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畦成形機
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- 【要約】
【目的】 畦成形体自体を駆動して畦を叩き固める畦成形用作業機を走行車体に昇降可能に装着してなる畦成形機において、畦成形用作業機の高さが不適正であることにより、走行車体が異常に振動することを防止する。
【構成】 走行車体側に上下方向の加速度を検出するセンサ20を設け、このセンサ20の検出結果に基づいて畦成形用作業機の走行車体に対する高さを制御する。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 畦成形体自体を駆動して畦を叩き締める畦成形用作業機を走行車体に昇降可能に装着してなる畦成形機において、走行車体側に上下方向の加速度を検出するセンサを設け、このセンサの検出結果に基づいて畦成形用作業機の走行車体に対する高さを制御する制御装置を設けたことを特徴とする畦成形機。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、畦の成形、修復に使用する畦成形機に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタに装着して使用する畦成形用作業機(通称、畦塗機)としては、クランク機構を用いて畦成形体自体を駆動して畦を叩き締める形式のものと、バイブレータ等を用いて畦成形体を振動させてる畦を締める形式のものとが従来より知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】両形式の畦成形用作業機にはそれぞれ一長一短があるが、前者ついては、畦成形体の駆動に伴う衝撃が大きく、元の畦に対する畦成形体の位置が不適正であると、トラクタ側に大きな上下振動が伝わり、操縦に支障が生じたり、場合によっては操縦不能になるという問題があった。
【0004】本発明は、畦成形体自体を駆動して畦を叩き締める形式の畦成形用作業機を装着した畦成形機の上記問題点を解決することを課題とするものであり、これを達成するために畦成形機を次のように構成した。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明にかかる畦成形機は、畦成形体自体を駆動して畦を叩き締める畦成形用作業機を走行車体に昇降可能に装着してなる畦成形機において、走行車体側に上下方向の加速度を検出するセンサを設け、このセンサの検出結果に基づいて畦成形用作業機の走行車体に対する高さを制御する制御装置を設けたことを特徴としている。
【0006】
【作用】センサによって検出される走行車体側の上下方向の加速度に応じ、走行車体に対して畦成形用作業機を適正高さに昇降制御することにより、良好な作業状態が維持できると共に、走行車体側が激しく振動することを防止できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の1実施例を図面に基づき詳述する。
【0008】この畦成形機1は、走行車体であるトラクタ2の後方に畦成形用作業機3を昇降可能に装着してなる。図中の5は左右一対のロワリンク、6は左右中央に1本のトップリンクで、これらリンク5,5,6の後端部に作業機3が連結される。また、7はトラクタが具備する油圧装置で駆動するリフトアームで、該リフトアームの後端部にリフトロッド8,8を介してロワリンク5,5が吊られており、リフトアーム7,7を上下に回動させることにより、作業機3が昇降される。
【0009】畦成形用作業機3は、トラクタ2より伝動軸9を介して伝動される伝動ケース10を備え、その右側方に、前後軸回りに回転する土削りローター11と該土削りローターの上側を覆うローターカバー12が設けられ、その後側にストロークの下部ほどやや外側に位置するように略上下方向に往復動する畦成形体13が設けられ、更にその内側に接地車輪14が設けられている。作業機3を適当高さに保持しながら畦に沿わせて進行させると、土削りローター11が畦の法面と一部圃場の表土面を削り取り、その削り取って跳ね上げられた土をローターカバー12が受け止めて畦の上面に落下させ、その後、畦成形体13が畦の上面と法面を叩き締めて畦を成形し直す。
【0010】畦成形作業時には、図4に示す昇降制御装置によって作業機3を昇降制御する。制御コントローラ15は、マイコンが組み込まれていて制御の中枢をなす制御装置である。
【0011】作業機3を上げ下げ操作するコントロールレバー16と、リフトアーム7,7の角度を検出するリフトアームセンサ17と、制御目標値を設定する目標値設定器18とはトラクタ自体に設けられているものである。トラクタには作業機として耕耘機が装着されることが多いので、目標値設定器18は一般的に耕深の目標値を設定する耕深設定器と呼ばれる。畦成形用作業機を装着する場合は、この目標値設定器18で後記加速度の制御目標値を設定する。
