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農作業車のカバー開閉装置
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- 【要約】
【課題】外側方へ回動開放可能なエンジンカバーと上下動可能なステップとを設けた操作部において、ステップが最上位置のときでもエンジンカバーを回動開放できるようにする。
【解決手段】操作部1における操作席2前下部のステップ3を上下動可能に設けると共に、この操作席2下方のエンジン4を載置したエンジンルームRを形成する外側板5aと前板5b及び上板5cとによるエンジンカバー5を、その外側面後端部の鉛直方向の支軸6回りに外側方へ回動開閉させるものにおいて、該エンジンカバー5の前板5b下端縁aを該ステップ3を最上動位置の上面踏板3aより上側に位置させてなる農作業車のカバー開閉装置の構成とする。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 操作部1における操作席2前下部のステップ3を上下動可能に設けると共に、この操作席2下方のエンジン4を載置したエンジンルームRを形成する外側板5aと前板5b及び上板5cとによるエンジンカバー5を、その外側面後端部の鉛直方向の支軸6回りに外側方へ回動開閉させるものにおいて、該エンジンカバー5の前板5b下端縁aを該ステップ3を最上動位置の上面踏板3aより上側に位置させてなる農作業車のカバー開閉装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、農作業車のカバー開閉装置に関し、農作業車等においてエンジン関係のメンテナンス時にエンジンカバーを外側方へ回動開閉させるもの等の分野に属する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】農作業車の作業部や走行部の操作制御を行う操作部に操作席とステップを配置し、この操作席下方のエンジンを載置したエンジンルームを防護するための、外側板と前板及び上板(操作席の底面)とにより形成されるエンジンカバーを回動可能に設けると共に、ステップについてもその高さを上下動させて調節可能とするものにおいて、エンジン関係の藁屑の除去やメンテナンス等行うときに、エンジンカバーを外側面後端部の支軸回りに外側方へ回動して開閉させるが、この開閉時にステップの高さを最上位置に上動させているときは、このステップに、回動するエンジンカバーの前板が干渉して該カバーの開閉が不能となることから、この開閉を可能とするためには一旦ステップを下動させる操作が必要となり、大変煩わしく不便なものであった。なお、極端な場合には干渉により破損を起こす恐れがあった。
【0003】そこでこの発明は、ステップを最上位置に調節したときでも、エンジンカバーの前板下端縁をステップの上面踏板より上側に位置させて該カバーの開閉を可能とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、操作部1における操作席2前下部のステップ3を上下動可能に設けると共に、この操作席2下方のエンジン4を載置したエンジンルームRを形成する外側板5aと前板5b及び上板5cとによるエンジンカバー5を、その外側面後端部の鉛直方向の支軸6回りに外側方へ回動開閉させるものにおいて、該エンジンカバー5の前板5b下端縁aを該ステップ3を最上動位置の上面踏板3aより上側に位置させてなる農作業車のカバー開閉装置の構成とする。
【0005】
【作用、及び発明の効果】上記の構成により、農作業車を操作制御する操作部1に配置した操作席2下方のエンジン4を防護するエンジンカバー5を、このカバー5の外側面後端部に設けた鉛直方向の支軸6回りで外側方へ回動させることにより、エンジン4の外側方と前方及び上方を開放して藁屑の除去やメンテナンス等を行い易くするが、このエンジンカバー5の開閉時に、オペレータの都合によってステップ3を最上位置に上動させているときでも、このステップ3の上面踏板3aよりエンジンカバー5の前板5b下端縁aの方を上側に位置させていることから、該カバー5をステップ3と干渉することなく容易に開閉させることができるため、該カバー5開閉時にステップ3を下動させて干渉を防止する煩わしさもなく、干渉による破損の恐れもない。
【0006】
【実施例】以下に、この発明の実施例をコンバインについて図面に基づき説明する。コンバインの車台7の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ8を有する走行装置9を配設し、該車台7上にフィードチェンに挟持して移送供給される穀稈を脱穀し、この脱穀により選別回収された穀粒を一時貯留するグレンタンク10と、このタンク10から穀粒を機外へ排出する排出オーガ11を有する脱穀装置12を載設すると共に、この脱穀装置12の前方側に、穀稈を刈り取って後方のフィードチェンに搬送供給する刈取装置13を土壌面に対し昇降可能なるよう車台7の前端部へ支架して構成する。
