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コンバイン
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- 【要約】
【課題】 穀粒の含有水分、食味、及び外観品位などの穀粒品質に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現出することができて、穀粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などを防止できるコンバインを提供する。
【解決手段】 穀粒の含有水分を検出する水分計31と、この水分計による検出結果に基づいて採用するべきコンバイン運転状態を示す運転状態報知装置Bとを備えている。

- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 穀粒品質を検出する検出装置と、この検出装置による検出結果に基づいて採用するべきコンバイン運転状態を示す運転状態報知装置とを備えてあるコンバイン。
【請求項2】 前記検出装置が穀粒の含有水分を計測する水分計である請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】 前記検出装置が穀粒の食味を計測する食味計である請求項1記載のコンバイン。
【請求項4】 前記検出装置が穀粒の外観品位を計測する品位計である請求項1記載のコンバイン。
【請求項5】 前記検出装置が穀粒の含有水分、食味、外観品位のうちいずれか二つ以上を計測するものである請求項1記載のコンバイン。
【請求項6】 前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態として、扱胴の駆動速度状態を示すように構成してある請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項7】 前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態として、穀粒を回転スクリューによって搬送する穀粒搬送装置の駆動速度状態を示すように構成してある請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項8】 前記穀粒搬送装置が脱穀装置の二番還元装置である請求項7記載のコンバイン。
【請求項9】 前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態として、エンジンの駆動速度状態を示すように構成してある請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項10】前記運転状態報知装置は、前記駆動速度状態として、前記検出装置の検出結果に基づいて採用するべき適正な回転数を表示するように構成してある請求項6〜9のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項11】前記運転状態報知装置は、前記駆動速度状態として、前記検出装置の検出結果に基づいて人為操作するべき操作方向を表示するように構成してある請求項6〜9のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項12】前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態として、エンジンの回転数を人為的に変更調節するエンジン回転数調節手段の操作目標位置を示すように構成してある請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項13】穀粒タンクに貯留された脱穀粒の重量を示す表示装置を備えている請求項1〜12のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項14】前記検出装置による検出結果を示す品質報知装置を備えている請求項1〜13のいずれか1項に記載のコンバイン。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植立穀稈を刈り取って脱穀処理並びに選別処理を施して脱穀粒を回収するコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなコンバインにおいては、単位時間当たりの収穫量に応じて脱穀処理速度あるいは選別処理速度を調節することによって、作業効率、脱粒性能、あるいは選別精度の向上を図れるように構成されていた。一般的に、脱穀処理速度は、扱室に配備された送塵弁の開度を調節して扱室における穀粒の滞留時間を変更することによって調節されるものであり、単位時間当たりの収穫量が少ない場合には、送塵弁の開度を小さくして扱室における穀粒の滞留時間を長くすることによって、穀粒に与える扱胴の打撃を多くすることができて脱粒性能の向上を図ることができ、又逆に、単位時間当たりの収穫量が多い場合には、送塵弁の開度を大きくして扱室における穀粒の滞留時間を短くすることによって、扱室における穀粒詰まりを防止できて作業効率の向上を図れるようになっている。一方、選別処理速度は、揺動選別ケースに装備されたチャフシーブの開度を調節してチャフシーブ上での穀粒(切れワラや藁屑などを含むもの)の滞留時間を変更することによって調節されるものであり、単位時間当たりの収穫量が少ない場合には、チャフシーブの開度を小さくして漏下し難くする(チャフシーブ上での穀粒の滞留時間を長くする)ことによって、選別精度の向上を図れるとともに、穀粒を再処理用の二番回収部に多く漏下させることができて脱粒性能の向上を図ることができ、又逆に、単位時間当たりの収穫量が多い場合には、チャフシーブの開度を大きくして漏下し易くする(チャフシーブ上での穀粒の滞留時間を短くする)ことによって、チャフシーブ上での穀粒詰まりを防止できるとともに穀粒を穀粒回収用の一番回収部に多く漏下させることができて、作業効率の向上を図れるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コンバインの収穫対象となる籾などの穀粒は、同一圃場内のものであっても含有水分にバラツキのあるものであり、その含有水分が所定値(籾の場合は含水率が24〜25%)より多くなると脱穀処理時などにおいて損傷し易くなる。又、生育時の気候や養分などの影響によって食味や青米や未熟米等の発生率(外観品位)が変化するものである。
