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自動二輪車の後部開閉蓋とシートの錠止め装置
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- 【要約】
【課題】 一個のシリンダー錠で、後部開閉蓋とシートの両方を錠止めすることができて、コストダウン効果が大きく、スペース的にも小さくできて、錠止めも確実にできる自動二輪車の後部開閉蓋とシートの錠止め装置を得ること。
【解決手段】 後部開閉蓋4の前端に取付けたシリンダー錠7の下端にキーによって回動するL字形のロックプレート8を取付け、ロックプレート8の初期の回動でロックプレート8が物入れボックス6後壁の窓孔9に挿入されて後部開閉蓋4が錠止めでき、ロックプレート8を更に回動させるとロックプレート8のL字形先端がシート1後端のストライカー11に挿入されてシート1が錠止めできる。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 前端が回動自在に支持されたシートと、該シートの下側に設けた物入れボックスと、前記シートの後側に設けた後部開閉蓋とを備えた自動二輪車において、前記後部開閉蓋に取付けたシリンダー錠に、キーにより回動操作されるロックプレートを取付け、回動するロックプレートによって前記後部開閉蓋および前記シートを順次錠止めするようにしたことを特徴とする自動二輪車の後部開閉蓋とシートの錠止め装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動二輪車の後部開閉蓋とシートの錠止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スクーター型の自動二輪車では、車体後部に燃料タンクやオイルタンクを装着することがある。そして、上側を後部開閉蓋で覆い、後部開閉蓋の錠止めを解いて開かないと給油ができないようにしている。又、一般の自動二輪車においても、車体後部にオイルタンクやバッテリーを装着するものがあり、後部開閉蓋の錠止めを解いて開かないと、給油や点検ができないようにしている。
【0003】又、シートを蝶番で開閉できるようにし、かつ、シートの下側に物入れボックスを設け、物入れボックスに携帯品などを収容できるようにした場合、シートは錠止めできてキーを用いて開閉するようにしてある。
【0004】通常、後部開閉蓋とシートの錠止め装置は、各々、別々に独立して設けてある。又、シートの錠止め装置に、後部開閉蓋の錠止め装置をケーブルワイヤを用いて連結し、キーを一方に回動させるとシートが開き、キーを他方に回動させると後部開閉蓋が開くようにしたものもある。例えば、特開平4−159189号公報参照。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】後部開閉蓋とシートに、各々独立した錠前を取付けるものは、錠前が二つ必要でコスト高につき、錠前の取付けスペースも広く必要で、燃料タンクなどの容積が、その分だけ制約を受けて小さくなる不都合がある。又、キーを挿入する個所が、車体に二個所見えるようになって、デザイン的にも好ましくない。
【0006】後部開閉蓋の錠止めをシートの錠止めに、ケーブルワイヤを用いて連結するものは、錠前は一個で足りるが、構造が複雑になり、二個の錠前を用いるのに較べて僅かのコストダウンしかできない。
【0007】かかる点に鑑み、この発明は、一個のシリンダー錠で、後部開閉蓋とシートの両方を錠止めすることができて、コストダウン効果が大きく、スペース的にも小さくできて、錠止めも確実にできる自動二輪車の後部開閉蓋とシートの錠止め装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、次の構成を有する。すなわち、本発明は、前端が回動自在に支持されたシートと、該シートの下側に設けた物入れボックスと、前記シートの後側に設けた後部開閉蓋とを備えた自動二輪車において、前記後部開閉蓋に取付けたシリンダー錠に、キーにより回動操作されるロックプレートを取付け、回動するロックプレートによって前記後部開閉蓋および前記シートを順次錠止めするようにしたことを特徴とする自動二輪車の後部開閉蓋とシートの錠止め装置である。
