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ゴム系廃棄物を用いた高熱炉の操業方法
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- 【要約】
【課題】 気体搬送に好適であり、完全燃焼が得られ、且つ搬送管路,炉壁に損害を与えないゴム系産業廃棄物を用いた炉の操業方法を提供する。
【解決手段】 廃棄タイヤ等のゴム系廃棄物を粒径0.1〜20mmに粉砕し、その粉砕片を、羽口へガスを吹き込むための第1の供給路とは別に設けられた第2の供給路内を気体輸送し、羽口からガスとともに高熱炉内に吹き込むことを特徴とする。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 廃棄タイヤ等のゴム系廃棄物を粒径0.1〜20mmに粉砕し、その粉砕片を、羽口へガスを吹き込むための第1の供給路とは別に設けられた第2の供給路内を気体輸送し、前記羽口から前記ガスとともに高熱炉内に吹き込むことを特徴とするゴム系廃棄物を用いた高熱炉の操業方法。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄タイヤ等のゴム系廃棄物を補助燃料として高熱炉の羽口より導入する、ゴム系産業廃棄物を用いた炉の操業方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、産業廃棄物を高炉の炉頂から投入し、焼却、溶融、蒸発等の工程を経て産業用資材や化学原料等として再利用する処理方法が知られている。上記産業廃棄物とは、コークスの代替炭素源として装入する場合には、例えば木材,化学製品,廃棄タイヤ,各種合成樹脂等が選択されている。
【0003】また、特開昭49−7114号には、高炉を利用し、合成樹脂の粉砕物を補助燃料として羽口から吹き込み、処理する方法が示されている。高炉の操業に使用される補助燃料としては、微粉炭を空気輸送して吹き込む方法が一般的であるが、上記合成樹脂の粉砕物を利用する場合には、重油と混合したスラリー状のものを吹き込むか、或いは、そのまま気体輸送する方法がとられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、廃棄タイヤ等の産業廃棄物を高炉炉頂から投入する従来の処理方法においては、廃棄タイヤが、炉内において比較的燃焼温度が低い領域(約350℃)で揮発することになり、その揮発時に発生するタールが高炉上部の内壁に付着する。従って、このようなタールの付着は原料装入作業に支障を来すため、高炉炉頂から廃棄タイヤを投入する方法は実用性が乏しい。
【0005】また、合成樹脂を高炉の羽口から吹き込む方法では、炉内において合成樹脂が、液化→揮発→燃焼といった重油に近い燃焼形態をとるため、石炭系の燃焼に比べて燃焼性が低く、高炉炉頂に未燃の煤が生じるという問題がある。さらに、合成樹脂を空気輸送する場合、[固体流量/気体流量]で与えられる混合比を高めると羽口近傍にて合成樹脂粉体の軟化溶融が起こり、結果として搬送管路を閉塞する危険性があるため、搬送効率を高めることには限界がある。
【0006】本発明は以上のような従来の産業廃棄物の処理方法における課題を考慮してなされたものであり、気体搬送に好適であり、完全燃焼が得られ、且つ搬送管路や炉壁に損害を与えないゴム系産業廃棄物を用いた高熱炉の操業方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、廃棄タイヤ等のゴム系廃棄物を粒径0.1〜20mmに粉砕し、その粉砕片を、羽口へガスを吹き込むための第1の供給路とは別に設けられた第2の供給路内を気体輸送し、羽口からガスとともに高熱炉内に吹き込むゴム系廃棄物を用いた高熱炉の操業方法である。
【0008】本発明において、ゴム系廃棄物とは主として廃棄タイヤを示し、その廃棄タイヤとは、各種産業分野から発生する使用済みのタイヤを示す。ただし、ワイヤ,化学繊維等が除去されたものとする。
【0009】廃棄タイヤの粉砕は、予め100mm程度に破砕し、50mm程度に粗粉砕するとともにワイヤ等の金属を磁選除去し、さらに10mm程度に中粉砕するとともに化学繊維中の長繊維を選別除去し、次いでさらに5mm程度に微粉砕するとともに短繊維を選別除去することによって粉砕片を得ることが好ましい。また、上記高熱炉とは、高炉、冶金炉等の羽口を有する形態の炉すべてを含む。
