スポンサード リンク
移植機の動力伝動装置
スポンサード リンク
- 【要約】
【課題】 圃場に苗を植付ける植付体の上昇位置における停止を一定なものとして、スムーズな苗受取及び株間の安定を図る。
【解決手段】 植付体を昇降動作する駆動軸71の慣性回転を制動する制動手段1を設け、制動手段1は、駆動軸71に連動して同行回転可能な運動体3と、運動体3に接触してその回転を停止させ且つこの停止に追随して駆動軸71を停止させる制動体4とを有し、駆動軸71と運動体3とは、運動体3停止の際に、運動体3に対して駆動軸71の回転移動を許容しつつ駆動軸71からの慣性エネルギーを吸収して回転を停止させる慣性エネルギー吸収手段5を介して連結している。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動源(17)から動力伝達される駆動軸(71)の回転により昇降動作するとともに上昇側で苗が供給されて下降側で圃場に苗を植付ける植付体(61)を備え、駆動軸(71)と駆動源(17)との間に、動力伝達を断接自在に接続するとともに植付体(61)が上昇側の所定位置にきたときに該植付体(61)の昇降動作を停止させるべく駆動軸(71)への動力伝達を一時的に切断するクラッチ(38)を設け、該クラッチ(38)を切断した際に、植付体(61)の慣性移動に伴う駆動軸(71)の慣性回転を制動して該駆動軸(71)を停止させるための制動手段(1)を設け、該制動手段(1)は、前記駆動軸(71)に連動して同行回転可能な運動体(3)と、該運動体(3)に接触することで該運動体(3)の回転を停止させるとともにこの運動体(3)の停止に追随して駆動軸(71)を停止させる制動体(4)とを有し、該駆動軸(71)と前記運動体(3)とは、該運動体(3)が停止した際に、該運動体(3)に相対する駆動軸(71)の所定量の慣性回転を許容しながら駆動軸(71)からの慣性エネルギーを吸収して駆動軸(71)の回転を停止させるようにした慣性エネルギー吸収手段(5)を介して連結されていることを特徴とする移植機の動力伝動装置。
【請求項2】 前記慣性エネルギー吸収手段(5)は、前記駆動軸(71)に固定され且つ駆動軸(71)の回転に連動して同行回転する回転体(3)と、該回転体(2)と運動体(3)との間に介設された弾性体(6)とを有することを特徴とする請求項1に記載の移植機の動力伝動装置。
【請求項3】 圃場のマルチフィルム(M)に苗植付用の孔を形成する穿孔手段(82)を備え、前記駆動軸(71)に固定されていて該駆動軸(71)に連動して同行回転し且つ該回転によって前記穿孔手段(82)を昇降動作させるカム(85)を設け、該カム(85)にて前記回転体(2)を構成することを特徴とする請求項2に記載の移植機の動力伝動装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移植機の動力伝動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】移植機には、植付手段を、駆動軸の回転によって揺動する揺動リンク機構等を介してエンジンに連動連結させると共に、該エンジンの回転動力を駆動軸に伝達して植付手段を昇降動作させ、植付手段が上死点のとき苗を供給し、下死点で畝に突刺して苗を移植するようにしたものがある。
【0003】従来、この種の移植機の動力伝動装置では、エンジンと駆動軸との連動を断接する電磁クラッチを設け、植付手段が所定の停止位置(上死点)にきたとき電磁クラッチを一時的に切断して(オンからオフに切換えて)、植付手段を停止させ、ここで苗を受け取ると共に、植付手段の昇降停止時間の調節により植付け間隔である所定の株間を得るようにしたものがある。
【0004】しかし、上記のように電磁クラッチを切断するだけでは、植付手段は慣性力によってすぐには停止できず、また、植付手段の昇降速度によって停止位置がばらつくという問題が発生し、苗のスムーズな受取りができず、株間のばらつきが発生することとなっていた。そこでこれを解消するために、図12に示すように、駆動軸130に固定されていて該駆動軸130の回転に連動して回転し、且つその回転によって圃場のマルチフィルムMに苗植付用の孔を形成する穿孔手段131を昇降動作させるためのカム132を設け、該カム132に前記駆動軸130と同行回転するブレーキローラ133を固定し、植付手段の停止位置において、ローラ133に押しつける方向に付勢される制動体134を設け、該制動体134をローラ133に係合させることでカム132及び駆動軸130の慣性回転を強制停止させ、これによって、植付手段(駆動軸130)を一定位置に停止させてスムーズな苗の受取りを図っているものがある(例えば、特願平7−152039号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、植付手段の昇降によって発生する慣性力は、昇降速度の違いやエンジン回転の変動等によって変化するもので、上記のように単に制動手段により駆動軸130の回転を制動するのみでは、慣性力が制動体134をローラ133に押しつける付勢手段の付勢力より大きくなった場合には、制動体134からローラ133の係合が外れる恐れがあり、このようにローラ133の係合が外れた場合は、駆動軸130、植付体61が所定の停止位置より大きく位置ずれして苗受取りに支障を生じ、株間のばらつきも解消できないこととなっていた。