【0004】そのため、上記の従来技術のように単に単位時間当たりの収穫量に応じて脱穀処理速度あるいは選別処理速度を調節するよう構成した場合には、収穫中の穀粒が含水率の高い損傷し易いものであったとしても、含水率の低い損傷し難いものと同様に、単位時間当たりの収穫量が少なくなると、脱粒性能あるいは選別精度の向上を図る点から、脱穀処理速度あるいは選別処理速度が遅くなるように送塵弁又はチャフシーブの開度を小さくして、扱室における穀粒の滞留時間を長くするあるいは穀粒を再処理用の二番回収部に多く漏下させる、といった調節を行うようになることから、穀粒に与える扱胴の打撃などによる脱穀作用が過剰になって、穀粒を損傷させて品質を低下させる不都合が生じるようになる。又、食味が悪いあるいは外観品位が悪いものであったとしても、単位時間当たりの収穫量が少なくなると、脱穀処理速度あるいは選別処理速度が遅くなるように送塵弁又はチャフシーブの開度を小さくして、扱室又はチャフシーブ上における穀粒の滞留時間を長くして脱粒性能又は選別精度の向上を図るようになることから、不必要に作業効率が悪くなる不都合が生じるようになっていた。
【0005】本発明の目的は、穀粒の含有水分、食味、及び外観品位などの穀粒品質に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現出することができて、穀粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などを防止できるコンバインを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、穀粒品質を検出する検出装置と、この検出装置による検出結果に基づいて採用するべきコンバイン運転状態を示す運転状態報知装置とを備えてあることを特徴とした。
【0007】〔作用〕上記請求項1記載の発明によると、検出装置がコンバインにて収穫される穀粒の品質を検出し、この検出結果に基づいて運転状態報知装置が採用するべきコンバイン運転状態を示すようになることから、運転状態報知装置にて示されたコンバイン運転状態に基づいてコンバイン運転状態を変更することによって、収穫される穀粒の品質に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現出することができるようになる。そしてこれによって、穀粒の品質を考慮した適切な脱穀処理や選別処理などを行えるようになることから、品質の良い穀粒であるにもかかわらず過脱穀などにより穀粒を損傷させて品質を低下させる、あるいは、品質の悪い穀粒であるにもかかわらず脱粒性能又は選別精度の向上を図ることによって不必要な作業効率の低下を招く、などの不都合が生じることを防止できるようになる。尚、運転状態報知装置としては、液晶表示式や音声出力式のものなどを採用することができる。
【0008】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現出することができて、穀粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などを防止できるコンバインを提供し得るに至った。
【0009】本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記検出装置が穀粒の含有水分を計測する水分計であることを特徴とした。
【0010】〔作用〕上記請求項2記載の発明によると、先述したように穀粒は含有水分が所定値(籾の場合は例えば含水率24〜25%)より多くなると損傷し易くなることから、検出装置としての水分計により検出される穀粒の含有水分が所定値を越えるのに伴って、運転状態報知装置が穀粒の損傷を回避できるコンバイン運転状態(例えば送塵弁又はチャフシーブの開度を大きくする)を示すようになる。そして、この運転状態報知装置に示されたコンバイン運転状態を現出させることによって、例えば穀粒に対する脱穀作用が過剰になって損傷させる不都合などが生じることを防止でき、もって、損傷による穀粒の品質低下を防止することができるようになる。又逆に、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値以下になるのに伴って、報知装置が穀粒の脱粒を促進させることのできるコンバイン運転状態(例えば送塵弁又はチャフシーブの開度を小さくする)を示すようになることから、この運転状態報知装置に示されたコンバイン運転状態を現出させることによって脱粒性能の向上を図れるようになる。
【0011】尚、先述したように、送塵弁の開度を大きくすると、扱室における穀粒の滞留時間を短くすることができて穀粒に与える扱胴の打撃を少なくすることができ、又逆に、送塵弁の開度を小さくすると、扱室における穀粒の滞留時間を長くすることができて穀粒に与える扱胴の打撃を多くすることができるようになることから、含有水分が所定値より多く損傷し易い穀粒に対しては、送塵弁の開度を大きくすることによって損傷による穀粒の品質低下を防止することができ、又逆に、含有水分が所定値以下で損傷し難い穀粒に対しては、送塵弁の開度を小さくすることによって脱粒性能の向上を図ることができるのである。一方、チャフシーブの開度を大きくすると、穀粒を穀粒回収用の一番回収部に多く漏下させることができて再処理用の二番回収部への漏下を抑制することができ、又逆に、チャフシーブの開度を小さくすると、穀粒を再処理用の二番回収部に多く漏下させることができるようになることから、含有水分が所定値より多く損傷し易い穀粒に対しては、チャフシーブの開度を大きくすることによって損傷による穀粒の品質低下を防止することができ、又逆に、含有水分が所定値以下で損傷し難い穀粒に対しては、チャフシーブの開度を小さくすることによって脱粒性能の向上を図ることができるのである。
