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自転車用物品運搬装置
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- 【要約】
【課題】自転車への着脱作業を極めて容易に行うこと。
【解決手段】後部泥よけ2の上方に配設された荷台10に着脱可能に取り付けられ傾斜部22を有する取付板20と、この取付板20の傾斜部22にその傾斜角度に応じて取り付けられた物品固定枠30と、後輪7の車軸7aから外側に張り出して固定された張出部材40と、物品固定枠30の下部が固定されるとともに、張出部材40に掛止される切欠溝51aが形成された固定板50とを備えた。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 後部泥よけの上方に配設された荷台に着脱可能に取り付けられ傾斜部を有する取付板と、この取付板の傾斜部にその傾斜角度に応じて取り付けられた物品固定枠と、後輪の車軸から外側に張り出して固定された張出部材と、前記物品固定枠の下部が固定されるとともに、前記張出部材に掛止される切欠溝が形成された固定板とを備えたことを特徴とする自転車用物品運搬装置。
【請求項2】 後部泥よけの上方にその長さ方向に沿って配設された支持部材と、この支持部材に着脱可能に取り付けられ傾斜部を有する取付板と、この取付板の傾斜部にその傾斜角度に応じて取り付けられた物品固定枠と、この物品固定枠の下部が固定されるとともに、後輪の車軸に掛止される切欠溝が形成された固定板とを備えたことを特徴とする自転車用物品運搬装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えばゴルフバッグ、野球のバットや釣竿などの物品を自転車に固定して運搬することのできる自転車用物品運搬装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自転車でゴルフバッグ、野球のバットや釣竿などの長尺の物品を運搬するには、上記物品を荷台に紐などにより括り付けたり、かごに収納したりしていた。
【0003】しかしながら、上記のように長尺の物品を紐などで荷台に括り付けるには、荷台の大きさによっては物品を載せにくかったり、括り付け方によっては自転車の左右のバランスが崩れたり、運転者の脚に当たったりして運転走行に支障を来すという問題点があった。
【0004】また、かごに長尺の物品を収納して運搬する場合には、運転による振動などで物品がかご内を移動するため、上記と同様に車体の左右のバランスが崩れたり、時として物品がかごから脱落してしまう不具合があった。
【0005】これらの問題点を解決するために、従来では本出願人による特開平6−72371号公報に開示された自転車用物品運搬装置がある。この自転車用物品運搬装置は、図11に示すように一端がサドル1の上下固定用のねじ部1aに係止され、他端が後部泥よけ2の後端近傍まで延びる2本の横杆3,3と、これら2本の横杆3,3の上部に固定されるとともに、両側面部がそれぞれ内側に傾斜して形成された取付金具4,4と、これらの取付金具4,4の一側面部にその傾斜角度に応じて取り付けられた物品固定枠5と、取付金具4,4の他側面部にその傾斜角度に応じて取り付けられた支持脚6と、物品固定枠5および支持脚6の下部がそれぞれ固定されるとともに、後輪7の車軸7a両端に取り付けられた一対の固定板8,8とを備えている。
【0006】そして、上記自転車用物品運搬装置は、内側に傾斜した取付金具4に物品固定枠5を取り付けたことにより、この物品固定枠5も傾斜することになるので、長尺の物品を固定した場合、その重心が略車輪の鉛直中心線上に位置することになり、車体の左右のバランスがとれ、安定して運転走行することができるようにしている。
【0007】また、上記自転車用物品運搬装置は、自転車への装着時、後輪7の車軸7aの左右のナット9,9を外し、スタンドと後部泥よけ2のステーが取り付けられた状態で幅の狭い別のナットで一旦締付固定する。次いで、車軸7aに固定板8,8の挿通孔を挿通した後、ナット9,9により再び締結する。そして、サドル1の上下固定用のねじ部1aを引き抜き、2本の横杆3,3の一端をサドル1の下部に配し、2つの孔3b,3bのいずれか一方にねじ部1aを挿通して締結していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した従来の自転車用物品運搬装置は、自転車への装着時、固定板8,8を取り付ける場合、後輪7の車軸7aの左右のナット9,9を外した後、車軸7aに固定板8,8の挿通孔を挿通し、ナット9,9により締結しなければならないため、その取付作業が煩雑で手間がかかり、極めて作業性が悪いという問題点があった。