【0006】そこで、本発明は、駆動軸及び植付体の一定停止を確実なものとし、苗の受取りをスムーズに行うとともに安定した株間を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。すなわち、駆動源17から動力伝達される駆動軸71の回転により昇降動作するとともに上昇側で苗が供給されて下降側で圃場に苗を植付ける植付体61を備え、駆動軸71と駆動源17との間に、動力伝達を断接自在に接続するとともに植付体61が上昇側の所定位置にきたときに該植付体61の昇降動作を停止させるべく駆動軸71への動力伝達を一時的に切断するクラッチ38を設け、該クラッチ38を切断した際に、植付体61の慣性移動に伴う駆動軸71の慣性回転を制動して該駆動軸71を停止させるための制動手段1を設け、該制動手段1は、前記駆動軸71に連動して同行回転可能な運動体3と、該運動体3に接触することで該運動体3の回転を停止させるとともにこの運動体3の停止に追随して駆動軸71を停止させる制動体4とを有し、前記駆動軸71と前記運動体3とは、該運動体3が停止した際に、該運動体3に相対する駆動軸71の所定量の慣性回転を許容しながら駆動軸71からの慣性エネルギーを吸収して駆動軸71の回転を停止させるようにした慣性エネルギー吸収手段5を介して連結されていることを特徴としている。
【0008】これによれば、植付体61が所定の停止位置にきたときクラッチ38が切断されて駆動源17から駆動軸71への動力伝達が切断され、運動体3が制動体4に接触して停止する。そして、駆動軸71は植付体61から伝わる慣性力で運動体3に相対して所定量の慣性回転をしつつ駆動軸71と運動体3との間で吸収手段5によりその慣性エネルギーが吸収されたのち停止する。従って、運動体3が制動体4によって停止している際に、駆動軸71から運動体3へ伝達される慣性エネルギーが弱められ、運動体3が制動体4の接触から外れることなく確実に停止し、そして、駆動軸71も確実に停止するようになる。これにより植付体61による慣性の大小に関わらず植付体61の停止位置が一定となり、苗の受取りもスムーズで株間も安定する。
【0009】また、本発明は、前記慣性エネルギー吸収手段5は、前記駆動軸71に固定されて該駆動軸71の回転に連動して同行回転する回転体3と、該回転体2と運動体3との間に介設された弾性体6とを有することを特徴とし、これにより簡単な構成で上記のような駆動軸71の確実な停止を促すことができる。更に、本発明は、圃場のマルチフィルムMに苗植付用の孔を形成する穿孔手段82を備え、前記駆動軸71に固定されていて該駆動軸71に連動して同行回転し且つ該回転によって前記穿孔手段82を昇降動作させるカム85を設け、該カム85にて前記回転体2を構成することを特徴とし、これにより部品の兼用化を図って装置をコンパクトなものとでき、部品点数減、重量減を可能とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図4において、野菜移植機11は、走行車両12の後部に操縦ハンドル13を有する歩行型であって、畝14を跨いでその長手方向に走行しつつ、ソイルブロック苗をマルチフィルムで覆われた畝14に所定間隔をおいて植付けるものである。
【0011】走行車両12は、主フレーム15と、この主フレーム15の前方に設けられた架台16等とを備えている。架台16上にはエンジン17が搭載され、このエンジン17はボンネット18で覆われており、架台16の後部にはミッションケース19が固定され、このミッションケース19内の動力伝達機構にエンジン17の動力が伝動される。主フレーム15は角パイプ等で形成され、その前部がミッションケース17の後部に固定されており、後部が上向きに曲がっていて操縦ハンドル13の取付部とされている。
【0012】ミッションケース19内に入力された動力は、左右側方に突出する車輪伝動軸20に伝達されると共に、この車輪伝動軸20よりも後方に設けられて左右側方に突出する第1PTO軸21と、後上方に突出する第2PTO軸22とから取り出せるようになっている。車輪伝動軸20の左右端にはその軸心回りに上下揺動自在な伝動ケース23を介して左右の駆動輪24(後輪)が支持され、この駆動輪24は畝14間の溝内を転動する。また、走行車両12の前部には、左右一対の前輪26が備えられている。
