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コンバイン等の引起装置
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- 【要約】
【課題】前側カバ−の取付強度を増して、該前側カバ−下部の変形や振動を少なくすると共に、この前側カバ−の着脱作業を容易に行なえるものとして、作業能率を向上させる。
【解決手段】第1の手段として、後側ケ−ス8の上部に配置する駆動輪と下部に配置する従動輪18とにわたって多数の引起ラグを備えた無端チェンを券回し、無端チェンの券回域前側を覆う前側カバ−9を、係合部34,34と、係合部28との係合によって、後側ケ−ス8に対して着脱可能に構成する。また、上部係合部34,28の相対的上下動と、係脱切換機構の手動操作具による切換操作によって、後側ケ−ス8に対して着脱可能に構成する。以上より成るコンバイン等の引起装置の構成とする。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 後側ケ−ス8の上部に配置する駆動輪14と下部に配置する従動輪18とにわたって多数の引起ラグ11を備えた無端チェン12を券回し、該無端チェン12の券回域前側を覆う前側カバ−9を、該前側カバ−9の上下に設けた係合部34,34と、前記後側ケ−ス8の上部に設けた上部係合部28及び従動輪18の近傍に設けた下部係合部28との係合によって、前記後側ケ−ス8に対して着脱可能に構成したことを特徴とするコンバイン等の引起装置。
【請求項2】 後側ケ−ス8の上部に配置する駆動輪14と下部に配置する従動輪18とにわたって多数の引起ラグ11を備えた無端チェン12を券回し、該無端チェン12の券回域前側を覆う前側カバ−9を、該前側カバ−9の上部と前記後側ケ−ス8の上部とに夫々設けた上部係合部34,28の相対的上下動と、前記従動輪18部位において前側カバ−9と後側ケ−ス8との間に形成した係脱切換機構45,46,52の手動操作具49による切換操作によって、前記後側ケ−ス8に対して着脱可能に構成したことを特徴とするコンバイン等の引起装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバイン等の引起装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、コンバインの刈取部等には、圃場に植立する穀稈を引起すために、引起装置を設けている。この引起装置は、後側ケ−スの上部に配置する駆動輪と下部に配置する従動輪とにわたって多数の引起ラグを備えた無端チェンを券回し、該無端チェンの券回域前側を覆う前側カバ−を設けた構成である。
【0003】また、前記前側カバ−を、該前側カバ−の上部及び中間部に設けた係合部と、前記後側ケ−スの上部及び中間部に設けた係合部との係合によって、前記後側ケ−スに対して着脱可能に構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術においては、後側ケ−スと前側カバ−との係合部が、上部と中間部とにしか設けられていないため、下部、即ち、無端チェンを券回した従動輪付近において、前側カバ−を固定する強度が不足する。このため、前側カバ−を後側ケ−スの前面に対して確実に固定することができず、前側カバ−の下部が、外力によって変形して開いたり、作業中の振動によって共振する等の欠点を有するものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の如き課題を解決するために、以下のような技術的手段を講じる。即ち、請求項1記載のように、後側ケ−ス8の上部に配置する駆動輪14と下部に配置する従動輪18とにわたって多数の引起ラグ11を備えた無端チェン12を券回し、該無端チェン12の券回域前側を覆う前側カバ−9を、該前側カバ−9の上下に設けた係合部34,34と、前記後側ケ−ス8の上部に設けた上部係合部28及び従動輪18の近傍に設けた下部係合部28との係合によって、前記後側ケ−ス8に対して着脱可能に構成したことを特徴とするコンバイン等の引起装置、及び、請求項2記載のように、後側ケ−ス8の上部に配置する駆動輪14と下部に配置する従動輪18とにわたって多数の引起ラグ11を備えた無端チェン12を券回し、該無端チェン12の券回域前側を覆う前側カバ−9を、該前側カバ−9の上部と前記後側ケ−ス8の上部とに夫々設けた上部係合部34,28の相対的上下動と、前記従動輪18部位において前側カバ−9と後側ケ−ス8との間に形成した係脱切換機構45,46,52の手動操作具49による切換操作によって、前記後側ケ−ス8に対して着脱可能に構成したことを特徴とするコンバイン等の引起装置としたものである。
