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バイク用グリップの保温装置
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- 【要約】
【目的】 エンジンの出力損失を生じることなくハンドルグリップを加温する。
【構成】 ハンドルグリップ1に外挿固定する放熱グリップカバー6は、熱良導体の放熱体7に通水パイプ8を配設する。エキゾーストパイプ4に外装固着する排熱吸収加熱器11は、熱良導体の吸熱パイプ12に通水加熱パイプ13を螺回配設する。エア溜タンク17は、蓋付き給水口22を構成した中空容器18に給水ポート19と水回収ポート20を突設する。エア溜タンク17の給水ポート19と排熱吸収加熱器11の通水加熱パイプ13の一端、その他端と放熱グリップカバー6の通水パイプ8の一端を連通し、更にその他端とエア溜タンク17の水回収ポート20を逆止弁23を介して連通して水循環系を構成する。エキゾーストパイプ4の排熱によりハンドルグリップ1に設けた放熱グリップカバー6を加温することを特徴とするものである。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 バイクのハンドルグリップに外挿固定可能になる熱良導体の放熱体に熱良導体の通水パイプを配設してなる放熱グリップカバーと、バイクのエンジンから導出したエキゾーストパイプに外装固着可能になる熱良導体の吸熱パイプに、熱良導体の通水加熱パイプを螺回してなる排熱吸収加熱器と、蓋付き給水口を有する中空容器の下位側に給水ポート、上位側に水回収ポートを開設してなるエア溜タンク、及び逆止弁とからなり、前記エア溜タンクの給水ポートと前記排熱吸収加熱器の通水加熱パイプの一端を連通し、該通水加熱パイプの他端と前記放熱グリップカバーの通水パイプの一端を連通し、更に該通水パイプの他端と前記エア溜タンクの水回収ポートをエア溜タンク側に向いた逆止弁を介して連通した水循環系を構成し、エキゾーストパイプの排熱によりハンドルグリップに設けた放熱グリップカバーを加温することを特徴とするバイク用グリップの保温装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイクのハンドルグリップをエンジンのエキゾーストパイプからの排熱によって加温するバイク用グリップの保温装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バイクを寒中で乗用使用する場合、殊にハンドルを握っている指先が冷たいことは周知のことである。このため従来よりハンドルグリップを加温する構造として、バッテリーからの電力供給によりグリップ内に設けたヒーターを通電加熱する構造のものや、ハンドルグリップの回りを防風カバーによって覆う構造のものが使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記前者の構造では、バッテリーからの電力供給によるため、該バッテリーを充電しているジェネレーターに大負荷が掛かり、エンジンの出力損失になる。また後者の場合は、単に風を防ぐためのものであるから積極的に暖められないといった問題を有していた。
【0004】本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、エンジンの出力損失を生じることなくハンドルグリップを加温し、乗用使用者の手指を暖めることができるバイク用グリップの加温装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るバイク用グリップの加温装置は、バイクのハンドルグリップに外挿固定可能になる熱良導体の放熱体に熱良導体の通水パイプを配設してなる放熱グリップカバーと、バイクのエンジンから導出したエキゾーストパイプに外装固着可能になる熱良導体の吸熱パイプに、熱良導体の通水加熱パイプを螺回してなる排熱吸収加熱器と、蓋付き給水口を有する中空容器の下位側に給水ポート、上位側に水回収ポートを開設してなるエア溜タンク、及び逆止弁とからなり、前記エア溜タンクの給水ポートと前記排熱吸収加熱器の通水加熱パイプの一端を連通し、該通水加熱パイプの他端と前記放熱グリップカバーの通水パイプの一端を連通し、更に該通水パイプの他端と前記エア溜タンクの水回収ポートをエア溜タンク側に向いた逆止弁を介して連通した水循環系を構成し、エキゾーストパイプの排熱によりハンドルグリップに設けた放熱グリップカバーを加温することを要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るバイク用グリップの加温装置の好ましい実施の形態について図面に従って説明する。符号1はバイクのハンドル2に設けたグリップ、符号3は該バイクのエンジンであり、燃焼ガスを排出するエキゾーストパイプ4を突設し、該後方にマフラー5を連設した構造になっている。