【0009】また、2本の横杆3,3を取り付ける場合には、サドル1の上下固定用のねじ部1aを一旦引き抜き、2つの孔3a,3bのいずれか一方にねじ部1aを挿通して締結しなければならないため、上記と同様に取付作業が煩雑で手間がかかり、極めて作業性が悪いという問題点があった。
【0010】他方、自転車からの取り外し時、固定板8,8を取り外す場合には、後輪7の車軸7aの左右のナット9,9を外し、車軸7aから固定板8,8を外した後、ナット9,9を再度締結しなければならないため、その取外し作業が煩雑で手間がかかり、極めて作業性が悪いという問題点があった。
【0011】また、2本の横杆3,3を取り外す場合には、サドル1の上下固定用のねじ部1aを引き抜き、2つの孔3a,3bのいずれか一方をねじ部1aから外した後、ねじ部1aを再度締結しなければならないため、上記と同様に取外し作業が煩雑で手間がかかり、極めて作業性が悪いという問題点があった。
【0012】さらに、従来の自転車用物品運搬装置は、取付金具4,4の一側面部に物品固定枠5が傾斜して取り付けられるとともに、取付金具4,4の他側面部に支持脚6が傾斜して取り付けられているため、不使用時に嵩張り、取扱いが不便であった。加えて、取付金具4,4の他側面部に支持脚6が傾斜して取り付けられているため、部品点数が多くなり、その分重量も重くなるという問題点があった。
【0013】本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、自転車への着脱作業を極めて容易に行うことのできる自転車用物品運搬装置を提供することを目的とする。
【0014】また、本発明の他の目的とするところは、不使用時にコンパクト化し、取扱性を良好とし、部品点数を削減して軽量化を図った自転車用物品運搬装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決するために、本発明の請求項1は、後部泥よけの上方に配設された荷台に着脱可能に取り付けられ傾斜部を有する取付板と、この取付板の傾斜部にその傾斜角度に応じて取り付けられた物品固定枠と、後輪の車軸から外側に張り出して固定された張出部材と、前記物品固定枠の下部が固定されるとともに、前記張出部材に掛止される切欠溝が形成された固定板とを備えたことを特徴とする。
【0016】また、本発明の請求項2は、後部泥よけの上方にその長さ方向に沿って配設された支持部材と、この支持部材に着脱可能に取り付けられ傾斜部を有する取付板と、この取付板の傾斜部にその傾斜角度に応じて取り付けられた物品固定枠と、この物品固定枠の下部が固定されるとともに、後輪の車軸に掛止される切欠溝が形成された固定板とを備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】図1は本発明に係る自転車用物品運搬装置の第1実施形態の取付状態を示す斜視図、図2は図1の自転車用物品運搬装置を示す分解斜視図、図3は図1の取付板を示す斜視図、図4は図1の張出部材を示す斜視図、図5は図1の自転車用物品運搬装置の取付状態を示す背面図、図6は図1の自転車用物品運搬装置における垂直方向の位置調整機構を示す説明図である。なお、自転車の各部の構成要素は図11と同様であるので同一の符号を用いて説明する。
【0019】図1および図2に示すように、本実施形態の自転車用物品運搬装置は、荷台10が取り付けられた実用車に適用され、後部泥よけ2の上方に配設された荷台10に着脱可能に取り付けられる取付板20と、この取付板20に取り付けられた物品固定枠30と、後輪7の車軸7aから外側に張り出して固定された張出部材40と、物品固定枠30の下部が固定されるとともに、張出部材40に掛止される固定板50とから大略構成されている。
【0020】荷台10は、鉄筋11を略格子状に溶接して構成され、後部泥よけ2の上方に配設されている。この荷台10に着脱可能に取り付けられる取付板20は、図1〜図3に示すように略矩形状の平面部21を有し、この平面部21に対して所定の角度(83°)を有して一対の傾斜部22,22が一体的に形成され、これらの傾斜部22,22にはそれぞれ垂直方向に長孔22a,22aが穿設されている。そして、平面部21には長手方向に所定間隔をおいて2つの円孔23,23が穿設され、こられの円孔23,23のいずれか一方に固定・解除用つまみ24が取り付けられている。