【0013】後輪24及び前輪26は、それぞれ伝動ケース23及び支持アーム26aを介して走行機体2に相対して上下に昇降するようになっており、この昇降動作は油圧シリンダ等の昇降機構47によってなされ、これにより走行機体12の畝からの高さを調整可能としている。また、ミッションケース19上には昇降機構47を動作させる昇降用制御弁48が設けられている。
【0014】図7は走行系及びPTO系の動力伝達系統を示しており、エンジン17の動力は巻掛伝動手段28により入力軸29に伝達される。ミッションケース19には入力軸29と平行に、回転軸30、中間軸31、バック軸32、車輪伝動軸20及び第1PTO軸21がそれぞれ回転自在に支持され、前後方向の第2PTO軸22が後方突出状に設けられている。
【0015】入力軸29上のギヤ29aは回転軸30上の遊転ギヤ33と噛合しており、この遊転ギヤ33にクラッチギヤ34を摺動させてその咬合部を咬合させることにより、入力軸29から回転軸30へ動力伝達可能になる。前記クラッチギヤ34は遊転ギヤ33と咬合する方向に弾圧されており、爪式の主クラッチを構成している。
【0016】前記回転軸30と中間軸31との間には、1速(F1 )、2速(F2 )、3速(F3 )、ニュートラル(N)、後進(R)に切換操作可能な変速装置35が設けられている。また、中間軸31上には伝動ギヤ36及び図示省略の駐車ブレーキが設けられており、伝動ギヤ36は車輪伝動軸20に固設された大ギヤ37と噛合している。そして、車輪伝動軸20から伝動ケース23内の巻掛伝動体25を介して駆動輪24に動力が伝達され、該駆動輪24を駆動可能としている。
【0017】前記回転軸30は一端がミッションケース19から突出していて、その外端に電磁クラッチ38が固定されており、また、回転軸30の外端部を包囲するように筒軸状のカップリング軸39がミッションケース19に回転自在に支持されており、電磁クラッチ38の作動で回転軸30とカップリング軸39とが一体回転し、PTO系動力を分岐取り出しできるようになっている。
【0018】このカップリング軸39にはギヤ40が固定されており、このギヤ40は中間軸31に遊嵌したアイドラギヤ41と噛合しており、アイドラギヤ41は更に第1PTO軸21上のギヤ42と噛合し、PTO系動力を伝達可能にしている。第1PTO軸21にはベベルピニオン43が固定され、第2PTO軸22上のベベルギヤ44と噛合しており、PTO系動力を2系統に分岐して、第1PTO軸21と第2PTO軸22とから取出し可能となっており、電磁クラッチ38を消磁することで車輪伝動軸20の回転動力を止めることなく第1、第2PTO軸21,22の回転動力を停止可能となっている。
【0019】前記回転軸30の電磁クラッチ38より外端には回転パルスセンサ45が取り付けられている。この回転パルスセンサ45は例えば回転軸30に外嵌固着したスプロケットの凹凸を近接センサでカウントする構造のものが使用できる。走行車両12の後部には、移植作業部50が設けられている。この移植作業部50は、苗供給装置51と、該苗供給装置51から供給されるソイルブロック苗を植付筒(植付体)61によって畝14に植付ける植付装置60と、苗が植付けられる位置に予めマルチフィルムに移植用の孔を穿けるマルチフィルム穿孔装置81等を有している。苗供給装置51は第2PTO軸22の回転動力により駆動され、植付装置60及びマルチ穿孔装置81は第1PTO軸21の回転動力により駆動される。
【0020】苗供給装置51は、主フレーム15上に装着されており、ソイルブロック苗が育苗されたポット部46aが縦横に多数配設された苗トレイ46を横方向及び縦方向に移送しつつ、この苗トレイ46から、植付装置60に対して所定の苗取出位置にて苗取出爪52によりソイルブロック苗を一つずつ取り出して、該ソイルブロック苗を植付装置60上方まで移送した後に植付筒61内に落とし込むようになされている。なお、苗トレイ46は樹脂製で可撓性を有し、縦横に多数配列したポット部46aが背面に突出して備えられており、各ポット部46aにソイルブロック苗が育苗されている。
【0021】この苗供給装置51の動力受入軸と、第2PTO軸22とは、伝動軸を介して動力が伝動され、前記した動作が繰り返される。前記植付装置60及びマルチフィルム穿孔装置81は、図5及び図6にも示すように、ミッションケース19の第1PTO軸21に上下揺動自在に支持された装置フレーム62上に備えられている。この装置フレーム62は、角パイプ状の左右フレーム62L,62Rと、これら左右フレーム62L,62Rを連結する連結フレーム62Aとから主構成されている。右フレーム62Rの前端部にはボルト63等の固定具によってブラケット64が着脱自在に取付けられ、このブラケット64の前端部と左フレーム62Lの前端部とに設けられたベアリング65に第1PTO軸21が挿通支持されており、ブラケット64を取り外すことにより装置フレーム62を走行車両12から取り外すことで、植付装置60及びマルチ穿孔装置81を一体的に走行車両12から取り外すことができる。
