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天然芝の走行給水システム装置、天然芝パレット、および天然芝の維持管理システム装置
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- 【要約】
【課題】 スポーツグランドなどの天然芝への給水や施肥を均一に効率よく低ランニングコストで実現でき、また排水を低コストで行えると共にパレット形式とした場合の配管の接続・遮断の手間を省略でき、さらに日照時間不足・照度不足等の場合にも健全な芝育成・養生を可能とする。
【解決手段】 所定スパンの鋼製架構3を配置し、この鋼製架構3を走行装置4により鋼製架構長手方向と直交する方向に走行させ、鋼製架構3に設けた給水パイプ6に多数配設されたノズル5から水あるいは肥料を天然芝Aに対して散布する。下面が補強され上面に複数の排水溝20aを有するデッキプレート20上に床土Bを堆積し、この床土上に天然芝Aを設けた天然芝パレット2を使用し、配管を殆ど設置することなく排水が行えるようにする。天然芝パレット2をグランド外に移動させ、鋼製架構3に補光用照明装置10を設けることにより、通気不足,日照時間不足,照度不足を解消する。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定スパンの鋼製架構と、この鋼製架構の両端部に設けられ鋼製架構を天然芝の上方に位置する状態で鋼製架構長手方向と直交する方向に走行自在に支持する走行装置と、前記鋼製架構に沿って取付けられ外部からの水や肥料を散布するノズルが鋼製架構長手方向に間隔をおいて多数配設された給水パイプを備えていることを特徴とする天然芝の走行給水システム装置。
【請求項2】 下面が補強され上面に複数の排水溝を有するプレート上に床土を堆積し、この床土上に天然芝を設けたことを特徴とする天然芝パレット。
【請求項3】 複数の排水溝を有するプレート上に天然芝の床土を堆積してなる天然芝パレットの上方に所定スパンの鋼製架構を配置し、この鋼製架構を鋼製架構長手方向と直交する方向に走行させ、鋼製架構の長手方向に間隔をおいて多数配設したノズルから水あるいは肥料を前記天然芝パレットに対して散布することを特徴とする天然芝の維持管理システム装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サッカースタジアムのように天然芝をパレット移動形式にした場合に適用される天然芝の走行給水システム装置、天然芝パレットおよび天然芝の維持管理システム装置に関するものであり、走行給水システム装置は一般のスポーツ天然芝グランドにも適用が可能である。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】スポーツグランドなどの天然芝の維持管理において重要なものとして、給水・排水・肥料散布、そして日照時間や照度の確保などがある。天然芝への給水に関しては、従来、スプリンクラー・手動散布・レインガンといった方法がとられてきたが、人力による散水の場合は人手がかかりランニングコストが高くなる、散水が不均一になり天然芝に悪影響を及ぼす、風などの影響を受けやすいといった問題があった。
【0003】排水に関しては、床土部の下部に砕石を敷設し、ある間隔ごとに排水管を敷設する必要があり、コストがかかる。また、広面積のグランドをセルと呼ばれる小さいブロックに分割して水分管理を行い、グランド下に縦横に敷設した特殊二重管構造の有孔管(毛細管現象を利用)により地下から給水と排水を行うセルシステムがあるが、この場合も多数の配管を敷設する必要があり、さらにパレット形式のような移動システムを採用する場合には、配管の接続・分離といった手間がかかる。
【0004】また、肥料散布に関しては、人力または耕うん機のような機械で散布するため、手間がかかる。さらに、日照時間や照度の確保に関しては、屋内に長時間設置される場合、陰になるエリアがある場合、日照時間が不足する場合、天然芝の劣化に対して、芝の張り替えやきめの細かいメンテナンスなどを必要とし、ランニングコストがかかっていた。
