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コンバインの水平制御装置
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- 【要約】
【課題】 機体の左右傾きの検出に基づいて、機体を水平制御するコンバインにおいて、機体回向時などにおける水平制御の誤動作を防止する。
【解決手段】 機体の左右傾きを検出する傾斜角センサ(60)の出力に基づいて、機体を水平に制御するコンバインの水平制御装置において、機体回向時の角速度を検出する角速度センサ(85)を設け、角速度の一定値以上を検出するとき水平制御を禁止する。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 機体の左右傾きを検出する傾斜角センサの出力に基づいて、機体を水平に制御するコンバインの水平制御装置において、機体回向時の角速度を検出する角速度センサを設け、角速度の一定値以上を検出するとき水平制御を禁止するように設けたことを特徴とするコンバインの水平制御装置。
【請求項2】 機体の左右傾きを検出する傾斜角センサの出力に基づいて、機体を水平に制御するコンバインの水平制御装置において、機体回向時の角速度を検出する角速度センサを設け、角速度の一定値以上を検出するとき、この検出値に基づいて傾斜角センサの出力値或いは水平制御の基準値を補正するように設けたことを特徴とするコンバインの水平制御装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はコンバイン機体の左右両側をクローラなど走行部に支持高さ調節自在に支持して機体を水平に維持するコンバインの水平制御装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】機体回向時などにあって刈取部を上限一定高さまで上昇させるとき、水平制御を禁止すると共に、刈取部を下限一定高さまで下降させるとき、水平制御の禁止を解除させるようにした手段があるが、機体の左右傾きを検出する傾斜角センサが振り子式の場合、機体回向時などに遠心力で誤出力するなどして正確でなく、回向後の刈始めに圃場に突込むことがある。
【0003】
【課題を解決するための手段】したがって本発明は、機体の左右傾きを検出する傾斜角センサの出力に基づいて、機体を水平に制御するコンバインの水平制御装置において、機体回向時の角速度を検出する角速度センサを設け、角速度の一定値以上を検出するとき水平制御を禁止して、機体回向時などの傾斜角センサの不適正出力時(振り子式傾斜角センサが誤出力する)には、水平制御の禁止によってこの制御の誤動作を防止して水平利制御の精度向上を図るものである。
【0004】また、機体の左右傾きを検出する傾斜角センサの出力に基づいて、機体を水平に制御するコンバインの水平制御装置において、機体回向時の角速度を検出する角速度センサを設け、角速度の一定値以上を検出するとき、この検出値に基づいて傾斜角センサの出力値或いは水平制御の基準値を補正して、機体回向時などの傾斜角センサの不適正出力時には、回向角速度の変化に応じただけ制御量を補正して、機体の水平を適正維持させるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は制御回路図、図2はコンバインの全体側面図、図3は同平面図であり、図中(1a)(1b)は走行部である左右走行クローラ(2a)(2b)を装設するトラックフレーム、(3)は前記トラックフレーム(1a)(1b)に架設する機台、(4)はフィードチェン(5)を左側に張架し扱胴(6)及び処理胴(7)を内蔵している脱穀部、(8)は刈刃(9)及び穀稈搬送機構(10)などを備える刈取部、(11)は刈取フレーム(12)を介して刈取部(8)を昇降させる油圧刈取昇降シリンダ、(13)は排藁チェン(14)終端を臨ませる排藁処理部、(15)は脱穀部(4)からの穀粒を揚穀筒(16)を介して搬入する穀物タンク、(17)