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植物栽培装置
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- 【要約】
【課題】 植物の根圏域の温度制御を行なう植物栽培装置においてエネルギを効率よく活用するものであって、その植物栽培装置の設置や設備のレイアウト変更等が容易なものを提供する。
【解決手段】 合成樹脂発泡材製のブロック体に上開きの凹部8を形成して据え置き式の栽培ベッド6とし、この栽培ベッド6の凹部8の底部には熱源気流を吐出するダクト13を配置するとともに、凹部8内でダクト13の上方には培地11を収容したコンテナ12を配置した。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 合成樹脂発泡材製のブロック体に上開きの凹部を形成して据え置き式の栽培ベッドとし、この栽培ベッドの前記凹部の底部には熱源気流を吐出するダクトを配置するとともに、前記凹部内で前記ダクトの上方には培地を収容したコンテナを配置したことを特徴とする植物栽培装置。
【請求項2】 請求項1記載の植物栽培装置において、前記栽培ベッドの凹部はさらに前記ブロック体の対向する側面間にも開放するものとし、複数個の栽培ベッドを互いの開放した側面同士を衝合させて配設したことを特徴とする植物栽培装置。
【請求項3】 請求項1または2記載の植物栽培装置において、大気圧と前記熱源気流の静圧との差を、栽培ベッドの培地に応じた値にすることを特徴とする植物栽培装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、植物の根圏域の温度制御を行なって植物の栽培を行なう植物栽培装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】植物の根圏域の温度制御を行なう植物栽培装置としては、例えば、特開平4−71432号公報に示すものがある。
【0003】植物の根圏域の温度制御を行なう,この植物栽培装置においては、植物の根圏域の温度制御のための冷熱エネルギを効率よく活用することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記公報に示す植物栽培装置は、エネルギを効率よく利用するものではあるが、植物栽培装置が固定設備としておおがかりであり、その設備の設置や設備のレイアウトの変更等が面倒な構造のものとなっている。
【0005】この発明は、このような事情に基づいてなされたもので、植物の根圏域の温度制御を行なう植物栽培装置においてエネルギを効率よく活用するものであって、その植物栽培装置の設置や設備のレイアウト変更等が容易なものを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために、請求項1記載の発明は、合成樹脂発泡材製のブロック体に上開きの凹部を形成して据え置き式の栽培ベッドとし、この栽培ベッドの前記凹部の底部には熱源気流を吐出するダクトを配置するとともに、前記凹部内で前記ダクトの上方には培地を収容したコンテナを配置したことを特徴とする植物栽培装置である。
【0007】また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の植物栽培装置において、前記栽培ベッドの凹部はさらに前記ブロック体の対向する側面間をも開放するものとし、複数個の栽培ベッドを互いの開放した側面同士を衝合させて配設したことを特徴とする植物栽培装置である。
【0008】また、請求項3の発明は、請求項1または2記載の植物栽培装置において、大気圧と前記熱源気流の静圧との差を、栽培ベッドの培地に応じた値にすることを特徴とする植物栽培装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0010】[実施の形態1]以下、図面によりこの発明の実施の形態1を説明するが、まず、図2により植物栽培装置の全体概略を説明する。
【0011】図2において、1はビニルハウスを示し、ビニルハウス1内には植物栽培装置2が設置されている。
【0012】植物栽培装置2は、栽培部3と、温度制御装置4と、養液供給装置5とを有している。
【0013】栽培部3は、後述する形状に形成された複数の栽培ベッド6を床面7に据え置いて一定の方向に向けて整列させたもので、この実施の形態1においては5列に形成されている。
【0014】そして、この実施の形態1において、栽培ベッド6は、合成樹脂発泡材である,発泡スチロールからなるブロック体を所要の形状に形成したものである。
