スポンサード リンク
自転車の車輪用反射装置
スポンサード リンク
- 【要約】
【課題】 一時停止している場合には車両からの光を反射して確実に運転者に視認させることができないとともに、左右いずれの方向からの光に対しても均等に反射させることはできなかった。
【解決手段】 両面または片面を反射面とした反射板と、中央部にスポーク用嵌合溝を設け、前記嵌合溝の両側に前記反射板を固定する反射板固定部を設けるとともに、前記嵌合溝を一端から他端に向けて次第に深く形成した連結具とからなり、前記連結具を介して反射板を連結することを特徴とする。
スポンサード リンク
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 両面または片面を反射面とした反射板と、中央部にスポーク用嵌合溝を設け、前記嵌合溝の両側に前記反射板を固定する反射板固定部を設けるとともに、前記嵌合溝を一端から他端に向けて次第に深く形成した連結具とからなり、前記連結具を介して反射板を連結することを特徴とする自転車の車輪用反射装置。
【請求項2】 反射板を平面長方形状に形成し、長手方向の側面を湾曲させたことを特徴とする請求項1記載の自転車の車輪用反射装置。
【請求項3】 前記反射板はテープ状体であって両端に透孔を設け、連結具の反射板固定部の先端に折返片を突設し、前記折返片を前記透孔に挿入して固定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の自転車の車輪用反射装置。
【請求項4】 反射板と連結具とは貼着によって連結することを特徴とする請求項1または請求項2記載の自転車の車輪用反射装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自転車の車輪に取り付けて自動車等の光を反射させ、自転車の走行を運転者に知らせる自転車の車輪用反射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、夜間走行中の自転車の存在を自動車等の運転者に視認させるために、車輪のスポークに車両の光を反射させる反射器を取り付けることが行われている。このような反射器として、例えば、実開平4−51883号公報(以下第1公知例という)、あるいは実用新案登録第3013685号公報(以下第2公知例という)記載のものがある。第1公知例のものは、合成樹脂板の中央部を円形状に形成し、かつその左右両側に帯状の突出部を設けた扇状の表面板と、この表面板と外形を略同じくした裏面板とからなり、前記表裏両面板間にスポークを係止する隙間部が設けられるとともに、表面板の円形状の中央部に夜光反射材が貼着されて形成されている。
【0003】一方、前記第2公知例のものは、断面が略楕円形状でその円周方向の全面に反射材を有する反射部と、反射部の左右両側に設けられ、自転車の車輪の2本のスポークに取り付け可能な一対の取付部と、取付部と反射部の両側とを連結するとともに、反射部と取付部の相対的な角度を可変し得る連結部とを具備する。反射部は一対の円弧板で形成され、その全外周面に高輝度反射シートが貼着される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1公知例では、表裏両面板の間にスポークを係止するために、取り付けが面倒であるとともに、全周に亙って取り付けることができないという問題がある。また、第2公知例では、略楕円形状の断面を有しているために、スポークの側方にはみ出すおそれがあり、側方にはみ出した場合には車輪周辺のものに引っかかるおそれがあり危険である。
【0005】また、第1公知例、第2公知例ともに、一部のフレームに取り付けられるものであるから、停車中には反射器の位置によって隠れて見えなくなるおそれがある。即ち、自転車の走行中は車輪の回転とともに当然反射器も回転しているから、進行方向に対して車輪の前後上下のいずれにおいても視認することはできるが、信号待ちや路地から通りに出るときに一時停止することがあり、このような場合には反射器が車輪の進行方向に対する後ろ側に位置し、車両の運転者からは飛び出している車輪の一部が見えるだけで反射器自体は足や電柱等に隠れて見えなくなるおそれがある。このように車輪の一部に取り付ける反射器にあっては、確実に車両の光を反射して自転車の存在を運転者に知らせることは困難であった。
