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自動2輪車用リモコン式オープナー
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- 【要約】
【課題】 物入れのロック装置をリモコンで解錠させる。
【解決手段】 フレーム3に支持された物入れ5をシート4で開閉自在にし、シート4の底部に設けたロック金具7をフレーム3に設けたシートキャッチ8で施錠し、ロック装置9のキー操作で手動解錠するとともに、ロック装置9をアクチュエーター10に連結し、アクチュエーター10をシートキャッチ8へ連結し、リモコン信号でアクチュエーター10を動作させてシートキャッチ8をリモコン解錠させる。アクチュエーター10を物入れ5と車体カバー11の間の空間へ配設し、フレーム3で支持させる。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】フレーム上へ支持されて上方へ開口する物入れと、この物入れ上へその蓋をなすよう回動自在に取付けられたシートと、このシートを車体へ施錠固定するためのシートキャッチと、このシートキャッチをキー操作で解錠するためのロック装置と、前記フレーム及び物入れの周囲を覆う車体カバーとを備えた自動2輪車において、前記シートキャッチをリモコン操作によるリモコン信号で解錠させるためのアクチュエーターを設け、このアクチュエーターを、シートと車体カバーに囲まれ、シートを閉じた状態で外部から容易に手が届かない位置へ配設したことを特徴とする自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項2】前記アクチュエーターを、物入れと車体カバーの間へ配設し、かつフレームへ支持させたことを特徴とする請求項1記載の自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項3】前記アクチュエーターを、物入れの内側へ取付けたことを特徴とする請求項1記載の自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項4】前記アクチュエーターは、ロック装置の手動解錠操作に連動して作動し、かつロック装置の手動解錠操作の有無に関係なくリモコン操作のみで作動するロストモーション機構を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載した自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項5】前記アクチュエーターとシートキャッチとを連結する連結部材をフレームの上方又はフレームに沿わせて配設したことを特徴とする請求項4記載の自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項6】前記連結部材とアクチュエーターの連結部をフレームよりも上方へ位置させたことを特徴とする請求項4記載の自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項7】前記ロック装置をアクチュエーターへ連結し、ロック装置、アクチュエーター、シートキャッチを直列に連結したことを特徴とする請求項4記載の自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項8】前記アクチュエーターとロック装置をシートキャッチへ各別に直接連結し、シートキャッチに対してロック装置とアクチュエーターをそれぞれ並列に連結したことを特徴とする請求項4記載の自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項9】イグニッションスイッチをシート前方の車体前部に設けるとともに、前記アクチュエーターをリモコン操作するリモコン信号を受信するためのレシーバーを、イグニッションスイッチ近傍の車体前部又はシート前端部下方に取付けたことを特徴とする請求項1記載の自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項10】レシーバーを車体カバーの後部へ取付けたことを特徴とする請求項1記載の自動2輪車用リモコン式オープナー。
