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コンバインの刈取部駆動機構
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- 【要約】
【課題】 静油圧式無段変速機を介して走行装置を駆動すべく構成したコンバインにおいて、低速走行時に発生する刈取部の機能低下を防止する。
【解決手段】 刈取部に動力を入力させるための刈取部入力軸に、前記静油圧式無段変速機の入力軸に連動連結した第1刈取部駆動機構と、静油圧式無段変速機の出力軸に連動連結した第2刈取部駆動機構とを連動連結し、しかも、各駆動機構の動力伝達経路中に、それぞれワンウエイクラッチを介在させて、駆動速度が高い方の駆動機構で刈取部を駆動すべく構成し、しかも、第1刈取部駆動機構の始端と終端と間の速比を変更可能にして、上記駆動機構の切換点を変更可能とする。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 静油圧式無段変速機(11)を介して走行装置(2) を駆動すべく構成したコンバイン(B) において、刈取部(3) に動力を入力させるための刈取部入力軸(18)に、前記静油圧式無段変速機(11)の入力軸(20)に連動連結した第1刈取部駆動機構(A1)と、静油圧式無段変速機(11)の出力軸(21)に連動連結した第2刈取部駆動機構(A2)とを連動連結し、しかも、各刈取部駆動機構(A1)(A2)の動力伝達経路中に、それぞれワンウエイクラッチ(M1)(M2)を介在させて、駆動速度が高い方の駆動機構に切換えて刈取部(3) を駆動すべく構成し、しかも、第1刈取部駆動機構(A1)の始端と終端と間の速比を変更可能にして、上記駆動機構の切換点(p) を変更可能としたことを特徴とするコンバインの刈取部駆動機構。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバインの刈取部駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、静油圧式無段変速機を介して走行装置を駆動すべく構成したコンバインでは、刈取部の引起し装置や刈刃装置や穀稈搬送装置などの作動部を、上記静油圧式無段変速機の出力軸に連動連結して、走行速度に略比例した速度で各作動部を駆動することにより、走行速度に略比例して増減する穀稈処理量に適応させるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、刈取作業中に、コンバインをUターンさせる際のように、走行速度を低速にすると、刈取部の作動速度が極端に低速になり、そのため、引起し装置の機能が低下したり、刈刃装置の穀稈切断機能が低下したり、刈取部から脱穀部への穀稈搬送装置から穀稈がこぼれたりする不具合が発生するという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、静油圧式無段変速機を介して走行装置を駆動すべく構成したコンバインにおいて、刈取部に動力を入力させるための刈取部入力軸に、前記静油圧式無段変速機の入力軸に連動連結した第1刈取部駆動機構と、静油圧式無段変速機の出力軸に連動連結した第2刈取部駆動機構とを連動連結し、しかも、各駆動機構の動力伝達経路中に、それぞれワンウエイクラッチを介在させて、駆動速度が高い方の駆動機構で刈取部を駆動すべく構成し、しかも、第1刈取部駆動機構の始端と終端と間の速比を変更可能にして、上記駆動機構の切換点を変更可能としたことを特徴とするコンバインの刈取部駆動機構を提供せんとするものである。
【0005】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0006】図1は、本発明に係る刈取部駆動機構Aを具備したコンバインBを示しており、同コンバインBは、車体フレーム1の下方左右側にクローラ式の走行装置2を装着し、同車体フレーム1の前端に刈取部3を昇降自在に連結し、同車体フレーム1の上面左側に脱穀部4を配設し、同右側前部に運転部5と原動機部6とを上下に配設し、脱穀部4の下方に揺動選別部7を配設し、運転部5の後方にグレンタンク8を配設し、車体フレーム1上面後端部に排藁処理部9を配設して、原動機部6からの動力により、コンバインBを走行させながら、刈取部3で圃場に植立した穀稈を刈取り、刈取穀稈を脱穀部4で脱穀し、揺動選別部7で選別して精穀をグレンタンク8に収納し、排藁を排藁処理部9から外部に排出するようにしている。
【0007】原動機部6は、ガバナによって一定の回転数を保持するようにしたエンジン10を装備しており、同エンジン10を静油圧式無段変速機11を介して走行装置2に連動連結し、同静油圧式無段変速機11の変速比を、運転部5に設けた変速レバー12で操作して、走行速度を変更するようにしている。
【0008】刈取部3は、前面に穀稈引起し装置13を、下部に刈刃装置14を配設し、刈取部3と脱穀部4との間に、下部搬送チエン16と上部搬送チエン17よりなる穀稈搬送装置15を介設しており、原動機部6からの動力で上記各装置13,14,15を駆動して、穀稈引起し装置13で穀稈を引起し、刈刃装置14で穀稈の根元を刈取り、刈取穀稈を穀稈搬送装置15で刈取部3から脱穀部4に搬送するようにしている。
【0009】本発明の刈取部駆動機構Aは、原動機部6と上記各装置13,14,15に連動連結した刈取部入力軸18との間に介設されており、図2及び図3で示すように、静油圧式無段変速機11の入力軸20と、刈取部入力軸18と連動連結した刈取部駆動プーリ40との間に介設した第1刈取部駆動機構A1と、静油圧式無段変速機11の出力軸21と上記刈取部駆動プーリ40との間に介設した第2刈取部駆動機構A2とで構成されている。