【0006】この発明はかかる現況に鑑みてなされたもので、その目的は、夜間において走行中は勿論、一時停止している場合でも車両からの光を反射して確実に運転者に視認させることができるとともに、左右いずれの方向からの光に対しても確実に反射し得る自転車の車輪用反射装置を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ち、この発明の請求項1に係る自転車の車輪用反射装置は、両面または片面を反射面とした反射板と、中央部にスポーク用嵌合溝を設け、前記嵌合溝の両側に前記反射板を固定する反射板固定部を設けるとともに、前記嵌合溝を一端から他端に向けて次第に深く形成した連結具とからなり、前記連結具を介して反射板を連結することを特徴とする。また、請求項2に係る自転車の車輪用反射装置は、反射板を平面長方形状に形成し、長手方向の側面を湾曲させたことを特徴とする。また、請求項3に係る自転車の車輪用反射装置は、前記反射板はテープ状体であって両端に透孔を設け、連結具の反射板固定部の先端に折返片を突設し、前記折返片を前記透孔に挿入して固定することを特徴とする。また、請求項4に係る自転車の車輪用反射装置は、反射板と連結具とは貼着によって連結することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、図示する実施形態について詳細に説明する。図1はこの発明を構成する反射板であり、図2〜図4は前記反射板を連結する連結具である。この発明にかかる反射装置は、前記反射板と連結具の組み合わせによって構成される。反射板1はテープ状の薄板体であって表裏両面には高輝度反射シートが貼着され、あるいは夜光塗料が塗布されて夜間に自動車等の光を反射するように形成されている。反射板1は、全体として平面長方形状であるが、長手方向の側端面3、5は同一方向にわずかに湾曲しており、自転車の車輪のスポークに連続して取り付けたとき円環状となるように形成されている。さらに、両端部には連結具を固定する透孔7が穿設されている。
【0009】連結具9は、中央部に両端が解放したスポークを係止する嵌合溝10が設けられ、前記嵌合溝10の両側を反射板固定部11となし、前記反射板固定部11の先端に折返片13を突設してなる。前記嵌合溝10は、スポークを嵌着して係止した後容易に外れないように溝の開口面はわずかに窄まっていることが好ましく、溝の弾性を利用してスポークを押し込むようにして取り付けられる。さらに、前記嵌合溝10は、一方から他端側に向けて次第に溝が深くなっており溝の底面の反射板固定部11に対する傾斜角度θは、後述するハブ軸に対するスポークの傾斜角度に対応している。
【0010】前記反射板固定部11の側端面13、15は湾曲しており、その大きさは、前記反射板1の側端面3、5とほぼ同じである。従って、連結具9によって反射板1を連続して連結した場合には円環状を形成することになる。前記側端面13、15は湾曲面ではなく、嵌合溝10に対して一定の角度を有する直線状の傾斜面としてもよい。さらに、前記反射板固定部11の先端には、折返片17が突設されており、、折返片17は前記反射板1の透孔7に挿入した後折り返すことによって固定するものである。前記連結具9は、アルミ等の薄板金属、あるいは合成樹脂で形成されている。
【0011】次に、この発明の特徴を明らかにするために、自転車の車輪のスポークの構成について説明する。図5は自転車の前車輪の説明用側面図である。自転車の車輪20は、フレームに連結された前ホーク21の先端にハブ23が回転自在に軸支されており、前記ハブ23と同軸に設けられたリム25とを複数本のスポーク27によって連結してなるものである。ハブ23とリム25を連結するスポーク27は、一端がリム25の内周面の幅方向の中心部に一定間隔で固定され、他端は互いに交差しながらハブ23の両端部にそれぞれ固定されている。
【0012】そして、前記スポーク27は、図5、図6から明らかなように、一本置きに組み合わせた2本のスポーク27を交差させてハブ23の側端23aに固定されるスポーク群27a(図5で実線で示す)と、同じく、一本置きに組み合わせた2本のスポーク27を交差させてハブ23の側端23bに固定されるスポーク群27b(図5で点線で示す)とから構成されている。従って、スポーク群27aは交差する2本ずつの組み合わせであるとともに、スポーク群27aとスポーク群27bはそれぞれ1本置きにハブ23の側端23aと側端23bに振り分けられ、リム25の内周面の幅方向の中心部からの垂直線Sに対しては一定の角度で傾斜している(図6参照)。
【0013】上述したように、スポーク27はハブ23の軸に対して傾斜しているから、反射板をスポーク群27aとスポーク群27bのいずれか一方にのみ取り付けた場合には、反射面が傾斜することになり、左右いずれか一方からの光は十分な反射効果を得ることができない。しかしながら、この発明では反射板をリム25の内周面の幅方向の中心部からの垂直線Sに対してほぼ同一方向に取り付けることができるから、左右いずれの方向からの光も十分に反射することができる。
