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液体封入型防振装置
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- 【要約】
【課題】 エンジンシェイク等の低周波数域の大振幅の振動と、アイドル振動等の周波数域の小振幅の振動に加えて、こもり音や加速時騒音等のさらに高周波数域で小振幅の振動をも効果的に低減する。
【解決手段】 主液室15内を、第1主室23と第2主室24とに隔成する。両主室23,24間に所定振幅以上の振動時に液体の流動を規制するゴム板36を配設する。副液室20を、拡張弾性の小さい第1副室18と、第1副室18よりも拡張弾性の大きい第2副室19とから構成する。第1主室23と第1副室18とを等価質量の大きい第1オリフィス30で連通させ、第2主室24と第1副室18とを第1オリフィス30よりも等価質量の小さい第2オリフィス31で連通させる。第2主室24と第2副室19とを、第1,第2オリフィス30,31の合成等価質量よりも小さい等価質量の第3オリフィス33で連通させる。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 拡張弾性を有する主液室と副液室と、前記主液室と副液室とを連通する複数個のオリフィスと、所定振幅以上の振動時に所定のオリフィスの液体の流動を規制する規制板と、を備えた液体封入型防振装置において、前記主液室内を、振動入力側の第1主室とそれと逆側の第2主室とに隔成すると共に、その両主室間に、所定振幅以上の振動時に両主室間の液体の流動を規制するように前記規制板を配設し、前記副液室を、拡張弾性の小さい第1副室とこの第1副室よりも拡張弾性の大きい第2副室とから構成し、前記第1主室と前記第1副室とを等価質量の大きい第1オリフィスで連通させ、前記第2主室と前記第1副室とを前記第1オリフィスよりも等価質量の小さい第2オリフィスで連通させると共に、前記第2主室と前記第2副室とを、前記第1オリフィスと第2オリフィスの合成等価質量よりも小さい等価質量の第3オリフィスで連通させたことを特徴とする液体封入型防振装置。
【請求項2】 前記各構成要素を、車体とエンジンの一方に取り付けられる内筒と他方に取り付けられる外筒との間に形成したことを特徴とする請求項1に記載の液体封入型防振装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジンマウント等として用いられる液体封入型の防振装置に関するもので、とりわけ、数種の周波数域の振動を効果的に低減することのできる液体封入型防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンでは、幅広い周波数域において振動が起こり、とりわけ、10Hz付近でエンジンシェイク、20〜40Hz付近でアイドル振動、80〜200Hz付近でこもり音や加速時振動を生じることが知られている。
【0003】このため、エンジンの支持に用いられる防振装置として、近年、数種の周波数域の振動を効果的に低減できるようにしたものが開発されている。この技術は、例えば、特開平5−280576号公報等に示されている。
【0004】以下、この防振装置の具体的な構造を、図14の模式図に基づいて簡単に説明する。
【0005】この防振装置は、拡張弾性K1の主液室1と、拡張弾性K2の副液室2とが、等価質量の大きい第1オリフィス3と、等価質量の小さい第2オリフィス4とで連通接続されると共に、副液室2内の第2オリフィス4に臨む位置に、所定振幅以上の振動時に第2オリフィス4の液体の流動を規制する規制板5が配設されている。尚、図中Kは、ゴム弾性体の支持弾性を示す。そして、この装置に、エンジンシェイクのような低周波数域(10Hz付近)の大振幅の振動が入力された場合には、第2オリフィス4の液体の流動が規制板5によって規制されて、第1オリフィス3のみで液体の流動が生じるようになり、また、アイドル振動のような20〜40Hz付近の周波数域の小振幅の振動が入力された場合には、第1オリフィス3と第2オリフィス4で液体の流動を生じるようになる。したがって、低周波数域の大振幅の振動に対しては、第1オリフィス3の大きな等価質量の共振により、また、高周波小振幅の振動に対しては、第1オリフィス3と第2オリフィス4の合成等価質量、つまり、小さな等価質量の共振により、夫々振動を効果的に低減することができる。