【0005】この発明は、前述のような問題点を一挙に解消すべくなされたもので、その目的は、天然芝への給水や施肥を均一に効率よく低ランニングコストで実現でき、また排水を低コストで行うことができると共にパレット形式とした場合の配管の接続・遮断の手間を省略することができ、さらに日照時間不足・照度不足の場合にも健全な芝育成が可能な天然芝の走行給水システム装置、天然芝パレット、および天然芝の維持管理システム装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る天然芝の走行給水システム装置は、所定スパンの鋼製架構と、この鋼製架構の両端部に設けられ鋼製架構を天然芝の上方に位置する状態で鋼製架構長手方向と直交する方向に走行自在に支持する走行装置と、前記鋼製架構に沿って取付けられ外部からの水や肥料を散布するノズルが鋼製架構長手方向に間隔をおいて多数配設された給水パイプを備えていることを特徴とする。
【0007】本発明に係る天然芝パレットは、下面が補強され上面に複数の排水溝を有するプレート上に床土を堆積し、この床土上に天然芝を設けたことを特徴とする。前記プレートはデッキプレートなどとし、その凹部に砂利等を充填して排水機能を有する溝を形成し、この排水溝の端部に有孔管等を設けて水を導き、排水管から外部へ排水できるようにする。
【0008】本発明に係る天然芝の維持管理システム装置は、複数の排水溝を有するプレート上に天然芝の床土を堆積してなる天然芝パレットの上方に所定スパンの鋼製架構を配置し、この鋼製架構を鋼製架構長手方向と直交する方向に走行させ、鋼製架構の長手方向に間隔をおいて多数配設したノズルから水あるいは肥料を前記天然芝パレットに対して散布することを特徴とする。
【0009】以上のような構成において、天然芝の上方に鋼製架構を配置し、この鋼製架構を鋼製架構長手方向と直交する方向に走行させ、給水パイプの複数のノズルから水または肥料を散布する。水等は天然芝の上から均一に効率よく自動的に散布される。天然芝パレットの床土内に吸収された水は、複数の排水溝を通って端部に集められ、ここから外部に自動的に排出され、従来の配管を殆ど省略できると共に、パレットの接合・分離に際して配管の接続・遮断を一切省略できる。また、天然芝パレットをグランド外に移動させることができるため、走行給水システム装置の鋼製架構に補光用照明装置を設けることができるため、通気不足,日照時間不足あるいは照度不足等を解消することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示する一実施例に基づいて説明する。これはパレット移動形式の天然芝に適用した例であり、図1に本発明に係る天然芝の維持管理システムの全体を示す。図2はその走行給水システム装置であり、図3はその天然芝パレットである。図4に天然芝パレットの設置例を示す。
【0011】本発明の天然芝の維持管理システムにおいては、図1に示すように、走行給水(施肥)システム装置1により上方から天然芝Aへの給水を行い、天然芝パレット2を使用して排水と天然芝育成・養生を行う。
【0012】走行給水システム装置1は、図1,図2に示すように、主に、所定スパンのトラス形式の鋼製架構3と、この鋼製架構3の両端部に設けられる自走式の走行装置4と、多数の圧力調整ノズル5を有する給水パイプ6と、外部に設置される水タンクまたは水源7・薬剤(肥料)タンク8・自動制御盤9と、補光用の照明装置10と、水・薬剤・電気を外部から移動する装置本体に導入するためのリール11などから構成されている。
【0013】鋼製架構3のスパンは、後述する天然芝パレット2を使用する場合には天然芝パレット2の幅よりも長くし、天然芝パレット全体にわたって均等に水等を散布できるようにする。走行装置4は、鋼製架構3の両端部に下方に向かって垂設されて鋼製架構3を天然芝の上方の所定の位置に保持する支持脚4aと、この支持脚の下部に取付けられた走行用タイヤ4bと、自走のための走行用モータ4c(3kW程度)からなる。走行用タイヤ4bは左右一対のものを前後に間隔をおいて配設して、安定走行できるようにし、さらに必要に応じて鋼製架構3の中間にも中間支点用の走行装置12を設ける。
【0014】給水パイプ6は、先端が閉塞されたフレキシブル管などを用いて鋼製架構3の下弦材に沿って配設し、パイプの下面に圧力調整ノズル5を鋼製架構長手方向に間隔をおいて多数取付け、この圧力調整ノズル5により天然芝パレット2の幅方向全体にわたって均一に散水が行われるようにする。
【0015】リール11には、水を供給する給水ホース13および薬剤を供給する薬剤ホース14が巻掛けられ、リール11の回転軸を介して給水パイプ6に水または薬剤を供給できるようにされている。また、電気・制御ケーブル15も巻掛けられ、走行用モータ4cおよび補光用照明装置10に給電可能されると共に、自動制御盤9のコンピュータ制御により走行自動制御および給水自動制御が可能とされている。