は前記タンク(15)の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、(18)は操向ハンドル(19b)など運転操作部(19)及び運転席(20)を備える運転キャビン、(21)は運転キャビン(18)下方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0006】図4乃至図5に示す如く、左右の前記走行クローラ(2a)(2b)は機台(3)側のミッションケース(22)に取付く駆動スプロケット(23)と、前記トラックフレーム(1a)(1b)に取付く複数のトラックローラ(24)及びイコライザ転輪(25)及び遊動輪(26)とで支持すると共に、前記トラックフレーム(1a)(1b)を前後横枢支軸(27)(28)及び前後ベルクランクリンク(29)(30)を介して上下昇降自在に機台(3)に支持させている。前記クランクリンク(29)(30)は機台(3)下部の前後連結横フレーム(31)(32)に各軸受(33)(34)及び支軸(35)(36)を介して中間をそれぞれ揺動自在に支持させ、前記枢支軸(27)(28)を該リンク(29)(30)の一端側に可回動に支持すると共に、前後クランクリンク(29)(30)の他端側間を軸(37)(38)及びロッド(39)を介し相互に連動連結させ、機台(3)にブラケット(40)を介し基端を枢支する左右の油圧昇降シリンダ(41)(42)のピストンロッド(41a)(42a)先端に前記後クランクリンク(30)の他端を枢軸(43)を介して連結させて、左右走行クローラ(2a)(2b)にそれぞれ備える前記シリンダ(41)(42)のピストンロッド(41a)(42a)を適宜伸縮動作させることにより機台(3)に対し左右のトラックフレーム(1a)(1b)を各別に上下動させて、左右走行クローラ(2a)(2b)による機台(3)の支持高さつまり車高(H)を可変させるように構成している。
【0007】また、前記車高(H)を検出する左右の車高センサ(44a)(44b)を機台(3)に設けるもので、機台(3)のアーム軸(45)に一体揺動自在に第1及び第2揺動アーム(46)(47)の基端を支持させ、第1揺動アーム(46)の先端と前記軸(38)間を第1検出ロッド(48)で連結させると共に、機台(3)のセンサケース(49)内に設置するポテンショメータ(50)のメータアーム(51)と第2揺動アーム(47)の先端間を第2検出ロッド(52)で連結させて、左右昇降シリンダ(41)(42)の伸縮動作でもってクランクリンク(30)が揺動つまり車高(H)が変化するとき、この変化量をポテンショメータ(50)で検出するように構成している。
【0008】図6に示す如く、前記運転操作部(19)の操作パネル(19a)には手動操作により車高及び左右傾斜を調節する十字傾動式の手動操作部材である優先手動スイッチ(53)と、走行速度を変速操作する主及び副変速レバー(54)(55)と、脱穀クラッチを入切する脱穀クラッチレバー(56)と、機台(3)の基準となる車高(H)を無段階に設定する車高設定ボリュム(57)と、機台(3)の基準となる左右傾斜角を無段階に設定する傾斜角設定ボリュム(58)と、車速など各種表示や設定操作を行う総合表示器(59)などを備えると共に、機台(3)の左右傾斜を検出する振り子式などの傾斜角センサ(60)と、コントローラ(61)を操作パネル(19a)内に備えている。
【0009】図7乃至図9に示す如く、前記主変速レバー(54)のノブ(54a)前面右側に刈取部(8)の上下調節を行う刈取昇降スイッチ(62)を、まだ前面左側に脱穀部(4)に挿入する穀稈の扱深さを調節する扱深さスイッチ(63)を設けると共に、ノブ(54a)の運転席(20)側となる右側面に、刈取部(8)を一定高さまで上昇させるとき刈取クラッチを自動的に切とするオートリフトスイッチ(64a)と、刈取部(8)を一定高さまで下降させるとき刈取クラッチを自動的に入とさせるオートセットスイッチ(64b)とを設けて、主変速レバー(54)を左手で握った状態で、親指によってオートリフト及びオートセットスイッチ(64a)(64b)を、また人差し指で刈取昇降スイッチ(62)を、さらに中指で扱深さスイッチ(63)をそれぞれ操作するように構成している。