【0015】なお、これらの栽培ベッド6は高密度発泡ウレタンやその他各種の合成樹脂の発泡材を用いて形成することとしてもよい。
【0016】栽培ベッド6は、主に図1,図3に示すように、概ね外形が直方体状とされたブロック体で上開きの凹部8を有するものであり、後述するようにこの凹部8には培地11を収容したコンテナ12と,後述する熱源用ダクト13とが設置される。
【0017】この実施の形態1において、培地11はロックウール培地が用いられており、コンテナ12は底面に多数の透孔が形成され充分な通気性を有するものである。
【0018】栽培ベッド6に形成された凹部8は、前記のように上開きであって、さらに、この凹部8は直方体状をなす外形において対向する側面間を同一の断面形状で連通させたものとなっている(図3参照)。
【0019】この栽培ベッド6の凹部8の連通方向に直交する向きでの断面形状は、図1に示すようであり、凹部8の底部中央には栽培ベッド6の厚さ寸法の半分程度の高さの支持部14が底部から膨出され、この支持部14の上面と一致するように両側側壁に段部15が形成されている。
【0020】そして、これらの支持部14と段部15との間に渡るようにして、前記コンテナ12は2列に並べた状態でコンテナ格納空間16に格納され、コンテナ格納空間16に格納されたコンテナ12はその上面以外の周囲の全体が栽培ベッド6によってすっぽり覆われた状態となる。
【0021】前記支持部14の両側には、概ね各コンテナ12の中央下方となるようにダクト収容空間17がそれぞれ形成されて、熱源用ダクト13をそれぞれ収容するようになっている。なお、前記ダクト収容空間17においては、熱源用ダクト13を最深部に配置し、これらの熱源用ダクト13から上方のコンテナ12に至る空間をコンテナ12側で大きくするように中間段部18が形成されている。
【0022】この中間段部18を形成してあることにより、熱源用ダクト13から吐出された熱源気流を上方に位置するコンテナ12の底部の広い領域にわたり供給することができる。
【0023】そして、栽培部3を構成する各列において、各栽培ベッド6はそれぞれの凹部8が互いに連続するように整列配置して構成されており、栽培部3を構成する各列の端部においては、図4,図5に示すように、発泡スチロールからなる端部プレート25を粘着テープ20で栽培ベッド6の端面に固着して熱源用ダクト13からの熱源気流がコンテナ格納用空間16に設置されているコンテナ12の培地11に集中的に供給され効率的な温度制御が行えるようになっている。
【0024】さらに、この実施の形態1においては、栽培部3の各列毎に各栽培ベッド6の凹部8の内面全体をフィルム19で覆って気密性を高めている。
【0025】なお、この実施の形態1において、前記フィルム19は例えばポリエチレンシートからなり、このフィルム19の縁部は粘着テープ20を用いて栽培ベッド6の適所に固着している。
【0026】また、この実施の形態1においては、各列の栽培部3を構成する各栽培ベッド6相互の間および栽培ベッド6とコンテナ12との間についても粘着テープ20が用いられ、一層気密性を向上させて熱源気流のロスの発生を防止している。
【0027】温度制御装置4は、空気調和機21と,メインダクト23と、分岐管22の接続部に一端をそれぞれ接続した熱源用ダクト13と、各熱源用ダクト13の他端部を連通させる連通管24とを有するものである。
【0028】空気調和機21は、冷暖房運転がそれぞれ可能で送風機能を有するものであり、栽培部3に設置されている適宜のコンテナ12の培地11中に埋設した不図示の温度センサからの信号に応じて適宜に運転され、培地11が所要の温度条件を満たすようにその運転が制御されるものである。
【0029】メインダクト23は、前記空気調和機21で生じた熱源気流を分岐管22に導くものであり、この明細書において熱源気流とは暖房による加熱熱源気流のほか冷房による冷熱源機流をも含む概念である。
【0030】分岐管22は、メインダクト23を経て供給される熱源気流を栽培部3に設置された合計10本の各熱源用ダクト13に分配するものである。
【0031】各熱源用ダクト13は、5列に整列配置された各栽培ベッド6の2つのダクト収容空間17毎に配置されており、これらの熱源用ダクト13には上方に位置する各コンテナ12の中央部にそれぞれ対応するように上向きに噴出口13aが形成されている。
【0032】したがって、この植物栽培装置2においては、栽培ベッド6に格納された各コンテナ12についてはそれぞれが対応する前記噴出口13aから熱源気流が底部の中央に吹き付けられて、そのコンテナ12中の培地11は所要の温度条件に制御されることになる。
