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植物育苗培地
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- 【要約】
【課題】育苗用連結型容器での使用に適した植物育苗培地を提供すること。
【解決手段】肥料成分を含有する植物育苗培地において、その肥料成分の粒径が1mm以下であり、かつ緩効性窒素源化合物を窒素換算で10mg/L以上10g/L 以下の割合で含有することを特徴とする植物育苗培地。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】肥料成分を含有する植物育苗培地において、その肥料成分の粒径が1mm以下であり、かつ緩効性窒素源化合物を窒素換算で10mg/L以上10g/L 以下の割合で含有することを特徴とする植物育苗培地。
【請求項2】緩効性窒素源化合物が尿素とアルデヒド化合物との縮合化合物であることを特徴とする請求項1記載の植物育苗培地。
【請求項3】緩効性窒素源化合物がウレアホルムであることを特徴とする請求項1記載の植物育苗培地。
【請求項4】請求項1記載の植物育苗培地で植物を栽培することを特徴とする植物の栽培方法。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物育苗培地およびその利用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、農園芸作業の合理化を目的として、苗生産の場において、例えば、連結型プラスチックトレ−、連結型ペ−パ−ポット等の育苗用連結型容器による育苗が盛んに行われるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の育苗用連結型容器は一穴の容量が小さいために、詰められる培地の量が限られてしまい、このため苗の生育に必要な肥料成分を培地から充分に得にくいという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような状況下、本発明者らは鋭意検討を行った結果、使用される肥料成分の粒径を特定の値以下に抑え、かつ緩効性窒素源化合物を肥料成分として特定量混合させることにより、苗の生育に必要な肥料成分を充分に有する植物育苗培地が得られることを見出し、本発明に至った。即ち、本発明は、1.肥料成分を含有する植物育苗培地において、その肥料成分の粒径が1mm以下であり、かつ緩効性窒素源化合物を窒素換算で10mg/L以上10g/L 以下の割合で含有することを特徴とする植物育苗培地(以下、本発明培地と記す。)、2.緩効性窒素源化合物が尿素化合物とアルデヒド化合物の縮合化合物であることを特徴とする前項1記載の植物育苗培地、3.緩効性窒素源化合物がウレアホルムであることを特徴とする前項1記載の植物育苗培地、4.前項1記載の植物育苗培地で植物を栽培することを特徴とする植物の栽培方法(以下、本発明栽培方法と記す。)
を提供するものである。以下、さらに詳細に本発明を説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】
【0006】本発明培地は、肥料成分を含有する植物育苗培地であって、育苗用連結型容器で使用される培地に適したものであり、苗の生育に必要な肥料成分を均一にしかも充分に含有し、かつ培地の塩類濃度が発芽や苗の生育に悪影響を与えないように制御されたものである。
【0007】本発明で用いられる肥料成分は、その粒径を1mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.1mm以下に粉砕したものである。該肥料成分としては、例えば、緩効性窒素源化合物、即効性窒素源化合物、リン化合物、カリウム化合物、カルシウム化合物、その他微量要素等をあげることができ、このうち緩効性窒素源化合物は、培地に対して窒素換算で10mg/L以上10g/L 以下の割合で植物育苗培地に含有させることが必要である。
【0008】ここで緩効性窒素源化合物とは、植物が吸収利用可能な窒素化合物を長期間に渡って少量ずつ放出する供給源となる化合物を意味し、例えば、ウレアホルム、クロトニリデンダイウレア、イソブチリデンダイウレア等の尿素とアルデヒド化合物との縮合化合物、グアニル尿素、オキザミド、及びこれらの組合せ混合物等をあげることができる。
【0009】即効性窒素源化合物としては、植物が吸収利用可能な窒素化合物を短期間で放出する供給源となる化合物を意味し、例えば、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、尿素等をあげることができる。
【0010】リン化合物としては、過燐酸石灰、アンモニウム化過燐酸石灰、熔成燐肥等があげられ、カリウム化合物としては、塩化カリウム、硫酸カリウム等をあげることができる。またカルシウム化合物としては、硝酸カルシウム、カキ貝殻等があげられ、その他微量要素としては、マグネシウム、鉄、亜鉛、チタン、コバルト、ニッケル、マンガン、銅、モリブデン等の微量金属をあげることができる。