【0021】また、平面部21の長手方向両端部には、取付板20を荷台10に取り付けた際に略格子状の鉄筋11に係止される係止片25,25が折曲形成されているとともに、長手方向端部近傍に切込部26が設けられ、この切込部26から山折りにして荷台10の鉄筋11に係止される係止片とすることを可能にしている。
【0022】固定・解除用つまみ24は、図3に示すようにその軸部に雄ねじが刻設され、この雄ねじにコイルスプリング27を嵌挿して円孔23に挿通し、この円孔23から先端を突出させ、その先端に断面コ字状に形成された固定部材28が2つのナット29,29により固定されている。この固定部材28は、例えば幅18mm,長さ70mmの寸法に設定されている。
【0023】したがって、固定・解除用つまみ24を手により押圧することにより、その軸部がコイルスプリング27の付勢力に抗して平面部21底面から突出して固定部材28が下方に移動するとともに、固定・解除用つまみ24を所定角度(例えば90°)回動させることにより、固定部材28も同様に所定角度(90°)回動することになる。
【0024】物品固定枠30は、図2に示すように断面円形の2本の取付パイプ31,31を有し、これらの取付パイプ31,31がボルト・ナットなどの固定手段32,32で取付板20の傾斜部22,22の長孔22a,22aにその傾斜角度に応じて取り付けられる。
【0025】また、取付パイプ31,31の上部開口端は止栓33,33により封止されており、そのやや下方には四隅を面取りした補強板34が上下2本づつ固定手段35を締結することにより固定されている。この補強板34の左右両端には、組をなす締付けバンド34a,34bが取り付けられている。同様に、取付パイプ31,31の略中間および下端近傍のそれぞれにも図示しないが、組をなす締付けバンドが取り付けられることが望ましい。そして、取付パイプ31,31の略中間にも、四隅を面取りした補強板36a,36bがそれぞれ水平方向および斜め方向に固定手段37を締結することにより固定されている。
【0026】さらに、取付パイプ31,31の下端には、物品を載置するための物品受け38が双方に跨がって図示しない固定手段や溶接により固着されている。この物品受け38は、取付パイプ31,31の下端に固定される固定板38aおよび開閉板38bから構成され、固定板38aに開閉板38bをリベットにより固定することで、固定板38aに対し開閉板38bが開閉可能に軸着される。
【0027】そして、取付パイプ31,31の下部には上下方向に間隔をおいてねじ孔31a,31bがそれぞれ穿設され、このねじ孔31a,31bのいずれか一方に固定手段39を挿通させて固定板50に締結することで、取付パイプ31,31の下部が固定される。
【0028】張出部材40は、図4に示すようにコ字状に一体形成され、その固定面41に後輪7の車軸7aが挿通する円孔42が穿設される一方、支持面43にはボルト44の軸部にカラー45が挿着されるとともに、このカラー45より大径のワッシャ46が挿通され、これらカラー45およびワッシャ46がナットにより締め付け固定される。したがって、張出部材40は、後輪7の車軸7aに円孔42を挿通してナット9を締結することにより、車軸7aから外側に張り出して固定される。
【0029】固定板50は、図2に示すようにそれぞれ垂直面51、外側傾斜面52および内側傾斜面53が連続して一体に形成され、垂直面51には張出部材40に取り付けられたカラー45に掛止される切欠溝51aが形成されている。この切欠溝51aは水平面に対して垂直方向に形成されている。
【0030】また、内側傾斜面53の傾斜角は、図5に示すように取付板20の傾斜部22の傾斜角度と同角度になり、その両側近傍には、図6に示すようにそれぞれ上下方向に列をなして取付孔54,55,56が穿設されている。
【0031】ここで、車軸7aには、スタンドと後部泥よけ2のステーを取り付けた後、図4に示す張出部材40の円孔42が車軸7aに挿通され、ナット9を締め付け固定する。そして、張出部材40のカラー45には固定板50の切欠溝51aが掛止され、このカラー45の幅は固定板50の肉厚より大きく設定されている。
【0032】本実施形態の作用について説明する。
【0033】まず、本実施形態の自転車用物品運搬装置の取付順序を説明する。
【0034】予め後輪7の車軸7aの右側のナット9を外し、スタンドと後部泥よけ2のステーが取り付けられた状態で張出部材40の円孔42を車軸7aに挿通し、ナット9を締め付けることにより張出部材40を固定しておく。