ところで、10Hz付近の低周波数域の大振幅の振動に対しては、ロスファクターのピークを大きくし、また、20Hz以上の周波数域の小振幅の振動に対しては、ばね定数をより小さくすることが振動の低減に有効であることが知られているが、この防振装置においては、大振幅時と小振幅時に規制板で液体の流動を規制し、オリフィスの等価質量を変えることにより、低周波数域の大振幅におけるロスファクターの大きなピークと、高周波数域の小振幅における小さなばね定数とが得られるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の防振装置においては、大振幅の振動入力時にだけ規制板5が第2オリフィス4を閉じる構造となっているため、エンジンシェイクのような低周波数域(10Hz付近)の大振幅の振動とアイドル振動のような周波数域(20〜40Hz)の小振幅の振動とを効果的に低減することが可能であるが、入力振動の周波数域が40Hzよりもさらに高まるとばね定数が急激に大きくなって、こもり音や加速時騒音等のさらに高周波数域(80〜200Hz付近)の振動に対する振動低減性能が低下するという不具合がある。
【0007】そこで本発明は、エンジンシェイク等の低周波数域の大振幅の振動と、アイドル振動等の周波数域の小振幅の振動に加えて、こもり音や加速時騒音等のさらに高周波数域で小振幅の振動をも効果的に低減することのできる液体封入型防振装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を解決するための手段として、拡張弾性を有する主液室と副液室と、前記主液室と副液室とを連通する複数個のオリフィスと、所定振幅以上の振動時に所定のオリフィスの液体の流動を規制する規制板と、を備えた液体封入型防振装置において、前記主液室内を、振動入力側の第1主室とそれと逆側の第2主室とに隔成すると共に、その両主室間に、所定振幅以上の振動時に両主室間の液体の流動を規制するように前記規制板を配設し、前記副液室を、拡張弾性の小さい第1副室とこの第1副室よりも拡張弾性の大きい第2副室とから構成し、前記第1主室と前記第1副室とを等価質量の大きい第1オリフィスで連通させ、前記第2主室と前記第1副室とを前記第1オリフィスよりも等価質量の小さい第2オリフィスで連通させると共に、前記第2主室と前記第2副室とを、前記第1オリフィスと第2オリフィスの合成等価質量よりも小さい等価質量の第3オリフィスで連通させた。
【0009】この装置に、エンジンシェイク等の低周波数域の大振幅の振動が入力されると、規制板が第1主室と第2主室の液体の流動を規制するようになり、液体の流動は第1オリフィスのみでの行われるようになる。このとき、振動は、第1主室及び第1副室の拡張弾性と第1オリフィスの等価質量による共振作用によって低減されるが、第1オリフィスの等価質量が大きいことから、ロスファクターのピークが大きくなり、低周波数域の大振幅の振動は効果的に低減される。また、この装置に、アイドル振動等の周波数域の小振幅の振動が入力されると、規制板による規制が無くなることから、液体の流動は第1オリフィスと第2オリフィスで行われるようになり、振動は第1オリフィスと第2オリフィスの合成等価質量の共振作用によって低減される。このとき、第1副室の拡張弾性が小さく設定されていることから、アイドル振動の周波数域の振動を効果的に低減することができる。尚、このとき第2副室は第1副室よりも拡張弾性が大きく設定されているため、この周波数域においては第3オリフィスでの液体の流動はほとんど生じない。さらにまた、この装置に、こもり音や加速時騒音等のさらに高周波数域で小振幅の振動が入力された場合には、第1オリフィスと第2オリフィスでの液体の流動がほとんど無くなるが、このとき、これらのオリフィスの合成等価質量よりもさらに等価質量の小さい第3オリフィスにおいて液体の流動が生じるため、振動は、第3オリフィスの等価質量の共振作用によってばね定数を小さく抑えられることとなり、その結果、こもり音や加速時騒音等の高周波数域の小振幅の振動を効果的に低減することができる。
【0010】また、前記各構成要素を、車体とエンジンの一方に取り付けられる内筒と他方に取り付けられる外筒との間に形成するようにしても良い。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0012】まず、第1実施例について説明する。