【0012】デプスセンサ19は、耕耘機に設けられて実際の耕深を検出するセンサで、作業機として耕耘機を装着する場合に制御コントローラ15に接続される。
【0013】加速度センサ20は、トラクタを畦成形機として使用する場合にトラクタの特に運転座席付近の振動を調べるためのセンサで、運転座席2a近傍の平坦な部分(図示例では運転座席の下側)に設置される。この加速度センサ20は上下方向の加速度を検出する。
【0014】加速度センサ20の検出信号は、制御コントローラ15に送信するに先立ち、反転回路21とピークホールド回路22により下記の波形処理をする。図5は波形処理の1例を示す図で、(a)振動波形をした未処理の検出信号を、(b)0G(加速度が0)を基準にして−(マイナス)側を反転処理し、(c)更に所定のディレータイムを設けてピーク値をホールドする。ここでは、基準値の電圧を2.5Vとしている。このように波形処理することにより、振動の大きさを表す加速度ピークの絶対値だけを抽出することができ、後の制御コントローラ15での演算が簡略化される。ピークホールド処理の前に反転処理をすることにより、ピークホールドのホールド時間を短くでき、検出の応答性が向上する。なお、場合によっては、反転処理はせず、ピークホールド処理のみをするようにしてもよい。
【0015】各センサ、設定器からのデータを制御コントローラ15に送信し、該コントローラ内でデータ処理し、油圧装置を制御する比例ソレノイドバルブ23の上昇用比例ソレノイド23aと下降用比例ソレノイド23bに出力信号を出す。この出力信号はパルス信号であり、パルスのONタイムに比例してバルブの開閉量が決定される。
【0016】制御コントローラ15でのデータ処理は、図6に示す順序で行われる。
【0017】まず、デプスセンサ19用の端子に加速度センサ20が接続されていることをチェックし、更にコントロールレバー16が操作されておらず、且つリフトアーム7,7が作動していないことを確認した上で、不感帯を含む加速度目標値と加速度センサ値を比較処理し、加速度目標値が加速度センサ値よりも大きい時はソレイド23a,23bに下出力をし、加速度目標値よりも加速度センサ値が大きい時はソレイド23a,23bに上出力する。その際、次の点を出力決定の条件とする。
【0018】第一に、昇降制御の最大動作量を決め、作業機が必要以上昇降しないようにする。具体的には、作業機3が作業位置に下降している時の基準となるリフトアームセンサ値を基に昇降制御の動作範囲を決め(A)、リフトアームセンサ値がその動作範囲を上もしくは下に超えている場合は加速度目標値と加速度センサ値との間に差があっても出力しないようにしている(B)。これにより、作業機が畦から浮き上がり過ぎて畦成形体13が畦を叩かなくなったり、或は作業機が畦に接近しすぎて過剰な負荷がかかることを防止し、常に畦成形体13が適正な状態で畦を叩き締めるように維持する。
【0019】第二に、昇降出力は規定時間(パルスONタイム)づつ一定間隔をあけて出す(C)。これも第一条件と同様に、作業機の急激な動作を防ぎ、作業機が必要以上昇降しないようするためである。
【0020】第三に、上記出力規定時間は加速度目標値と加速度センサ値の差に応じて変更し、差が大きい時は出力規定時間を長くし、差が小さい時は出力規定時間を短くする(D)。これにより、作業機を昇降させ過ぎることなく、昇降の追従性を向上させる。
【0021】この昇降制御は以上の制御を行うものであり、畦成形用作業機の高さが不適正であるとトラクタ側に大きな上下振動が伝わりやすい畦成形体自体を駆動して畦を叩き締める形式の畦成形機において、トラクタ側に設けた加速度センサ20の検出結果に基づいて畦成形用作業機のトラクタに対する高さを制御することで、トラクタ側の上下振動が一定の大きさを超えないようにしている。これにより、常に安定状態で操縦を行える。また、加速度センサ20がトラクタ側に設けられているので、トラクタ側と作業機側をつなぐ配線が不要であると共に、畦成形機として使用する以外の時にもトラクタの振動を抑えるための昇降制御をすることができる。
【0022】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかる畦成形機は、走行車体側に設けた加速度センサによって走行車体の上下振動を検出し、その検出結果に基づいて、走行車体側の上下振動が一定の大きさを超えないように畦成形用作業機の高さを制御するので、常に安定した状態で操縦することができるようになった。
- 【公開番号】特開平9−5
【公開日】平成9年(1997)1月7日
【発明の名称】畦成形機
【発明者】
【氏名】小野 弘喜
【氏名】武智 伊佐夫
【氏名】石田 智之
- 【出願番号】特願平7−176592
【出願日】平成7年(1995)6月19日
【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】菅原 弘志
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