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土壌改良方法とその作業機
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- 【要約】
【課題】 心土破砕、特に雪上心土破砕作業の際に積雪層の下側に存在する融水をナイフで形成されるスリットから心土層にまで導き、この融水の導入と共に、作土の一部と空気を心土層まで導き、心土層の改良を行うことを目的とするものである。
【解決手段】心土破砕を行うために用いるサブソイラのナイフに幅の広いスリットを形成する拡大体を着脱自在に取り付け、この拡大体が作土層の下側に存在することがある羊羮層に幅の広いスリットを形成してその部分のスリットが閉塞されにくいものにしたことを特徴とするものである。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 サブソイラ作業機を用いて心土破砕作業を行いながら、積雪帯の下側に存在する融雪水をナイフに取り付けたスリット拡大体により幅の広いスリットを形成しながら、その通過後に形成されるスリットを介して心土層に導くと共に、作土層の一部を心土層に導き、心土層の土壌に作土層の土壌を混在させることで土壌改良を行うことを特徴とする土壌改良方法。
【請求項2】 サブソイラ作業機において、そのナイフに対して、少なくとも作土層の下側に相当する部分にスリット拡大体を着脱自在に取り付けて構成したことを特徴とする作業機。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌改良方法とその作業機に関し、さらに詳しくは、雪上心破作業の際に、併せて土壌を改良すると共に、その改良作業を実施する上において適している作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】圃場の表面がまだ積雪に覆われている状態の春先に圃場の心土を破砕して、圃場の再生、更新を目的とした雪上心破作業が行われていること周知である。これは、春先のまだ雪が完全に解けきらない内に行われている。この作業の利点はトラクタの踏圧が積雪の弾力で緩和されて、直接作土表面に影響を与えないことから、圃場にやさしく、さらに心土層を破砕して固くなっている状態を解放するとともに、空気を導入し、土壌の活性化を図るものとして、特に東北、北陸、北海道地区において採用されている作業である。この作業には通常サブソイラ作業機が用いられており、これを牽引するトラクタはクロ−ラ形式の大型のものが用いられるので、小型のトラクタに比較すると踏圧が小さい上に前述のように雪によりその踏圧が緩和されるので、作土層に影響を与えずに心土破砕の目的を達成することができるので必然的に普及する傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】心土破砕は通常春先に行われるため、その頃の圃場環境断面構造をみると、積雪層の下側では既に融雪が始まっていて、その融雪水の一部が積雪層と、圃場表面、言い換えると、作土表面との間に滞留している。このような土壌環境において心土破砕作業を行うと、サブソイラのナイフにより形成されるスリットから前記融雪水の一部が心土部分まで浸透することになる筈であるが、実際には、北海道などに多い地層、具体的には粘土質地帯においては水分を含んだ作土層は粘りが強くなり、通称羊羮状態になっていて、ナイフが通過した後に形成されるスリットは土壌のもつ弾性によりすぐさま閉塞されてしまい、前記融雪水は滞留状態のまま作土層の表面に溜ったままで雪解けを待つことになる。
【0004】したがって、融雪水は自然蒸発を待つが、自然透水を待つかにより除去されることになる。ところが、透水性の劣る圃場では自然透水を期待することができずに積雪が悉く解けてしまったあと圃場外に流出してしまうのを待つ外術はない。しかしながら、融雪水が圃場外部に流出することは作土の流出につながり、作土層のもつ栄養分も流出する結果となり、やがては圃場の荒廃を招くことになる。言い換えると、融雪水の有効利用は図ることが圃場性能の向上に寄与することができるのである。そこで、本発明は前記融雪水の有効利用を図るとともに、併せて圃場土壌の改良改質を行う方法と、その作業に適した作業機を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述のような目的達成するために、本発明は、サブソイラ作業機を用いて心土破砕作業を行いながら、積雪帯の下側に存在する融雪水をナイフに取り付けたスリット拡大体により幅の広いスリットを形成しながら、その通過後に形成されるスリットを介して心土層に導くと共に、作土層の一部を心土層に導き、心土層の土壌に作土層の土壌を混在させることで土壌改良を行うことを特徴とする土壌改良方法であり、また、サブソイラ作業機において、そのナイフに対して作土層からその下の耕盤層、さらにはその下の心土層にかけてのこれらに相当する部分位置にスリット拡大体を着脱自在に取り付けて構成したことを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1ないし、図4について説明をする。まず、添付したこれらの図において符号10は圃場を示し、図1は春先の圃場の断面図であり、積雪層11の下には積雪層11の下層部分が解けてできたた融水層12が形成されており、この融水層12は圃場表面、言い換えると、作土層13の表面との間に存在しており、この作土層13の下側には不透水層である耕盤層14が形成されて、その下側に存在する心土層15が存在している。前記作土層13はは空気を含み、水分を保持することができるできるのであるが、その下側に存在する耕盤層14は硬く作物の根の成育を妨げるばかりか、水分の浸透をも妨げ、心土層15との隔壁の働きをして、土壌全体の保水力を低下させる原因を作っている。言い換えると、圃場の好ましい条件は作土層13が深く、作物の根が心土層15まで達するような環境を保持していることが望ましく、作物を成育させる上で好ましくない耕盤層14はこれを破砕して、圃場表面に滞留する融雪水(雨水も同じである)を心土層まで導き、この心土層において水分を保持させると共に、作土層の水分はこれを排水させることが必要である。