【0022】また、装置フレーム62の後端部は主フレーム15に上下方向位置調整可能に吊持されており、装置フレーム62の後部には覆土ローラ66が設けられている。前記植付装置60は、苗供給装置51から供給されるソイルブロック苗を畝14に所定間隔で植付けるべく畝14に対して突き刺し運動される植付筒(植付体)61と、この植付筒61を上下揺動自在に支持する揺動リンク機構67とから主構成されている。揺動リンク機構67は、下端側が前後揺動自在となるように上端部が装置フレーム62に軸支された第1平行リンク68を備え、この第1平行リンク68の下端部に揺動プレート69を枢結し、この揺動プレート69に第2平行リンク70の前端部を枢結し、この第2平行リンク70の後端部に植付筒61を枢結している。
【0023】また、第2平行リンク70の上側リンク70aには、軸受72が固定され、装置フレーム62の左右フレーム62L,62R間には左右のベアリング73を介して回転自在に支持されたクランク軸(駆動軸)71が設けられ、このクランク軸71のクランクアーム71a間のクランクピン71bが前記軸受72に挿通されている。
【0024】クランク軸71の左端部にはスプロケット74が設けら、このスプロケット74と、第1PTO軸21の左端部に設けたスプロケット75とには伝動チェン76が巻回されて、エンジン17からの回転動力がクランク軸71に伝動されるようになっている。これらスプロケット74,75及び伝動チェン76はチェンケース77で覆われており、このチェンケース77にはチェン76の張り具合を調節するためのテンションローラ78が設けられている。
【0025】したがって、第1PTO軸21からの動力により、クランク軸71が図6(図1及び図3にも示す)の矢示Aで示す方向に回転することで、第1、第2平行リンク68,70により植付筒61が上下に揺動しながら前後にも揺動するようになっており、走行しながら植付筒61を畝14に突き刺す際において、植付筒61が圃場に対して略前方移動のないようになっている。
【0026】また、植付筒61は、下部に開閉自在なオープナを備えており、オープナは植付筒61の軌跡の下端側にて畝14に突入したときに連動具79によって前後に開き、畝14に移植孔を形成すると共に、該移植孔にソイルブロック苗を植付け得るようになっている。また、植付筒61の後方側にはスクレーパ80が設けられており、植付筒61が畝14に突入された後に揺動リンク機構67によって上昇移動される際に、植付筒61の外側壁及び内側壁に付着した土をかき落とすようになっている。
【0027】覆土ローラ66は、植付筒61後方の装置フレーム62の後部に配置され、畝14に接地して植付装置60、穿孔装置81及び装置フレーム62の荷重を担持している。覆土ローラ66を支持する支持杆54は、前部が可動フレームから垂下したブラケット55に枢支され、後部が装置フレーム62後端から突出した支持部材56に高さ調整可能に連結されており、畝14の上面からの植付筒61の突っ込み量、即ち植付深さを調整可能にしている。
【0028】また、覆土ローラ66は、畝14上面を転動することにより、植え付けたブロック苗を左右から覆土をするとともに鎮圧もし、更に、装置フレーム62に取り付けられていることから、植付装置60及びマルチフィルム穿孔装置81等の高さを畝14上面の凹凸に追従させながら所要高さに設定する。そして、図8に示すように、この覆土ローラ66は畝高さ検知センサを兼用しており、覆土ローラ66の回動支軸部分から上方へと連結杆57が延設され、該連結杆57の上端部が、主フレーム15に支軸58a廻りに回動自在に設けたベルクランク58の一端に連結され、該ベルクランク58の他端とミッションケース19上の昇降用制御弁48のスプールとが連結ロッド59で連結されており、覆土ローラ66が畝上面の凹凸に追従して上下動することにより、連結杆57を介してベルクランク58が支軸58a廻りに回動し、この回動によって連結ロッド59を介して昇降用制御弁48を操作するようになっている。
【0029】また、図4に示すように、植付筒61よりも前方においても、ミッションケース19後下部に支軸108を介して上下揺動するアーム109の後端に畝高さ検知ローラ110が設けられていて、該ローラ110は畝14上面に接地することで畝の凹凸に追従して上下昇降し、この上下昇降に伴ってアーム109が支軸108廻り上下に揺動し、このアーム109の前端部と昇降用制御弁48のスプールとが操作部材111によって連結されていてアーム109の上下揺動で前記スプールを操作するようになっている。