【請求項11】レシーバーを車体カバーの外部へ露出させないように配置するとともに、車体カバーの外方から発信されたリモコン信号をレシーバーへ反射させるための反射部を車体側へ設けたことを特徴とする請求項1記載の自動2輪車用リモコン式オープナー。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動2輪車のシート下方に設けられ、このシートで開閉される物入れを利用するときリモコン操作でシートロックを解錠できるようにしたリモコン式オープナーに関する。
【0002】
【従来の技術】スクーター型自動2輪車などでは、開閉自在のシート下方に物入れを設け、シートを物入れの蓋として利用するとともに、シートを閉じたときはシートキャッチによりシートをフレームへ施錠固定し、解錠するときはキー操作でシートキャッチを解錠し、シートを開くようにしたものが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のようなキー操作による解錠形式では、荷物をたくさん持っているときや、隙間なく駐車しているときなどの場合には、キー操作が容易でないことがある。そこで本願発明はこのような場合でも快適に解錠操作できるようにすることを主たる目的とする。
【0004】併せて、駐車中に外部から触りにくくした装置の配置並びに構成部品の有利な配置を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため請求項1の発明は、フレーム上へ支持されて上方へ開口する物入れと、この物入れ上へその蓋をなすよう回動自在に取付けられたシートと、このシートを車体へ施錠固定するためのシートキャッチと、このシートキャッチをキー操作で解錠するためのロック装置と、前記フレーム及び物入れの周囲を覆う車体カバーとを備えた自動2輪車において、前記シートキャッチをリモコン操作によるリモコン信号で解錠させるためのアクチュエーターを設け、このアクチュエーターを、シートと車体カバーに囲まれ、シートを閉じた状態で外部から容易に手が届かない位置へ配設したことを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1において、前記アクチュエーターを、物入れと車体カバーの間へ配設し、かつフレームへ支持させたことを特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、請求項1において、前記アクチュエーターを、物入れの内側へ取付けたことを特徴とする。
【0008】請求項4の発明は、請求項1乃至3にいずれかにおいて、前記アクチュエーターが、ロック装置の手動解錠操作に連動して作動し、かつロック装置の手動解錠操作の有無に関係なくリモコン操作のみで作動するロストモーション機構を備えることを特徴とする。
【0009】請求項5の発明は、請求項4において、前記アクチュエーターとシートキャッチとを連結する連結部材をフレームの上方又はフレームに沿わせて配設したことを特徴とする。
【0010】請求項6の発明は、請求項4において、前記連結部材とアクチュエーターの連結部をフレームよりも上方へ位置させたことを特徴とする。
【0011】請求項7の発明は、請求項4において、前記ロック装置をアクチュエーターへ連結し、ロック装置、アクチュエーター、シートキャッチを直列に連結したことを特徴とする。
【0012】請求項8の発明は、請求項4において、前記アクチュエーターとロック装置をシートキャッチへ各別に直接連結し、シートキャッチに対してロック装置とアクチュエーターをそれぞれ並列に連結したことを特徴とする。
【0013】請求項9の発明は、請求項1において、イグニッションスイッチをシート前方の車体前部に設けるとともに、前記アクチュエーターをリモコン操作するリモコン信号を受信するためのレシーバーを、イグニッションスイッチ近傍の車体前部又はシート前端部下方に取付けたことを特徴とする。
【0014】請求項10の発明は、請求項1において、レシーバーを車体カバーの後部へ取付けたことを特徴とする。
【0015】請求項11の発明は、請求項1において、レシーバーを車体カバーの外部へ露出させないように配置するとともに、車体カバーの外方から発信されたリモコン信号をレシーバーへ反射させるための反射部を車体側へ設けたことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1乃至図9にスクーター型自動2輪車に適用した一実施形態を示す。 図1は自動2輪車の側面図であり、前輪1と後輪2を支持するフレーム3上には、シート4が開閉自在に支持されている。
