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オレフィン系樹脂被覆資材
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- 【要約】
【目的】 良好な透明性および防曇持続性を有するオレフィン系樹脂被覆資材を提供する。
【構成】 オレフィン系樹脂100重量部に対し、1〜4重量部の多価アルコールと炭素数14〜22の飽和脂肪酸との部分エステル化合物からなる防曇剤と、0.05〜0.5重量部のポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物とを配合したオレフィン系樹脂被覆資材である。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 オレフィン系樹脂100重量部に対し、1〜4重量部の多価アルコールと炭素数14〜22の飽和脂肪酸との部分エステル化合物からなる防曇剤と、0.05〜0.5重量部のポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物とを配合したことを特徴とするオレフィン系樹脂被覆資材。
【請求項2】 該ポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物が、【化1】(式中のXはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アルカリ金属であり、l、m、nはそれぞれ0〜10の整数であり、かつl+m+n=1〜15である)または、【化2】(式中のYはアルカリ土類金属であり、l、m、nはそれぞれ0〜10の整数であり、かつl+m+n=1〜15である)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載のオレフィン系樹脂被覆資材。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系樹脂被覆資材に関するものである。更に詳しくは、防曇持続性の良好なオレフィン系樹脂被覆資材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、トンネル栽培、ハウス栽培などが盛んに行われるようになり、それに伴って農業用被覆資材の需要が増加している。この農業用被覆資材としては、現在、塩化ビニル系樹脂フイルムが主流であるが、ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体を主体としたオレフィン系樹脂フイルムも増加傾向にある。
【0003】なかでも、フイルム中に可塑剤を含まないオレフィン系樹脂フイルムは、長期の使用でも汚れが付きにくいが、フイルムの内側表面に付着した凝結水を栽培作物に滴下することなくフイルムの内側表面に沿って流れさせるいわゆる防曇性の持続が不十分であるので、その改良がのぞまれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オレフィン系樹脂被覆資材ににおいて、防曇性の長期持続が改良された農業用フイルムを提供することを目的となされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、オレフィン系樹脂100重量部に対し、1〜4重量部の非イオン系界面活性剤からなる防曇剤と、0.05〜0.5重量部のポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物とを配合したことを特徴とするオレフィン系樹脂被覆資材に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体であり、具体的には、例えばポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体アイオノマー樹脂等が挙げられる。これらのうち、密度が0.910〜0.935g/ の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸ビニル含有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が強度、透明性や耐候性の点から好ましい。
【0007】本発明において防曇剤を構成する多価アルコールとしては、ソルビタン、グリセリン、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のほか、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビタン/グリセリンの縮合物、ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物等も挙げることができる。本発明の上記の多価アルコールと炭素数14〜22の飽和脂肪酸との部分エステル化合物からなる防曇剤には、これらの部分エステルのアルキレンオキサイド付加物等が含まれる。
【0008】本発明の防曇剤の具体例としては、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノミリステート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタン/グリセリンの縮合物と脂肪酸とのエステル、ソルビタン/アルキレングリコールの縮合物と脂肪酸とのエステルあるいはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のソルビタン系界面活性剤;グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンセスキパルミテート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンセスキステアレート、トリグリセリンジステアレートあるいはこれらのアルキレンオキサイド付加物等のグリセリン系界面活性剤;ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテート等のポリエチレングリコール系界面活性剤;トリメチロールプロパンモノパルミテート等のトリメチロールプロパン系界面活性剤;ペンタエリスリトールモノパルミテート等のペンタエリスリトール系界面活性剤等が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。かかる防曇剤の配合量は、1〜4重量部、好ましくは1.5〜3重量部の範囲内である。1重量部未満では、防曇性の発現が充分でなく、4重量部を越えるとブリードアウトし易くなり、フイルムの透明性が低下するので好ましくない。
【0009】ポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物としては、【化3】(式中のXはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、アルカリ金属であり、l、m、nはそれぞれ0〜10の整数であり、かつl+m+n=1〜15である)または、【化4】(式中のYはアルカリ土類金属であり、l、m、nはそれぞれ0〜10の整数であり、かつl+m+n=1〜15である)で表される化合物である。具体的に、好ましい化合物としては、【化5】【化6】【化7】のような化合物が挙げられる。これらのポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物の配合量は、0.05〜0.5重量部、好ましくは0.1〜0.3重量部の範囲である。0.05重量部未満では、防曇持続効果の発現が充分でなく、0.5重量部をこえるとフイルムの透明性が低下するので好ましくない。
【0010】さらに、本発明のオレフィン系樹脂被覆資材には、従来より慣用されている他の添加剤、例えば無機充填材、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、防霧剤等を配合することができる。