【0030】なお、この前側の畝高さ検知ローラ110で主体的に畝高さを検知するようにしており、該検知ローラ110で高さ検知できない場合、例えば、畝の出口付近等で検知ローラ110が畝上面から外れた場合に覆土ローラ66で補助的に畝高さを検知するように制御弁48のスプール部分で連結ロッド59と操作部材111とが連動連結されている。
【0031】また、上記のように、覆土ローラ66を支持する支持杆54の後端を、装置フレーム62の支持部材56に対して高さ調整した場合、例えば図9(a)の状態(植付深さd1)から図9(b)の状態(植付深さd2)へ、植付深さを深くする場合、装置フレーム62の後端部が覆土ローラ66に対して(畝14に対して)下方に下がるが、支持杆54に支持された覆土ローラ66は、連結杆57によって主フレーム15側に連結されているので、図8に示す主フレーム15の畝上面からの高さHは、植付深さを調整しても変化せず、走行車両12の中立高さは一定となっている。
【0032】このように構成することで、ミッションケース19に設けた前側の畝高さ検知ローラ110(図4参照)は、植付深さを調整したとしてもミッションケース19に対する高さが変更されなくなる。これは、畝高さ検知ローラ110のミッションケース19に対する高さが変わったとするとローラ110を支持するアーム109の角度が変わり、中立高さからローラ110が上下した際の該ローラの検知感度(アーム109を介して昇降用制御弁48を操作する量)が変わってしまうので、これを防止することで常に最適な検知感度を得ることができるようにしている。また、走行車両12が中立位置の場合のアーム109の角度が一定であるので、制御弁48の中立位置とアーム109(操作部材111)の位置との関係を変更する必要もなく検知ローラ110と覆土ローラ66の位置関係を略一定に維持できるようになる。
【0033】前記マルチフィルム穿孔装置81は、図3、図5、図6に示すように、ガスバーナーで構成された穿孔手段82を備え、この穿孔手段82は平行リンク83を介して上下動自在に装置フレーム62に連結されている。平行リンク83の上側リンク83aにはカムローラ84(カム係合部)が枢着されている。このカムローラ84は、前記クランク軸71に固定されていて該クランク軸71と矢示Aの方向に同行回転する円板状のカム85の外周を転動するようになっており、植付装置60とマルチ穿孔装置81とを同一のクランク軸71で駆動することで、装置の簡素化、コスト低減を図っている。また、穿孔手段82の自重によって、カムローラ84をカム85の外周に押し付ける方向に付勢されている。
【0034】なお、図3において、矢示Eは走行車両12の進行方向(苗の植付方向)を示し、図1及び図2についても同じく進行方向の矢示Eを示している。カム85の周方向一部には凹陥部86が形成されており、この凹陥部86にカムローラ84が落ち込むことで、図3に示すように自重により穿孔手段82が下動して、穿孔手段82の下端部に設けた加熱体87をマルチフィルムMに押し当てることで、マルチフィルムMに移植孔を穿孔するようになっている。また、カム85は、マルチフィルムMを穿孔した後即座に穿孔手段82を上昇させるように形成されているとともに、凹陥部86を除く他の部分は、穿孔手段82を上昇限の待機位置で保持するべくクランク軸71軸心からの距離が略一定の外周形状に形成されている。
【0035】本実施例のカム85は、穿孔手段82を待機位置(上昇位置)で保持する第1カム88と、穿孔手段82により圃場のマルチフィルムを穿孔するべく穿孔手段82を待機位置から下降させて再度待機位置まで上昇させる第2カム89とからなる。即ち、第2カム89に凹陥部86が形成され、第1カム88のカム部分が略一定の外周形状とされ、これら第1カム88の外周カム部と第2カム89の外周カム部との組合せによって、前記カム85を構成してある。
【0036】なお、第1カム88の板厚よりも、第2カム89の板厚の方が大きくなされており、凹陥部86を有する第2カム89の磨耗を低減しつつも、第2カム89ほどには部材強度が要求されない第1カム88を薄板として、装置の軽量化、部材コスト低減を図っている。第1カム88はクランク軸71に固定されており、この第1カム88に第2カム89がクランク軸71軸心回りに相対角度調節自在に連結されている。かかる構成として種々のものが採用できるが、本実施例では、第1カム88にボルト孔(図示せず)を周方向2ヵ所に設け、該ボルト孔に連通する円弧状の長孔90を第2カム89に設け、これらボルト孔及び長孔90にボルト91を挿通してナット(図示せず)を締結することで、第1カム88と第2カム89とを締結固定し得るようになっており、ボルト91を若干緩めると長孔90の範囲内で第1カム88と第2カム89との相対角度調節ができるようになっている。