【0010】また前記刈取昇降スイッチ(62)は左側に並設される扱深さスイッチ(63)の上下長さ(L2)より該昇降スイッチ(62)の上下長さ(L1)を大で、軸径も大きい大形に形成して、扱深さスイッチ(63)との判別を正確なものとさせると共に、該スイッチ(62)の上端に凹状の陥没部(62a)を形成して、人差し指(H)先端を陥没部(62a)内に挿入してこのスイッチ(62)の確実な操作を可能とさせるように構成している。
【0011】図10に示す如く、左右の油圧昇降シリンダ(41)(42)を駆動制御する電磁切換弁(65)(66)と、前記排出オーガ(17)の昇降シリンダ(67)を駆動制御する電磁切換弁(68)と、前記刈取部(8)の昇降シリンダ(11)を駆動制御する電磁切換弁(69)とに油圧ポンプ(70)を接続させるもので、フローコントロールバルブ(71)を形成するリリーフ弁(72)を介して油圧ポンプ(70)に前記電磁切換弁(69)を接続させ、チェック弁(73)及び絞り弁(74)で形成するスローリターンバルブ(75)とチェック弁(76)とを介して前記電磁切換弁(69)のAポート(A)に昇降シリンダ(11)を接続させ、エンジン(21)によって駆動する油圧ポンプ(70)の高圧油を前記電磁切換弁(69)を介して昇降シリンダ(11)に供給すると共に、前記電磁切換弁(69)のBポート(B)に他の切換弁(65)(66)(68)を接続させるように構成している。
【0012】また、並列に設ける可変絞り型昇降速度制御弁(77)及び手動緊急下降弁(78)をスローリターンバルブ(75)を介して昇降シリンダ(11)に接続させ、昇降速度制御弁(77)または緊急下降弁(78)を介して昇降シリンダ(11)の作動油を油タンク(79)に戻すと共に、パルス幅変調制御(PWM)用調速ソレノイド(80)を有する比例電磁油圧切換弁で形成する高速応答電磁弁(81)を備え、フローコントロールバルブ(71)の絞り弁(82)を昇降速度制御弁(77)のパイロットポート(83)に高速応答電磁弁(81)を介して接続させている。
【0013】そして、電磁切換弁(69)を切換えて昇降シリンダ(11)によって刈取部(8)を上昇させる場合、調速ソレノイド(80)をパルス幅変調制御(PWM)によって作動させ、電磁弁(81)によって適宜油圧に調整されたパイロット圧が昇降速度制御弁(77)に作用し、該制御弁(77)の絞り度合いが任意に変化し、前記制御弁(77)の絞り度合いに応じて作動速度が調節された昇降シリンダ(11)によって刈取部(8)を上昇するように構成すると共に、刈取部(8)を下降させる場合、電磁切換弁(69)を中立またはBポート(B)側に切換え、電磁弁(81)を前記と同様にパルス幅変調制御(PWM)によって作動させ、パイロット圧の調節によって昇降速度制御弁(77)の絞り開度を調節し、油圧シリンダ(11)の作動速度を調節して刈取部(8)を下降させるように構成している。
【0014】そして図1に示す如く、左右車高センサ(44a)(44b)と、傾斜角センサ(60)と、車高設定ボリュム(57)と、傾斜角設定ボリュム(58)と、手動スイッチ(53)と、圃場(地上)面に対する刈取部(8)の刈刃(9)の支持高さである穀稈刈高さを検出する超音波式刈高センサ(84)と、機体に備えて機体回向時に回向角速度を検出する角速度センサ(85)と、前記オートリフトスイッチ(64a)及びオートセットスイッチ(64b)の操作でもって刈取部(8)を一定高さまで上昇或いは下降させるとき刈取クラッチを自動で入切させるためのオートクラッチスイッチ(86)と、前記オートリフト及びオートセットスイッチ(64a)(64b)とをコントローラ(61)に接続させると共に、前記昇降シリンダ(41)(42)を駆動制御する電磁切換弁(65)(66)の上昇及び下降用ソレノイド(65a)(65b)・(66a)(66b)と、前記電磁切換弁(69)の上昇及び下降用ソレノイド(69a)(69b)とに前記コントローラ(61)を接続させて、機体の水平制御を行うように構成している。