【0007】該刈取装置13の一側に、前記各装置9,12,13の操作制御を行う操作部1を配設する。この操作部1は前記グレンタンク10の前端部に近接した車台7上に、角材による枠部材として内側部と外側部に各々左縦フレーム15aと右縦フレーム15b鉛直姿勢で固着させ、この左右の縦フレーム15a,15bの上端部を後フレーム16で連結すると共に、該左縦フレーム15aの上端部から前端側に向け横フレーム17を延長して構成する。
【0008】該後フレーム16側の枠構成内位置に、冷却ファン4aを外側に向けてエンジン4を車台7上に載置し、該冷却ファン4aの外側にラジエータ18を配置し、このラジエータ18の一側と前記右縦フレーム15bとを上下2箇所の支軸20によって連結し、ラジエータ18を外側方へ回動可能に支承すると共に、このラジエータ18の外面一側に走行用無段変速装置のオイルを冷却するオイルクーラ21を取り付けて構成する。
【0009】該エンジン4を収容したエンジンルームRの外面壁と前面壁及び上面壁を防護するエンジンカバー5は、エンジン4の冷却風を吸気する防塵網を取り付けた外側板5aと、ステップ3近傍の前板5b及び操作席2下方の上板5cとによって形成し、この外側板5aと前板5b及び上板5cとをカバーフレーム22によって組付け支持させて構成する。
【0010】該カバーフレーム22は、外側面に配置した逆コ字状の外側面フレーム22aの上部前端側から、内側に向け横方向に前フレーム22bを折曲延長し、この前フレーム22bの終端部にT字状に帯状板による連結板23を固着すると共に、該外側面フレーム22aの鉛直部分と前記右縦フレーム15bとを前記支軸20とは別に設けた上下2箇所の支軸6によって連結し、エンジンカバー5を外側方へ回動開閉可能に支承して構成する。
【0011】オペレータの操作席2を上下調節可能に支持する調節支持メタル24を、該エンジンカバー5の上板5c及びカバーフレーム22の前フレーム22bに固着すると共に、該操作席2の前側のオペレータ操作空間S下方にステップ3を設けて構成する。該ステップ3は、車台7に固着したステップ架台25にパンタグラフ形式の昇降アーム26の下部を取り付け、その上部には上面踏板3aを固定して設けると共に、この踏板3aとステップ架台25とを油圧駆動による伸縮シリンダ27により連結し、上下動可能に構成する。
【0012】該ステップ3の上面踏板3aの最下位置レベルに合わせて外周部に固定ステップ28を設け、この固定ステップ28の後端部を前記エンジンカバー5の前板5bの内側に折り曲げ立ち上げて設けると共に、この立ち上げ部を、該上面踏板3aの最上位置よりも上側に適宜間隔bで位置させる該前板5b下端縁aに重接させて構成する。
【0013】該固定ステップ28の前端部に接して操作コラム29を立設し、この操作コラム29上部の内側端部へ前記左縦フレーム15aから延長した横フレーム17を固着すると共に、この横フレーム17に保持される断面∩字状の操作架台30を操作コラム29と前記後フレーム16の間を操作席2に隣接して一定の幅で延長して設け構成する。
【0014】該操作架台30は、前記エンジンカバー5と重接する部分より前側位置に走行用の主変速レバー31と副変速レバー32、及びエンジン4のスロットルレバー33等を配置軸支すると共に、該操作架台30の内側面の立ち下がり部分を、該各レバー31,32,33等の軸支部が露出する位置まで切り欠いだ切欠ぎ部cを形成して構成する。
【0015】前記エンジンカバー5と共に操作席2を回動閉鎖させるときに、カバーフレーム22の前フレーム22b連結板23の前端部に固着した固定金34によって定位置に固定する。該固定金34は、平面視U字状のロックホルダー35の一端部を延長した上側ロック部35aによって、該横フレーム17から突設させた丸材によるU字状の受金36を上側から押え、該ホルダー35に回動自在の掛金回動軸37に軸止した掛金38の下側ロック部38aを受金36に嵌押させ、該上側ロック部35aと下側ロック部38aとにより上下からロックさせる。39は、掛金回動軸37のリターンばねを示す。
【0016】前記エンジンルームRのエンジンカバー5で防護されていない内面壁及び後面壁を防護する内側板40及び後側板41を、前記操作架台30の内側面及び後フレーム16位置に各々固定して設けると共に、該後側板41から上方側に向けてエンジンカバー5の上板5cとの間にエアークリーナ14を収納する収納ケース19を断面梯形状に配置固定する。該エンジンカバー5とラジエータ18の間をシールする防塵用シール42を回動自在に装着して構成する。
