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揺動板伝動機構を備えた往復動機械
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- 【要約】
往復動機械(1)が第1と第2の揺動板部分(5、6)を有した揺動板装置を組み込んで具備し、また回転機械主軸(4)を有し、第1の揺動板部分は該機械主軸に揺動板継手(9、11)によって結合されて種々の傾動姿勢を許容し、第2の揺動板部分は複数のピストン(2)を駆動するように結合され、該駆動ピン(9)は駆動要素(10)を貫通して延在され、該駆動要素は互いに隔設された軸受側面(12、12’)の間に係合されている。少なくとも1つの摩耗低減機械要素が設けられ、該要素は転動係合により摩擦力を低減する機械要素(32〜37、41、42、47)から成る構成とした。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 揺動板伝動機構を備えた往復動機械が、揺動板装置3を有しており、該揺動板装置は、機械主軸4と協動回転する第1の揺動板部分5と、複数のピストン2に駆動力を伝達するように結合された第2の揺動板部分6と、該第1、第2の揺動板部分の間に介挿され、揺動運動を伝達する回転軸受7、8とを具備、前記第1の揺動板部分は前記機械主軸4に揺動継手9、11によって結合され、該継手は揺動板の傾動位置変更を許容するように構成され、また、ガイド溝孔11、11’に係合した駆動ピン9を設け、該駆動ピンは一方が前記機械主軸4に設けられ、他が前記第1の揺動板部分5に設けられた駆動突出部10,12,12’を貫通し、延設され、該駆動ピンと、該駆動突出部10,12,12’の少なくとも片方とには少なくとも1つの摩耗低減用機械要素32〜37が設けられてなる往復動機械において、前記駆動ピン9は駆動要素10を貫通して延設され、該駆動要素は前記駆動突出部を形成する軸受側面12、12’の間に係合されて成り、前記ガイド溝孔11、11’は、前記軸受側面12、12’に設けられ、該軸受側面12、12’は、該軸受側面同志の間に前記機械主軸4の直径の1から2倍の寸法に相当する離隔空間を有し、かつ前記少なくとも1つの摩擦低減機械要素は、転動接触により摩擦力を低減させる機械要素32〜37、41、42、47から成ることを特徴とする往復動機械。
【請求項2】 前記駆動ピン9は、前記駆動要素10に設けた孔内に延設される中央領域31を有し、該中央領域は、2つの軸受32、33を介して回転可能に取着され、該2つの軸受は前記孔内で最大の離隔距離を置いて配設されていることを特徴とする請求項1に記載の往復動機械。
【請求項3】 前記駆動ピン9の中央領域31と前記軸受側面12、12’の少なくとも一方との間に滑動円板35、36、42が配設されている請求項1又は2に記載の往復動機械。
【請求項4】 前記軸受側面12、12’の少なくとも一つと、前記駆動ピン9の長さ方向位置を固定する外部円板38、39又は駆動ピンの肩との間に悦動円板36、37が配設されている請求項1〜3の何れか1項に記載の往復動機械。
【請求項5】 前記駆動ピン9きの回転取着用に設けられた軸受32、33の少なくとも1つに加えて、該駆動ピン9の1つの領域40に回転軸受41、47が設けられ、該回転軸受は前記ガイド溝孔11、11’の一方に係入されて設けられ、該溝ガイド溝孔中で該回転軸受41または47の軸受リングが転動するように構成された請求項1〜4のいずれか1項に記載の往復動機械。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揺動板伝動機構を備えた往復動機械に関し、揺動板装置は、機械主軸と一緒に回動する第1の揺動板部分と、幾つかのピストンにそれらを駆動するように結合された第2の揺動板部分とを備え、それらの揺動板の間に配置されて運動伝達を行う回転軸受が設けられ、また第1の揺動板部分は、機械主軸に揺動継手を介して結合されており、該揺動継手は、揺動板が複数の傾斜位置に位置可能にし、かつ案内溝孔に係合した駆動ピンが駆動突出部を通して延設され、該駆動突出部の一方の突出部は、機械主軸に設けられ、他方の突出部は揺動板に設けられ、駆動ピンと駆動突出部の少なくとも1つの突出部との間には少なくとも1つの摩耗低減用の機械要素が上記駆動ピンに担持されて設けられていることを特徴とするものである。