【0013】図1〜図4において、10は、図外のロッドを介して車体に取り付けられる内筒であり、11は、図外のブラケットを介してエンジンに取り付けられる外筒である。外筒11の内周には筒金12が嵌着固定されていて、この外筒11と筒金12とが内筒10に対してゴム弾性体13によって連結されている。そして、内筒10と外筒11の間のゴム弾性体13によって囲繞された部分(後述する液室及びオリフィス部分)には、エチレングリコール等の液体が封入されている。尚、筒金12は単純な円筒形状ではなく、その軸方向の略中央部が縮径され、その縮径部分12a(図1参照。)の周域に適宜開口が設けられた形状となっている。
【0014】ゴム弾性体13の軸方向略中央部の上面には凹部14が設けられており、この凹部14と外筒11の間には、内筒10、外筒11間の変位に応じて弾性的に容積変化する主液室15が形成されている。また、これに対してゴム弾性体13の軸方向略中央部の下面側には、周方向で隣接する一対の凹部16,17が設けられ、これらの各凹部16,17と外筒11の間に第1副室18と第2副室19とが形成されている。この第1副室18と第2副室19は、前記主液室15の容積変化に応じて弾性的に容積変化する副液室20を構成するもので、ゴム弾性体13のこれらの各副室18,19に臨む部分は、所定の拡張弾性の膜状部21,22となっている。そして、第1副室18側の膜状部21は拡張弾性が充分に小さく設定され、第2副室19側の膜状部22は、この第1副室18側の膜状部21に比較して、拡張弾性が大きく設定されている。
【0015】また、外筒11の軸方向略中央部の内周面には、前記主液室15の内部を、ゴム弾性体13側の第1主室23と外筒11上部側の第2主室24とに隔成する隔壁部材25が嵌着固定されている。この隔壁部材25は、主液室15内を上下に二分する隔壁本体26と、この隔壁本体26の一端側に外筒11の内周面に沿って延設されたチャンネル27と、隔壁本体26の他端側に同じく外筒11の内周面に沿って延設されたガイドチャンネル28とを備えている。そして、隔壁部材25のチャンネル27は、主液室15と第1副室18を連通する溝29内に配置されて、その径方向内側に第1主室23と第1副室18を連通する第1オリフィス30を形成すると共に、その径方向外側に第1副室18と第2主室24を連通する第2オリフィス31を形成しており、一方、ガイドチャンネル28は、主液室15と第2副室19を連通する溝32の一端に嵌合されて、第2主室24と第2副室19を連通する第3オリフィス33を形成している。ここで、第1オリフィス30は等価質量を充分に大きく設定され、第2オリフィス31はこの第1オリフィス30の等価質量よりも小さい等価質量に設定されており、さらに、第3オリフィス33は、第1オリフィス30と第2オリフィス31の合成等価質量よりも小さい等価質量に設定されている。
【0016】一方、隔壁本体26の図1,2中水平方向に延出する基面34には断面ハット状のリテーナプレート35が取り付けられ、この基面34とリテーナプレート35に囲繞された空間内に、規制板としてのゴム板36が上下方向に変動可能に収容されている。そして、基面34とリテーナプレート35のゴム板36に臨む位置には夫々貫通孔37,38が形成されていて、この貫通孔37,38を通してゴム板36の上下面に第2主室24と第1主室23の液圧が夫々作用するようになっている。ここで、基面34とリテーナプレート35によって規制されるゴム板36の変動代は、エンジンシェイク等の10Hz付近の低周波数域の大振幅の振動が入力されたときに、ゴム板36が基面34側またはリテーナプレート35側の貫通孔37,38を閉塞して、両主室23,24間の液体の流動を規制できるように設定されている。
【0017】尚、図中39は、内筒10と外筒11間の過大変位を規制するために、ゴム弾性体13から第1副室18内に突設されたストッパであり、40,41は、第1副室18と第2副室19に臨む各膜状部21,22の変位を許容するためにゴム弾性体13に形成された空洞部である。
【0018】この液体封入型防振装置は以上のような構成であるため、エンジンシェイク等の10Hz付近の低周波数域の大振幅の振動、アイドル振動等の20〜40Hz付近の周波数域の小振幅の振動、こもり音や加速時騒音等の80〜200Hz付近の高周波数域の小振幅の振動に対して夫々以下のように作動し、各周波数域の振動を効果的に低減する。尚、以下の説明では、図5の模式図を参照するが、同図においては、図1〜図4に示した部分と同一機能部分に対し同一符号を付してある。