【0012】〔効果〕従って、穀粒の含有水分に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現出させることができて、過脱穀などに起因した損傷による穀粒品質の低下を防止することや、脱粒性能の向上を図ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0013】本発明のうちの請求項3記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記検出装置が穀粒の食味を計測する食味計であることを特徴とした。
【0014】〔作用〕上記請求項3記載の発明によると、検出装置としての食味計により検出される穀粒の食味が高くなると、運転状態報知装置が穀粒の損傷を回避できるコンバイン運転状態(例えば送塵弁又はチャフシーブの開度を大きくする)を示すようになる。そして、ここで示されたコンバイン運転状態を現出させることによって、例えば穀粒に対する脱穀作用が過剰になって損傷させる不都合などが生じることを防止でき、もって、食味の高い穀粒の損傷による品質低下を防止することができるようになる。又、検出装置により検出される穀粒の食味が低くなると、運転状態報知装置が作業効率の向上を図ることのできるコンバイン運転状態(例えば送塵弁又はチャフシーブの開度をより大きくする)を示すようになる。そして、ここで示されたコンバイン運転状態を現出させることによって、食味の低い穀粒であるにもかかわらず脱粒性能や選別精度の向上を図るために不必要に作業効率が悪くなることを防止できるようになる。
【0015】〔効果〕従って、穀粒の食味に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現出させることができて、食味の高い穀粒の過脱穀などに起因した損傷による品質低下を防止できるとともに、食味の低い穀粒に対する作業効率の向上を図ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0016】本発明のうちの請求項4記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記検出装置が穀粒の外観品位を計測する品位計であることを特徴とした。
【0017】〔作用〕上記請求項4記載の発明によると、検出装置としての品位計により検出される穀粒の外観品位が高くなると、報知装置が穀粒の損傷を回避できるコンバイン運転状態(例えば送塵弁又はチャフシーブの開度を大きくする)を示すようになる。そして、ここで示されたコンバイン運転状態を現出させることによって、例えば穀粒に対する脱穀作用が過剰になって損傷させる不都合などが生じることを防止でき、もって、外観品位の高い穀粒の損傷による品質低下を防止することができるようになる。又、検出装置により検出される穀粒の外観品位が低くなると、運転状態報知装置が作業効率の向上を図ることのできるコンバイン運転状態(例えば送塵弁又はチャフシーブの開度をより大きくする)を示すようになる。そして、ここで示されたコンバイン運転状態を現出させることによって、外観品位の低い穀粒であるにもかかわらず脱粒性能や選別精度の向上を図るために不必要に作業効率が悪くなることを防止できるようになる。
【0018】〔効果〕従って、穀粒の外観品位に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現出させることができて、外観品位の高い穀粒の過脱穀などに起因した損傷による品質低下を防止できるとともに、外観品位の低い穀粒に対する作業効率の向上を図ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0019】本発明のうちの請求項5記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、前記検出装置が穀粒の含有水分、食味、外観品位のうちのいずれか二つ以上を計測するものであることを特徴とした。
【0020】〔作用〕上記請求項5記載の発明によると、検出装置が収穫される穀粒の含有水分(傷つき易さ)、食味、外観品位のうちのいずれか二つ以上を検出し、この検出結果に基づいて報知装置が採用するべきコンバイン運転状態を示すようになることから、報知装置にて示されたコンバイン運転状態を現出させることによって収穫される穀粒の品質に対してより適切なコンバイン運転状態を容易に現出することができるようになる。そしてこれによって、穀粒の品質をより考慮したより適切な脱穀処理や選別処理などを行えるようになることから、品質の良い穀粒であるにもかかわらず過脱穀などにより穀粒を損傷させて品質を低下させる、あるいは、品質の悪い穀粒であるにもかかわらず脱粒性能又は選別精度の向上を図ることによって不必要な作業効率の低下を招く、などの不都合が生じることをより効果的に防止できるようになる。
【0021】〔効果〕従って、穀粒品質に対してより適切なコンバイン運転状態を容易に現出することができて、穀粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などをより効果的に防止できるコンバインを提供し得るに至った。
【0022】本発明のうちの請求項6記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態として、扱胴の駆動速度状態を示すように構成してあることを特徴とした。