【0002】
【従来の技術】この種の往復動機械は、例えば、ヨーロッパ公開公報第623744号(EP−A−623744号)に開示されて周知であり、その揺動板継手は、比較的短い駆動ピンを備え、該駆動ピンは、駆動突出部の案内溝孔に係合している。そして、このピンと案内溝孔との部分が、機械の全駆動トルクを伝達しなければならないので、大きな横交叉力が該部分に掛かり、駆動ピンの案内溝孔中での動作は、対応した大きな摩擦力による反力を受けることになる。故に、その大きな摩擦力が機械的な効率における正確な又はヒステリシスの少ない制御を妨げる要因になっている。摩擦力による摩耗を低減するために、この種の機械に対して案内溝孔に係合している駆動ピンの一部を摩耗に対して高抵抗を呈するリング部材によって囲繞することが提案されており、同リング部材は、平坦化された一側面又は直径方向に隔たる両側面を有した外面部分で上記案内溝孔を摺動する構成を有している。
【0003】然しながら、上述した大きな横交叉力がやはり作用して機械的効率を正確に制御する妨げになる。米国特許第4,886,423号はピストン本体に係合したテーパ付きワッシャを有した往復動機械を開示し、この往復動機械では、揺動板の傾斜位置の調整を可能にするために、継手々段が設けられ、この継手々段は、駆動軸又は上記テーパ付きワッシャに回転軸心の近くで細い平坦な駆動要素を有し、この駆動要素は、ねじドライバーのように2つの軸受壁または軸受側面の間の溝空間に係合している構成を有している。ガイド溝中で摺動する駆動ピンの2つの端部は、ヨーロッパ公開特許公報第623,744号(EP−A−623744号)による機械に対比したとき、ガイド溝に摺動係合する摩耗低減用のブッシュを担持している。上記駆動要素の両側面と軸受側面との間の大きな面積係合を実質的に介してトルク伝達が行われると、米国特許第4,886,423号による特徴構成を備えていても正確な制御には不利な摩擦力が発生するが、中央ガイド溝内では摩擦力はローラ軸受によって低減される。
【0004】また、国際公開公報第92−17705号(国際特許出願PCT/JP92/00384号)には軸方向に等間隔に2つの継手を各々ガイド溝と駆動ピンとを有したケース内に配置し、空隙に応じてトルク伝達用の力が低くなる構成のものが周知にされている。然しながら、同公開公報には、互いに擦れ合う表面の間に摩擦を低減する機械要素を追加する構成にはない。国際公開公報第92−17705号の運動力学的に異なる作用を有した実施形態によると、球面継手と軸方向のガイドを備えた駆動ピンを用いることにより、ガイド溝孔を回避した構成のものも開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述した形式の往復動機械であって、低摩擦抵抗の結果として、コンパクトで高圧構造の場合であっても、満足の行く精度で制御ができ、従って、自動車用の炭酸ガス(CO2 )空調機構の無継手形の動力制御にも適当な往復動機械を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題は、本発明によると、請求項1に記載の特徴によって解決することができる。すなわち、駆動ピン9が駆動要素10を貫通して延設され、該駆動ピン9は駆動突出部を形成する軸受側面(12,12’)の間に係合し、案内溝(11、11’)は機械主軸(4)の直径寸法の1から2倍に相当する相互空間を有する上記軸受側面に形成されており、少なくとも1つの摩耗低減用機械要素が転動接触によって摩擦を低減する機械要素(32〜37,41,42,47)によって構成されるのである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の有効な実施形態を添付図面を参照して以下に、更に詳細に説明する。なお、上述した形式の往復動形機械の基本的な構造と作用とは特許文献類を通して広く当業者に知れ渡ってきいるので、更なる詳細な説明は不要であろう。
