラッチ23を入り切りさせる操向油圧回路Sと、左右の旋回クラッチ50を入り切りさせる旋回油圧回路Tとを各々別系統の回路構成とし、該操向油圧回路Sは、図8に示す如く、油圧無段変速装置57及び前記刈取装置15その他の油圧系統を作用させる同一の油タンク58から、油圧ポンプ59により供給される圧油を該操向クラッチ電磁弁54を経由して、左右の操向クラッチ23と操向ブレーキ2を作用させる左右の操向シリンダ60の一方側に、送油又は返油可能に切り替え接続させると共に、この左右の操向シリンダ60の他方側から、該圧抜き電磁弁56と可変絞り弁61及び固定絞り62とを介して該油タンク58に返油するよう接続させる。
【0016】この接続により、ブレーキ旋回モードAでは、前記旋回モード切替レバー3の操作に伴う弁切替スイッチ49のOFFにより、圧抜き電磁弁56をパワステ回路側へ接続し、パワステレバー4の操作によるポジションセンサ52の検出値ににより、操向クラッチ電磁弁54及び可変絞り弁61によって、操向クラッチ23の切りから操向ブレーキ2の制動までの作用を行わせる。緩旋回モードB又はスピン旋回モードCでは、該旋回モード切替レバー3の切り替え操作に伴う弁切替スイッチ49のONにより、圧抜き電磁弁56をバイパス回路側へ切り替え接続し、パワステレバー4の操作によるポジションセンサ52の検出値により、操向クラッチ電磁弁54及び固定絞り62によって、操向クラッチ23を切りのみで保持し、操向ブレーキ2の制動は行わせない構成とする。
【0017】該旋回油圧回路Tは、図9に示す如く、前記ミッションケース24から油圧ポンプ63により供給される圧油を、該旋回クラッチ電磁弁55を経由して各々左右の旋回クラッチ50を作用させる左右の旋回シリンダ64に、送油又は返油可能に切り替え接続して構成させる。走行用ミッションケース24におけるギヤ伝動は、入力軸25へ動力が伝達され、この入力軸25の二連の変速ギヤ26を左右摺動させて、カウンタ軸29に軸回転する高速ギヤ30へ連動したときは高速に、低速ギヤ31へ連動させたときは低速に変速させ、この変速された動力を、同じくカウンタ軸29に軸回転する変速伝動ギヤ32によって、操向軸21に軸回転する操向センタギヤ33へ連動させる。
【0018】旋回モード切替レバー3をブレーキ旋回モードAに切り替え、例えば、パワステレバー4を左へ傾斜操作したときは、バイパス回路側へ切り替わった圧抜き電磁弁56を介して、ポジションセンサ52の検出値に比例して、操向クラッチ電磁弁54と可変絞り弁61とによって、左の操向シリンダ60を作動させ、左の操向シフタ34の作用により、操向センタギヤ33のクラッチ爪33bと、左の操向クラッチ23のクラッチ爪23bとが切りとなって、操向軸21に軸回転している操向クラッチ23を遊転させると同時に、左の操向ブレーキ2により制動させる。
【0019】この制動により、該操向クラッチ23のギヤ部23aと連動する減速軸36に遊転させた、二連の左の操向伝動ギヤ41の回転を停止させると共に、該操向センタギヤ33により伝動を継続している、右の操向クラッチ23から右の操向伝動ギヤ41へ、更に、この操向伝動ギヤ41の片方の小径ギヤ41aから右のホイルギヤ46を経て右の駆動輪47へ連動させる。この右の駆動輪47による右のクロ−ラ1の駆動と、前記の左の操向クラッチ23の制動により、ブレーキング状態の左のクロ−ラ1とによって、左側へのブレーキ旋回を行わせる。
【0020】該旋回モード切替レバー3を緩旋回モードBに切り替え、操向センタギヤ33の片方の小径ギヤ33aから連動された、旋回軸22に遊転する緩旋回ギヤ35のクラッチ爪35aと、軸回転する切替クラッチ39のクラッチ爪39aとを、切替シフタ40による噛み合い接続により、緩旋回ギヤ35を軸回転させると共に、弁切替スイッチ49をONさせた状態において、例えば、パワステレバー4を左へ傾斜操作したときは、バイパス回路側へ切り替わった圧抜き電磁弁56を介して、該ポジションセンサ52の検出値により、操向クラッチ電磁弁54と固定絞り62とによって左の操向シリンダ60を作動させ、左の操向シフタ34の作用により操向センタギヤ33のクラッチ爪33bと、左の操向クラッチ23のクラッチ爪23bとが切りとなって、操向軸21に軸回転している操向クラッチ23を遊転させる。
【0021】この遊転をクラッチセンサ65により検出したときは、この操向クラッチ23の切りを保持させると共に、操向ブレーキ2を制動させない状態において、旋回クラッチ電磁弁55により左の旋回シリンダ64を介して左の旋回クラッチ50を入りとして、緩旋回ギヤ35から、軸遊転する左の旋回伝動ギヤ42を軸回転させ、この旋回伝動ギヤ42から、旋回中間軸43に遊転する左の二連の旋回中間ギヤ44を介して、前記の操向クラッチ23の切りにより軸遊転する左の二連の操向伝動ギヤ41へ連動し、この操向伝動ギヤ41の小径ギヤ41aから左のホイルギヤ46を経て、左の駆動輪47を駆動して左のクロ−ラ1を、右のクロ−ラ1に対して緩駆動させることによって、左側への緩旋回を行わせる。