【0033】そして、この実施の形態1にあっては、前記の各熱源用ダクト13の他端部はそれぞれ連通管24に接続されていて、連通管24を介して互いに連通状態となっている。
【0034】これは、栽培部3に設置されているすべての熱源用ダクト13内の静圧を均一にして、一定の穴径に形成されている前記噴出口13aからの熱源気流の流量を一定とし、各コンテナ12の培地11の温度を均一にするためである。
【0035】養液供給装置5は、養液タンク31と,養液ポンプ32と,分配管33と,養液供給管34とを有するものである。
【0036】養液タンク31は、前記栽培部3の栽培ベッド6に設置されたコンテナ12の培地11に植え付けられた植物に供給すべき養液を貯留するものであり、養液ポンプ32は適時に所要量の養液を分配管33側に吐出するものである。
【0037】分配管33は、前記養液ポンプ32から吐出された養液を各養液供給管34に分配して供給するものであり、養液供給管34は前記栽培部3の各列毎に設けられており、この養液供給管34には前記栽培部3に設置された各コンテナ12に対応した位置に養液供給口35が多数穿設されている。
【0038】したがって、養液を散布すべき場合には、前記養液ポンプ32が駆動され、養液タンク31に貯留されている養液が分配管33および各養液供給管34を経てそれぞれの養液供給口35から対応するコンテナ12の培地11に所定量だけ散布供給することになる。
【0039】このようにして培地11に供給された養液は、培地11が前記のようにロックウール培地であって水切れが良好であるので、幾分かの養液はコンテナ12の底部から垂れ落ちて栽培ベッド6の凹部8の底部に達することとなる。
【0040】このように垂れ落ちた養液に対して、凹部8の底部には、前記フィルム19をも貫通させて養液排水口37を形成し、この養液排水口37を経て養液排水管38により植物栽培装置2外に排出する。
【0041】なお、養液排水管38にトラップを形成しておくこととすれば、養液排水管38からの熱源気流の漏れを防止して凹部8の気密性を維持することができるとともに、外部からの害虫等の侵入を防止することもできるので、植物栽培装置2の清浄性を確保して、培地11で栽培する植物を疫病等から保護することも可能となる。
【0042】このように構成された植物栽培装置2を用いて植物Pの栽培を行なう場合には、図1に示すように、各コンテナ12の培地11の表面に発泡スチロール等の合成樹脂発泡材からなる小片41を多数散在させて培地11の表面を覆わせることが好ましい。
【0043】これにより、培地11の表面に多数の小片41が位置することによって、夏期の日射による培地温度温度の上昇を抑制するとともに、冬期の培地上部からの放熱による熱的ロスを軽減することができ、空気調和機21の負荷を軽減することができる。
【0044】また、多数の小片41によるものであるので植物Pに対する養液供給管34からの養液供給が妨げられることもない。
【0045】以上のように、この実施の形態1においては、栽培ベッド6が床面7への据え置き式であるので、植物栽培装置2の設置作業が簡単であり,栽培面積の変更等に伴うレイアウト変更も容易である。
【0046】そのうえ、栽培ベッド6が発泡スチロール製であり、使用時にコンテナ12の周囲が断熱性に富んだ発泡スチロール材で囲まれるので熱的ロスが少なく,エネルギ効率が良好である。
【0047】[実施の形態2]実施の形態2では、実施の形態1の空気調和機21として図6に示すものを用いる。図6の空気調和機400は、室外機410と、室内機420と、冷媒回路430A、冷媒回路430Bとを備える。
【0048】空気調和機400の室外機410は、圧縮機411と、ファン412と、熱交換装置413とを備える。圧縮機411は、冷媒回路430Bからの、気体の冷媒を圧縮する。熱交換装置413は、圧縮機411からの、圧縮された冷媒から熱を奪い、冷媒を液体にする。ファン412は、冷却用の空気を熱交換装置413送る。
【0049】空気調和機400の室内機420は、熱交換装置421と、ファン422とを備える。熱交換装置421は、熱交換装置413からの、液体の冷媒を冷媒回路430Aを経由して受け取る。熱交換装置413は、ファン422で送り込まれる外気を冷却する。これにより、冷媒が気化される。熱交換装置421は、気体の冷媒を、冷媒回路430Bを経由して、空気調和機400の圧縮機411に送る。
【0050】また、空気調和機400は、温度調整した外気による熱源気流を、メインダクト23に送る。この熱源気流は、メインダクト23から分岐管22を経由して、それぞれの熱源用ダクト13に送られる。熱源用ダクト13から流れ出た熱源気流は、栽培ベッド6の培地11を通り、大気中に流れる。このとき、熱源気流からの熱源が培地11に吸収されて、培地11の温度が所要の温度条件に保たれる。