【0017】シート4の下方には上向きに開放された物入れ5が配置され、フレーム3に支持されている。
【0018】物入れ5の前端上部にシート4がヒンジ6で回動自在に連結され、閉じたとき物入れ5の蓋を兼ねるようになっている。
【0019】シート4の底部にはコ字状に下方へ突出するロック金具7が設けられ、フレーム3上に取付けられているシートキャッチ8により施錠されるようになっている。
【0020】ロック金具7がシートキャッチ8に施錠されると、シート4がフレーム3へ施錠固定されることになる。シートキャッチ8は、キー操作による解錠(手動解錠)がロック装置9で行われる。
【0021】さらに、シートキャッチ8はリモコン操作でも解錠(リモコン解錠)され、そのための解錠装置であるアクチュエーター10がフレーム3へ支持されている。
【0022】車体カバー11はフレーム3に取付けられ、シート4下方のフレーム3及び部物入れ5の周囲を覆い、シート4を開かない限りフレーム3から外せないようになっている。
【0023】車体カバー11の前端部下端は低床型フロアー12へ接続し、車体カバー11の側部でシート4下方部分にはロック装置9のキー穴部分が露出し、車体カバー11の下部はパワースイングユニット13の一部を覆い、車体カバー11の後部からは下方へリヤフェンダ14が延びている。
【0024】符号13aはミッション、13bはエアクリーナ、15はリヤキャリヤ、16はその上へ取付けられたトランク、17はハンドル、18はイグニッションスイッチである。
【0025】図2は図1の2−2線拡大断面を示し、図3はアクチュエーター10の取付状態を拡大した側面図である。
【0026】これらの図に示すように、アクチュエーター10は物入れ5と車体カバー11に挟まれた狭い空間20内へ配設され、フレーム3を巻回するバンド21を介してフレーム3へ支持されている。この支持構造の詳細は後述する。
【0027】なお、アクチュエーター10の側方から下方にかけてフレーム3が存在し、このフレーム3により、駐車中の状態で車体カバー11の下端縁から手を内側へ入れてもアクチュエーター10へ容易には届かないようになっている。
【0028】そのうえ、車体カバー11の一部が段部11aをなしてアクチュエーター10の下方へ張り出しているため、車体カバー11の下端縁から内側へ入れた手がアクチュエータ10へさらに届きにくいようになっている。
【0029】図3及びオープナー全体の構成を示す図4に明らかなように、シートキャッチ8は左右のフレーム3間に設けられたクロスメンバー30上に取付けられ、内部の解錠機構部(図示省略)は操作ケーブル31を介してアクチュエーター10と連結されている。
【0030】ロック装置9も同様に操作ケーブル32を介してアクチュエーター10と連結されている。
【0031】図4に明らかなように、ロック装置9は操作ケーブル32の一端が連結されたアーム部33、このアーム部33が一端に形成されたシリンダー部34を有し、シリンダー部34の他端に車体カバー11から露出するキー穴35が設けられている。
【0032】このキー穴35へイグニッションスイッチ用キー36を挿入することによりキー操作され、アーム部33は施錠位置Fと、解錠位置Gの間をキー操作により回動する(図5参照)。但し、アーム部33は解錠位置Gから施錠位置Fへ自動復帰するようになっている。
【0033】イグニッションスイッチ用キー36にはリモコン信号の発信器37が取付けられており、このリモコン信号を受信するレシーバー24はハーネス38でアクチュエーター10内部の駆動制御部(図示省略)へ接続されている。
【0034】レシーバー24の取付例として、アクチュエーター10近傍の車体カバー11に窓穴を設け、その開口縁部にグロメトを介して受信部25を嵌合し、車体カバー11から外部へ露出するようにしてステー26で車体側の適当な場所へ取付けることができる。
【0035】なお、図1に示したように、イグニッションスイッチ18近傍の車体カバー28へ露出させて取付けることもできる。符号29はトランクリッドである。また、後述するようにさらに別の場所や方法で取付けることもできる【0036】アクチュエーター10はネジ39でブラケット40へ取付けられる。ブラケット40はナット部40aへネジ41でバンド21の上端部へ取付けられる。
【0037】バンド21は平板部42と湾曲部43に分割され、平板部42の下端部には係合部44、上端部に通し穴45が形成されている。