【0022】該旋回モード切替レバー3をスピン旋回モードCに切り替え、操向センタギヤ33の片方の小径ギヤ33aから、減速軸36に遊転する二連のスピン中間ギヤ37の小径ギヤ37aに連動すると共に、その大径ギヤ37bから反転させて、旋回軸22に遊転するスピン旋回ギヤ38へ連動させ、この反転によって、緩旋回ギヤ35に対して逆回転するスピン旋回ギヤ38のクラッチ爪38aと、軸回転する切替クラッチ39のクラッチ爪39aとを、切替シフタ40による噛み合い接続により、スピン旋回ギヤ38を軸回転させると共に、該弁切替スイッチ49をONさせた状態において、例えば、パワステレバー4を左へ傾斜操作したときは、バイパス回路側へ切り替わった圧抜き電磁弁56を介して、該ポジションセンサ52の検出値により、操向クラッチ電磁弁54と固定絞り62とによって左の操向シリンダ60を作動させ、左の操向シフタ34の作用により操向センタギヤ33のクラッチ爪33bと、左の操向クラッチ23のクラッチ爪23bとが切りとなって、操向軸21に軸回転している操向クラッチ23を遊転させる。
【0023】この遊転をクラッチセンサ65により検出したときは、この操向クラッチ23の切りを保持させると共に、操向ブレーキ2を制動させない状態において、旋回クラッチ電磁弁55により左の旋回シリンダ64を介して左の旋回クラッチ50を入りとして、スピン旋回ギヤ38から、軸遊転する左の旋回伝動ギヤ42を軸回転させ、この旋回伝動ギヤ42から、旋回中間軸43に遊転する左の二連の旋回中間ギヤ44を介して、前記の操向クラッチ23の切りにより軸遊転する左の二連の操向伝動ギヤ41へ連動し、この操向伝動ギヤ41の小径ギヤ41aから左のホイルギヤ46を経て、左の駆動輪47を駆動して、左のクロ−ラ1を、右のクロ−ラ1に対して逆回転駆動させることにより、左側へのスピン旋回を行わせる。
【0024】このように、旋回モードを該旋回モード切替レバー3により、緩旋回モードBに切り替えて操向旋回を行うときは、ブレーキ制動を行わないため、どうしても旋回半径が大きくなり、旋回終了時の刈取条の条合わせが数回のやり直しを行う等、大変な手間を必要として作業の進行が阻害されたり、最悪の場合には危険な場面に遭遇することもありうるので、このときには、該パワステレバー4の傾斜操作端部への操作によって補助スイッチ5aがONしているときに、該レバー4に設けた切替スイッチ5をONさせることにより、旋回クラッチ50を切ると同時に圧抜き電磁弁56をパワステ回路側へ切り替えて、旋回モード切替レバー3による切替操作を行うことなく、瞬時にブレーキ旋回モードAへの切り替えによる小さな旋回半径によって、作業の進行や危険の回避を阻害されず円滑な操向旋回を行いうるものである。
【0025】また、パワステレバーによる旋回モードの切り替えを、上記と異なる実施例として、図10に示す如く、パワステレバー66の軸心に上下動自在のレバーピン66aを設け、このレバーピン66aを常時下動させるピンばね66bにより押圧させ、該レバー66の握り部66cに設けた押しボタン66dの押圧操作により、レバーピン66aをピンばね66bに抗して上動させる構成とし、該レバー66の傾斜操作角の通常操作域αに対して各々左右両側に緊急操作域βを設け、この両操作域α,βを区切るため、該レバー66を回動自在に支承するレバーステー66eに、通常操作域αの終点と緊急操作域βの終点とに各々ピン孔a及びbを設け、この各ピン孔a,bにレバーピン66aが自動的に嵌挿ロックされて該レバー66を各操作域で停止させる構成とする。
【0026】これらの構成により、緩旋回モードBにより操向旋回を行っているときに、緊急にブレーキ旋回モードAに切り替える必要があるときは、該パワステレバー66を、その押しボタン66dを押圧しながら通常操作域αを越えて緊急操作域βへ傾斜操作することにより、この操作域βの角度をポジションセンサ52により検出して、上記と同様に、瞬時に緩旋回モードBからブレーキ旋回モードAに切り替えることができる。
【0027】なお、上記の旋回モードの緊急切替手段については、本発明の要旨を逸脱しない限り、如何なる手段を用いるとも差し支えないものである。また、図11,12に示す如く、前記左右の操向クラッチ23の入り切りを作用させる左右の操向シフタ34を、左右のシフタ軸34aに各々軸止し、この左右のシフタ軸34aをミッションケース24の前面壁24aと後面壁24bによって各々回動自在に支承させると共に、該左右のシフタ軸34aの前端部を該前面壁24aから各々外方へ突出させ、この左右の突出部34bの該ケース24への近接側位置に左右の従動アーム67を各々上方側に位置させて固着し、この左右の従動アーム67の上端部近傍に駆動ピン67aを各々前側に向けて固着して構成する。
