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駆動機構
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- 【要約】
【課題】 ドアの駆動源としてステップモータを用いることにより、ドアの位置の誤差の調整のため、リセットを繰り返しかけても、ドアの回転軸が変形又は破壊されることを防止する。
【解決手段】 モータアクチュエータ2に軸支された駆動レバー5の係合部9を、ドア6の回転軸7が挿嵌されたドアレバー8の案内孔10に係合させ、前記駆動レバー5の回動に伴い前記係合部9が前記案内孔10に沿ってかかる案内孔10の周縁を押動することで、前記ドアレバー8及びドア6が回動する駆動機構1において、駆動レバー5の位置を決定するストッパー12をケース2に設ける。ストッパー12は、かかるストッパー12に駆動レバー5が当接する際に、駆動レバー5の係合部9が案内孔10の終端に当接するのを避ける位置に配置される。これにより、リセットをかけた際に、ストッパー12に荷重がかかり、駆動レバー5からの荷重がドアレバー8に作用するのを減退させることができる。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動手段により駆動される駆動部材の係合部を、被駆動部材の案内孔に係合させ、前記駆動部材の回動に伴い前記係合部が前記案内孔に沿ってかかる案内孔周縁を押動することで、前記被駆動部材が回動する駆動機構において、前記駆動機構の配置された部材には、前記駆動部材が当接することによりかかる駆動部材の作動限界を決定する制動部が設けられていると共に、この制動部は、前記駆動部材が当接する際に、前記駆動部材の係合部が前記案内孔の終端との当接を避ける位置に配されていることを特徴とする駆動機構。
【請求項2】 駆動手段により駆動される駆動部材の係合部を、被駆動部材の案内孔に係合させ、前記駆動部材の回動に伴い前記係合部が前記案内孔に沿ってかかる案内孔周縁を押動することで、前記被駆動部材が回動する駆動機構において、前記駆動部材には、前記駆動手段に当接することによりかかる駆動部材の作動限界を決定する制動部が設けられていると共に、この制動部は、前記駆動手段に当接する際に、前記駆動部材の係合部が前記案内孔の終端との当接を避ける寸法を有していることを特徴とする駆動機構。
【請求項3】 前記駆動機構の配置された部材に設けられた制動部材とは別に、駆動部材に他の制動部を設け、この他の制動部は、前記駆動機構の配置された部材に設けられた制動部が前記駆動部材に当接した後、前記駆動手段に当接するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の駆動機構。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば車両等の空調装置に用いられる各種ドアをモータアクチュエータ等の駆動手段により駆動する駆動機構に関し、特にドアの回転軸と連結するドアレバー等の被駆動部材に案内孔を設け、この案内孔に駆動手段の駆動部材を係止させ、駆動部材を移動させることで、案内孔との係止位置を移動させて被駆動部材を駆動させるようにした駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空調装置の内外気切換ドア、エアミックスドア、サブミックスドア、モードドア等の各種ドアを回動させるため、例えば、実開昭63−179213号公報に示される様に、その回転軸8aをダンパ側従動レバー9の孔に挿嵌すると共に、かかる従動レバー9の案内溝9aに駆動レバー10の係合部10aを挿入し、駆動レバー10の回動により係合部10aが案内溝9aを摺動しつつ案内溝9aの縁部を押すことにより、従動レバー9を回動させるダンパ作動装置4が多用されている(但し、この公報では、ダンパ作動装置4は、エアミックスダンパ8を回動させるための装置として示されている)。
【0003】モータアクチュエータとしては、例えば、実開昭58−16176号公報に示される様に、ステップモータ1が用いられる場合がしばしばあるが、このステップモータ1は、フィードバック制御を行わず、演算された回動量に必要なパルス信号を供給するだけのオープンループ制御をしばしば行う。従って、ステップモータをオープンルーフ制御する場合にはドアレバーの位置の誤差を時折調整する必要があるので、ドアレバーを所定の基準位置に当接させてリセットする必要がある。