【0035】一方、本実施形態の自転車用物品運搬装置は、荷台10への取付板20の取付作業と、張出部材40のカラー45への固定板50の取付作業以外は、予め全て溶接や固定手段により各構成部材を固定して一体化しておく。また、取付板20の固定・解除用つまみ24を操作して平面部21の長手方向に一致する方向に固定部材28を向けておく。
【0036】そして、実際の自転車への自転車用物品運搬装置の取付作業は、まず張出部材40のカラー45へ固定板50の切欠溝51aを掛止した後、荷台10に取付板20を載置すると同時に、荷台10の鉄筋11の矩形状間隙に位置合せして取付板20の固定部材28を配置する。このとき、取付板20の係止片25,25は、荷台10の略格子状の鉄筋11に係止されるとともに、切込部26から山折りにした係止片も鉄筋11に係止される。
【0037】次いで、取付板20の固定・解除用つまみ24をコイルスプリング27の付勢力に抗して手により押圧して固定部材28を荷台10の鉄筋11の下方まで押し下げる。そして、固定・解除用つまみ24を手により左右いずれかに90°回動させて固定部材28を荷台10の鉄筋11に係止させることにより、取付作業を終了する。
【0038】この場合、固定部材28の幅および長さは、荷台10の鉄筋11の矩形状間隙に対応して設定されており、すなわち固定部材28を回動させずに平面部21の長手方向に一致する方向で鉄筋11の矩形状間隙に嵌まり込み、固定部材28を回動させた方向で鉄筋11と干渉するようになっている。
【0039】さらに、物品受け38の開閉板38bを開いて、図5に示すように例えばゴルフバッグGを物品受け38に載置した後、締付けバンド34a,34bにて係止することにより、運搬が可能になる。また、手提げの付いている物品については、物品固定枠30の取付パイプ31,31の上部に掛止すればよい。
【0040】ところで、物品固定枠30の上下(垂直)方向の調整は、図6に示すように取付パイプ31,31のねじ孔31a,31bと、固定板50の取付孔54,55,56との取付位置で調整し、したがって、取付パイプ31が2つのねじ孔を有するとともに、固定板50が上下方向に3つの取付孔を有するので、合計6段階の調整が可能である。
【0041】一方、自転車への自転車用物品運搬装置の取外し作業は、まず固定・解除用つまみ24を手により押圧すると同時に、固定・解除用つまみ24を左右いずれかに90°回動させて固定部材28を荷台10の略格子状の鉄筋11への係止状態を解除した後、物品固定枠30を上方に引っ張って張出部材40のカラー45から固定板50の切欠溝51aを引き抜くことにより行う。
【0042】このように本実施形態によれば、後部泥よけ2の上方に配設された荷台10に着脱可能に取り付けられる取付板20を有するとともに、固定板50に後輪7の車軸7aに掛止される切欠溝51aを形成したことにより、自転車への自転車用物品運搬装置の着脱作業が極めて容易になる。そして、後輪7の車軸7aに張出部材40を固定するだけで、本実施形態の自転車用物品運搬装置を取り付けることができるので、不慣れな者でも容易に取付作業を行うことができるとともに、既存の実用車を大幅に改造する必要もなくなる。
【0043】また、本実施形態によれば、物品受け38は固定板38aに対し開閉板38bが開閉可能に軸着されるとともに、取付板20に物品固定枠30が固定手段32により取り付けられているので、運搬時に固定板38aに対して開閉板38bを閉じておき、物品固定枠30から取付板20を取り外しておけば、全体としてコンパクト化され、取扱性が良好になる。
【0044】さらに、取付パイプ31,31の上部に補強板34を固定するとともに、取付パイプ31,31の略中間にも補強板36a,36bがそれぞれ水平方向および斜め方向に固定されているため、水平方向の力による物品固定枠30の変形を防止することができる。これにより、車軸7aから固定板50が外れ難くなり、信頼性を高めることができる。加えて、荷台10へ取付板20を取り付けることで、補強板36a,36bを取付パイプ31,31へ固定することと相俟って、水平方向の力に対してより強固となり、車軸7aから固定板50が外れることがない。そして、取付パイプ31,31の略中間に補強板36a,36bを固定したことにより、物品運搬時、後輪7へ物品が干渉するのを防止することが可能となる。
【0045】さらにまた、取付板20の内側に傾斜した傾斜部22に物品固定枠30を取り付けたことにより、物品固定枠30も傾斜することになるので、長尺の物品を固定した場合、その重心が略車輪の鉛直中心線上に位置することになり、車体の左右のバランスがとれ、容易に安定して運転走行することができる。