【0011】このような肥料成分の他に、本発明培地は、通常、無機素材及び有機素材を含有している。無機素材としては、例えば、バ−ミキュライト、ベントナイト、ゼオライト等の鉱物性材、これらの組合せ混合物等をあげることができる。有機素材としては、例えば、藁、籾殻、ピ−トモス、バガス、バ−ク、ヤシ殻等の植物性材、これらの組合せ混合物等があげられる。これら含有される無機素材と有機素材の混合割合は必ずしも限定されるものではないが、例えば、体積比で1:4から2:1程度の範囲であることが好ましい。
【0012】この他、本発明培地は、必要に応じて殺菌剤、殺虫剤、植物成長調節剤、界面活性剤等を本発明培地が有する効果を阻害しない範囲において適量含有させることもできる。以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】
製造例1肥料成分としてウレアホルム(窒素換算で本発明培地1000L当たり300g)、アンモニア化過燐酸石灰(本発明培地1000L当たり1200g)、硫酸カリウム(本発明培地1000L当たり700g)及びカキ貝殻(本発明培地1000L当たり1200g)を粒径0.1mm以下に粉砕した後、これらの肥料成分に無機素材としてバ−ミキュライトと有機素材としてピ−トモスとの混合物〔混合割合(体積比)1:1〕を混合した。さらに得られた混合物に、あらかじめ非イオン性界面活性剤(ソルポ−ル8043:東邦化学社製)を所定量(水1000L当たり界面活性剤50g)添加した水溶液(本発明培地1000L当たり100L)を加え、均一になるまで充分に混合することによって本発明培地Aを製造した。
【0014】試験例1製造例1によって製造された本発明培地Aを連結型プラスチックトレ−(ランドマ−ク社製、406穴)に詰め、このトレ−にトルコギキョウ種子を1粒/穴の割合で播種し、60日間栽培した。その結果、良苗が高率で得られた(表1参照)。これは、本発明培地Aが苗の生育に必要な肥料成分を均一にしかも充分に含有し、かつ培土の塩類濃度が種子の発芽や苗の生育に悪影響を与えないように制御されたことを示すものである。
【0015】
【表1】
────────────────────────────────── 良苗 不良苗 未発芽────────────────────────────────── 本発明培地A 苗本数 383 3 20 (%播種粒数)(94.3) (0.7) (5.0)
──────────────────────────────────【0016】製造例2肥料成分としてウレアホルム(窒素換算で本発明培地1000L当たり300g)、アンモニア化過燐酸石灰(本発明培地1000L当たり1200g)、硫酸カリウム(本発明培地1000L当たり700g)及びカキ貝殻(本発明培地1000L当たり1200g)を粒径0.1mm以下又は0.5mm以下に粉砕した後、これらの肥料成分に無機素材としてバ−ミキュライトと有機素材としてピ−トモスとの混合物〔混合割合(体積比)1:1〕を混合した。さらに得られた混合物に、あらかじめ非イオン性界面活性剤(ソルポ−ル8043:東邦化学社製)を所定量(水1000L当たり界面活性剤50g)添加した水溶液(本発明培地1000L当たり100L)を加え、均一になるまで充分に混合することによって本発明培地B又はCを製造した。
【0017】比較製造例1肥料成分を粉砕しない以外は製造例2と同様な方法で比較用培地Aを製造した。尚、肥料成分の粒径は、0<〜約3mmにばらついていた。
【0018】試験例2製造例2によって製造された本発明培地B、C及び比較製造例1によって製造された比較用培地Aを各々別々に連結型プラスチックトレ−(ランドマ−ク社製、406穴)に詰め、このトレ−にトルコギキョウ種子を1粒/穴の割合で播種し、60日間栽培した。その結果、本発明培地B、Cの場合、良苗が高率で得られた(表2参照)。これは、本発明培地B、Cが苗の生育に必要な肥料成分を均一にしかも充分に含有し、かつ培土の塩類濃度が種子の発芽や苗の生育に悪影響を与えないように制御されたことを示すものである。これに対し、比較用培地Aの場合、良苗率は20%強低下し、かつ未発芽の個体が10%を越えて発生した。
【0019】
【表2】
────────────────────────────────── 良苗 不良苗 未発芽────────────────────────────────── 本発明培地B 苗本数 390 3 13 (%播種粒数)(96.1) (0.7) (3.2)
────────────────────────────────── 本発明培地C 苗本数 368 13 25 (%播種粒数)(90.6) (3.2) (6.2)
────────────────────────────────── 比較用培地A 苗本数 283 75 48 (%播種粒数)(69.7)(18.5)(11.8)
──────────────────────────────────【0020】製造例3肥料成分としてウレアホルム又はイソブチリデンダイウレア(どちらも窒素換算で本発明培地1000L当たり300g)、アンモニア化過燐酸石灰(本発明培地1000L当たり1200g)、硫酸カリウム(本発明培地1000L当たり700g)及びカキ貝殻(本発明培地1000L当たり1200g)を粒径0.1mm以下に粉砕した後、これらの肥料成分に無機素材としてバ−ミキュライトと有機素材としてピ−トモスとの混合物〔混合割合(体積比)1:1〕を混合した。さらに得られた混合物に、あらかじめ非イオン性界面活性剤(ソルポ−ル8043:東邦化学社製)を所定量(水1000L当たり界面活性剤50g)添加した水溶液(本発明培地1000L当たり100L)を加え、均一になるまで充分に混合することによって本発明培地D又はEを製造した。
