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スクータ型車両における吸入空気取入構造
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- 【要約】
【課題】 スクータ型車両のエアクリーナが塵埃を吸入するのを防止しながら、吸気の吸入抵抗を減少させてエンジンの出力を増加させる。
【解決手段】 パワーユニットPの伝動ケース30の上部に支持したエアクリーナ37に吸気を導入すべく、車体のサイドカバー13に形成した開口132 に臨む吸気チャンバー40と、前端がブーツ39を介して吸気チャンバー40に接続され、後端がエアクリーナ37の入口部に接続された吸気ダクト38とが設けられる。吸気チャンバー40は低い位置にある入口開口部521 から吸入した吸気を高い位置にある吸気ダクト38に供給するようになっており、また吸気ダクト38は急激な屈曲部を持たずに車体前後方向に最短距離で配置される。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 車体後部に上下揺動自在に枢支したパワーユニット(P)の伝動ケース(30)上方にエアクリーナ(37)を支持し、このエアクリーナ(37)に吸気ダクト(38)を介して空気を取り入れるスクータ型車両において、ステップフロア(10)の後方でシート(23)の下方の車体側部を覆うボディカバー(13)に開口(132 )を形成し、この開口(132 )に臨むように前記ボディカバー(13)の内面に設けた吸気チャンバー(40)に前記吸気ダクト(38)を接続したことを特徴とする、スクータ型車両における吸入空気取入構造。
【請求項2】 前記吸気チャンバー(40)は側部に設けた入口開口部(521 ,553 )と上部に設けた出口開口部(511 ,552 )とを備えており、入口開口部(521 ,553 )をボディカバー(13)の開口(132 )に臨ませるとともに、出口開口部(511 ,552 )を吸気ダクト(38)に接続したことを特徴とする、請求項1記載のスクータ型車両における吸入空気取入構造。
【請求項3】 前記吸気チャンバー(40)が前記入口開口部(521 )を備えた下室(54)と前記出口開口部(511 )を備えた上室(53)とに区画されており、これら下室(54)及び上室(53)を相互に連通させる連通孔(512 )を、前記吸気チャンバー(40)の入口開口部(521 )の下端よりも低い位置に配置したことを特徴とする、請求項2記載のスクータ型車両における吸入空気取入構造。
【請求項4】 前記下室(54)の下部に排圧用開口部(522 )を設けたことを特徴とする、請求項3記載のスクータ型車両における吸入空気取入構造。
【請求項5】 前記吸気チャンバー(40)は吸気チャンバー本体(55)と、上端が前記吸気ダクト(38)に接続され下端が吸気チャンバー本体(55)内に開口するパイプ部材(56)とを備えており、このパイプ部材(56)の下端開口部を前記吸気チャンバー(40)の入口開口部(553 )の下端よりも低い位置に配置したことを特徴とする、請求項2記載のスクータ型車両における吸入空気取入構造。
【請求項6】 前記吸気チャンバー本体(55)の上部に排圧用開口部(554 )を設けるとともに、下部に排水用開口部(555 )を設けたことを特徴とする、請求項5記載のスクータ型車両における吸入空気取入構造。
【請求項7】 前記ボディカバー(13)の開口(132 )を通してピリオンライダー用の補助ステップ(31)をボディカバー(13)の外側に延出させたことを特徴とする、請求項1記載のスクータ型車両における吸入空気取入構造。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体後部に上下揺動自在に枢支したパワーユニットの伝動ケース上方にエアクリーナを支持し、このエアクリーナに吸気ダクトを介して空気を取り入れるスクータ型車両における吸入空気取入構造に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる吸入空気取入構造は、例えば実開昭64−22692号公報により公知である。