【0019】即ち、10Hz付近の低周波数域の大振幅の振動が入力された場合には、隔壁部材25に配設されたゴム板36が基面34側またはリテーナプレート35側の貫通孔37,38を閉塞して、第1主室23と第2主室24の間の液体の流動を規制するようになる。このため、振動の入力に伴って内筒10と外筒11が相対的に変位すると、第1主室23と第1副室18とを連通する第1オリフィス30のみで液体の流動が生じるようになり、振動は、第1主室23及び第1副室18の拡張弾性と第1オリフィス30の等価質量による共振作用によって低減される。ここで、第1オリフィス30は等価質量が充分に大きく設定されているため、振動は大きなピークのロスファクターでもって効果的に低減される(図6参照)。
【0020】また、20〜40Hz付近の周波数域の小振幅の振動が入力された場合には、ゴム板36が基面34とリテーナプレート35の貫通孔37,38を閉塞しない範囲で上下方向に変動するため、第1主室23と第1副室18とを連通する第1オリフィス30で液体の流動を生じると共に、第2主室24と第1副室18とを連通する第2オリフィス31でも液体の流動を生じる。このため、振動は、第1主室23及び第1副室18の拡張弾性と、第1オリフィス30と第2オリフィス31の合成等価質量による共振作用によって低減される。ここで、第1副室18の拡張弾性は充分に小さく設定されているため、20〜40Hz付近の周波数域の小振幅の振動は効果的に低減される。尚、このとき第2副室19と第2主室24も第3オリフィス33によって連通しているが、第2副室19は第1副室18に比較して拡張弾性が充分に大きく設定されているため、この20〜40Hz付近の周波数域においては、第3オリフィス33での液体の流動はほとんど生じない。
【0021】また、80〜200Hz付近のさらに高周波数域で小振幅の振動が入力された場合には、第1オリフィス30と第2オリフィス31での液体の流動はほとんど無くなるものの、これらの合成等価質量よりもさらに等価質量の小さい第3オリフィス33で液体の流動が生じるようになり、振動は、第1主室23及び第2副室19の拡張弾性と、第3オリフィス33の等価質量による共振作用によって低減される。ここで、第2副室19と第3オリフィス33とを備えていない従来のものにあっては、振動周波数が40Hz以上になると、第1,第2オリフィス30,31での作動液の流動がほとんど無くなり、図7の破線で示すようにばね定数が急激に上昇する結果となっていたが、この防振装置にあっては、第1,第2オリフィス30,31での液体の流動がほとんど無くなった後に、これらのオリフィス30,31の合成等価質量よりもさらに等価質量の小さい第3オリフィス33で液体の流動が生じるため、振動周波数が40Hz以上になっても、同図中の実線で示すようにばね定数が充分に小さく抑えられる。このため、80〜200Hz付近の振動にあっても効果的に低減されることとなる。
【0022】つづいて、本発明の第2実施例を図8〜図12によって説明する。尚、第1実施例と同一部分には同一符号を付し、重複する部分の説明は一部省略するものとする。
【0023】この実施例の液体封入型防振装置は、各構成要素とその機能は第1実施例のものと同様であるが、第1,第2,第3オリフィス50,51,53の形成の仕方が第1実施例のものと大きく異なる。
【0024】即ち、この防振装置の場合、各オリフィス50,51,53は、外筒11の軸方向略中央部の内周面に嵌着固定される円環状部材54に形成されている。この円環状部材54は、筒金12の縮径部分12aへの組付けを考慮して、図10〜図12に示すように、上半部54aと下半部54bとに分割して形成されている。このうち上半部54aには水平方向に延出する基面34が設けられており、主液室15内を、この基面34によって、ゴム弾性体13側の第1主室23と外筒11上部側の第2主室24とに隔成するようになっている。そして、この基面34にはリテーナプレート35が取り付けられ、この基面34とリテーナプレート35に囲繞された空間内に規制板としてのゴム板36が上下方向に変動可能に収容されている。このゴム板36は、第1実施例のものと同様に、エンジンシェイク等の10Hz付近の低周波数域の大振幅の振動が入力されたときに、基面34側またはリテーナプレート35側の貫通孔37,38を閉塞するようになっている。