【0007】符号6は上記バイクのハンドルグリップ1に外挿固定した放熱グリップカバーであり、銅、真鍮等の熱良導体の微粉体または細線を編成した網状体を板厚内に混練又は配置してなる可撓性及び耐熱性を有する合成樹脂板状放熱体7に、該合成樹脂板状放熱体7の面方向に拡がるように熱良導体の通水パイプ8を蛇行配設固着した構造になる。
【0008】上記放熱グリップカバー6は、通水パイプ8の一端を給湯ポート9、他端を排出ポート10として突出して一対を構成し、合成樹脂板状放熱体7の可撓性を利用して両ハンドルグリップ1にそれぞれ捲回すると共に、外側から熱良導体のテープ(図示せず)を捲回する等の手段で確実に固定してなる。
【0009】符号11は上記バイクのエンジン3から導出したエキゾーストパイプ4に外挿固着してなる排熱吸収加熱器であり、銅または真鍮等の熱良導体からなる吸熱パイプ12の外周に、熱良導体の通水加熱パイプ13を螺回固設すると共に、その外周に石綿、石膏等の耐熱性断熱材からなるカバー筒14を外挿被設した構造になる。
【0010】上記排熱吸収加熱器11は、通水加熱パイプ13の一端を給水ポート15、他端を温水給出ポート16として突出し、それぞれ二股に分岐してなる。またエキゾーストパイプ4には、該排熱給水加熱器11を二つ割り構造にして挟み合わせ固定するか、または筒状構造にしてパイプ端から外挿固定する取付構造になっている。
【0011】符号17は、中空容器18の下位側に給水ポート19、上位側に水回収ポート20を突設したエア溜タンクであり、上端には安全弁付き蓋21を設けた給水口22を開設してなる。
【0012】上記エア溜タンク17の給水ポート19と上記排熱吸収加熱器11の通水加熱パイプ13の給水ポート15を、該通水加熱パイプ13の温水給出ポート16と上記放熱グリップカバー6の通水パイプ8の給湯ポート9をそれぞれフレキシブルチューブ24を介して連通してなる。更に該通水パイプ8の排出ポート10と上記エア溜タンク17の水回収ポート20は、エア溜タンク17側に向いた(矢印A)逆止弁23を介してフレキシブルチューブ24により連通してなる。
【0013】即ち上記構成では、エア溜タンク17と排熱吸収加熱器11を共有し、バイクの両ハンドルグリップ1,1に設けた放熱グリップカバー6,6を経由する二組の温水循環系を構成している。
【0014】上記構成になるバイク用グリップの加温装置は、エア溜タンク17の中空容器18に熱媒体となる真水を略半量充填し、安全弁付き蓋21を取り付けて使用するものである。該エア溜タンク17の水は排熱吸収加熱器11の通水加熱パイプ13に流入しており、エンジン3からの排気によって加熱したエキゾーストパイプ4の熱伝播により吸熱パイプ12を介して該通水加熱パイプ13内の水が加熱せしめられる。
【0015】該加熱し一部気化した水蒸気は、通水パイプ8の排出ポート10と上記エア溜タンク17の水回収ポート20間に、エア溜タンク17側に向いた(矢印A)逆止弁23が設けられているため、ハンドルグリップ1に設けた放熱グリップカバー6の通水パイプ8に流入して合成樹脂板状放熱体7を加温する。その後、該部放熱グリップカバー6の通水パイプ8で放熱冷却した水は、逆止弁23を経て水回収ポート20からエア溜タンク17の中空容器18に循環回収する。
【0016】尚、上記循環系が排熱吸収加熱器11によって熱媒体の水が水蒸気となり、所定の内圧を越えて高圧となった場合は、エア溜タンク17の中空容器18に設けた安全弁付き蓋21の安全弁が大気開放する構造になっており、循環系を破砕することはない。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のバイク用グリップ加温装置は、エキゾーストパイプの排熱によりハンドルグリップに設けた放熱グリップカバーを加温する構造になるため、エンジンの出力損失を生じることなくハンドルグリップを加温して乗用使用者の手指を暖めることができる特徴を有するものであり、本発明実施後の効果は極めて大きい。
- 【公開番号】特開平10−35565
【公開日】平成10年(1998)2月10日
【発明の名称】バイク用グリップの保温装置
- 【出願番号】特願平8−208802
【出願日】平成8年(1996)7月19日
【出願人】
【識別番号】596116709
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】畠山 隆
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