【0037】また、第2カム89の側面のクランク軸71近傍にはナット92が設けられ、該ナット92には角度調節ボルト93が螺合されている。また、ナット92とボルト93のボルト頭との間には緩み止め用コイルスプリング94が介装されている。第1カム88の側面には、ボルト93の先端部が当接する係合部95が設けられており、第1カム88と第2カム89との締結力を若干緩めてボルト93を係合部95に向かって螺進させることで、第1カム88と第2カム89との相対角度の微調整を容易に行うことができる。
【0038】なお、第1カム88の係合部95は、ボルト93を螺進させることで第1カム88に対するボルト93先端部の位置が若干ずれても係合部95との係合が外れないように、ボルト93の軸心と直交する方向に長尺状に形成されている。また、装置フレーム62には、移植筒61がその軌跡の上死点にあることを検出する上限検出近接スイッチ101が設けられていて(図6参照)、該スイッチ101は、クランク軸71を支持する左側のベアリング73上に取付けられて、クランクアーム71aが上限位置にきたときにスイッチ101がオンとなり、電磁クラッチ38をオン(接続)からオフ(切断)に切り換え、走行車両12の走行を止めることなく移植作業部50の駆動を一時的に停止させることで、ソイルブロック苗の植付間隔(株間)を制御している。そして、回転パルスセンサ45が予め設定されたパルス数を検出すると、電磁クラッチ38をオフからオンに切換え、移植作業部50の作動を再開するようになっている。
【0039】上記のように、電磁クラッチ38が消磁してクランク軸71による駆動が停止したとき、植付筒61等の慣性によってクランク軸71を回転させようとする力が働くが、このような慣性力の大小にかかわらず植付筒61を軌跡中途部の一定位置で制動停止するために、クランク軸71の回転を制動する制動手段1が設けられている。
【0040】この制動装置1は、図1〜図3に示すように、前記クランク軸71に対して軸廻りに所定量相対移動可能で且つクランク軸71に連動して同行回転可能な運動体3と、該運動体3に接触することで該運動体3の回転を停止させるとともにこの運動体3の停止に追随してクランク軸71を停止させる制動体(ブレーキアーム)4とから主構成されている。
【0041】ブレーキアーム4は、縦向き配置された前後に長い板材から形成され、前端側にボス部4aが設けられ、このボス部4aが装置フレーム62の右側フレーム62Rに固定の支軸103に取付けられ、これによりブレーキアーム4の前部が左右方向の軸心廻りに回動自在に支持されている。ブレーキアーム4の後部上方側には、コ字形のブラケット96が配置されると共に装置フレーム62の右側フレーム62Rに固定されており、このブラケット96の上部壁96aには、該上部壁96aを貫通する掛合ボルト99が、上部壁96aの上下に配置されて掛合ボルト99に螺合されたロックナット102によって取付固定されている。また、ブラケット96の下部壁96bの下面には弾性体等からなる緩衝部材98が取付固定されている。
【0042】前記掛合ボルト99とブレーキアーム4後端側との間には引張りコイルスプリング97が介装されており、このコイルスプリング97の付勢力によって ブレーキアーム4が支軸96の軸心廻りに上方に回動するように付勢されていると共に、ブレーキアーム4が緩衝部材98に接当することによって前記回動が規制されるようになっている。
【0043】なお、前記ロックナット102を緩めて掛合ボルト99の上下位置を調節することによってコイルスプリング97による付勢力を調節することができるようになっている。前記運動体3は、上述したマルチフィルムM用の穿孔手段82を平行リンク83を介して昇降動作させるカム85(回転体2)に弾性体6を介して連結されており、一端がクランク軸71に軸廻りに相対回転自在に遊嵌されたローラアーム104と、該ローラアーム104の先端に左右軸廻りに回動自在に取り付けられたブレーキローラ105とを有し、ローラアーム104はカム85に軸方向近傍に並設され、ブレーキローラ105はゴム等から形成されていてブレーキアーム4の上方側に配置されている。
【0044】図1及び図2に示すように、ローラアーム104の一側には折片104aを屈曲形成し、該折片104aよりも駆動軸71の回転方向A後側でカム85(第1カム88)の一側面に突片85a突設し、前記折片104aと突片85aとの間に、圧縮コイルバネよりなる前記弾性体6を介設しており、これによりクランク軸71の回転でカム85が回転するとバネ6に押されてローラアーム104及びブレーキローラ105が同行回転するようになっている。
【0045】なお、前記折片104a及び突片85aには両端に頭部を有するピン106が長手方向摺動自在に挿通されており、該ピン106によりカム85とローラアーム104とがクランク軸71廻りに離反する方向の位置規制をするようにしている。前記ブレーキアーム4の上面側の前後方向中途部には、上方から凹設されていてブレーキローラ105が上方側から係合する係合凹部100が形成され、この凹部100の底部は、ブレーキローラ105の回転軌跡の外周端軌跡と一致しており、凹部100の、ブレーキローラ105回転方向A前後は前記ブレーキローラ105の外周端軌跡Bより径内側に突出状とされ、凹部100のブレーキローラ105回転方向A前側が、電磁クラッチ38を切ったときのブレーキローラ105の回転方向の外れを阻止する回転規制部100aとされ、凹部100のブレーキローラ105回転方向A後側が、電磁クラッチ38を切ったときのブレーキローラ105の逆転を防止する逆転防止部100bとされている。