【0023】〔作用〕上記請求項6記載の発明によると、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が高くなるといった場合には、運転状態報知装置がコンバイン運転状態として扱胴の駆動速度の減速を示すようになり、これに応じて扱胴の駆動速度を減速させることによって、脱穀処理の際に穀粒に与える扱胴の打撃力を弱めることができる(自脱型コンバインにおいてはフィードチェーンとの相対的な速度差から穀粒に与える扱胴の打撃数を少なくすることもできる)ので、扱胴の打撃による穀粒の損傷を防止することができるようになる。又、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値以下になる、穀粒の食味が低くなる、あるいは穀粒の外観品位が低くなるといった場合には、運転状態報知装置がコンバイン運転状態として扱胴の駆動速度の増速を示すようになり、これに応じて扱胴の駆動速度を増速させることによって、脱穀処理の際に穀粒に与える扱胴の打撃力を強めることができるとともに扱室における穀粒の滞留時間を短くすることができるので、脱粒性能及び脱穀作業効率の向上を図れるようになる。
【0024】しかも、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が高くなるといった場合において、選別精度の向上を図るためにチャフシーブの開度を小さくすることによって多くの穀粒が再処理用の二番回収部に漏下して扱室に還元されるようになったとしても、報知装置の示すコンバイン運転状態に応じて扱胴の駆動速度を減速させていることから、穀粒の過脱穀に起因した損傷を抑制できるようになる。
【0025】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた脱穀処理状態を容易に現出させることができて、傷つき易い穀粒や品質の高い穀粒の過脱穀に起因した損傷による品質低下を防止できるとともに、傷つき難い穀粒や品質の低い穀粒に対する脱粒性能や脱穀作業効率の向上、更には、選別精度の向上と過脱穀による損傷防止の両立を図ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0026】本発明のうちの請求項7記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態として、穀粒を回転スクリューによって搬送する穀粒搬送装置の駆動速度状態を示すように構成してある特徴とした。
【0027】〔作用〕上記請求項7記載の発明によると、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が高くなるといった場合には、報知装置がコンバイン運転状態として穀粒搬送装置の駆動速度の減速を示すようになり、これに応じて穀粒搬送装置の駆動速度を減速させることによって、穀粒搬送装置による穀粒搬送の際に穀粒が受ける回転スクリューとの間での摩擦力を弱めることができるので、回転スクリューとの摩擦による穀粒の損傷を防止することができるようになる。又、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値以下になる、穀粒の食味が低くなる、あるいは穀粒の外観品位が低くなるといった場合には、報知装置がコンバイン運転状態として穀粒搬送装置の駆動速度の増速を示すようになり、これに応じて穀粒搬送装置の駆動速度を増速させることによって、穀粒搬送装置による穀粒搬送効率の向上を図れるようになる。
【0028】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた穀粒搬送状態を容易に現出させることができて、傷つき易い穀粒や品質の高い穀粒の搬送負荷に起因した損傷による品質低下を防止できるとともに、傷つき難い穀粒や品質の低い穀粒の搬送効率の向上を図ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0029】本発明のうちの請求項8記載の発明では、上記請求項7記載の発明において、前記穀粒搬送装置が脱穀装置の二番還元装置であることを特徴とした。
【0030】〔作用〕上記請求項8記載の発明によると、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が高くなるといった場合には、報知装置がコンバイン運転状態として二番還元装置の駆動速度の減速を示すようになり、これに応じて二番還元装置の駆動速度を減速させることによって、二番還元装置による穀粒搬送の際に穀粒が受ける回転スクリューとの間での摩擦力を弱めることができるので、二番還元装置の回転スクリューとの摩擦による穀粒の損傷を防止することができるようになる。又、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値以下になる、穀粒の食味が低くなる、あるいは穀粒の外観品位が低くなるといった場合には、運転状態報知装置がコンバイン運転状態として二番還元装置の駆動速度の増速を示すようになり、これに応じて二番還元装置の駆動速度を増速させることによって、二番還元装置による穀粒搬送効率の向上を図れるようになる。