【0038】湾曲部43はフレーム3を嵌合する略U字状部46を有し、略U字状部46の一端に係合穴47を形成し、他端側は直立部48となって通し穴49が形成されている。
【0039】係合穴47には平板部42の係合部44が係合し、直立部48は平板部42の上部と重なって通し穴45に対応する位置に通し穴49が形成されている。
【0040】湾曲部43をフレーム3の外周に嵌め、平板部42の係合部44を係合穴47へ係合し、平板部42の上部を湾曲部43の直立部48と合わせ、通し穴45と同49及びナット部40aを一致させ、ネジ41を通し穴45,49側へ通してナット部40aへネジ止めする。
【0041】これにより、フレーム3に対してバンド21とブラケット40を共締めで同時に取付けでき、しかも、このネジ41とナット部40aの締結部をフレーム3よりも上方へ位置させることができる。
【0042】このとき、バンド21の外側が平板部42となっているので、ブラケット40の下端部をフレーム3の外側部へ重なるように支持できる。
【0043】ブラケット40には操作ケーブルーガイド50、51が一体に形成され、かつアクチュエーター10のネジ39が取付けられるナット部52が設けられている。
【0044】図5はアクチュエーター10の平面図、図6はその6−6線に沿う断面図であり、アクチュエーター10はレシーバー24がリモコン信号を受信すると、内部の駆動制御部が作動し、軸53を中心にレバー54が解錠方向(図5のC矢示方向)へ回動するようになっている。
【0045】レバー54の先端部にはピン55が設けられ、このピン55は図6に明らかなように、第1リンクプレート56と第2リンクプレート57に連結している。
【0046】第1リンクプレート56は一端部58に操作ケーブル31の一端が連結するとともに、ピン55がカラー55aを介して嵌合する長穴59を有する。
【0047】第2リンクプレート57は第1リンクプレート56と同一部材を反転使用するものであり、一端部60に操作ケーブル32の一端が連結するとともに、長穴61にピン55がカラー55aを介して嵌合している。
【0048】第1リンクプレート56と第2リンクプレート57は各長穴59、61の端部を重ね、両方の長穴端部とレバー54の先端に設けた穴54aを一致させ、これにボルト状のピン55を貫通させ、カラー55aを両方の長穴59、61内へ嵌合するとともに、レバー54にの先端に重ねたワッシャ54bを貫通した突出端部先をカシメることにより、各リンクプレート56、57及びピン55がそれぞれ相対移動可能に一体化されている。
【0049】ピン55は操作ケーブル32を矢示A方向へ引くことにより第2リンクプレート57がB矢示方向へ移動するため、レバー54をC矢示方向へ回動させ、同時にピン55により第1リンクプレート56もD矢示方向へ引かれるため操作ケーブル31がE矢示方向へ引かれる(図7)。
【0050】また、操作ケーブル32を引かずに、レバー54がC矢示方向へ回動すると、ピン55を第2リンクプレート57の長穴61内を移動するため、第2リンクプレート57はB矢示方向へ引かれないが、第1リンクプレート56はD矢示方向へ引かれて操作ケーブル31をE矢示方向へ引く(図9)。
【0051】したがって、アクチェータ10はロストモーション機構を構成している。なお、操作ケーブル32は保護チューブを有し、その一端62は操作ケーブルーガイド51で固定され、他端63はフレーム側の不動部に形成されたガイド部64に固定されている。
【0052】操作ケーブル31も同様に保護チューブを有し、その一端65は操作ケーブルーガイド50に固定され、他端66はシートキャッチ8の枠部67へ固定されている(図5)。
【0053】図5はシートキャッチ8のカバー70を一部切り欠いて内部構造を示す図であり、内部はストライカープレート71、ラッチプレート72、テンションスプリング73からなる。
【0054】ストライカープレート71は回動中心軸74を中心に回動する略U字状の部材であり、ロック金具7が嵌合する略U字溝75を挟んで上部アーム76と下部アーム77を有する。下部アーム77は上部アーム76よりも長く延び、先端部が係合端78になっている。
【0055】ラッチプレート72は回動中心軸79を中心に回動する部材であり、回動中心軸79の近傍に突出部80を有し、ここにストライカープレート71の下部アーム77に形成された係合端78が係合するようになっている。
【0056】ラッチプレート72の下端部に設けた掛け止め部81には操作ケーブル31の先端係止部82が係合されている。