【0008】さて、往復動形機械1は例えば7つのピストン2を有し、同ピストン2は揺動板運動によって駆動され、機械の円周方向に並設されている。揺動板3は第1の揺動板部分5を有し、該第1の揺動板部分は機械主軸4と共に回転し第2の揺動板部分6は回転を阻止され、かつピストン2に該ピストンを駆動するように結合される。揺動運動を伝達するために、ラジアル軸受とスラスト軸受7、8が設けられ、2つの揺動板部分5、6の間に設けられている。
【0009】機械主軸4と、該主軸と共に一体回転し、かつ揺動板装置3が種々異なる傾斜位置をとり得るようにする第1の揺動板部分5との間は上記機械主軸4に固定された駆動要素10の端部に設けられた駆動ピンを介して結合されている。該駆動要素は、機械主軸4上における揺動板装置3の傾動を可能にする駆動突出体部12、12’に各々1つ形成されたガイド溝孔11、11’に係入し、該駆動突出体部12、12’は、一体回転する第1の揺動板部分5に、横並びに形成されている。揺動板装置3は、その中央開口13を介して機械主軸4に支持され、該中央開口は、主軸方向に見て両側に拡張されており、従って機械主軸4に対して揺動板装置が傾動できる適正な空間が設けられている。第2の揺動板部分6の回転は、横梁部品16によって阻止されており、該横梁部品16は、駆動域15内に延設され、揺動板部分6の外周に形成された切欠き溝14に係入している。
【0010】ピストン2に作用するガス圧力及び(又は)速度変化時における揺動板装置に作用する運動力による揺動板装置3の傾動角度の制御精度は、多くは揺動継手9、11に作用している摩擦力の大きさに依存する。これらの摩擦力は、揺動継手9、11を介してピストン2を駆動する揺動板装置へ機械主軸4によって伝動されるトルクに相当して圧力が高くなる高圧機械の場合に特に重要である。
【0011】このような摩擦力を低減させるためには、本発明によれば、駆動ピン9に対して種々の摩擦低減機械要素が設けられ、それらの機械要素としては、ローラ軸受、滑動ブッシュ、滑動円板等がある。そして、これらの機械要素の実施形態が、図3から図5に図示されている。図3から図5は、揺動継手を肘継手(ナックル継手)によって構成した場合を図示している。継手側面部12、12’は一体回転する揺動板部分5の駆動突出部を形成し、両側面部間に大きな空間を保持して機械主軸4からのトルク伝達時に、ガイド溝孔11、11’に掛かる力を低減するようにしている。
【0012】図示の例では、上記空間は、機械主軸4の直径の2倍の寸法に形成されて設けられている。図3に示す実施形態では、駆動ピン9はその中央領域31が駆動要素10に形成した孔30に延設されるように設けられ、該孔30内では2つのローラ軸受32、33を介して動駆動ピンが支持されている。そして、これらの2つのローラ軸受32、33は、相互間の隔設距離を最大にして孔30に配設されている。加えて、継手側面部12、12’間において駆動ピンの長手方向に作用する力の成分を吸収するために、駆動要素10に、更に継手側面部12、12’、端部の固定円板38、39又は肩28に、例えばAS−0515基準による滑動円板34〜37を介挿して設けてある。
【0013】図4に図示の実施形態は、滑動ブッシュ41がガイド溝孔11、11’の何れか一方に係入され、かつ駆動ピン9の端部領域40に担持されている点で、図3に図示の実施形態とは異っている。更に、4つの滑動円板に代えて、単一の滑動円板42が設けられ、この滑動円板が、駆動要素10と継手側面部12’との間に導入されるトルクに相当した力の側部に配設されている。この滑動円板42はAS−0715基準に相当する。
【0014】滑動ブッシュ41を設けることは摩擦力の低減に多大の寄与をする。これはガイド溝孔11、11’とピン端部領域40、43との間で、摩擦力は駆動ピン9を反対方向へ回動させようとするからである。つまり、これは、矢印46で示す外方に位置して作用する力に対し矢印44、45で示され、かつ駆動トルクの導入に対応した反力の作用方向に基づく結果である。このように揺動継手に作用する力が分配されていることから矢印45で示す高い反力側にだけ、単一の滑動円板42を有すれば良いことは明らかである。