【0046】そして、物品固定枠30を垂直方向に位置調整可能に構成したので、車種・車型の相違による自転車の大小、車輪の径の大小に十分対応可能である。
【0047】また、本実施形態の自転車用物品運搬装置は、主要構成部材が取付板20,物品固定枠30,および固定板50からなるので、部品点数が大幅に削減され、軽量化が図れる。加えて、物品固定枠30は主要構成部材が断面円形の中空パイプからなるので、強度が一段と向上するとともに、軽量化も図れる。
【0048】図7は本発明に係る自転車用物品運搬装置の第2実施形態の取付状態を示す斜視図、図8は図7の自転車用物品運搬装置の取付前の状態を示す斜視図、図9は図7の自転車用物品運搬装置の取付状態を示す背面図、図10は図7の車軸部分を示す拡大図である。なお、前記第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明し、取付板20,物品固定枠30,および固定板50の構成は、前記第1実施形態と同一であるのでその説明を省略する。
【0049】図7および図8に示すように、本実施形態の自転車用物品運搬装置は、荷台10が取り付けられていないスポーツ車に適用され、後部泥よけ2の上方にその長さ方向に沿って配設された幅狭の支持部材60と、この支持部材60に着脱可能に取り付けられる取付板20と、この取付板20に取り付けられた物品固定枠30と、この物品固定枠30の下部が固定されるとともに、後輪7の車軸7aに掛止される切欠溝51aが形成された固定板50とから大略構成されている。
【0050】幅狭の支持部材60は、一端がサドル1の上下固定用のねじ部1aに固定され、他端が後部泥よけ2の後端近傍まで延びる2本の横杆61,61と、これら2本の横杆61,61の上部に跨がって溶接された補強板62と、2本の横杆61,61の他端がそれぞれ溶接により固定される固定金具63と、この固定金具63に一端がねじ64により固定され、他端が後輪7の車軸7aに固定される2本の支持ステー65,65とから構成されている。
【0051】2本の横杆61,61は、断面円形の中空パイプからなり、互いの間隔が35mm〜40mmに設定され、その略中間から下方に折り曲げられ、一端(先端)が圧潰して平板状に形成され、この平板部分に上下固定用のねじ部1aが挿通する取付孔が穿設されている。
【0052】固定金具63は、箱状に形成され、両側面が垂直方向に対して7°内側に傾斜しており、その両側面の上下に2つの取付孔63a,63bが穿設されている。これら2つの取付孔63a,63bは、車輪の径の大小に応じて使用部位が選択され、車輪の径が24インチ以下の場合は、取付孔63aに支持ステー65の一端がねじ64により固定される一方、車輪の径が27,28インチの場合は、取付孔63bに支持ステー65の一端がねじ64により固定される。
【0053】2本の支持ステー65,65は、その他端が圧潰して平板状に形成され、この平板部分に後輪7の車軸7aが挿通する取付孔が穿設され、後輪7の車軸7aから左右のナット9,9を外し、車軸7aに上記取付孔のそれぞれを挿通して左右のナット9,9を締め付けることにより取り付けられる。
【0054】すなわち、一方の支持ステー65の取付孔は、図9に示すように車軸7aに後部泥よけ2のステーとスタンド66が取り付けられた後に挿通されてナット9を締め付けて一方の支持ステー65が固定され、他方の支持ステー65の取付孔は、図10に示すように車軸7aに後部泥よけ2のステーが取り付けられた後に挿通され、次いでカラー67を挿着した後、このカラー67より大径のワッシャ68を挿通してナット9を締め付けて他方の支持ステー65が固定される。
【0055】なお、本実施形態では、取付板20の平面部21の長手方向端部近傍に切込部26が設けられているものの、この切込部26から折曲せずにそのままの状態にしておく。これは、横杆61に係止片25,25を係止するだけで取付板20が位置決めされるからである。
【0056】また、前記第1実施形態では、固定・解除用つまみ24を取付板20の取付方向に対して前側の円孔23に設けたが、本実施形態では後側の円孔23に設けている。このように固定・解除用つまみ24の取付位置を変えることにより、取付板20を介して物品固定枠30を正確な方向に固定することができる。
【0057】本実施形態の作用について説明する。
【0058】まず、本実施形態の自転車用物品運搬装置の取付順序を説明する。