【0004】このリセットは、上記上記実開昭63−179213号公報に示されるダンパ作動装置4では、従動レバー9の案内溝9aの終端に当接する駆動レバー10の係合部10aを用いて行うことが考えられる。すなわち、駆動レバー10の係合部10aが従動レバー9の案内溝9aの終端に当接してステップモータを空回りさせ、この作動限界を起点として回動角度を設定することにより従動レバー9の位置制御を行うことが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公報(実開昭63−179213号公報)の第1図に示されるダンパ作動装置4の駆動源としてステップモータを用いた場合には、リセットをかける際に、駆動レバー10から係合部10aを介して従動レバー9にかかった荷重が、ドアの回転軸8aに対しても大きく作用するで、リセットを繰り返すと、回転軸8aの変形又は破壊の慮れがある。
【0006】特に、ドアの回転軸とドアレバーとは、ドアレバーが外嵌される回転軸の端部の空回りの防止のために断面が略半円状(即ち、D形状)にカットされている場合が多く(上記公報の第1図の回転軸8aを参照)、このカットされた回転軸の端部は断面積が小さくなる分、回転軸の他の部位に比較して強度が弱くならざるを得ない。従って、ステップモータのようにトルクの大きい駆動源を用いると共にドアレバーの回転軸をD形状とするような結合形態では回転軸の破損の虞れは一層大きくなる。
【0007】そこで、この発明は、駆動源としてトルクの大きいステップモータを用いた場合でも、リセットをかけた際に、ドアレバー等の被駆動部材に対し、大きな負荷がかかるのを防止し、もって被駆動部材が外嵌するドアの回転軸等の破損を防止するようにした駆動機構を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして、この発明に係る駆動機構は、駆動手段により駆動される駆動部材の係合部を、被駆動部材の案内孔に係合させ、前記駆動部材の回動に伴い前記係合部が前記案内孔に沿ってかかる案内孔周縁を押動することで、前記被駆動部材が回動する駆動機構において、前記駆動機構の配置された部材には、前記駆動部材が当接することによりかかる駆動部材の作動限界を決定する制動部が設けられていると共に、この制動部は、前記駆動部材が当接する際に、前記駆動部材の係合部が前記案内孔の終端との当接を避ける位置に配されていることを特徴としている(請求項1)。
【0009】一方で、この発明に係る駆動機構は、駆動手段により駆動される駆動部材の係合部を、被駆動部材の案内孔に係合させ、前記駆動部材の回動に伴い前記係合部が前記案内孔に沿ってかかる案内孔周縁を押動することで、前記被駆動部材が回動する駆動機構において、前記駆動部材には、前記駆動手段に当接することによりかかる駆動部材の作動限界を決定する制動部が設けられていると共に、この制動部は、前記駆動手段に当接する際に、前記駆動部材の係合部が前記案内孔の終端との当接を避ける寸法を有していても良い(請求項2)。
【0010】更に、この発明に係る駆動機構は、前記駆動機構の配置された部材に設けられた制動部材とは別に、駆動部材に他の制動部を設け、この他の制動部は、前記駆動機構の配置された部材に設けられた制動部が前記駆動部材に当接した後、前記駆動手段に当接するように設けられていても良い(請求項3)。
【0011】尚、上記駆動手段としては、フィードバック機能を有しないステップモータを利用したアクチュエータが例示される。また、被駆動部材としては、ドアの回転軸に外嵌されることにより、ドアと連動するドアレバーが例示される。更に、前記駆動機構が配置された部材としては、ドアを収納するケースが例示される。
【0012】これにより、請求項1によれば、リセットをかけて駆動部材が前記駆動機構の配置された部材に設けられた制動部に当接する際に、駆動部材の係合部が被駆動部材の案内孔の終端に当接しないので、駆動部材からの荷重は、制動部にかかることとなり、被駆動部材に対し大きな荷重が作用するのを回避できる。
【0013】また、請求項2によれば、リセットをかけて駆動部材の制動部が駆動手段に当接する際に、駆動部材の係合部が被駆動部材の案内孔の終端に当接しないので、駆動部材からの荷重は、駆動手段にかかることとなり、被駆動部材に対し大きな荷重が作用するのを回避できる。