【0011】本発明において使用可能な無機充填材としては、赤外線吸収能のあるものが好ましく、酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩やその複合物などが挙げられる。具体的には、シリカ、タルク、ハイドロタルサイト類、マイカ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン酸ジルコニウムなどが挙げられる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。 これらの無機充填材の大きさは、0.01〜10μm程度のものが好ましい。
【0012】紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系の他、サルチル酸系のものが挙げられる。
【0013】ヒンダードアミン系光安定剤としては、特開平1−197543号公報や特開平2−30529号公報に記載されているものを挙げることができ、具体的な市販の化合物を例示すれば、TINUVIN770,TINUVIN780,TINUVIN144,TINUVIN622LD,CHIMASSORB944(以上、チバガイギー社製)、MARK LA−57,MARK LA−62,MARK LA−63,MARK LA−67,MARK LA−68(以上、旭電化社製)等が挙げられる。
【0014】また、防霧剤としては、シリコーン系界面活性剤やフッ素系界面活性剤が挙げられる。このフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基を含有する高分子、あるいは低分子の界面活性剤が用いられ、一般に、少なくとも0.001重量%、好ましくは0.01重量%以上の水中溶解度を有し、25℃において水の表面張力を35dyn/cm以下、好ましくは30dyn/cm以下に低下させる能力を有するものが好ましい。具体的な市販の化合物を例示すれば、ユニダインDS−401,ユニダインDS−403,ユニダインDS−451(以上、ダイキン工業社製)、サーフロンS−121,サーフロンS−131,サーフロンS−141,サーフロンS−381,サーフロンS−382(以上、旭硝子社製)等が挙げられる。この防霧剤の配合量は、基材樹脂100重量部当たり、通常0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部である。
【0015】これらの添加剤以外に、所望に応じ各種添加剤、例えば滑剤、熱安定剤、酸化防止剤、着色剤などを含ませることができる。滑剤としては、ポリエチレンワックス、脂肪酸アミド、ステアリン酸などが挙げられ、熱安定剤、酸化防止剤としては、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤や有機亜リン酸エステルのようなキレーターなどが挙げられる。
【0016】本発明のオレフィン系樹脂被覆資材を作成するには、基材樹脂に前記の防曇剤などの各種添加剤をそれぞれ所定の割合で配合し、混練して樹脂組成物を調整したのち、インフレーション加工、Tダイ加工など通常の成形加工方法によりフイルムとすることができる。
【0017】かかるフイルムは、単層でもよいが防塵性、柔軟性および強度などの点から共押出インフレーション成形による積層フイルムとしてもよい。また、透明、梨地あるいは半梨地でもよく、フイルムの厚さは、あまり薄いと強度が不十分となるので好ましくなく、逆に厚すぎるとフイルム化作業その他に不便をきたすので、一般には0.02〜0.3mm、好ましくは0.04〜0.2mmの範囲で選ばれる。
【0018】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお、各例中における物性の評価は以下に示す方法によっておこなったものである。
【0019】(1)防曇性:気温10℃の恒温室に、水温40℃の水槽の上面の傾斜枠にフイルムを展張し、フイルムの内表面の水滴の付着状況を観察した。
◎:殆ど水滴がつかない。
○:僅かに水滴が付着している。
△:水滴の付着がやや多い。
×:水滴の付着が多く、水滴がフイルム面より落下している。
【0020】(2)透明性:フイルムを気温40℃、湿度60%の恒温恒湿槽中に展張し、1ヵ月後のHAZE値にて評価した。
○:40%未満×:40%以上【0021】実施例1酢酸ビニル単位含有量5重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に、ソルビタンモノパルミテート1重量部とグリセリンモノステアレート1重量部からなる防曇剤と化合物Aのポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物0.1重量部を配合した組成物をインフレーション成形装置に供給し、厚さ0.1mm、幅60cmのフイルムを得た。その評価試験の結果を表1に示す。
【0022】実施例2実施例1の化合物Aの代わりに同量の化合物Bのポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物を使用したこと以外は実施例1と同様にして厚さ、0.1mm、幅60cmのフイルムを得た。その評価試験の結果を表1に示す。
【0023】実施例3酢酸ビニル単位含有量5重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に、ソルビタンモノステアレートのプロピレンオキサイド1モル付加物1.5重量部からなる防曇剤と化合物Bのポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物0.1重量部を配合した組成物をインフレーション成形装置に供給し、厚さ0.1mm、幅60cmのフイルムを得た。その評価試験の結果を表1に示す。
【0024】比較例1実施例1において、化合物Aのポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物を配合しないこと以外は実施例1と同様にして、厚さ0.1mm、幅60cmのフイルムを得た。その評価試験の結果を表1に示す。
【0025】比較例2実施例3において、化合物Bのポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物を配合しないこと以外は実施例3と同様にして、厚さ0.1mm、幅60cmのフイルムを得た。その評価試験の結果を表1に示す。
【0026】比較例3実施例3において、化合物Bのポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物1.0重量部を配合すること以外は実施例3と同様にして、厚さ0.1mm、幅60cmのフイルムを得た。その評価試験の結果を表1に示す。
【0027】
【表1】【0028】実施例4酢酸ビニル単位含有量15重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に、ソルビタンモノパルミテート1.0重量部とグリセリンモノステアレート1.0重量部からなる防曇剤と化合物Bのポリオキシエチレン含有リン酸エステル化合物0.1重量部を配合した組成物を、押出機により中間層用ペレットを作成した。次に、酢酸ビニル単位含有量5重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に、ソルビタンモノパルミテート1.0重量部とグリセリンモノステアレート1.0重量部からなる防曇剤を配合した組成物を、押出機により表面層用ペレットを作成した。三層インフレーション成形機の中間用押出機に中間用ペレットを両側の表面層用押出機に表面層用ペレットを供給し、中間層70μm、両側の表面層15μm、幅60cmの二種三層フイルムを得た。このフイルムの評価は、14日後の防曇性も良好で殆ど水滴がつかず、また、透明性試験においても、HAZE値が37%で良好であった。
【0029】
【発明の効果】本発明のオレフィン系樹脂被覆資材は、透明性および防曇持続性に優れ、ハウス栽培用やトンネル栽培用の被覆資材に好適である。
- 【公開番号】特開平10−33
【公開日】平成10年(1998)1月6日
【発明の名称】オレフィン系樹脂被覆資材
【発明者】
【氏名】中川 康弘
【氏名】和田 信明
【氏名】橋本 英明
- 【出願番号】特願平8−172854
【出願日】平成8年(1996)6月13日
【出願人】
【識別番号】000106726
【氏名又は名称】シーアイ化成株式会社
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