【0017】エンジンルームR内におけるエンジン4関係の藁屑の除去やメンテナンス等を行うときは、掛金38を、掛金回動軸37によりリターンばね39に抗して下方回動させ受金36から外しロック状態を解除させることにより、エンジンカバー5を外側面後端部の支軸6を支点として外側方へ略180°水平方向に回動開放させる。
【0018】このエンジンカバー5の回動開放時に、ステップ3がオペレータの都合により最上位置に上動調節されているときでも、回動時にステップ3部を通過する該カバー5の前板5b下端部aが、該ステップ3の上面踏板3aより適宜間隔bにより上側に位置しているから、該カバー5の前板5bとステップ3とが干渉してエンジンカバー5の回動を妨害することがなく、円滑に外側方へ開放させることができる。なお、このため該前板5b下端縁aの位置が高くなるが、この高さを固定ステップ28を立ち上げ重接して補っているから、防塵効果が阻害されるようなことはない。
【0019】該エンジンカバー5の外側方への回動により、エンジンルームRは固定の内側板40と後側板41を残して、エンジンカバー5の外側板5a,前板5b,上板5c及び操作席2が回動され、エンジン4の上方と前方及び外側方が開放されるからエンジン4関係の藁屑の除去やメンテナンス等を容易に行うことができる。なお、該エンジンカバー5の回動開放と共に、ラジエータ18も支軸20を支点として該カバー5に追従して外側方へ回動させることができるから、更に藁屑の除去やメンテナンス等が容易となる。
【0020】また、該操作席2に隣接する操作架台30に切欠き部cを形成していることにより、主変速レバー31,副変速レバー32,スロットルレバー33等の軸支部が露出しているから、操作架台30を取り外すことなく容易に調整及び分解組立等のメンテナンス等を行うことができる。なお、この切欠ぎ部cにより各軸支部を操作架台30上面に近づけることができるから、これにより軽量化と共に、各レバー配置の自由度を増すことができる。(図1参照)また、前記エンジンカバー5に追従して外側方へ回動させることができるラジエータ18の外面一側に、図8に示す如く、一体的に取り付けたオイルクーラ21の下部側ロワーホースジョイント43aと上部側アッパホースジョイント43bとを、ラジエータ18の回動支軸20の近傍に設けて各々ホース44を接続構成することにより、ラジエータ18とオイルクーラ21とを一体的に外側方へ回動させるときに、このホース44を回動のために余裕をもって配管する必要がないから、長めのホース44が曲がりくねって邪魔になることがなく、円滑にオイルクーラ21を回動させることができる。
【0021】また、該ラジエータ18の冷却水を循環させるホース45は、ラジエータ18が回動するから余裕をもって長めに配管する必要があり、このため、図9に示す如く、ラジエータ18の下部側に接続するロワーホース45aと上部側に接続するアッパホース45bとを、前記後側板41側に向けて各々U字形に屈曲させて配管構成することにより、ラジエータ18の回動に追従して両ホース45a,45bを各々容易に伸縮させることができるから、円滑にラジエータ18を回動させることができる。なお、この際アッパホース45bをラジエータ18との接続部より上側に位置しないように配管構成することにより、アッパホース45bへのエアーの混入等を防止することができる。
【0022】また、該ラジエータ18を定位置に収納する際に、図10に示す如く、ラジエータ18の外周を保持するラジエータフレーム46と、前記固定ステップ28を固定しているステップフレーム47とから相互に突出させた取付板48によって連結構成することにより、ラジエータ18収納時における上下2箇所の支軸20による片持ち支持の不安定さを改善して強固に固定することができると共に、ラジエータ18を支持している右縦フレーム15bとステップフレーム47とを固着している車台7の変形や撓みを防止することができる。なお、該取付板48の連結をノブボルト49等により着脱自在に締結することにより、ワンタッチでラジエータ18を回動又は固定させることができる。
- 【公開番号】特開平10−4743
【公開日】平成10年(1998)1月13日
【発明の名称】農作業車のカバー開閉装置
【発明者】
【氏名】里路 久幸
【氏名】岩永 憲二
【氏名】広瀬 雅一
【氏名】指原 宏彦
【氏名】山下 麿仁
- 【出願番号】特願平8−159535
【出願日】平成8年(1996)6月20日
【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
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