【0014】そして、請求項3によれば、駆動部材が駆動機構の配置された部材に設けられた制動部に当接する際に作用する荷重が大きすぎて、前記駆動機構の配置された部材が撓むことがあっても、駆動部材に設けられた他の制動部が駆動手段に当接することにより駆動部材の更なる回動を抑止するので、前記駆動機構の配置された部材の撓みも最低限に抑さえることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態の一例を図面により説明する。
【0016】図1及び図2において、この発明の第1の実施形態における駆動機構1の模式図が示されており、この駆動機構1は、例えば車両等の空調装置に用いられる各種のドア(例えば、内外気切換ドア,エアミックスドア,サブミックスドア,モードドア)の回動を行うための機構として想定されたもので、これら各種のドアを収納したケース2の表面に設置される。
【0017】この駆動機構1は、モータアクチュエータ3と、このモータアクチュエータ3に回転軸4により軸支された駆動レバー5と、ドア6の回転軸7がケース2に軸支され、この回転軸7の端部に挿嵌されたドアレバー8とを少なくとも備えると共に、駆動レバー5には、その先端部に略円柱状の係合部9を設け、ドアレバー8には、折れ曲がった長孔状の案内孔10を形成し、前記係合部9を案内孔10に係合させることにより、駆動レバー5とドアレバー8とが連動可能となったものである。
【0018】そして、ドア6の回転軸7は、図1に示される様に、ケース2から突出した端部が断面半円状にカットされ、ドアレバー8は回転軸7の端部形状に合わせて略半円状の孔11が形成されていると共に、回転軸7の端部をドアレバー8の孔11に圧入することにより、互いが空回りしないように固く結合されている。
【0019】以上の構成によれば、図2の実線及び想像線に示される様に、モータアクチュエータ3の駆動力が回転軸4を介して駆動レバー5に伝達されて駆動レバー5が回動することにより、駆動レバー5の係合部9がドアレバー8の案内孔10の周縁に沿って押動し、これに伴いドアレバー8及びかかるドアレバー8に回転軸7が挿嵌されたドア6も回動して、ドア6の開閉動作が行われる。
【0020】ところで、前記モータアクチュエータ3には、当該実施の形態ではステップモータが用いられている。尚、このステップモータの構成自体は公知のものであるため、その説明を省略するが、モータアクチュエータ2は、フィードバック機能を有していないことからドアレバー8の位置ずれの虞れが懸念される。このため、ドアレバー8の位置づれを調整するために、基準位置を調整するリセットがかけられるようになっている。
【0021】すなわち、駆動レバー5の作動限界を決定するための制動部として、ストッパー12を、ケース2の駆動レバー5の回動範囲内において、例えば該ケース2と一体に突出して設ける。このストッパー12は、図1及び図2に示される様に、駆動レバー5と当接した際に、駆動レバー5の係合部9と案内孔10の終端10aとの当接が回避される位置に設けられている。
【0022】これにより、ドアレバー8がストッパー12に当接すると、ドアレバー7はそれ以上の回動が阻止され、モータアクチュエータ3がさらに駆動し続けようとすると、ステップモータが空回りするだけとなる。よって、ドアレバー7がストッパー12と当接した位置をリセット位置として基準にとれば、モータアクチュエータ3をオープンルーフ制御してもドアレバー8を意図する位置へ正確に動かすことができる。
【0023】また、ドアレバー位置のリセットの際に、駆動レバー5の係合部9が案内孔10の終端10aに当接しないため、駆動レバー5からの荷重は、ストッパー12にかかることとなり、駆動レバー5からドアレバー8への荷重が減退されるので、駆動レバー5からの荷重がドアレバー8が外嵌された回転軸7に対して大きく作用するのを防止することができる。
【0024】尚、図1又は図2に示される駆動機構1では、駆動レバー5の作動限界を決定するためにストッパー12をケース2に設けるとしているが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0025】即ち、図3及び図4において、第2の実施形態として示される様に、駆動レバー5の制動部として、駆動レバー5の基部側に、回動方向に延びる略扇状の突起部13を設けると共に、例えばモータアクチュエータ3の上面を隆起させることにより当接部14を設けるようにしても良い。そして、この突起部13は、モータアクチュエータ2の当接部14に当接した際に、駆動レバー5の係合部9と案内孔10の終端10aとの当接が回避される寸法を有している。