【0006】これにより、例えば、コンバイン作業においては、圃場に植立する穀稈を複数の分草体によって分草し、この分草された穀稈を引起装置によって引起し、この引起された穀稈を刈刃によって刈り取り、脱穀装置へ供給して脱穀処理する。このような穀稈の引起しにおいては、後側ケ−ス8の上部に配置する駆動輪14を駆動することにより、該駆動輪14と下部に配置する従動輪18とにわたって巻回した無端チェン12を駆動し、該無端チェン12に備えた多数の引起ラグ11を移動させ、この上昇移動中の引起ラグ11によって穀稈を引き起こす。
【0007】一方、引起装置の内部に溜った藁屑等の除去や、無端チェン12のメンテナンス等を行なう際には、前側カバ−9を無端チェン12の券回域前側から取り外し、この作業終了後、再び、前側カバ−9を後側ケ−ス8に取り付ける。しかして、請求項1記載の発明においては、前側カバ−9を、該前側カバ−9の上下に設けた係合部34,34と、後側ケ−ス8の上部に設けた上部係合部28及び従動輪18の近傍に設けた下部係合部28との係合によって、前記後側ケ−ス8に対して取り付ける構成である。
【0008】従って、前側カバ−9を、その上部の位置と、従動輪18の近傍という低い位置とにおいて後側ケ−ス8に対して固定できるため、この前側カバ−9下部の取付強度が増す。また、請求項2記載の発明においては、前側カバ−9を、該前側カバ−9の上部と後側ケ−ス8の上部とに夫々設けた上部係合部34,28の相対的上下動と、従動輪18部位において前側カバ−9と後側ケ−ス8との間に形成した係脱切換機構45,46,52の手動操作具49による切換操作によって、後側ケ−ス8に対して取り付ける構成である。
【0009】従って、前側カバ−9を、その上部の位置と、従動輪18部位という低い位置とにおいて後側ケ−ス8に対して固定できるため、この前側カバ−9下部の取付強度が増す。そして、この前側カバ−9の上下動によって前側カバ−9の上部と後側ケ−ス8の上部とに夫々設けた上部係合部34,28を係合させ、手動操作具49の操作によって係脱切換機構45,46,52を係合状態に切り換えることで、前側カバ−9の装着が行なえるため、この前側カバ−9の着脱作業が容易となる。
【0010】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明においては、後側ケ−ス8の上部に配置する駆動輪14と下部に配置する従動輪18とにわたって多数の引起ラグ11を備えた無端チェン12を券回し、該無端チェン12の券回域前側を覆う前側カバ−9を、該前側カバ−9の上下に設けた係合部34,34と、前記後側ケ−ス8の上部に設けた上部係合部28及び従動輪18の近傍に設けた下部係合部28との係合によって、前記後側ケ−ス8に対して着脱可能に構成したことを特徴とするコンバイン等の引起装置としたので、前側カバ−9の取付強度が増し、該前側カバ−9下部の変形や振動を少なくすることができる。
【0011】また、請求項2記載の発明においては、後側ケ−ス8の上部に配置する駆動輪14と下部に配置する従動輪18とにわたって多数の引起ラグ11を備えた無端チェン12を券回し、該無端チェン12の券回域前側を覆う前側カバ−9を、該前側カバ−9の上部と前記後側ケ−ス8の上部とに夫々設けた上部係合部34,28の相対的上下動と、前記従動輪18部位において前側カバ−9と後側ケ−ス8との間に形成した係脱切換機構45,46,52の手動操作具49による切換操作によって、前記後側ケ−ス8に対して着脱可能に構成したことを特徴とするコンバイン等の引起装置としたので、前側カバ−9の取付強度が増し、該前側カバ−9下部の変形や振動を少なくすることができると共に、この前側カバ−9の着脱作業が容易となり、作業能率を向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図により説明すると、1はコンバインの走行装置、2は該走行装置1の上方に設けた脱穀装置、3は前記走行装置1の前方に設けた刈取部、4は前記刈取部3の最先端に設けられた分草体、5は分草体4の後方左右側に所定間隔を置いて複数設けられた穀稈引起装置、6は刈刃であり、前記引起装置5等は前記刈取部3の刈取部フレ−ム7に取付けられている。