【0010】上記第1の供給路と第2の供給路を別系統とし、羽口で集合させている理由は、配管内での閉塞を避けるため、搬送用ガスの流速を制御する必要があるからである。
【0011】従来、廃棄タイヤを炉頂から投入して燃焼させた際に、未燃焼煤及びタールが生成するのは、燃焼温度が低いこと、及び加熱速度が遅いことに主たる原因があった。これに対し、例えば高炉においては、コークス充填層に向け、燃料とともに熱風を吹き込むための羽口を備えており、この羽口から炉内にかけて高温領域が存在している。従って、その羽口から高炉内に向けて廃棄タイヤ粉砕片を吹き込めば、急速加熱と高温燃焼が同時に得られることになる。この点に着目してなされた本発明の操業方法に従えば、ほとんどコストのかからない廃棄タイヤを補助燃料として使用することができ、しかも完全燃焼が実現できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の操業方法に使用される冶金炉の一実施例を示したものである。
【0013】同図において冶金炉1の基部には、燃料及び熱風を吹き込むための第1の供給路2と、ゴム系廃棄物としての廃棄タイヤ粉砕片を吹き込むための第2の供給路3が備えられ、両供給路2及び3は1つの羽口4に集合されている。このような構成の冶金炉において、廃棄タイヤを粒径0.1〜20mmに粉砕し、その粉砕片を、上記第2の供給路3内を気体輸送し、補助燃料とともに羽口4から吹き込むことが本発明の特徴である。以下、詳しく説明する。
【0014】まず、廃棄タイヤの粉砕は、図2に示す工程図に従って行われる。なお、本実施例では自動車の廃棄タイヤを例に取って説明する。
廃棄タイヤ破砕工程自動車の廃棄タイヤ10は、フックコンベア11によって1本ずつ搬送され、破砕機12内に投入される。破砕機12は、2軸回転せん断式のものであり、ワイヤコードを含んだままの廃棄タイヤ、即ちスチールラジアルタイヤを強靭なカッタで破砕するようになっている。この破砕機12の下方には100mm孔が多数形成されているスクリーンが配置されており、小片になるまで廃棄タイヤを繰り返し破砕し、スクリーンを通過した破砕片をコンベア13上に排出し、コンベア14上に移送するようになっている。
【0015】粗粉砕と磁選工程破砕片の内部にはスチールワイヤ(ビードとコード)と化学繊維がゴム中に埋設して存在するため、コンパクトな1軸式ロータ型の粗粉砕機15を用いて擦り潰しながらそれらを分解する。得られた分解物は、ワイヤ除去のためにコンベア16上に載せられて工程上流側、即ちコンベア14上に戻される。そしてコンベア14の搬送途中に配置された磁選機17によってワイヤだけを選別し、さらに、磁選機18ではワイヤ付きゴム片を選別し、再度粗粉砕機15にかける。なお、磁選されたワイヤはコンベア19を介して排出される。
【0016】中粉砕と化学繊維選別工程一方、鉄分を含まないゴム破砕片(この段階では3〜10cm)は、先の粗粉砕機と同様な構造の1軸式ロータ型の中粉砕機20にてさらに細かく粉砕される。この中粉砕機20から排出されるゴム片は、化学繊維が混入している混合物であり、ゴム片に混入している少量のワイヤを磁選機21により磁選し、次に、振動ふるい機22により約8mm以上の粒子をふるい、その中の太く長めの化学繊維(約10〜25mm)を風力選別除去し、ベルトコンベア23を介して中粉砕機20に戻す。なお、長めの化学繊維はサイクロン24で捕集し、その他各所から発生する粉塵ダストはバッグフィルタで捕集し袋詰めする。
【0017】微粉砕と化学繊維選別工程製品粒度として0mm〜1.5mmの微粒を使用する場合には、さらに微粉砕工程が必要となる。振動ふるい機22から得られるゴム粒には依然としてかなりの量の短繊維が混入しているため、比重選別機25にてゴム粒からその化学繊維を分離する。
【0018】製品となる粒度が0mm〜1.5mmの微粒については振動ふるい機26でふるって回収し、ふるい上に残存するゴム粒は2ロール型の微粉砕機27にかける。ロールで粉砕したものは、振動コンベア28と空気輸送装置29を経由して再度振動ふるい機30にかけ、製品となる粒度0mm〜1.5mmのタイヤ粉砕片を回収し、ふるい上に残存するものは微粉砕機31に戻す。このようにして得られた粉砕片は、空気輸送装置32によって製品バンカーまで搬送され貯留される。上記の工程によって所望の粒度に粉砕された廃棄タイヤ粉砕片を冶金炉1の羽口から吹き込む。