【0007】そこで、図2に示すように、心土破砕作業において、サブソイラ作業機のナイフにより積雪層11、融水12、作土層13、耕盤層14、心土層15にスリットSを形成することになる。このとき、ナイフの通過した後に形成される空間が幅の広いものであれば問題はないが、耕盤層14の上層部分は羊羮状のことが多く、この部分にスリットSが形成されても、土壌のもつ弾性によりすぐさまそのスリットが閉塞されてしまい、耕盤層14が破砕されているにも拘らず、作土層上に滞留する融雪水は心土層15まで到達することができない。
【0008】そこで、作土層13の下側から耕盤層14に相当する部分においては、スリットSの幅を大きくして、羊羮層部分に拡大スリットS1を形成し、幅の広いこの拡大スリットS1を介して融雪水を心土層15まで導き、再び羊羮層が閉塞に至るとしても、それまでに時間があるので、その間に大量の融雪水を心土層15へと確実に導入させるのである。このとき、融雪水が前記スリットS並びに拡大スリットS1に流れ込むときに作土層13の表面に存在する土壌を伴って心土層15にまで流れ込むことになり、心土層に比較して肥沃な作土層13の表面土と融雪水は積極的に心土部分に導入される。
【0009】すなわち、この融雪水がナイフで形成されたスリットSから心土層まで導き入れられるとき、作土層13の土壌の一部が融雪水とともに、心土層15にまで導かれ、栄養分の多い作土層が心土層に至ることで心土層の改良、肥沃化を図ることができる。
【0010】また、融雪水が心土層15に導かれることで作土層13の下側から耕盤層14に至る部分、いわゆる羊羮層の過剰水分も心土層15中に至り、羊羮状態の土壌が乾燥して弾力を失い、経年変化によりスリットが閉塞されることがなくなり、また、深い部分にまで作物に必要な栄養分を供給させることができる。
【0011】さらに、作物の成育過程においては、耕盤層14が破砕されているので、作物の根のはりは心土層15にまで至り、根圏域の拡大を促し、作物を成育を助長させ得て、これにより旱魃や、長雨に強い作物とすることができる。
【0012】以上の作業方法を実施する上において、使用される作業機について以下説明をする。先ず図1、図3、図4以下において符号20は作業機全体を示し、これはサブソイラ形式の作業機であり、この作業機20を構成するフレ−ム21にはナイフ22が取りつけられていること従来のサブソイラ作業機と同様であって、このナイフ22の高さ方向中程に前記ナイフ22より幅寸法が大きい拡大体30が取り付けられており、この拡大体30はナイフ22を含む平面に沿って分割できるようになっており、作業幅方向左右に分割することができるものである。
【0013】すなわち、拡大体30は作業進行方向の先端部31Sが鋭利な形状を描いている拡大半体31と、この拡大半体31と合掌形に組み合わされる拡大半体32とにより構成されており、両者を合わせた中央部に空間33が形成されて、この空間33にナイフ22が装通することができるようになっている。拡大体30は2分割可能になっているので、ナイフ22をサンドウィッチする形でその空間33にナイフ22を収容する。前記拡大半体31、拡大半体32の作業進行方向の後端部は互いに密着でき、前記空間を閉じる形の肉厚部31X、32Xが形成されている。
【0014】さらに、拡大反体31と拡大半体32、さらには前記ナイフ22には共通するボルト孔31A、32A、22Aが穿けてあり、これにボルト34を挿通してナット締めできるようになっている。このとき、ボルト34、ナットが拡大半体31、32のボルト孔31A、32Aの周囲にはそれらが収容される座ぐりが形成されていて、ボルト頭部やナットが拡大体30の表面(幅以上)に突出することがないようになっている。また、ナイフ22には拡大体30の取付位置を選択できるように高さ方向に複数のボルト孔が穿設してある。
【0015】拡大体30をナイフ22に対して取り付けるのであるが、予め予測して羊羮層が存在する位置に、この拡大体30が取り付けられ、作業中には、この拡大体30が幅の広いスリット、いわゆる拡大スリットS1を形成することができるのである。
【0016】また、前記拡大体30は図5に示すように、土質や圃場の深さ方向の構造などに対応して図5(A)に示すもの、あるいは図5(B)に示すもの、さらには、図5(B)において仮想線で示す形状のものが用いられる。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明の土壌改良方法によれば、融雪時の融雪水を作土層の土の一部と共に耕盤層ならびに心土層に形成されるスリットを介して心土層に導入することができ、これにより呼吸することができなかった心土層に作土層のもつ栄養分と空気を供給することで土壌を改良することができる。また、その作業機によれば、ナイフの幅だけのスリットではなく、これより幅の大きいスリットを任意の位置に形成することができるので、融雪水を確実に心土層に導入することができるなどの効果がある。
- 【公開番号】特開平10−1
【公開日】平成10年(1998)1月6日
【発明の名称】土壌改良方法とその作業機
【発明者】
【氏名】中山 豊一
- 【出願番号】特願平8−175700
【出願日】平成8年(1996)6月14日
【出願人】
【識別番号】391057937
【氏名又は名称】スガノ農機株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 茂 (外1名)
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