【0009】本発明によれば、一個のシリンダー錠で後部開閉蓋とシートを順次錠止めすることができる。例えば、ロックプレートを先に物入れボックスの窓孔に挿入して後部開閉蓋を錠止めし、次いで、ロックプレートをシートのストライカーに挿入して、シートを錠止めする。解錠するときは、キーを逆に回動させることで、先にシートを解錠し次に後部開閉蓋を解錠する。なお、後部開閉蓋を開けるとシートも開く状態になるが、物入れボックスに用事がなければ、シートは自重で閉じていて持上げなければ開かない。
【0010】又、シリンダー錠は、特別な付属部品ではなく、取付けスペースも小さい場所で済むので周囲に余裕ができて、例えば燃料タンクの容量が制約を受けることが少く、シリンダー錠が一個にできるのでコストダウンも大きい。又、例えば、シートのストライカーにロックプレートが横方向から挿入されるようにすれば、シート後端を持上げる力に対する抑止力が大きく、確実な錠止めができる。
【0011】
【本発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図1乃至図3によって説明する。図示の場合は、スクーター型の自動二輪車で、運転者が腰掛けるシート1の後側の、車体2の後部に燃料タンク3を装着する場合を示している。シート1の後側の車体2の上面には、後端を蝶着した後部開閉蓋4を取付け、後部開閉蓋4の前部を上方に開くと、燃料タンク3の給油口5が現れて、給油ができるようになる。シート1の前下端は、蝶着してあって回動自在に支持されており、シート1の後側を上方に持上げて前側に開くことができるようにしてある。そして、シート1の下側には、物入れボックス6を装着し、携帯品などを収容できるようにしてある。
【0012】後部開閉蓋4の前端には、下側に突出させてシリンダー錠7を取付ける。シリンダー錠7には、キーによって回動操作されるL字形のロックプレート8を下端に連結する。物入れボックス6の後壁上面付近には、横長の窓孔9を穿設してある。キーでロックプレート8を回動させると、ロックプレート8が窓孔9に挿入されて、後部開閉蓋4が錠止めされ、開くことができなくなる。シート1の底板10の後端には、前後方向に凹字形をしたストライカー11を取付けてある。キーでロックプレート8を更に回動させると、ロックプレート8のL字形の先端部分がストライカー11に挿入され、シート1が錠止めされて持上げて開くことができなくなる。
【0013】このように、ロックプレート8は、先に物入れボックス6の窓孔9に挿入されて、後部開閉蓋4を錠止めし、次いで、シート1のストライカー11に挿入されて、シート1を錠止めする。解錠するときは、シリンダー錠7に差込んだキーを逆に回動させ、先ずシート1のストライカー11からロックプレート8を外してシート1を開放し、次いで物入れボックス6の窓孔9からロックプレート8を外して、後部開閉蓋4を開くことができる。したがって、シート1だけ開きたい場合には、キーを少し回動させればシート1だけ解錠するし、後部開閉蓋4だけ開きたい場合には、キーを完全に回動させて後部開閉蓋4を解錠する。なお、後部開閉蓋4を開ける場合は、シート1も開ける状態となるが、物入れボックス6に用事がなければ、シート1は自重で閉じていて持上げなければ開かない。
【0014】以上の構成を有する本実施形態によれば、一個のシリンダー錠7で後部開閉蓋4とシート1の両方を順次錠止めすることができる。又、シリンダー錠7は、特別な付属部品もなく、取付けスペースも小さい場所で済むため、周囲に余裕ができて例えば燃料タンク3の容量を大きくすることができる。又、シリンダー錠7が一個にできるのでコストダウンも図れる。又、シート1のストライカー11にロックプレート8が横方向から挿入されるので、シート1後端を持上げる力に対する抑止力が大きく、確実な錠止めができる。又、シリンダー錠7が一つで、キー挿入個所で外見できるのも一個所だけで、デザイン的にもよい。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は上述のように構成したので、特別な付属部品を必要としない最も簡単な一個のシリンダー錠で、後部開閉蓋とシートの両方の錠止めができて、コストダウン効果が高く、取付けスペースも小さくて済み、燃料タンク等の容積も確保できる。
- 【公開番号】特開平10−7048
【公開日】平成10年(1998)1月13日
【発明の名称】自動二輪車の後部開閉蓋とシートの錠止め装置
- 【出願番号】特願平8−162686
【出願日】平成8年(1996)6月24日
【出願人】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 博光 (外1名)
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