【0013】前記各引起装置5は、前記刈取部フレ−ム7側に固定の後側ケ−ス8と該後側ケ−ス8に着脱自在に取付けられる前側カバ−9とに分割可能に形成した引起ケ−ス10内に、引起ラグ11を所定間隔を置いて起伏自在に取付けた無端チェン12の駆動機構を設けて構成される。前記後側ケ−ス8の上部には、前記刈取部フレ−ム7に基部を取付けた伝動ケ−ス13の下部を固定する。該伝動ケ−ス13と前記後側ケ−ス8の上部との取付部には前記無端チェン12の駆動歯車(駆動輪)14を軸装し、該駆動歯車14の近傍にはテンション歯車15を移動自在に設ける。16は前記テンション歯車15を前記無端チェン12の緊張方向に移動するように付勢するバネである。前記後側ケ−ス8内の下部にはボス17を設け、該ボス17に下部案内ロ−ラ−(従動輪)18を回転のみ自在に嵌合させ、前記駆動歯車14とテンション歯車15と下部案内ロ−ラ−18とに前記無端チェン12を掛け回す。
【0014】しかして、前記引起ケ−ス10の一側は前記引起ラグ11が起立状態で上昇する作用側に形成し、前記引起ケ−ス10の他側は前記引起ラグ11が倒伏状態で下降する非作用側となるが、作用側の後側ケ−ス8と前側カバ−9との間には前記引起ラグ11を起立状態に案内するラグガイド20を設ける。前記ラグガイド20は、前板21と後板22と作用側の側板23とにより断面形状をチャンネル形状であって、前記引起ラグ11の移動方向に長く形成し、前記側板23には非作用側に凹こむ前記無端チェン12の通路24を形成する。前記前板21と後板22には前後に貫通する挿入孔25を形成する。また、本実施の形態のラグガイド20は上下に三分割形成しているが、一体または複数の分割形成いずれでもよい。
【0015】前記後側ケ−ス8の後板26には前記前側カバ−9側に突出する複数の突起27群を形成する。突起27は、前端部(先端部)に係合溝(上部係合部、下部係合部)28を有する係合突起29と前記ラグガイド20の挿入孔25内に挿入される挿入突起30との二種類に形成され、係合突起29と挿入突起30は所定の上下間隔を置いて適宜配置される。
【0016】前記前側カバ−9の前板31の内側には係合板32を所定の隙間33を有して重合するように固定し、係合板32には前記係合突起29の係合溝28が係合する係合部34を形成する。係合部34は、前記係合突起29の頭部を挿入する挿入孔部35と、前記係合溝28が係合する係合孔部36とを有し、挿入孔部35と係合孔部36とは連通形成している。
【0017】前記ラグガイド20は、前板21と後板22の挿入孔25を前記突起27に挿入し、後側ケ−ス8に前側カバ−9を取付けると、後側ケ−ス8の後板26と前側カバ−9の係合板32とにより挾持されて固定される。40は前記前側カバ−9を後側ケ−ス8に固定するために設けた係合突起であり、係合突起40には前記後側ケ−ス8に設けた係合フック41を係合させる。42は係合フック41の取付杆である。
【0018】また、引起ケ−ス10の下部には、下部ロック装置43を設ける。前記下部案内ロ−ラ−18の後側に位置する後側ケ−ス8の後面にはステ−44を固定し、該ステ−44に前記下部案内ロ−ラ−18のボス17の後端部を固定する。ボス17には溝を形成し、該溝からボス17内に出入する係合フック45、46を設ける。係合フック45、46は上部を交差させ、該交差部を軸47により前記ステ−44に軸着する。48は係合フック45、46を前記ボス17内に突き出るように付勢するバネ、49は係合フック45、46を開かせるツマミ(手動操作具)である。
【0019】他方、前記前側カバ−9には、前記係合フック45、46に係合するロックピン50を挿入する挿入孔51を形成する。ロックピン50は挿入孔51より前記ボス17内に挿入すると、ロックピン50の先端の係合溝52に前記係合フック45、46が係合して、引起ケ−ス10の下部をロックする。これら、係合フック45,46、係合溝52により、係脱切換機構を構成するものである。
【0020】なお、前記ラグガイド20は、後側ケ−ス8の後板26と前側カバ−9の係合板32との間に挾持される厚さに形成し、後側ケ−ス8と前側カバ−9とにより前後に挾持されるように構成する。また、前記突起27のうち前記係合突起29は、前記ロックガイド20の前板21よりも前側に突き出して更に前側カバ−9の係合板32よりも突出するように形成するが、挿入突起30は前記係合突起29の係合溝28より先側の長さ分短かく形成し、挿入突起30の先端は前記前側カバ−9の前板31の内面に当接するように構成する。
【0021】次に、上記構成に基づく作用を述べる。前記引起装置5の引起ケ−ス10は前記刈取部フレ−ム7側に固定の後側ケ−ス8と該後側ケ−ス8に着脱自在に取付けられる前側カバ−9とに分割可能に形成し、前記後側ケ−ス8の後板26には前記前側カバ−9側に突出する突起27群を形成しているから、ラグガイド20の挿入孔25を前記突起27に挿入すると、ラグガイド20は後側ケ−ス8に対して上下に不動となるように取付けられる。