【0057】枠部67の上部には取付用の植え込みボルト68が設けられ、かつ中央部にはロック金具7が出入りするガイド溝69が形成され、このガイド溝69を横断するように上部アーム76がストライカープレート71の回動に伴って移動する。
【0058】ロック金具7がガイド溝69の下端部へ入ったとき、下部アーム77がロック金具7に押され、ストライカープレート71がK矢示方向へ回動し、係合端78が突出部80と係合して停止するとともに、ロック金具7が略U字溝75内へ入り、かつ上部アーム76がガイド溝69を横断するためロック金具7がガイド溝69から脱出できない施錠状態になる。
【0059】逆に、操作ケーブル31をE矢示方向へ引くことにより、テンションスプリング73に抗してラッチプレート72を回動中心軸79の回りにH矢示方向へ回動させると、突出部80がL矢示方向へ回動して係合端78との係合を解く。
【0060】これによりストライカープレート71はラッチプレート72から自由になり、テンションスプリング73の弾性で回動中心軸74を中心に回動してJ矢示方向へ回動し、ロック金具7が略U字溝75から出て、ガイド溝69からの脱出を自由にする(図8)。
【0061】次に、本実施形態の作用を説明する。図7は施錠状態を示し、操作ケーブル31及び32はいずれも引かれておらずロック金具7は略U字溝75内へ嵌合して施錠状態にある。
【0062】そこで図4においてキー操作によりアーム部33がG位置(図5)へ移動すると、操作ケーブル32をP矢示方向へ引き、これによりレバー54がC矢示方向へ回動するので操作ケーブル31をE矢示方向へ引き、ラッチプレート72をH矢示方向へ回動させることにより、図8に示す解錠状態になる。
【0063】その結果、ロック金具7はガイド溝69から脱出できるため、シート4を回動させて物入れ5の上部を開放し、内部への物品の出入を可能にする。
【0064】図9は、リモコン操作で解錠したときのアクチュエータ10におけるレバー54及び各リンクプレート56、57の状態を示し、ロック装置9に対するキー操作をせずに、発信器37を操作して、無線電波又は赤外線等によるリモコン信号を発信したときの状態である。
【0065】このリモコン信号をレシーバー24で受信すると、アクチュエーター10ヘ送られて内部の駆動制御機構によりレバー54をC矢示方向へ回動させ、これにより操作ケーブル31をE矢示方向へ引くので、シートキャッチ8を解錠状態にする。
【0066】このとき第2リンクプレート57には長穴61を設けてあるので、ピン55はこの長穴61内を移動し、操作ケーブル32に対しては、その一端62から出ている部分の角度を変化させる程度であり、全体には影響を与えない。
【0067】なお、第1リンクプレート56は第2リンクプレート57と共通部材を用いるため、部品の利用効率が高くなるが、必ずしも長穴59を必要としない。操作ケーブル31の端部を直接ピン55へ連結させることもできる。
【0068】このように、リモコン操作で解錠できれば、たくさんの荷物を持った状態でキーによる手動解錠操作が困難なときや、隙間なく駐車しているときなどでも、簡単に解錠操作できるので、物入れの使用が快適になる。
【0069】しかも、図2に示すように、アクチュエーター10を物入れ5と車体カバー11に挟まれた空間20を利用して配設するので、スペース効率が向上する。
【0070】また、アクチュエーター10と車体カバー11の下端部との距離は十分に長く、かつアクチュエーター10の下端部側方から下方にフレーム3が位置している。
【0071】そのうえ、操作ケーブル31、32はほとんどがフレーム3の上方を通り、かつ操作ケーブル31の最も低い場所を通る部分もフレーム3に沿っている。
【0072】さらに、アクチュエーター10の下方は車体カバー11の段部11aで車体カバー11の下端縁から手を入れることができないように遮られている。
【0073】したがって、駐車中に他人が車体カバー11の下端縁から空間20内へ手を入れてアクチュエーター10のレバー54等を触ろうとしても触りにくくなっており、不用意に解錠されることを防止できる。
【0074】なお、図4において操作ケーブル32をアクチュエーター10へ連結せず、直接ラッチプレート72へ連結することもできる。
【0075】これはロック装置9、アクチュエーター10、シートキャッチ8と順に連結する直列の連結に対して、ロック装置9とアクチュエーター10をシートキャッチ8へ並列連結するものであり、操作ケーブル31、32の連結を簡単にできる。