【0014】次に、この発明の反射装置のスポークへの取り付け方法について説明する。まず、反射板1の両端に連結具9を反対向きに取り付ける。連結具9の折返片17を反射板1の透孔7に差し込み、反射板1の端部を反射板固定部11に貼着させ、折返片17を折り返して固定すればよい。折返片17は反射板1の剥離を防止し強固に固定するように働く。反射板1の長さは連結具9を2本のスポークの間を通し、3本目のスポークに取り付けるように形成されている。即ち、スポーク群27aの一本目のスポークを連結具9の嵌合溝10に押し入れて取り付けた後、スポーク群27aの2本目のスポークとスポーク群27bの1本目のスポークとの間を通しスポーク群27bの2本目のスポークを反射板1の他端に固定した反対向きの連結具9の嵌合溝10に押し入れて取り付ければよい。
【0015】このようにして、反射板1を両端において反対向きとなる連結具9を介して帯状に連結し、これを上記のようにスポーク群27aとスポーク群27bとの間に通し、連結具9により3本目ごとにスポークに固定して円環状に連続させればよい(図5、図7及び図8参照)。連結具9の嵌合溝10の底部は他端に向けて傾斜しており、前記傾斜確度θはスポーク27のリム25の内周面の幅方向の中心部からの垂直線Sに対する傾斜角度とほぼ同じであるから、連結具9を交互に反対向きに取り付けた場合には、図9に示すように、反射板1は前記垂直線Sとほぼ同一面に配設されることになる。従って、この発明に係る反射装置は、進行方向における左右いずれからの光に対しても反射板は均等に対向することになる。
【0016】反射板1は、ハブ23の側端23a、23bに交互に振り分けられたスポーク群27aとスポーク群27bとの間を通して取り付けるとともに、テープ状であるから、スポークから車輪の幅方向に突出することがなく安全である。また、スポークの間を通っているから、側方から衝撃を受けてもスポークによって係止されて外れることがない。さらに、連結具9は交互に反対向きにスポークに取り付けられているから側方からの衝撃に対して一層強固に取り付けられる。
【0017】尚、上記実施形態では、連結板1の長さを連結具9を三本目ごとのスポーク27に取り付ける長さとしたが、嵌合溝10の底部の傾斜角度θを大きくすれば順次各スポークに取り付けることができる。また、反射板1の側端面3、5を湾曲面とするとともに、連結具9の側端面13、15も湾曲面としたが、いずれか一方または双方とも直線状に形成してもよい。また、反射板1と連結具9の反射板固定部11との連結構造は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、透孔7と折返片17を設けることなく単に貼着するだけでよいのは勿論、反射板固定部11を2枚構造となし、反射板1を挾持させる構造としてもよい。
【0018】さらに、反射板1は片面のみを反射面となし、反射面の向きを交互に変えながら円環状に連結してもよい。あるいは、反射板1は環状体に完全に連続させることなく、間をあけて1つ置きに取り付けてもよい。また、連結具9における反射板固定部11の形状も実施形態のような長方形状に限定されるものではなく、三角形、菱形等任意の形状とすることができる。
【0019】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明に係る反射装置にあっては、取り付けが簡単であり、連結具は交互に向きを変えてスポークに取り付けられるから、側方からの衝撃に対しても外れることがない。また、テープ状体であるからスポークから側方へ突出することがなく、安全に走行することができる。この発明の反射装置は、夜間走行中の左右いずれからの光にも均等に反射する。従って、信号待ちや路地から出る際に一時停止しても死角になる部分がなく、自転車の存在を車両の運転者に確実に視認させることができて、夜間走行の安全性を向上させることができる。
- 【公開番号】特開平10−16846
【公開日】平成10年(1998)1月20日
【発明の名称】自転車の車輪用反射装置
- 【出願番号】特願平8−195584
【出願日】平成8年(1996)7月5日
【出願人】
【識別番号】391005248
【氏名又は名称】三力工業株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 光生
- ※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。
-
当サイトではIPDL(特許電子図書館)の公報のデータを著作権法32条1項に基づき公表された著作物として引用しております、
収集に関しては慎重に行っておりますが、もし掲載内容に関し異議がございましたらお問い合わせください、速やかに情報を削除させていただきます。