【0022】前記前側カバ−9の前板31の内側には係合板32を所定の隙間33を有して重合するように固定し、係合板32には前記後側ケ−ス8に設けた突起27群のうち係合溝28を有する係合突起29が係合する係合部34を形成し、係合部34は前記係合突起29の頭部を挿入する挿入孔部35と、前記係合溝28が係合する係合孔部36とを連通形成しているから、前側カバ−9の係合部34の挿入孔部35を後側ケ−ス8の突起27の係合突起29に合せて挿入し、その後、前側カバ−9を下方に下げると、係合部34の係合孔部36に突起27の係合突起29が係合する。したがって、前記ラグガイド20は後側ケ−ス8と前側カバ−9との間に挾持され、ボルト等の固定手段を用いることなく、前後方向においても固定される。
【0023】しかして、前側カバ−9の側部には係合突起40が設けられ、後側ケ−ス8には係合フック41が設けてあるから、前記前側カバ−9の係合部34を後側ケ−ス8の係合突起29に係合させると、同時に係合突起40に係合フック41が係合して固定される。また、後側ケ−ス8の下部に設けた下部案内ロ−ラ−18を固定するボス17には該ボス17に形成した溝より出入する係合フック45、46が設けられ、ボス17の前側の前側カバ−9には挿入孔51が形成されているから、挿入孔51よりロックピン50をボス17内に挿入すると、ロックピン50の先端の係合溝52に前記係合フック45、46が係合して、引起ケ−ス10の下部をロックする。したがって、後側ケ−ス8と前側カバ−9とは固定され、作業を行なえる。
【0024】しかして、前記と反対に、係合フック45、46のツマミ49を詰まんで、係合フック45、46の内縁をボス17より外側に外すと、ロックピン50は自由状態となるから、ロックピン50を手前に引くと、前側カバ−9の下部の固定が外れる。次に、この状態で前側カバ−9を少し上方(引起ラグ11の移動方向)に引くと、前側カバ−9の係合部34と後側ケ−ス8の係合突起29との係合および係合突起40と係合フック41との係合が同時に外れて、前側カバ−9を後側ケ−ス8から簡単に外すことができるから、内部に藁屑が溜っても簡単に掃除でき、また、引起ラグ11の交換や無端チェン12の張具合調節等のメンテナンスが行なえる。
【0025】この場合、ラグガイド20は、引起ラグ11を起立状態に案内するから、上側のラグガイド20を取り外すと、引起ラグ11は起立せず、このことにより引起ラグ11の倒伏位置を変更することができる。そして、ラグガイド20は、ボルト等の固定手段を用いることなく、その挿入孔25を前記突起27に挿入するだけで取付けられているから、簡単に取外して調節することができる。
【0026】なお、前記突起27のうち挿入突起30は、前記係合突起29の係合溝28より先側の長さ分短かく形成し、挿入突起30の先端は前記前側カバ−9の前板31の内面に当接するように構成しているから、前記前側カバ−9に形成する係合部34の数を減少させるだけでなく、前記前側カバ−9の前板31の内面に当接しているので、引起ケ−ス10全体の強度を向上させる。したがって、前記ラグガイド20を外しても、引起ケ−ス10全体の強度を低下させない。
【0027】これにより、イ.引起ケ−ス10を、刈取フレ−ム7側に固定の後側ケ−ス8と着脱自在の前側カバ−9とに分割形成したことにより、引起ラグ11を軸止した無端チェン12の装着が容易になる。
ロ.後側ケ−ス8の内部には前方に突出し先端に係合溝28を有する係合突起29を複数個設け、前記係合突起29には引起ラグ11の案内用ラグガイド20を挿入して装着して取付けたから、案内用ラグガイド20は単に挿入されるのみであり、その装着が容易になる。
ハ.前側カバ−9に形成した係合部34をラグガイド20より突き出た係合突起29の係合溝28に係合させて取付るのみであるから、前側カバ−9の取付けは容易である。また前側カバ−9の内面側でラグガイド20を押さえるから、前側カバ−9はラグガイド20の押さえも兼用する。
という効果を奏する。
- 【公開番号】特開平11−32
【公開日】平成11年(1999)1月6日
【発明の名称】コンバイン等の引起装置
【発明者】
【氏名】松井 正美
【氏名】飯泉 清
【氏名】高橋 伯郎
- 【出願番号】特願平10−184711
【出願日】平成3年(1991)2月8日
【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
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