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スクータ型車両の物品収納室
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- 【要約】
【課題】整備手帳等の常備品の収納スペースを備えたスクータ型車両の物品収納室を提供するにある。
【解決手段】ヘルメット15等の物品を収納可能な物品収納室16を備えたスクータ型車両において、物品収納室16の底面16aを前方下り傾斜状に成形し、その最前端部を一段低く成形して凹陥部18を形成する一方、この凹陥部18手前の物品収納室底面16aに係止突条19を一体的に突設し、ヘルメット15の前縁下部が係止突条19に係止した状態で物品収納室16の前壁16bとヘルメット15前部との間に間隙20が形成されるように係止突条19を配置したものである。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 ヘルメット等の物品を収納可能な物品収納室を備えたスクータ型車両において、上記物品収納室16の底面16aを前方下り傾斜状に成形し、その最前端部を一段低く成形して凹陥部18を形成する一方、この凹陥部18手前の上記物品収納室底面16aに係止突条19を一体的に突設し、上記ヘルメット15の前縁下部が上記係止突条19に係止した状態で上記物品収納室16の前壁16bと上記ヘルメット15前部との間に間隙20が形成されるように上記係止突条19を配置したことを特徴とするスクータ型車両の物品収納室。
【請求項2】 上記凹陥部18の底部にドレン孔22を形成すると共に、上記係止突条19の途中に上記物品収納室底面16aと上記凹陥部18とを連通する連通手段21を設けた請求項1記載のスクータ型車両の物品収納室。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスクータ型車両の物品収納室に関する。
【0002】
【従来の技術】スクータ型車両には、運転シート下部の車体カバーに囲まれた空間にヘルメット等の物品を収納可能な物品収納室を備えたものがある。
【0003】一般的なヘルメットの形状により、物品収納室の底面は通常前方下り傾斜状に成形されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、物品収納室内には整備手帳等の常備品の収納スペースが設けられておらず、常備品は任意の位置に置かれていたのでヘルメットの収納性に好ましくない影響を与える虞がある。
【0005】一方、物品収納室の底面が前方下り傾斜状に成形されていると、仮に物品収納室内で液体がこぼれると物品収納室前下部に液体が溜り、収納物を濡らす虞がある。
【0006】本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、整備手帳等の常備品の収納スペースを備えたスクータ型車両の物品収納室を提供することを目的とする。
【0007】この発明の他の目的は、物品収納室内で液体がこぼれても物品収納室前下部に液体が溜らないスクータ型車両の物品収納室を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るスクータ型車両の物品収納室は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、ヘルメット等の物品を収納可能な物品収納室を備えたスクータ型車両において、上記物品収納室の底面を前方下り傾斜状に成形し、その最前端部を一段低く成形して凹陥部を形成する一方、この凹陥部手前の上記物品収納室底面に係止突条を一体的に突設し、上記ヘルメットの前縁下部が上記係止突条に係止した状態で上記物品収納室の前壁と上記ヘルメット前部との間に間隙が形成されるように上記係止突条を配置したものである。
【0009】また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記凹陥部の底部にドレン孔を形成すると共に、上記係止突条の途中に上記物品収納室底面と上記凹陥部とを連通する連通手段を設けたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】図1は、この発明を適用したスクータ型車両の一例を示す左側面図である。図1に示すように、このスクータ型車両1は車体フレーム2を有する。車体フレーム2は、一本のダウンチューブ3と、このダウンチューブ3の後端側に接続され、後上方に延びる左右一対のリヤフレーム4とから構成される。そして、車体フレーム2は車体カバー5により覆われる。
【0012】ダウンチューブ3の前端にはヘッドパイプ6が設けられる。このヘッドパイプ6には前輪7を回動自在に支持するフロントフォーク8やハンドルバー9等が設けられ、このハンドルバー9により前輪7が左右に回動自在に操舵される。
【0013】一方、車体フレーム2の中央下部にはパワーユニット10がスイング自在に枢着される。このパワーユニット10はエンジン11と、このエンジン11の一側から後方に延びる伝導ケース12とを備える。この伝導ケース12はスイングアームを兼ねており、リヤショックアブソーバ13により一方のリヤフレーム4に弾性的に支持される。そして、伝導ケース12の後端に駆動輪である後輪14が保持される。
【0014】リヤフレーム4の上方にはヘルメット15等を収納可能な物品収納室16が設けられ、この物品収納室16の上方に運転シート17が開閉または着脱自在に設置される。
【0015】図2は、運転シート17が取り外された状態の物品収納室16の斜視図である。また、図3は、物品収納室16の平面図であり、図4は、図3のIV−IV線に沿う物品収納室16の断面図である。
【0016】図2〜図3に示すように、物品収納室16は、例えば熱可塑性の合成樹脂を一体成形したものであって、その底面16aは前方下り傾斜状に成形される。また、底面16aの最前端部は一段低く成形されて凹陥部18を形成する。
【0017】この凹陥部18手前の物品収納室底面16aには係止突条19が一体的に突設される。この係止突条19は、図3に示すように、例えばヘルメット15の外周面形状に沿って円弧状に配置される。また、この係止突条19は、ヘルメット15の前縁下部が係止突条19に係止した状態で物品収納室16の前壁16bとヘルメット15前部との間に若干の間隙20が形成されるように配置される。
【0018】さらに、この係止突条19の途中には物品収納室底面16aと凹陥部18とを連通する連通手段である連通溝21が複数箇所形成されると共に、凹陥部18の底部にはドレン孔22が形成される。
【0019】次に、本実施形態の作用について説明する。
【0020】物品収納室底面16aに係止突条19を一体的に突設し、この係止突条19を、ヘルメット15の前縁下部が係止突条19に係止した状態で物品収納室16の前壁16bとヘルメット15前部との間に若干の間隙20が形成されるように配置することにより、図3および図4に示すように、この間隙20が整備手帳23等の常備品の収納スペースとなり、ヘルメット15の収納性に影響を与えることがない。
【0021】また、前方下り傾斜状に成形した物品収納室底面16aの最前端部を一段低く成形されて凹陥部18を形成し、この凹陥部18の底部にドレン孔22を形成すると共に、係止突条19の途中に物品収納室底面16aと凹陥部18とを連通する連通溝21を形成することにより、例え物品収納室16内で液体がこぼれても、液体は連通溝21から凹陥部18に導かれ、ドレン孔22から排出されるので、物品収納室16前下部に液体が溜らない。なお、連通手段としては連通溝21の他に、連通孔や連通路でもよい。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るスクータ型車両の物品収納室によれば、ヘルメット等の物品を収納可能な物品収納室を備えたスクータ型車両において、上記物品収納室の底面を前方下り傾斜状に成形し、その最前端部を一段低く成形して凹陥部を形成する一方、この凹陥部手前の上記物品収納室底面に係止突条を一体的に突設し、上記ヘルメットの前縁下部が上記係止突条に係止した状態で上記物品収納室の前壁と上記ヘルメット前部との間に間隙が形成されるように上記係止突条を配置したため、整備手帳等の常備品の収納スペースが確保できる。
【0023】また、上記凹陥部の底部にドレン孔を形成すると共に、上記係止突条の途中に上記物品収納室底面と上記凹陥部とを連通する連通手段を設けたため、例え物品収納室内で液体がこぼれても上記物品収納室前下部に液体が溜らない。
- 【公開番号】特開平10−24879
【公開日】平成10年(1998)1月27日
【発明の名称】スクータ型車両の物品収納室
- 【出願番号】特願平8−183378
【出願日】平成8年(1996)7月12日
【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】波多野 久 (外1名)
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