【0028】該左右の突出部34bの各従動アーム67より前側の位置に左右のクラッチアーム68を軸承し、この左右のクラッチアーム68の上端部近傍に各々設けた長孔68aに該駆動ピン67aを嵌入させ、該左右のクラッチアーム68のシフタ軸34aより下方の各内側面に、前記左右の操向シリンダ60のピストンにより押圧作用させる間隙調節用の調節ネジ68bを設けると共に、この調節ネジ68b部とシフタ軸34a部との中間位置の各外側面に、前記左右のクラッチセンサ65を接当検出させる各検出板68cを設けて構成する。
【0029】該左右の従動アーム67の一方のアーム67の上端折曲部67bに、前記操作装置17のフロア17a上に設けたペダル69から接続されるワイヤ70のアウタ側を固定し、このワイヤ70のインナ側を他方のアーム67の駆動ピン67aの先端部に回動可能に係止して構成する。これらの構成により、操向シリンダ60の作用によりクラッチアーム68を回動させ、この回動により駆動ピン67aを介して従動アーム67を共に回動させて、シフタ軸34aによる操向シフタ34の回動によって操向クラッチ23の入り切りと操向ブレーキ2の制動とを行わせる。
【0030】車体20を駐・停車させる駐車ブレーキ制動を行わせるときは、ペダル69の踏み込みによって、ワイヤ70の作用により左右の従動アーム67が双方同時に内側向いて回動し、この回動により左右のシフタ軸34aが共に回動して、左右の操向シフタ34によって左右の操向ブレーキ2を同時に制動させる。この制動時にクラッチアーム68は、その長孔68aにより従動アーム67の駆動ピン67aが作用しても回動することがなく、クラッチセンサ65が操向クラッチ23の切りを検出することがないので、緩旋回又はスピン旋回の旋回クラッチ50は作用せず、メカロックを防止することができる。なお、このためメカロック防止用の牽制装置等を特別に設ける必要がなく、その構成を簡素化できると共に、コストアップも抑制することができる。
【0031】また、該左右のクラッチセンサ65をミッションケース24に取り付ける左右の取付板71は、該ケース24の左右側面壁に、左右の操向ブレーキ2を内装した左右のブレーキメタル72を各々取り付ける締結ネジ73を利用して、共締めとして構成する。(図12参照)
これらの構成により、該クラッチセンサ65とクラッチアーム68やブレーキメタル72等との関係精度は、ミッションケース24を基準としているので、操向クラッチ23の切り状態の調節を高精度で行うことができる。なお、該取付板71の取付部を特別な加工等により設ける必要がなく、その構成を簡素化できると共に、コストアップも抑制することができる。
【0032】また、該左右のクラッチセンサ65の検出板68aを、左右のクラッチアーム68のシフタ軸34aより下方側に各々設けているので(図11参照)、操向クラッチ23の切りを検出する際に、機械効率の良いクラッチアーム68の作用により直接電気的に検出ができると共に、操向クラッチ23の切り状態の調節が容易であり、応答性についても優れている。なお、該左右の検出板68cは、左右のクラッチアーム68の下部側において各々検出できるよう位置しているので、検出板68cの回動円の上部側に位置する従動アーム67等と干渉する恐れがないと共に、クラッチアーム68の回動円内にあるため周辺部品のレイアウトに影響を与えるようなことがない。
【0033】また、該左右のクラッチセンサ65の取付板71が、ミッションケース24の前面壁24aに取り付けた左右の操向シリンダ60の外形面60aより突出しない内側位置に、コンパクトに取り付けられているので(図12参照)、作業時に畦越え等で該ケース24の前面部が衝突した場合でも、クラッチセンサ65の破損や関係位置の狂い等がなく、藁屑等の引っ掛かりも少なくすることができる。
- 【公開番号】特開平9−47
【公開日】平成9年(1997)1月7日
【発明の名称】コンバインの操向旋回制御装置
【発明者】
【氏名】勝野 志郎
【氏名】伊藤 孝司
- 【出願番号】特願平7−154277
【出願日】平成7年(1995)6月21日
【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
スポンサード リンク
- ★当サイトのどのページも全てリンクフリーです、自由にお使いください
※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。