【0026】これにより、ドアレバー8の突起部13がモータアクチュエータ2の当接部14に当接すると、ドアレバー7はそれ以上の回動が阻止され、モータアクチュエータ3がさらに駆動し続けようとすると、ステップモータが空回りするだけとなる。これにより、ドアレバー8の突起部13がモータアクチュエータ2の当接部14と当接した位置をリセット位置として基準にとれば、モータアクチュエータ3をオープンルーフ制御してもドアレバー8を意図する位置へ正確に動かすことができる。
【0027】また、ドアレバー位置のリセットの際に、駆動レバー5の係合部9が案内孔10の終端10aに当接しないので、駆動レバー5からの荷重は、モータアクチュエータ2にかかることとなり、駆動レバー5からドアレバー8への荷重が減退されるので、駆動レバー5からの荷重が、ドアレバー8が外嵌された回転軸7に対して大きく作用するのを防止することができる。
【0028】ただ、特に図示しないが、駆動レバー5に突起部13を設け、モータアクチュエータ2に当接部を設けないことにより、この突起部13がモータアクチュエータ3の側面に当接させて、この当接位置をリセット位置として基準にとると共に、突起部13がモータアクチュエータ2の側面に当接した際に、駆動レバー5の係合部9と案内孔10の終端10aとの当接が回避される寸法を有するものとすれば、上述と同様の作用効果を得るころができる。
【0029】また、これも特に図示しないが、モータアクチュエータ3側に突起部を設けることにより、この突起部が駆動レバー5の側面に当接する位置をリセット位置として基準にとると共に、駆動レバー5がモータアクチュエータ3の突起部に当接した際に、駆動レバー5の係合部9と案内孔10の終端10aとの当接が回避される寸法を有するものとしても、上述と同様の作用効果を得るころができる。
【0030】更には、図5において第3の実施形態として示される様に、駆動レバー5の制動部としてケース2にストッパー12を設けると共に、他の制動部として、駆動レバー5に突起部13を、モータアクチュエータ3に当接部14を形成することにより、駆動レバー5がモータアクチュエータ3にも当接可能としても良い。
【0031】この場合、駆動レバー5の突起部13とモータアクチュエータ3の当接部14とは、駆動レバー5がストッパー12に当接する前に当接するのを回避する位置に配されている。
【0032】これにより、駆動レバー5からストッパー12にかかる荷重が大きいため、ストッパー12が設けられたケース2にも、当該荷重が作用して、ケース2が撓むような事態が生じても、駆動レバー5の突起部13がモータアクチュエータ3の当接部14に当接するので、ケース2の撓みを最低限に抑えることができ、ケース2が変形したり破壊されたりすることを防止することができる。
【0033】尚、第2及び第3の実施形態に示される駆動機構1の基本構成及び作用は、第1の実施形態に示されるものと同様なので、同一の構成についは同一の符号を付してその説明を省略すると共に、作用についてもその説明を割愛する。
【0034】
【発明の効果】以上の様に、請求項1に記載の発明によれば、リセットをかけた際に、駆動機構が配置された部材に設けれらた制動部に駆動部材からの荷重がかかるため、被駆動部材にかかる荷重は減退するので、被駆動部材が外嵌された回転軸が変形し又は破壊されるのを防止することができる。
【0035】また、請求項2に記載の発明によれば、リセットをかけた際に、駆動手段に駆動部材からの荷重がかかるため、被駆動部材にかかる荷重は減退するので、被駆動部材が外嵌された回転軸が変形し又は破壊されるのを防止することができる。
【0036】更に、請求項3に記載の発明によれば、制動部にかかった駆動部材からの荷重が大きく、駆動機構が配置された部材が万一撓んでも、駆動部材に設けられた第2の制動部が駆動手段に当接するため、駆動機構が配置された部材が大きく撓むことがないので、当該部材が変形し又は破壊されるのを防止することができる。
- 【公開番号】特開平10−47449
【公開日】平成10年(1998)2月20日
【発明の名称】駆動機構
【発明者】
【氏名】長野 秀樹
【氏名】小野寺 睦浩
【氏名】柳田 英二
- 【出願番号】特願平8−220352
【出願日】平成8年(1996)8月2日
【出願人】
【識別番号】000003333
【氏名又は名称】株式会社ゼクセル
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 和保 (外1名)
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