【0025】前記基面34は円環状部材54の軸方向の中心位置から一方側に偏奇して設けられており、また、この円環状部材54の外周面のうちの基面34と逆側に偏寄した軸方向位置には、第1主室23部分から第1副室18部分までの約3分の2周に渡る溝が形成されており、この溝によって第1主室23と第1副室18を連通する第1オリフィス50が構成されている。尚、図中50a,50bは、第1オリフィス50の第1主室23側と第1副室18側の開口を示す。さらにまた、円環状部材54の外周面のうちの一方側に偏寄した軸方向位置には、前記基面34の上方の第2主室24から第1副室18部分までの約3分の1周に渡る溝と、同主室24から第2副室19部分までの約3分の1周に渡る溝とが形成されており、これらの各溝によって、第2主室24と第1副室18を連通する第2オリフィス51と、第2主室24と第2副室19を連通する第3オリフィス53とが構成されている。尚、図中51aは、第2オリフィス51の第1副室19側の開口を示し、53aは、第3オリフィス53の第2副室19側の開口を示す。
【0026】この防振装置は、機能的には第1実施例のものと同様であるため、10Hz、30〜40Hz、80〜200Hzの各周波数域の振動については第1実施例のものとまったく同様に低減することができる。そして、この防振装置においては、各オリフィス50,51,53を円環状部材54の周域に形成するようにしたため、各オリフィス50,51,53を容易にかつ正確に形成することができるうえ、第1オリフィス50の長さを周方向に沿って長くとることが可能であることから、等価質量を充分に高めることができる。したがって、製造コストの低減が可能であると共に、装置の振動低減性能をより高めることができる。
【0027】尚、本発明の実施例は以上で説明したものに限るものではなく、例えば、第1主室23と第2主室24の間で両室間の液体の流動を規制する規制板は、図13に示すように、布の埋設されたゴム膜56によって形成するようにしても良い。このゴム膜56は埋設された布によってその変位を規制されるため、低周波数域の大振幅の振動が入力されたときに、その変位規制作用により第1主室23と第2主室24の間の実質的な液体の流動を規制することができる。そして、規制板をこのゴム膜56で構成したときには構造が単純になることから、より低コストでの製造が可能になる。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明は、主液室内を、振動入力側の第1主室とそれと逆側の第2主室とに隔成すると共に、その両主室間に、所定振幅以上の振動時に両主室間の液体の流動を規制するように規制板を配設し、副液室を、拡張弾性の小さい第1副室とこの第1副室よりも拡張弾性の大きい第2副室とから構成し、前記第1主室と前記第1副室とを等価質量の大きい第1オリフィスで連通させ、前記第2主室と前記第1副室とを前記第1オリフィスよりも等価質量の小さい第2オリフィスで連通させると共に、前記第2主室と前記第2副室とを、前記第1オリフィスと第2オリフィスの合成等価質量よりも小さい等価質量の第3オリフィスで連通させたため、エンジンシェイク等の低周波数域の大振幅の振動に対しては第1オリフィスの等価質量による共振作用により、アイドル振動等の周波数域の小振幅の振動に対しては第1オリフィスと第2オリフィスの合成等価質量による共振作用により、さらに、こもり音や加速時騒音等のさらに高周波数域で小振幅の振動に対しては第3オリフィスの等価質量による共振作用により、夫々確実に低減することができる。
- 【公開番号】特開平10−47419
【公開日】平成10年(1998)2月20日
【発明の名称】液体封入型防振装置
【発明者】
【氏名】藤原 義也
【氏名】畠山 晋吾
- 【出願番号】特願平8−201392
【出願日】平成8年(1996)7月31日
【出願人】
【識別番号】000158840
【氏名又は名称】鬼怒川ゴム工業株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 富士弥 (外2名)
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