【0076】なお、この場合にも引かれない方の操作ケーブル31又は32が、ラッチプレート72の回動に影響されないよう、操作ケーブル31及び32とラッチプレート72の間に遊びを持たせて連結する。
【0077】図10はアクチュエーター10のフレーム3に対する取付方を変更した状態、すなわち図3に対してアクチュエーター10を上下逆に取付けた状態を一部切欠いて示す側面図、図11はその同様平面図である。
【0078】これにより、レバー54が上方へ突き出し、ピン55はフレーム3からその上方へ最も離れて位置し、車体カバー11の下端から空間20へ手83をさらに入れにくくしている。
【0079】そのうえ、アクチュエーター10とシートキャッチ8の間でフレーム3の下方から操作ケーブル31又は32を触れないようにガードボックス85が設けられている。なお、車体カバー11の下端部はフレーム3の下方を巻き込むように内側へ曲がっており(図16の符号11bを参照)、この点でもフレーム3の下方からアクチュエーター10側へ手を差し込むことがさらに困難になっている。
【0080】このガードボックス85は、フレーム3の上へ車体カバー11の内面に沿って配設された箱状をなし、アクチェータ10に近接した側面に側面開口86を形成し、底部87はフレーム3上を前後方向全長に延びている。
【0081】後端部頂部には上部開口88が形成され、かつその開口縁部よりシートキャッチ8の側面まで張り出したガイド部89が形成されている。
【0082】アクチェータ10からフレーム3上に通された操作ケーブル31及び32は側面開口86からガードボックス85の中へ入り、下方を底部87によりガードされている。
【0083】操作ケーブル32は中間部に設けられたロック9のアーム部33(図4)へ接続し、操作ケーブル31はそのまま後端部へ至り、上部開口88より上へ出てガイド部89の上を通りシートキャッチ8の内部へ結線される。
【0084】したがって、アクチェータ10からシートキャッチ8までの間で、操作ケーブル31及び32はフレーム3より下方へ露出されず、フレーム3の下方から手を入れて触れないようになっている。そのうえ、図11に明らかなように、アクチュエーター10のガードボックス85と反対側の端部10a近傍は、車体フレーム11の一部がフレーム3の上方を覆うように車体内方へ張り出す凹部11aをなし、この部分により、アクチュエーター10の端部10a近傍部分及びこれから延出する操作ケーブル31等に触りにくくなっている。
【0085】なお、他の点は前実施形態と変更がないので同一部分に同一符号を用いてある(以下も同様)。
【0086】図12は第3の実施形態であり、物入れ5の後部壁90の背面側にシートキャッチ8を沿わせ、後部壁90上端に形成されたフランジ部91に植え込みボルト68(図4参照)をナット92で取付けるとともに、後部壁90の内側に垂下するブラケット93を共締めしてある。
【0087】ブラケット93の下端部にはアクチュエーター10を取付けてあり、そのレバー54の先端に設けた連結ロッド94を直接シートキャッチ8のラッチプレート72(図では見えない、図6参照)へ連結してある。
【0088】図中の符号95はオイルタンクであり、物入れ5の後部隅に設けられたポケット96内へ収容されている。
【0089】このようにするとアクチュエーター10を直接シートキャッチ8と連結できるので操作ケーブル31を省略できる。
【0090】しかもシートキャッチ8の取付部を利用してアクチュエーター10の取付けをできるため、取付けが簡単になり、かつアクチュエーター10を物入れ5内へ収容することにより、さらにアクチュエーター10が外部から不用意に操作されにくくなる。
【0091】図13乃至図16はレシーバー24の取付等に関するものである。まず、図13はレシーバー24を車体カバー11前端部のシート4下方にイグニッションスイッチ18と対面させて取付けてある。
【0092】このようにすると、イグニッションスイッチ用キー36をイグニッションスイッチ18へ差し込んだままの状態で発信器37を操作できるので、わざわざイグニッションスイッチ18を切ってイグニッションスイッチ用キー36を抜いてからリモコン操作する必要がなく、操作性が良好になる。
【0093】図14及び図15は、レシーバー24を車体カバー11の後端部でリヤキャリヤ15の下方かつテールランプ11aの上方位置へ、内側又は外側から直接ネジ止めした例である。