このものは、上端に空気取入口を有する吸気通路をシートの下部に設けた収納ボックスの前部に上下方向に形成し、エアクリーナから前方に延びる吸気ダクトの前端を前記吸気通路の下端に接続した構造を備える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来ものは、空気取入口が路面から高い位置に設けられているので塵埃の吸入防止に関しては有利であるが、吸気通路及び吸気ダクトよりなる流路の全長が長くなり、しかも吸気通路及び吸気ダクトが直角に接続されているので、吸気の吸入抵抗が増加してエンジンの出力が減少する問題がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、塵埃の吸入を防止しながら吸気の吸入抵抗を減少させてエンジンの出力を増加させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載されたスクータ型車両における吸入空気取入構造は、車体後部に上下揺動自在に枢支したパワーユニットの伝動ケース上方にエアクリーナを支持し、このエアクリーナに吸気ダクトを介して空気を取り入れるスクータ型車両において、ステップフロアの後方でシートの下方の車体側部を覆うボディカバーに開口を形成し、この開口に臨むように前記ボディカバーの内面に設けた吸気チャンバーに前記吸気ダクトを接続したことを特徴とする。
【0006】また請求項2に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記吸気チャンバーは側部に設けた入口開口部と上部に設けた出口開口部とを備えており、入口開口部をボディカバーの開口に臨ませるとともに、出口開口部を吸気ダクトに接続したことを特徴とする。
【0007】また請求項3に記載された発明は、請求項2の構成に加えて、前記吸気チャンバーが前記入口開口部を備えた下室と前記出口開口部を備えた上室とに区画されており、これら下室及び上室を相互に連通させる連通孔を、前記吸気チャンバーの入口開口部の下端よりも低い位置に配置したことを特徴とする。
【0008】また請求項4に記載された発明は、請求項3の構成に加えて、前記下室の下部に排圧用開口部を設けたことを特徴とする。
【0009】また請求項5に記載された発明は、請求項2の構成に加えて、前記吸気チャンバーは吸気チャンバー本体と、上端が前記吸気ダクトに接続され下端が吸気チャンバー本体内に開口するパイプ部材とを備えており、このパイプ部材の下端開口部を前記吸気チャンバーの入口開口部の下端よりも低い位置に配置したことを特徴とする。
【0010】また請求項6に記載された発明は、請求項5の構成に加えて、前記吸気チャンバー本体の上部に排圧用開口部を設けるとともに、下部に排水用開口部を設けたことを特徴とする。
【0011】また請求項7に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記ボディカバーの開口を通してピリオンライダー用の補助ステップをボディカバーの外側に延出させたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】図1〜図6は本発明の第1実施例を示すもので、図1はスクータ型自動二輪車の全体側面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2においてサイドカバーを取り外した状態を示す図、図4は図3の4方向矢視図、図5は図2の5−5線拡大断面図、図6は図2の6−6線拡大断面図である。
【0014】図1に示すように、スクータ型自動二輪車Vの骨格を構成する鋼管溶接製フレームFは、ヘッドパイプ1と、ヘッドパイプ1にガセット2,2を介して結合されて車体後下方に延びるダウンチューブ3と、ダウンチューブ3の下端近傍から左右に分岐して車体後上方に延び、後端においてU字状に湾曲して一体に連なる左右のメインフレーム4,4とから構成される。左右のメインフレーム4の前部とダウンチューブ3の下端とは一対の補強パイプ5,5により連結され、また左右のメインフレーム4,4の前後方向中間部及び後部はそれぞれ車体左右方向に延びる第1クロスメンバ6及び第2クロスメンバ7により連結される。
【0015】フレームFに支持された合成樹脂製のボディBは、ヘッドパイプ1の前面を覆うレッグシールドフロント部材8と、レッグシールドフロント部材8の後面に結合されてヘッドパイプ1の後面を覆うレッグシールドリヤ部材9と、レッグシールドリヤ部材9の下端に連なるステップフロア10と、レッグシールドフロント部材8の下端に連なってステップフロア10の下面を覆うアンダーカバー11と、車体後部を覆うリヤカバー12と、リヤカバー12の左右前部からステップフロア10及びアンダーカバー11の後端に連なる左右のサイドカバー13,13とから構成される。
【0016】ヘッドパイプ1に回転自在に支持されたフロントフォーク14の下端に、上部をフロントフェンダー15により覆われた前輪Wfが軸支される。レッグシールドフロント部材8及びレッグシールドリヤ部材9の上端開口部を覆うアッパーパネル16から上方に延出するハンドルポスト17の上面に、バーハンドル18の左右方向中央部が結合される。ハンドルポスト17にはヘッドライト19及びスピードメータ20が支持され、またヘッドパイプ1の右側面にはイグニッションスイッチを一体に有するハンドルロック装置21が支持される。