【0010】第1刈取部駆動機構A1は、静油圧式無段変速機11の入力軸20近傍の外側面に刈取部駆動ケース23をボルト24を介して着脱自在に装着し、同刈取部駆動ケース23中に、上記入力軸20とカップリング25を介して着脱自在に連動連結した延長入力軸26を挿通して、同延長入力軸26の突出端部にエンジン10に入力ベルト27を介して連動連結した入力プーリ28を嵌着し、延長入力軸26の中途部に原動歯車29を嵌着すると共に、中途部に受動歯車30を外嵌した第1駆動軸31を軸支して、上記原動歯車29と受動歯車30とを中間軸32に軸支した中間歯車33を介して連動連結すると共に、第1駆動軸31の外側端に、ナット35a を介して第1駆動プーリ35を着脱自在に嵌着し、同第1駆動プーリ35を第1駆動ベルト34を介して刈取部駆動プーリ40に連動連結したおり、特に、第1駆動軸31と受動歯車30との間に、受動歯車30から第1駆動軸31方向にのみ動力を伝達し、反対方向の動力に対しては空転する第1ワンウエイクラッチM1を介設している。
【0011】第2刈取部駆動機構A2は、静油圧式無段変速機11に連設した副変速機ケース36中において、歯車機構37を介し静油圧式無段変速機11の出力軸21に連動連結した変速軸38の外側端部に、刈取部入力軸18に刈取部駆動ベルト39を介して連動連結した刈取部駆動プーリ40を嵌着しており、特に、変速軸38と刈取部駆動プーリ40との間に、変速軸38から刈取部駆動プーリ40方向にのみ動力を伝達し、反対方向の動力に対しては空転する第2ワンウエイクラッチM2を介設している。
【0012】図3中、41はテンションプーリ、42は副変速機43の主軸、44は副変速歯車機構、45はテンション機構である。
【0013】かかる構成により、刈取部駆動プーリ40には第1、第2刈取部駆動機構A1,A2の両方から動力が伝達されることになるが、各駆動機構A1,A2 の動力伝達経路中にそれぞれ第1、第2ワンウエイクラッチM1,M2 を介設しているので、各駆動機構A1,A2 の内の高速の方の動力が刈取部駆動プーリ40に伝達され、低速の方の動力は空転することになるので、両方の駆動機構A1,A2 からの異なる速度の動力伝達によるロック現象が防止されると共に、図3で示すように、静油圧式無段変速機11の変速比が高くコンバインBが高速走行しているときは、走行速度に略比例した速度で刈取部3の各装置13,14,15が駆動されることになり、静油圧式無段変速機11の変速比が低くコンバインBが低速走行しているときは、走行速度に関係なく、エンジン10の回転数に略比例した一定の速度で駆動されることになる。
【0014】また、第1刈取部駆動機構A1の始端である第1駆動プーリ35を有効直径の異なるものと変更して、同終端である刈取部駆動プーリ40との間の速比を変更することで、刈取部駆動速度の切換点pを調節したり、第1駆動軸31の過回転を防止したりすることができる。
【0015】このように、コンバインBが高速走行しているときは、走行速度に略比例して増減する穀稈の処理量と、走行速度に略比例した刈取部の各装置13,14,15への駆動速度とが対応して、円滑な穀稈の処理が可能になり、低速走行では、エンジン10の回転数に略比例した一定の速度で刈取部3の各装置13,14,15が駆動されるので、刈刃装置14での穀稈の切断不良や、穀稈搬送装置15からの穀稈のこぼれや、穀稈搬送装置15の詰まり等、上記各装置13,14,15の駆動速度が遅すぎるために生ずる不具合を防止することができ、しかも、変速レバー12の操作だけで自動的に上記駆動速度の切換が行われるので操作が容易である。
【0016】また、刈取部駆動ケース23が静油圧式無段変速機11にボルト24を介して着脱自在に装着されているので、既存のコンバインBに大きな改造を加えなくても装着することができ、コストを軽減することができる。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果を得ることができる。
【0018】即ち、静油圧式無段変速機を介して走行装置を駆動すべく構成したコンバインにおいて、刈取部に動力を入力させるための刈取部入力軸に、前記静油圧式無段変速機の入力軸に連動連結した第1刈取部駆動機構と、静油圧式無段変速機の出力軸に連動連結した第2刈取部駆動機構とを連動連結し、しかも、各駆動機構の動力伝達経路中に、それぞれワンウエイクラッチを介在させて、駆動速度が高い方の駆動機構で刈取部を駆動すべく構成し、しかも、第1刈取部駆動機構の始端と終端と間の速比を変更可能にして、上記駆動機構の切換点を変更可能としたことによって、コンバインの高速走行時には、刈取部を走行速度に略比例した速度で駆動して、走行速度に比例して増減する穀稈の処理量に適応させることができ、低速走行時には、刈取部を走行速度とは関係なく、エンジンの回転数に略比例した一定速度で駆動して、刈刃装置での穀稈の切断不良や、穀稈搬送装置からの穀稈のこぼれや、穀稈搬送装置の詰まり等、駆動速度が遅すぎるために生ずる不具合を防止することができ、更に、コンバインの停止状態でも刈取部が一定速度で作動するので、収穫作業中、走行の一時停止や、収穫作業終了時など、走行を停止しても刈取穀稈が刈取部に残留せず、作業の再開やコンバインの格納等に都合がよく、しかも、変速レバーの操作だけで自動的に上記駆動速度の切換が行われるので操作が容易である。
- 【公開番号】特開平10−4740
【公開日】平成10年(1998)1月13日
【発明の名称】コンバインの刈取部駆動機構
【発明者】
【氏名】森田 佐一郎
- 【出願番号】特願平8−181527
【出願日】平成8年(1996)6月20日
【出願人】
【識別番号】000005164
【氏名又は名称】セイレイ工業株式会社
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