【0046】前記構成において、苗を植付けた後植付筒61が上昇して停止位置の手前にきたときに、ブレーキローラ105はブレーキアーム96の逆転防止部100bに手前に位置するようになっている。そして、植付筒61が停止位置にきて、電磁クラッチ38が消磁して移植作業部50への動力が切断されると、移植作業部50の各動作部の慣性によりクランク軸71を介してカム85及びローラアーム104が若干回転し、ブレーキローラ105が逆転防止部100bを押圧し、スプリング97の付勢力に抗してブレーキアーム96が押し下げられ、ブレーキローラ105が係合凹部100に嵌合し、該ブレーキローラ105及びローラアーム104が停止する。
【0047】この際にクランク軸71には植付筒61の慣性移動による慣性力がかかって矢示A方向に回転しようとするが、カム85が弾性体(圧縮コイルバネ)6を介してローラアーム104に連結されているので、該バネ6が縮むことで、カム85及びクランク軸71がローラアーム104及びブレーキローラ105に相対して回転するのを許容するようになる。したがって、クランク軸71及びカム85の回転をバネ6が受けて縮むことでその慣性エネルギーを吸収するように働き、ブレーキアーム96の係合凹部100に嵌合しているブレーキローラ105に対しての慣性エネルギーの伝達を弱めるようになる。ここにおいて、カム85(回転体2)及びカム85とローラアーム104との間に介設したバネ6は、クランク軸71にかかる慣性エネルギーを吸収してクランク軸71の回転を停止させるための慣性エネルギー吸収手段5を構成している。
【0048】これによって、ブレーキローラ105が係合凹部100に嵌合した際にクランク軸71からの慣性回転に連れだってブレーキローラ105が係合凹部100から外れる(ブレーキアーム96の回転規制部100を乗り越える)のを防止でき、そのあとカム85及びクランク軸71は慣性エネルギーが吸収されたのちにバネ6の復元で若干逆回転して正規の停止位置に停止し、これに伴って植付体61の正規の停止位置に停止するようになる。
【0049】上記構成によって植付筒61の昇降速度の違いやエンジンの回転変動等に起因する植付筒61の慣性の大小にも対応してクランク軸71、植付体61を一定位置に停止させることが可能とりなり、苗供給装置51からの苗の受取りがスムーズになり、植付間隔(株間)も一定となる。また、上記の慣性エネルギー吸収手段5をカム85を利用して構成することで、構成部材の削減、装置の簡素化を図ることができるようになっている。
【0050】なお、電磁クラッチ38の切断タイミングは、上記のようにブレーキローラ105が係合凹部100に係合する手前としたり、該ローラ105が係合凹部100に係合するときに設定することができる。また、クランク軸71を支持するベアリング73に、ワンウェイクラッチが内蔵してクランク軸71の逆回転を防止するようにしてもよく、この場合は植付体61の正規の停止位置より手前位置でブレーキローラ105を係合凹部100に係合させ、クランク軸71の慣性回転によるバネ6の縮みを考慮してクランク軸71の正規の位置に停止するよう設定すようにすればよい。
【0051】なお、本実施形態において、弾性体6を圧縮コイルバネに換えて引張りコイルバネとしてもよく、この場合は、ローラアーム104と、該ローラアーム104よりも回転方向A前側のカム85との間に引張りコイルバネを介設して連結するようにしてもよい。また、弾性体6をねじりバネとすることもでき、この場合は、バネをクランク軸71に嵌挿し、バネ両端をローラアーム113とカム85とに係止するようにすればよい。
【0052】図10は、第2の実施の形態を示しており、上記第1の実施形態と異なるところは、ローラアーム104にクランク軸芯を中心とする円弧状の長孔104bを形成し、カム85にローラアーム104に向けてピン85bを突設するとともに該ピン85bを長孔104bに挿通しており、また、弾性体(圧縮コイルバネ)6によって長孔104bの回転方向A前側端部にピン85bが当接するように付勢している点であり、その他の構成及び作用効果は同様である。
【0053】また、本実施形態においては、長孔104bにより、その長さ分だけカム85及びクランク軸71がローラアーム104に対して相対移動可能となっており、クランク軸71の必要以上の慣性回転を規制している。なお、本実施形態についてカム85側に長孔を形成し、ローラアーム104側にピンを設けるようにしてもよい。