【0016】天然芝パレット2は、図4に示すように、例えば長さ30m,幅20m程度の平板ユニットであり、図3に示すように、主に、床土Bが堆積されるデッキプレート20と、このデッキプレートの剛性を保持するための複数の主材(H形鋼)21および補強材(溝形鋼)22からなる。デッキプレート20の凹凸を利用し、凹部に砂利23を充填することにより排水溝20aを形成し、これにより通常の芝グランドにおける排水管の機能をもたせる。
【0017】排水溝20aにより集水された水は、パレット妻部に設けた多孔管(特殊二重管)24に集め、所定の位置に設けた排水管25により外部に排出する。多孔管24は排水溝20aと直交するように配設し、排水管25は多孔管24の下部に配設する。
【0018】また、天然芝パレット2の4つの端面には、L字状の側板26と遮根布27を設ける。側板26は主材21の上にボルト等で固定し、上端は床土Bの上面より下方に位置させ、サッカー等のプレイに支障を生じないようにする。遮根布27は側板26の内面に添接して床土Bの上面まで立ち上げ、床土Bを構造的に安定させ、かつパレット分離時の天然芝Aの根がらみを防止する。
【0019】以上のような構成において、天然芝パレット2は、スポーツグランドとして使用する時には、図4(a)に示すように、端部同士が接合されて敷き詰められ、外部養生時などには、図4(b)に示すように、分離されてダランドの外部に移動し設置される。このような天然芝パレット2に対して走行給水システム装置1が天然芝パレット2の幅方向を跨ぐように配置され、走行装置4により自動走行しつつ圧力調整ノズル5により自動的に散水が行われる。また、必要に応じて水に代えて肥料を散布する。日照時間不足・照度不足の場合には、補光用照明装置10を点灯させて自動走行させる。
【0020】天然芝パレット2の床土B内に吸収され保持された水は、排水溝20aを通って端部の有孔管24に集水され、排水管25により自動的に外部へと排出される。また、天然芝パレット2同士を接合し、あるいは分離する際には、単に端面同士を当接させ、あるいは引き離すだけでよく、配管を接続・遮断するなどの手間を省略することができる。
【0021】なお、以上は天然芝パレットを使用した場合を示したが、走行給水システム装置は一般のスポーツ天然芝グランドへの給水にも有効に適用できることはいうまでもない。
【0022】
【発明の効果】本発明に係る天然芝の走行給水システム装置、天然芝パレットおよび天然芝の維持管理システム装置は、以上のような構成からなるので、次のような効果を奏する。
【0023】(1) 走行給水システム装置により天然芝への給水あるいは施肥を自動的に効率よく行うことができ、従来の人手による散布を解消することができ、ランニングコストおよび作業時間を大幅に低減することができる。また、均一な散布が可能となり、従来のように天然芝に対して悪影響を与えることがない。
【0024】(2) デッキプレートの凹凸を排水溝として利用した天然芝パレットにより、従来のような配管の設置を殆ど省略することができ、大幅な低コスト化を図ることができる。また、天然芝パレットは端面同士を接合するだけでよく、配管の接続・遮断を一切省略することができ、設置・分離作業の効率化等を図ることができる。
【0025】(3) 天然芝パレットは日照不足や通気不足の時には外部に移動させることができ、また走行給水システム装置の鋼製架構に設けた補光用照明装置により日照時間不足や照度不足を解消することができ、健全な天然芝の育成を行うことができる。これにより、従来の劣化した芝の張り替えやきめ細かいメンテナンスを解消することができ、コストの大幅な低減を図ることができる。
【0026】(4) 走行給水システム装置と天然芝パレットにより、天然芝の総合的な維持管理が可能となる。
- 【公開番号】特開平10−39
【公開日】平成10年(1998)1月6日
【発明の名称】天然芝の走行給水システム装置、天然芝パレット、および天然芝の維持管理システム装置
【発明者】
【氏名】吉田 正
【氏名】竹内 秀雄
【氏名】鶴田 泰久
- 【出願番号】特願平8−154168
【出願日】平成8年(1996)6月14日
【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 知 (外1名)
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