【0015】而して、前記電磁切換弁(69)によって刈取部(8)の刈高さ上昇出力制御中は、水平制御用のシリンダ(41)(42)及び排出オーガ(17)の昇降シリンダ(67)への油圧供給が停止(油圧回路が刈取上昇優先のため)され、水平制御は禁止される。
【0016】また上記以外にあっては図11のフローチャートに示す如き、機体回向時の回向角速度が一定以上となるとき水平制御が禁止されるもので、刈取作業中傾斜角センサ(60)及び角速度センサ(85)で機体の左右傾斜角及び回向角速度が入力され、回向時以外の回向角速度が一定以内のときには、機体の左右傾斜角を設定の一定値以内に保つ水平制御が行われる一方、機体回向時の回向角速度が一定値以上となるときには、水平制御は禁止され、その直前の傾斜角を保った状態で回向作業が行われ、回向角速度が再び一定値以内となるとき水平制御が再開される。
【0017】また図12に示すものは、回向角速度が一定値以内のときには傾斜角センサ(60)の入力値をそのまま傾斜角として用いて制御を行う一方、回向角速度が一定値以上のときには、その角速度に応じて傾斜角センサ(60)の入力値に補正を加えて、この補正後の入力値(傾斜角)と設定値との関係に基づいた水平制御を行うものである。
【0018】さらに図13に示すものは、回向角速度が一定値以内のときには傾斜角設定ボリュム(58)の設定値をそのまま基準値(基準傾斜角)として用いて制御を行う一方、回向角速度が一定値以上のときには、その角速度に応じて傾斜角設定ボリュム(58)の設定値に補正を加えて、この補正後の設定値と傾斜角センサ(60)の入力値(傾斜角)との関係に基づいた水平制御を行うものである。
【0019】このように機体の回向などで回向角速度が一定以上となるときには、機体の水平制御を中止、或いは制御の制御量を補正して、水平制御が誤動作するのを防止して、回向後の刈始めなどに刈取部(8)先端が圃場に突込むなどの不都合を解消させるものである。
【0020】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明は、機体の左右傾きを検出する傾斜角センサ(60)の出力に基づいて、機体を水平に制御するコンバインの水平制御装置において、機体回向時の角速度を検出する角速度センサ(85)を設け、角速度の一定値以上を検出するとき水平制御を禁止するものであるから、機体回向時などの傾斜角センサ(60)の不適正出力時(振り子式傾斜角センサ(60)が遠心力で誤出力する)には、水平制御の禁止によってこの制御の誤動作を防止して、水平利制御の精度向上を図ることができるものである。
【0021】また、機体の左右傾きを検出する傾斜角センサ(60)の出力に基づいて、機体を水平に制御するコンバインの水平制御装置において、機体回向時の角速度を検出する角速度センサ(85)を設け、角速度の一定値以上を検出するとき、この検出値に基づいて傾斜角センサ(60)の出力値或いは水平制御の基準値を補正するものであるから、機体回向時などの傾斜角センサ(60)の不適正出力時には、回向角速度の変化量に応じただけ制御量を補正して、機体の水平を適正維持させることができるものである。
- 【公開番号】特開平11−18550
【公開日】平成11年(1999)1月26日
【発明の名称】コンバインの水平制御装置
【発明者】
【氏名】中 川 渉
【氏名】水 倉 泰 治
【氏名】梶 岡 律 子
【氏名】戸 波 照 喜
- 【出願番号】特願平9−193102
【出願日】平成9年(1997)7月2日
【出願人】
【識別番号】000006851
【氏名又は名称】ヤンマー農機株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 忠治
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