【0019】なお、上記実施例では最終的に粒度0mm〜1.5mmのタイヤ粉砕片を製造したが、羽口から吹き込むタイヤ粉砕片の粒度範囲としては、0.1〜20mmの範囲のものを使用することができる。すなわち、高炉の羽口から廃棄タイヤ粉砕片を吹き込む場合、粒径が0.1mm未満であると、羽口に通じる第2の供給路3の管内壁に軟化付着が発生して圧力損失が増大するため、吹き込み操作が円滑に行えなくなる。一方、粒径が20mmを超えると、配管圧損が大きくなり過ぎるため、安定的に搬送することができなくなる。
【0020】詳しく説明すると、図3はタイヤ粉を気体輸送した実験結果を示したグラフである。同図において、横軸の混合比は固体流量/気体流量を示し、縦軸の圧損比は、固体搬送時における配管の圧力損失/固体非搬送時における配管の圧力損失を示している。即ち、混合比が“0”の場合、圧損比は“1”を示す。この混合比と圧損比の関係において、粉体量を増やし、混合比を大きくすると、圧力損失が増えて圧損比が大きくなることが分かる。粉体粒径の影響をまとめると、粉体粒径(φ)が0.1mm以下の場合であると、混合比に対する圧損比の増加量が急激に大きくなる。これに対し、粉体粒径が0.1mm以上であると、混合比に対する圧損比の増加量は、急激に増加せず粉体粒径と比例して大きくなる。
【0021】混合比が高いほど操業コストが安くなるものの、その反面加圧装置の設備が大型化してしまう。従って操業コストを考慮すると、気体輸送装置の能力によって自ずと混合比の上限が決まる。このことから、使用し得るタイヤ粉の好ましい粒径範囲は0.1〜20mmとなる。また、粒度の上限を10mmにした場合、混合比を広く取ることができるため、より好ましい粒度範囲は0.1〜10mmとなる。
【0022】
【実施例】粒度1〜3mmのタイヤ粉を40本の羽口を介して高炉に吹き込んで高炉操業を実施した結果、高炉炉頂ダスト量が増加することなく、排ガス洗浄水の沈澱分炉装置において水質が悪化しないことが確認された。
【0023】比較のため炉頂から廃棄タイヤを投入した場合における炉内消費量は、投入量の約50%程度であり、これに対して羽口から廃棄タイヤ粉砕片を吹き込んだ場合には、吹き込み量の90%以上が炉内で消費された。このことから、廃棄タイヤ粉砕片を羽口より吹き込む操業方法の方が、高い燃焼効率が得られることが確認された。表1は上記操業結果を比較したものである。
【0024】
【表1】【0025】羽口を10本有するキュポラについて、上記と同様に廃棄タイヤ粉砕片を羽口より吹き込んだ結果においても、ダスト量の増加はなく、タールの排出量が増加することもなかった。本発明のゴム系廃棄物は、上記した廃棄タイヤに限らず、コンベア用ベルト等のゴム廃棄物を使用することもできる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、本発明のゴム系廃棄物を用いた高熱炉の操業方法によれば、粉体の軟化溶着が生じにくいため気体輸送に好適であり、搬送管を閉塞することがない。また、搬送管路,炉壁に損害を与えないため、高熱炉の操業を安定して行うことができる。
【0027】また、本発明によれば、補助燃料としてほとんどコストのかからない廃棄タイヤを利用することができるため経済的な操業が行うことができる。さらに、本発明によれば、高温域が存在する炉内羽口近傍に、廃棄タイヤの粉砕片を吹き込むものであるため完全燃焼が得られ、環境を汚染する危険性がないという長所を有する。
- 【公開番号】特開平9−79550
【公開日】平成9年(1997)3月28日
【発明の名称】ゴム系廃棄物を用いた高熱炉の操業方法
【発明者】
【氏名】森岡 耕一
【氏名】上條 綱雄
【氏名】清水 正賢
【氏名】田仲 秀基
【氏名】園田 学
【氏名】八木 秀治
- 【出願番号】特願平7−231670
【出願日】平成7年(1995)9月8日
【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】植木 久一
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