【0054】図11は、第3の実施形態を示しており、本実施形態では、カム85(回転体2)の外周近傍にクランク軸芯を中心とする円弧状の長孔85cを形成し、該長孔85cに運動体3を構成するブレーキローラ105の支軸105aを長孔85cの長さの範囲で移動自在に挿通することでブレーキローラ105がカム85に連結され、更に、支軸105aと、該支軸105aよりも回転方向A後側のカム85の側面に立設した突片85dとの間に、圧縮コイルバネよりなる弾性体6を介設してあり、支軸105aは長孔85cにおける回転方向A前側端部にバネ6によって押圧されている。
【0055】したがって、駆動軸71の回転でカム85が同行回転し、このカム85の回転に連動してブレーキローラ105が同行回転可能となっており、さらにブレーキローラ105が係合凹部100に嵌合した際には、カム85及びクランク軸71が、長孔85cの長さの範囲で慣性によって若干回転し、この慣性エネルギーがバネ6により吸収されて停止するようになる。したがって、第1の実施形態と同様の効果を得ることができとともに、長孔85cによりクランク軸71及びカム85の慣性回転量を規制でき、また、第1、第2実施形態のようなローラアーム104を省略していることから構造の簡素化が図られている。
【0056】本発明は、上記実施形態に限ることなく適宜設計変更可能であり、例えば、上記第1〜第3実施形態においては、慣性エネルギー吸収手段を構成する回転体をカム85を用いて構成していたが、クランク軸71のクランクアーム71aを回転体として用いることもでき、これによっても部品点数減、装置の軽量化が図れる。また、別途クランク軸に固定のアーム等の回転体を設けるようにしてもよく、この場合は、制動手段をカムやクランクアームの近傍に設ける必要がないので、クランク軸の軸方向に取り付け位置の自由度が大きくなる。
【0057】また、慣性エネルギー吸収手段を構成する弾性体として、コイルバネ以外に板バネや弾性変形可能なゴム材等に置換することもできる。また、上記実施形態では歩行型移植機に本発明を採用しているが、乗用型移植機に適用することもでき、また多条植え移植機にも採用することができる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、駆動源から動力伝達される駆動軸の回転により昇降動作するとともに上昇側で苗が供給されて下降側で圃場に苗を植付ける植付体を備え、駆動軸と駆動源との間に、動力伝達を断接自在に接続するとともに植付体が上昇側の所定位置にきたときに該植付体の昇降動作を停止させるべく駆動軸への動力伝達を一時的に切断するクラッチを設け、該クラッチを切断した際に、植付体の慣性移動に伴う駆動軸の慣性回転を制動して該駆動軸を停止させるための制動手段を設け、該制動手段は、前記駆動軸に連動して同行回転可能な運動体と、該運動体に接触することで該運動体の回転を停止させるとともにこの運動体の停止に追随して駆動軸を停止させる制動体とを有し、前記駆動軸と前記運動体とは、該運動体が停止した際に、該運動体に相対する駆動軸の所定量の慣性回転を許容しながら駆動軸からの慣性エネルギーを吸収して駆動軸の回転を停止させるようにした慣性エネルギー吸収手段を介して連結されているので、該吸収手段によって駆動軸からの慣性エネルギーを吸収して運動体への該エネルギーの伝達を弱め、運動体を制動体によって確実に停止し、これにより駆動軸も確実に停止するようになる。従って、植付体による慣性の大小に関わらず植付体の停止位置が一定となり、苗の受取りもスムーズで株間も安定する。
【0059】また、本発明は、前記慣性エネルギー吸収手段は、前記駆動軸に固定されて該駆動軸の回転に連動して同行回転する回転体と、該回転体と運動体との間に介設された弾性体とを有するので、簡単な構成で上記のような駆動軸の確実な停止を促すことができる。更に、本発明は、圃場のマルチフィルムに苗植付用の孔を形成する穿孔手段を備え、前記駆動軸に固定されていて該駆動軸に連動して同行回転し且つ該回転によって前記穿孔手段を昇降動作させるカムを設け、該カムにて前記回転体を構成するので、部品の兼用化を図って装置をコンパクトなものとでき、部品点数減、重量減を可能とする。
- 【公開番号】特開平10−7
【公開日】平成10年(1998)1月6日
【発明の名称】移植機の動力伝動装置
【発明者】
【氏名】島隅 和夫
【氏名】蔵野 淳次
【氏名】福本 仁志
- 【出願番号】特願平8−154020
【出願日】平成8年(1996)6月14日
【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
スポンサード リンク
- ★当サイトのどのページも全てリンクフリーです、自由にお使いください
※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。