【0094】図14は内側から取付ける例であり、車体カバー11の後端部に設けた窓穴100へ内側からレシーバー24の受信部25を嵌合し、取付部穴101と車体カバー11側の通し穴102を一致させ、この通し穴102へ外側から通したネジ103で取付ける。
【0095】このようにすると、リモコン信号を受信し易く、かつあまり目立たず体裁を保ち易くしかも窓穴100を後加工し易い場所へレシーバー24を取付けできる。
【0096】図15はレシーバー24を車体カバー11へ外付した例であり、車体カバー11後端部でリヤキャリヤ15の下方かつテールランプの上方へ直接ネジ止めしてある。このようにしても同様であり、しかも、窓穴100を形成せずに必要最小限度の加工で取付けできる【0097】図16はレシーバー24を露出させない取付例であり、車体カバー11より下方へ露出している部分、例えば、エアクリーナ13bの上面に反射テープ110を貼りつけ、この反射テープ110で反射された発信器37のリモコン信号を受信できる位置にレシーバー24を取付けてある。
【0098】レシーバー24の取付けは、物入れ5の表面、フレーム3上又はアクチュエーター10と一体化する等任意であり、このようにするとレシーバー24を露出させずに取付けできるので、車体カバー11などの外観部材へ後加工をすることなく簡単に取付けできる。
【0099】なお、パワースイングユニット13のミッション13aなどの金属部品表面を反斜面に利用することもできる。この場合、反射効率の良い反斜面があれば、この部分を直接反射部として反射テープ110を省略することも可能である。
【0100】
【発明の効果】リモコン操作でシートキャッチを解錠できるので、たくさんの荷物を持っているときや隙間なく駐車しているときでも、簡単にシートを開いて物入れを快適に使用できる。
【0101】また、アクチュエーターを、シート下方かつ車体カバー内側でシートを閉じた状態で外部から容易に手が届かない位置へ配設したので、外部から駐車中に車体カバーの内側へ手を入れてアクチュエーターへ触ることが難しくなる。
【0102】アクチュエーターを物入れと車体カバーの間へ配設すればスペース効率を高め、かつフレームへ支持させることにより、なお外部から触りにくくできる。
【0103】アクチュエーターを物入れ内へ取付ければ、シートを開けない限りやはり外部から不用意に触りにくくなる。
【0104】アクチュエーターにロストモーション機構を備えることにより、手動解錠操作用のロック装置とリモコン操作用のアクチュエータを一つのシートキャッチへ接続して使用できる。
【0105】また、アクチュエーターの動作部とシートキャッチの解錠機構部とを連結する連結部材をフレーム上方又はフレームに沿わせれば、フレームによりその下方から連結部材に触れないようにできる。
【0106】さらに、アクチュエーターと連結部材との連結部をフレームの上方に位置させれば、外部から車体カバーの内側へ手を入れてアクチェータを作動させないようにできる。
【0107】ロック装置、アクチュエーター及びシートキャッチを直列に連結すれば、物入れロック装置に対してアクチュエーターのみを連結するだけで済み、ロック装置、アクチュエーター及び物入れロック装置の各部材のレイアウトの自由度が大きくなる。
【0108】ロック装置とアクチュエーターをシートキャッチに対してそれぞれ並列にへ連結すれば、連結が簡単になる。
【0109】レシーバーを、イグニッションスイッチ近傍の車体前部又はシート前端部下方へ配置すれば、発信器がイグニッションキーと一緒に使用されても、車体前部に設けたイグニッションスイッチにイグニッションキーを差し込んだままでリモコン操作でき、操作性が向上する。
【0110】レシーバーを車体カバーの後部でキャリヤの下方に設ければ、リモコン信号を受信し易い位置へ体裁をあまり損なわずに取付けできる。
【0111】リモコン信号の反射部を設ければ、レシーバーを車体カバー内へ露出させ、外観させないようにできるので、レシーバーの取付けが容易になる。
- 【公開番号】特開平10−7053
【公開日】平成10年(1998)1月13日
【発明の名称】自動2輪車用リモコン式オープナー
- 【出願番号】特願平8−161960
【出願日】平成8年(1996)6月21日
【出願人】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 清光
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