【0051】熱源気流を熱源用ダクト13に送るとき、大気圧P0と熱源用ダクト13内の静圧P1との差である差圧P2が、次の関係を保つように、空気調和機400は、熱源気流をメインダクト23に送る。
【0052】差圧P2=静圧P1−大気圧P0差圧P2>0熱源気流の静圧P1は、熱源気流をメインダクト23に送るファン422の回転で決められる。ファン422が高速回転をして、差圧P2が大きいと、培地11から吹き出る熱源気流の量が多くなる。このときには、熱源気流による培地11の冷却・加熱が十分に行われずに、熱源気流が大気中に放出されるので、熱源気流による熱交換の効率が低下してしまう。また逆に、ファン422が低速回転をして、差圧P2が小さいと、熱源気流が培地11から吹き出る量が少ないので、熱源気流による冷却・加熱効果が十分ではない。このために、所要の温度条件に培地11を保つために、時間がかかる。
【0053】したがって、比較的短時間で所要の温度条件にし、かつ、熱交換の効率低下を防ぐための差圧P2としては、培地11の通気性に応じた、最適な値がある。そして、この差圧P2を、およそ5〜20[mmaq]
に保つように、ファン422の回転速度を調節する。
【0054】このようにして、実施の形態2では、培地11の通気性や含水量に応じて、差圧P2に対する条件を満たすように、空気調和機400が熱源気流をメインダクト23に送る。このとき、メインダクト23から熱源用ダクト13の連通管24までの距離、つまり熱源用ダクト13の長さが同じようになるように、熱源用ダクト13が設置されている。この結果、栽培ベッド6の設置場所に影響されることがなく、熱源用ダクト13の長手方向に対して、栽培ベッド6の温度条件を均一にすることができる。
【0055】また、空気調和機400が熱源気流を熱源用ダクト13に送るとき、培地11に応じた、最適な静圧P1で熱源気流を送るので、空気調和機400を効率よく運転することができ、空気調和機400の維持費を低く抑えることができる。
【0056】なお、実施の形態2に使用可能な培地11として、次のものがある。つまり、通気性を持つ培地11として、無機質の材料で作られたロックウール、有機物やコケなど材料で作られたピートモース、有機物として椰子殻の材料や無機質として砂利の材料で作られたれき、土壌などがある。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、熱源気流を吐出するダクトとコンテナの格納部とを有する栽培ベッドが据え置き式に構成されているので、植物栽培装置の設置やレイアウト変更等は、基本的に栽培ベッドの据え置き作業あるいは据え置き位置の調整作業となり、煩雑な付随作業がすくなく植物栽培装置の設置やレイアウト変更等が容易である。
【0058】そのうえ、前記の据え置き式栽培ベッドを合成樹脂発泡材製とし、その合成樹脂発泡材のブロックに形成された凹部に培地を収容したコンテナを格納するものであるので、コンテナの表面積の多くが断熱性の高い合成樹脂発泡材でおおわれ、ダクトからの熱源気流のエネルギは培地の温度制御に効率よく利用することができる。
【0059】また、請求項2記載の発明によれば、植物栽培装置が複数個の栽培ベッドを据え置いて配設することにより概ね構成されるので、栽培面積についてもきわめて容易に調整することができる。そして、栽培ベッドの凹部が前記ブロック体の対向する側面間にも開放しているので、その開放した空間をも利用して栽培ベッド上にコンテナをフルに格納することができ、栽培ベッドの長手方向寸法が過大になることもない。
【0060】さらに、請求項3記載の発明によれば、大気圧と熱源気流の静圧との差を、栽培ベッドの培地に応じた値にし、熱源気流が培地を通過するための、最適な静圧で熱源気流を送る。これにより、熱源気流による培地の冷却・加熱を効率的に行うことができる。
- 【公開番号】特開平10−37
【公開日】平成10年(1998)1月6日
【発明の名称】植物栽培装置
【発明者】
【氏名】山本 敬司
【氏名】中西 美一
- 【出願番号】特願平9−1017
【出願日】平成9年(1997)1月8日
【出願人】
【識別番号】000144991
【氏名又は名称】株式会社四国総合研究所
【識別番号】000180368
【氏名又は名称】四国電力株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
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