【0021】比較製造例2ウレアホルム又はイソブチリデンダイウレアの代わりに硝酸アンモニウム(窒素換算で本発明培地1000L当たり300g)を用いること以外は製造例3と同様な方法で比較用培地Bを製造した。
【0022】試験例3製造例3によって製造された本発明培地D、E及び比較製造例2によって製造された比較用培地Bを各々別々に連結型プラスチックトレ−(ランドマ−ク社製、406穴)に詰め、このトレ−にトルコギキョウ種子を1粒/穴の割合で播種し、60日間栽培した。その結果、本発明培地D、Eの場合、良苗が高率で得られた(表3参照)。これは、本発明培地D、Eが苗の生育に必要な肥料成分を均一にしかも充分に含有し、かつ培土の塩類濃度が種子の発芽や苗の生育に悪影響を与えないように制御されたことを示すものである。これに対し、比較用培地Bの場合、良苗が全く得られず、かつ未発芽の個体が半数発生した。
【0023】
【表3】
────────────────────────────────── 良苗 不良苗 未発芽────────────────────────────────── 本発明培地D 苗本数 388 5 13 (%播種粒数)(95.6) (1.2) (3.2)
────────────────────────────────── 本発明培地E 苗本数 361 36 9 (%播種粒数)(88.9) (8.9) (2.2)
────────────────────────────────── 比較用培地B 苗本数 0 203 203 (%播種粒数) (0.0)(50.0)(50.0)
──────────────────────────────────【0024】製造例4肥料成分としてウレアホルム又はクロトニリデンダイウレア(どちらも窒素換算で本発明培地1000L当たり300g)、アンモニア化過燐酸石灰(本発明培地1000L当たり1200g)、硫酸カリウム(本発明培地1000L当たり700g)及びカキ貝殻(本発明培地1000L当たり1200g)を粒径0.1mm以下に粉砕した後、これらの肥料成分に無機素材としてバ−ミキュライトと有機素材としてピ−トモスとの混合物〔混合割合(体積比)1:1〕を混合した。さらに得られた混合物に、あらかじめ非イオン性界面活性剤(ソルポ−ル8043:東邦化学社製)を所定量(水1000L当たり界面活性剤50g)添加した水溶液(本発明培地1000L当たり100L)を加え、均一になるまで充分に混合することによって本発明培地F又はGを製造した。
【0025】比較製造例3ウレアホルム又はクロトニリデンダイウレアの代わりに硫酸アンモニウム(窒素換算で本発明培地1000L当たり300g)を用いること以外は製造例4と同様な方法で比較用培地Cを製造した。
【0026】試験例4製造例4によって製造された本発明培地F、G及び比較製造例3によって製造された比較用培地Cを各々別々に連結型プラスチックトレ−(ランドマ−ク社製、406穴)に詰め、このトレ−にトルコギキョウ種子を1粒/穴の割合で播種し、60日間栽培した。その結果、本発明培地F、Gの場合、良苗が高率で得られた(表5参照)。これは、本発明培地F、Gが苗の生育に必要な肥料成分を均一にしかも充分に含有し、かつ培土の塩類濃度が種子の発芽や苗の生育に悪影響を与えないように制御されたことを示すものである。これに対し、比較用培地Cの場合、良苗が全く得られず、かつ未発芽の個体が半数発生した。
【0027】
【表4】
────────────────────────────────── 良苗 不良苗 未発芽────────────────────────────────── 本発明培地F 苗本数 391 9 6 (%播種粒数)(96.3) (2.2) (1.5)
────────────────────────────────── 本発明培地G 苗本数 366 32 8 (%播種粒数)(90.1) (7.9) (2.0)
────────────────────────────────── 比較用培地C 苗本数 0 181 225 (%播種粒数) (0.0)(44.6)(55.4)
──────────────────────────────────【0028】
【発明の効果】本発明培地は、苗の生育に必要な肥料成分を均一にしかも充分に含有し、かつ培地の塩類濃度が発芽や苗の生育に悪影響を与えないように制御された植物育苗培地であり、そして本発明により育苗用連結型容器での使用に適した植物育苗培地の提供を可能にした。
- 【公開番号】特開平10−19
【公開日】平成10年(1998)1月6日
【発明の名称】植物育苗培地
【発明者】
【氏名】辻井 拓二
【氏名】小林 伸雄
- 【出願番号】特願平8−153825
【出願日】平成8年(1996)6月14日
【出願人】
【識別番号】596005964
【氏名又は名称】住化農業資材株式会社
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学工業株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】久保山 隆 (外1名)
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