【0017】後端に後輪Wrを軸支したパワーユニットPの前端が第1クロスメンバ6に上下揺動自在に支持されており、このパワーユニットPと第2クロスメンバ7とがリヤクッション22により接続される。リヤカバー12の上面にライダーが座乗するシート23が設けられる。
【0018】図2に示すように、左右のサイドカバー13,13には車体内側に向けて凹む凹部131 ,131 が形成されており、これら凹部131 ,131 の中央に形成された開口132 ,132 からピリオンライダー用の補助ステップ31,31が車体外側に突出する。補助ステップ31,31は以下のようにして車体に支持される。即ち、左右のメインフレーム4,4にそれぞれ溶接したパワーユニット支持ブラケット32,32に左右のステップステー33,33をボルト34…で固定し、これらステップステー33,33に車体左右方向に配置したステップバー35の左右両端を溶接して補強する。そして左右のステップステー33,33とステップバー35の左右両端とに、前記補助ステップ31,31を固定する。
【0019】次に、図3〜図6を参照しながらパワーユニットPの吸気系の構造について説明する。
【0020】パワーユニットPの伝動ケース30の上面にボルト36でエアクリーナ37が支持される。エアクリーナ37の入口部371 には車体前方に延びる吸気ダクト38の後端が接続され、この吸気ダクト38の前端は蛇腹状に形成されたラバー製のブーツ39を介して、車体左側のサイドカバー13の内面に固定した吸気チャンバー40に接続される。またエアクリーナ37の出口部372 は、キャブレタ41及び吸気管42を介してエンジンEのクランクケースに接続される。
【0021】合成樹脂製の吸気チャンバー40は上半体51と下半体52とに2分割されており、上半体51の外周を下半体52の内周に嵌合させた状態で、上半体51に形成した複数個の突起513 …を下半体52に形成した複数個の係止孔523 に係合させることにより一体に結合される。上半体51の前部及び後部にはそれぞれ取付ブラケット514 ,514 が突設されており、これら取付ブラケット514 ,514 を貫通するビス43,43をサイドカバー13の内面に突設したボス部133 ,133 にそれぞれ螺入することにより、吸気チャンバー40がサイドカバー13の内面に固定される。図5には後部の取付ブラケット514 による固定部が示されているが、前部の取付ブラケット514 による固定部も同様の構造である。
【0022】上半体51は上部に後向きに開口する出口開口部511 を備えるとともに下部に下向きに開口する連通孔512 を備え、また下半体52は側部に左向きに開口する入口開口部521 を備えるとともに下部に下向きに開口する排圧用開口部522 を備える。図6から明らかなように連通孔512 の高さは、入口開口部521 の下端の高さよりも距離αだけ低い位置に配置されている。また排圧用開口部522 の面積は、入口開口部521 の面積及び連通孔512 の面積よりも小さく形成されている。
【0023】吸気チャンバー40をサイドカバー13に取り付けたとき、その入口開口部521 はサイドカバー13の開口132 の後部に臨み、また出口開口部511 にブーツ39の前端が嵌合してバンド44で固定される。図2から明らかなように、サイドカバー13の開口132 を吸気の導入に利用するだけでなく、補助ステップ31をサイドカバー13の外部に延出させるために利用しているので、開口132 の数を最小限に抑えてサイドカバー13の強度を確保するとともに、美観の低下を回避することができる。
【0024】吸気ダクト38は合成樹脂で一体成形されており、その後端はエアクリーナ37の入口部371 に圧入により固定され、その前端に設けた筒状部381 がブーツ39の後端に圧入されて該ブーツ39の内部に遊嵌する。また前記吸気管42に2本のボルト46,46で固定したハンガー47は車体横方向に延びる舌片471 を備えており、この舌片471 を吸気ダクト38に形成したスリット382に係止することにより、吸気ダクト38の前後方向中間部が吊り下げ支持される。吸気ダクト38の上部には吸気騒音を低減すべくレゾネータ48が設けられており、また前記筒状部381 には後輪Wrが撥ね上げた泥や水を遮ぎるべく環状の鍔部383 が一体に形成される。
【0025】エアクリーナ37の出口部372 とキャブレタ41とは相互に嵌合してバンド45で締結される。またキャブレタ41と吸気管42とは、吸気管42にハンガー47を固定する前記2本のボルト46,46により共締めされる。そして吸気管42は4本のボルト49…でエンジンEに固定される。