【0059】予め2本の横杆61,61の一端をサドル1の上下固定用のねじ部1aに固定すると同時に、後輪7の車軸7aの左右のナット9,9を外し、一側の車軸7aに後部泥よけ2のステーとスタンド66を取り付けた後に、一方の支持ステー65をナット9を締め付けて固定しておき、また他側の車軸7aに後部泥よけ2のステーが取り付けられた後に他方の支持ステー65を取り付け、次いでカラー67を挿着した後、ワッシャ68を挿通してナット9を締め付けて固定しておく。このようにして自転車に支持部材60を予め取り付けておく。
【0060】一方、本実施形態の自転車用物品運搬装置は、支持部材60への取付板20の取付作業と、カラー67への固定板50の取付作業以外は、予め全て溶接や固定手段により各構成部材を固定して一体化しておく。また、取付板20の固定・解除用つまみ24を操作してその平面部21の長手方向に一致する方向に固定部材28を向けておく。
【0061】そして、実際の自転車への自転車用物品運搬装置の取付作業は、まずカラー67へ固定板50の切欠溝51aを掛止した後、支持部材60に取付板20を載置すると同時に、2本の横杆61,61の間隙に取付板20の固定部材28を配置する。このとき、取付板20の係止片25,25は、それぞれ2本の横杆61,61の一方に係止される。
【0062】次いで、取付板20の固定・解除用つまみ24をコイルスプリング27の付勢力に抗して手により押圧して固定部材28を2本の横杆61,61の下方まで押し下げる。そして、固定・解除用つまみ24を手により左右いずれかに90°回動させて固定部材28を2本の横杆61,61の下部に係止させることにより、取付作業を終了する。
【0063】さらに、物品受け38の開閉板38bを開いて、図9に示すように例えばゴルフバッグGを物品受け38に載置した後、締付けバンド34a,34bにて係止することにより、運搬が可能になる。また、手提げの付いている物品については、物品固定枠30の取付パイプ31,31の上部に掛止すればよい。
【0064】一方、自転車への自転車用物品運搬装置の取外し作業は、まず固定・解除用つまみ24を手により押圧すると同時に、固定・解除用つまみ24を左右いずれかに回動させて固定部材28を2本の横杆61,61への係止状態を解除した後、物品固定枠30を上方に引っ張ってカラー67から固定板50の切欠溝51aを引き抜くことにより行う。
【0065】このように本実施形態によれば、後部泥よけ2の上方に支持部材60を取り付けるとともに、後輪7の車軸7aにカラー67を挿着しておくことにより、荷台が取り付けられていないスポーツ車でも自転車用物品運搬装置の着脱作業を極めて容易に行うことができる。
【0066】なお、本発明は上記各実施形態に限らず種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では取付パイプを円形の中空パイプで形成したが、角形であっても中空パイプであればよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1によれば、後部泥よけの上方に配設された荷台に着脱可能に取り付けられ傾斜部を有する取付板と、この取付板の傾斜部にその傾斜角度に応じて取り付けられた物品固定枠と、後輪の車軸から外側に張り出して固定された張出部材と、物品固定枠の下部が固定されるとともに、張出部材に掛止される切欠溝が形成された固定板とを備えたことにより、自転車への着脱作業を極めて容易に行うことのできる。また、従来例のような支持脚が不要になるため、不使用時にコンパクト化され、取扱性を良好とし、部品点数が削減され軽量化が図れる。
【0068】また、本発明の請求項2によれば、後部泥よけの上方にその長さ方向に沿って配設された支持部材と、この支持部材に着脱可能に取り付けられ傾斜部を有する取付板と、この取付板の傾斜部にその傾斜角度に応じて取り付けられた物品固定枠と、この物品固定枠の下部が固定されるとともに、後輪の車軸に掛止される切欠溝が形成された固定板とを備えたことにより、請求項1の効果に加え、荷台が取り付けられていないスポーツ車でも適用可能となり、汎用性を向上させることができる。
- 【公開番号】特開平10−35561
【公開日】平成10年(1998)2月10日
【発明の名称】自転車用物品運搬装置
- 【出願番号】特願平8−209394
【出願日】平成8年(1996)7月22日
【出願人】
【識別番号】591111271
【氏名又は名称】
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