【0015】図5に図示の実施形態は図4に図示の実施形態に対比して更に摩擦力を低減させるべく、ローラ軸受47が滑動ブッシュ41に代えて設けられている。本発明によって得られる摩擦抵抗の軽減により、炭酸ガス(CO2 )空調機構における特に高ガス圧用に用いた場合でも往復動型機械の正確な制御が可能となり、従って本発明による往復動型機械は、車両駆動装置における回転速度が大きく変動しても、駆動力の結合系におけるスイッチをオン、オフすることによって制御を行うことなく、炭酸ガス(CO2 )空調機構に適合することができるのである。
【0016】揺動板装置の角度調節を変更、制御して圧縮容量を制御するには、駆動領域15のガス圧力を変更するか、ピストン2の背面に作用するガス圧力を変更することにより行われ、ガス圧力の変更は、例えば、炭酸ガス(CO2 )空調機構の冷媒回路からの部分流を制御弁を介して分流することによって遂行される。この部分流は、オイル蒸気から分離した油分によってとりわけ揺動継手の潤滑をも改善する作用を有する。オイル蒸気の油分は例えば、冷媒回路の油分離器によって得ることができる。冷却用途に用いられる部分流は孔25、26を介して先ず、封止装置27に供給され、次いで、駆動領域15に供給される。この部分流は更にピストン横の主軸受29にも中空穿孔された機械主軸4を介して送給される。
【0017】回転速度が変化しても吐出量を一定に保持するために、揺動板装置の傾動位置の大小に対して同揺動板装置の回転速度に応じて反作用的に発生する復帰トルクが利用される。すなわち、揺動板部分5に作用する変動力によって生ずる揺動板装置の復帰トルクが利用されるのである。また、このような揺動板装置の回転速度に応じて反作用的に発生する復帰トルクは、ばね手段20のバネ力によって助勢され、回転速度の増加に伴う吐出量の増加が、揺動板装置3の傾き量の再設定に従って、うまく補償されるのである。
【0018】他方、ヘリカルばね20を図1、図2に示すように機械主軸4の軸方向孔21内に配設することによって、機械ケース22を大きくすることなく、ばねの組込み配置を可能にすることができ、また高圧化のために駆動領域15の寸法を低減することや、安定した制御が得られるようにばね特性を適正化して小さい揺動板装置を用いることも可能となる。
【0019】圧縮ばねの形態をしたヘリカルばね20のばね動作を揺動板装置3へ伝達するために、軸方向孔21内を案内されるばねプランジャ22に予張力を付与して該ばねが係合されている。同プランジャ22はばね運動を結合ピン23を介し、かつ機械主軸4の両側の壁孔24を介して揺動板装置3に伝達される。そして該装置3はその協動回転揺動板部分5に図示では見えない係合孔を有しているのである。この係合孔は結合ピン23の直径に対して抵当量の隙間を有し、揺動継手9と機械主軸4への傾動可能な取付けによって規制される傾動運動の固定位置の決定との間で干渉を生じないようにしている。
- 【公開番号】特開平10−37850
【公開日】平成10年(1998)2月13日
【発明の名称】揺動板伝動機構を備えた往復動機械
【発明者】
【氏名】ミカエル フライ
【氏名】フランク オーブリスト
【氏名】ペーター クーン
- 【出願番号】特願平9−111550
【出願日】平成9年(1997)4月28日
【出願人】
【識別番号】591006586
【氏名又は名称】アウディ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】AUDI AKTIENGESELLSCHAFT
【識別番号】597059731
【氏名又は名称】バイエリシュ モトレン ベルケ アクチェンゲゼルシャフト
【識別番号】597068869
【氏名又は名称】メルセデス−ベンツ アクチェンゲゼルシャフト
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬 (外3名)
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