【0026】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0027】サイドカバー13の開口132 に臨む吸気チャンバー40の入口開口部521から下室54に吸入された吸気は、図6に矢印aで示す如く連通孔512 から上室53に流入し、そこから出口開口部511 及び吸気ダクト38を経てエアクリーナ37に供給され、エアクリーナ37で清浄化された吸気はキャブレタ41で燃料と混合された後、吸気管42を経てエンジンEに供給される。
【0028】このとき、吸気チャンバー40が臨むサイドカバー13の開口132 は、前方をレッグシールドフロント部材8及びレッグシールドリヤ部材9で遮られ、且つ下方をステップフロア10で遮られた位置にあるため、前輪Wfや後輪Wrによって飛散した塵埃や泥水が吸気チャンバー40に吸い込まれる量を最小限に抑えることができる。しかも、入口開口部521 及び出口開口部511 間の空気流路はラビリンス状になっており、しかも入口開口部521 が出口開口部511 よりも低い位置に設けられているので吸気に含まれる塵埃等を重力で吸気チャンバー40の底部に落下させ、清浄な吸気だけををエンジンEに供給することができる。
【0029】また、サイドカバー13に当たった強い横風が入口開口部521 から吸気チャンバー40の下室54に吹き込んだ場合、連通孔512 の高さが入口開口部521 の下端の高さよりも低い位置に配置されているため、上室53及び該上室53に連なる吸気ダクト38の内部の圧力が急変することが防止され、エンジンEの安定した運転が保たれる。このとき、下室54に流入した空気は、図6に矢印cで示す如く排圧用開口部522 から吸気チャンバー40の外部に逃がされるため、吸気系の圧力の急変が一層効果的に防止さる。
【0030】尚、入口開口部521 に強い横風を受けていない通常時には、大部分の空気が入口開口部521 から矢印aで示す如く下室54に吸入され、矢印bで示す如く排圧用開口部522 から吸入される空気は僅かな量であり、これによりリヤカバー12やサイドカバー13内に後輪Wrが巻き上げた塵埃等が排圧用開口部522 から吸入されることはない。なぜならば、排圧用開口部522 の面積は入口開口部521 の面積よりも小さく形成されており、しかも入口開口部521 と連通孔512 との距離が、排圧用開口部522 と連通孔512 との距離よりも短く形成されているため、入口開口部521 から吸入される空気の流通抵抗が排圧用開口部522 から吸入された空気の流通抵抗よりも小さいからである。
【0031】また、吸気チャンバー40をエアクリーナ37に接続する吸気ダクト38は、その全長が極めて短く形成されており、且つ急激な屈曲部を持たずに車体前後方向に略直線状に配置されているため、吸気ダクト38における吸気の吸入抵抗を最小限に抑えてエンジンEの出力を増加することができる。更に、エンジンEの熱で温度上昇していないボディBの外部の空気を吸入することにより、吸気温度を下げてエンジンEの出力を増加することができる。
【0032】自動二輪車Vの走行に伴って車体に枢支されたパワーユニットPが上下揺動したとき、パワーユニットPと一体で上下揺動する吸気ダクト38と車体側に固定された吸気チャンバー40との相対移動は、吸気ダクト38及び吸気チャンバー40を相互に接続するブーツ39の弾性変形により吸収される。
【0033】図7及び図8は本発明の第2実施例を示すもので、図7は吸気チャンバーの側面図、図8は図7の8−8線断面図である。
【0034】第2実施例の吸気チャンバー40は吸気チャンバー本体55とパイプ部材56とから構成されており、吸気チャンバー本体部55は2個の取付ブラケット551 ,551 によってサイドカバー13の内面に固定される。L字状に湾曲したパイプ部材56の下部は吸気チャンバー本体部55の内部を下方に延びており、また上部は吸気チャンバー本体部55の後壁に形成した出口開口部552 を貫通して後上方に延び、ブーツ39を介して吸気ダクト38の筒状部381 に接続される。
【0035】吸気チャンバー本体55の下部側面に形成された入口開口部553 はサイドカバー13の開口132 に臨んでおり、この入口開口部553 の中央部下端に対して、その近傍に開口するパイプ部材56の下端は距離αだけ下方に配置されている。また吸気チャンバー本体55の上端には排圧用開口部554 が形成されるとともに、下端には排水用開口部555 が形成される。
【0036】而して、入口開口部553 が出口開口部552 よりも低い位置に設けられているので、吸気に含まれる塵埃等を重力で吸気チャンバー40の底部に落下させ、清浄な吸気だけををエンジンEに供給することができるのは勿論のこと、強い横風が入口開口部553 から吸気チャンバー40内に吹き込んでも、パイプ部材56の下端の高さが入口開口部553 の中央部下端よりも低い位置に配置されているため、吸気ダクト38の内部の圧力が急変することが防止されてエンジンEの安定した運転が保たれる。また吸気チャンバー本体55に流入した空気は排圧用開口部554 から外部に逃がされるため、吸気系の圧力の急変が一層効果的に防止され、更に吸気チャンバー本体55の底部に溜まった水は排水用開口部555から外部に排出される。しかも、第1実施例の吸気チャンバー40よりも上下方向寸法が小型化されるので、吸気チャンバー40の最低地上高を高くすることができる。
【0037】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】例えば、実施例では吸気チャンバー40をサイドカバー13と別部材で構成しているが、両者を一部材で構成することができる。また実施例では開口131 をサイドカバー13に形成しているが、それを他の任意のボディカバーに形成することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載された発明によれば、ステップフロアの後方でシートの下方の車体側部を覆うボディカバーに開口を形成し、この開口に臨むようにボディカバーの内面に設けた吸気チャンバーに吸気ダクトを接続したので、パワーユニットの伝動ケースの上方に設けたエアクリーナと吸気チャンバーとを接続する吸気ダクトを直線的に且つ最短距離で配置することが可能となり、吸気抵抗を低減してエンジン出力の増加を図ることができる。しかも吸気チャンバーが臨むボディカバーの開口はステップフロアの後方でシートの下方に設けられているので、前輪や後輪によって飛散した塵埃や泥水を吸い込み難くすることができるだけでなく、エンジンにより加熱されていない低温の空気を吸入してエンジン出力を増加させることができる。
【0040】また請求項2に記載された発明によれば、吸気チャンバーは側部に設けた入口開口部と上部に設けた出口開口部とを備えており、入口開口部をボディカバーの開口に臨ませるとともに、出口開口部を吸気ダクトに接続したので、吸気チャンバーに吸い込まれた空気中の塵埃等を該吸気チャンバーの底部に落下させてエアクリーナに吸い込まれるのを防止することができる。
【0041】また請求項3に記載された発明によれば、吸気チャンバーが入口開口部を備えた下室と出口開口部を備えた上室とに区画されており、これら下室及び上室を相互に連通させる連通孔を、吸気チャンバーの入口開口部の下端よりも低い位置に配置したので、ボディカバーの開口に強い横風が当たった場合に吸気系内の圧力の急変を防止することができる。
【0042】また請求項4に記載された発明によれば、下室の下部に排圧用開口部を設けたので、ボディカバーの開口に横風が作用した場合に、下室の圧力を排圧用開口部から逃がして吸気系内の圧力の急変を一層効果的に防止することができる。
【0043】また請求項5に記載された発明によれば、吸気チャンバーは吸気チャンバー本体と、上端が吸気ダクトに接続され下端が吸気チャンバー本体内に開口するパイプ部材とを備えており、このパイプ部材の下端開口部を吸気チャンバーの入口開口部の下端よりも低い位置に配置したので、ボディカバーの開口に強い横風が当たった場合に吸気系内の圧力の急変を防止することができる。
【0044】また請求項6に記載された発明によれば、吸気チャンバー本体の上部に排圧用開口部を設けるとともに、下部に排水用開口部を設けたので、吸気チャンバー本体の圧力を排圧用開口部から逃がして吸気系内の圧力の急変を一層効果的に防止することができるだけでなく、吸気チャンバー本体内に溜まった水を排水用開口部から排出することができる。
【0045】また請求項7に記載された発明によれば、ボディカバーの開口を通してピリオンライダー用の補助ステップをボディカバーの外側に延出させたので、補助ステップのための特別の開口を形成する必要がなくなり、これによりボディカバーの強度を高めるとともに美観を向上させることができる。
- 【公開番号】特開平10−29581
【公開日】平成10年(1998)2月3日
【発明の名称】スクータ型車両における吸入空気取入構造
- 【出願番号】特願平8−176370
【出願日】平成8年(1996)7月5日
【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健 (外1名)
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