【0031】特に、二番還元装置が再脱穀処理部を有するものである場合には、運転状態報知装置の示すコンバイン運転状態に応じて二番還元装置の駆動速度を減速させることによって、二番還元装置による再脱穀処理の際に穀粒に与える再脱穀処理部での打撃力を弱めることができるので、再脱穀処理部での打撃による穀粒の損傷をも防止することができるようになり、逆に、報知装置の示すコンバイン運転状態に応じて二番還元装置の駆動速度を増速させることによって、二番還元装置による再脱穀処理の際に穀粒に与える再脱穀処理部での打撃力を強めることができるとともに再脱穀処理部における穀粒の滞留時間を短くすることができるので、脱粒性能及び脱穀作業効率の向上をも図れるようになる。又、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が高くなるといった場合において、選別精度の向上を図るためにチャフシーブの開度を小さくすることによって穀粒が再処理用の二番回収部に多く漏下するようになったとしても、運転状態報知装置の示すコンバイン運転状態に応じて二番還元装置の駆動速度を減速させていることから、穀粒の過脱穀や搬送負荷に起因した損傷を抑制できるようになる。
【0032】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた二番還元装置の駆動状態を容易に現出させることができて、傷つき易い穀粒や品質の高い穀粒の二番還元装置における搬送負荷に起因した損傷(二番還元装置に再脱穀処理部を有するものにおいては過脱穀に起因した損傷も含む)による品質低下を防止できるとともに、傷つき難い穀粒や品質の低い穀粒の二番還元装置における搬送効率の向上(二番還元装置に再脱穀処理部を有するものにおいては脱粒性能及び脱穀作業効率の向上を含む)、更には、選別精度の向上と搬送負荷(二番還元装置に再脱穀処理部を有するものにおいては過脱穀を含む)による損傷防止の両立を図ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0033】本発明のうちの請求項9記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態として、エンジンの駆動速度状態を示すように構成してあることを特徴とした。
【0034】〔作用〕上記請求項9記載の発明によると、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値を越える、穀粒の食味が高くなる、あるいは外観品位が高くなるといった場合には、運転状態報知装置がコンバイン運転状態としてエンジンの駆動速度の減速を示すようになり、これに応じてエンジンの駆動速度を減速させることによって、エンジンにて駆動される扱胴、穀粒搬送装置、及び、二番還元装置等の駆動速度が同時に減速され、扱胴による扱き処理における穀粒に対する打撃が緩和されると共に、穀粒搬送の際に穀粒が受ける回転スクリューとの間での摩擦力を弱めることができ、穀粒の損傷を防止することができるようになる。又、検出装置により検出される穀粒の含有水分が所定値以下になる、穀粒の食味が低くなる、あるいは穀粒の外観品位が低くなるといった場合には、運転状態報知装置がコンバイン運転状態としてエンジンの駆動速度の増速を示すようになり、これに応じてエンジンの駆動速度を増速させることによって、扱胴の回転数や穀粒搬送装置の回転数が増速して、扱胴による脱粒作用や穀粒搬送装置による穀粒搬送の作業効率の向上を図れるようになる。
【0035】〔効果〕従って、扱胴や穀粒搬送装置等の複数の装置に対して一挙に回転数を変更させることが可能なエンジンの駆動状態について、穀粒品質に応じた駆動状態を容易に現出させることができて、複数の装置を各別に操作するものに較べて能率のよい状態で、傷つき易い穀粒や品質の高い穀粒の搬送負荷に起因した損傷による品質低下を防止できるとともに、傷つき難い穀粒や品質の低い穀粒の搬送効率の向上を図ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0036】本発明のうちの請求項10記載の発明では、上記請求項6〜9のいずれか一つに記載の発明において、前記運転状態報知装置は、前記駆動速度状態として、前記検出装置の検出結果に基づいて採用するべき適正な回転数を表示するように構成してあることを特徴とした。
【0037】〔作用〕上記請求項10記載の発明によると、採用するべき適正な回転数を表示することによって、コンバイン運転状態を人為的に調整する場合に、例えば、調整すべき方向(高回転側、あるいは、低回転側等)だけを表示するような場合に較べて、最も適正な回転数に能率よく調整することが可能であり、それだけ作業能率が向上するものとなる。
【0038】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現出することができて、穀粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などを防止できるものでありながら、適切なコンバイン運転状態を現出させる場合の操作が能率よく行えるものとなった。
【0039】本発明のうちの請求項11記載の発明では、上記請求項6〜9のいずれか一つに記載の発明において、前記運転状態報知装置は、前記駆動速度状態として、前記検出装置の検出結果に基づいて人為操作するべき操作方向を表示するように構成してあることを特徴とした。
【0040】〔作用〕上記請求項11記載の発明によると、駆動速度状態として、前記検出装置の検出結果に基づいて人為操作するべき操作方向を表示することによって、コンバイン運転状態を人為的に調整する場合に、例えば、調整すべき値を絶対値で表示するような場合に較べて、人間の操作感覚から理解し易い人為操作すべき操作方向を表示することで、操作を誤り無く実行することが可能であり、作業性に優れたものとなる。
【0041】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた適切なコンバイン運転状態を容易に現出することができて、穀粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などを防止できるものでありながら、適切なコンバイン運転状態を現出させる場合の操作が能率よく行えるものとなった。
【0042】本発明のうちの請求項12記載の発明では、上記請求項1〜5のいずれか一つに記載の発明において、前記運転状態報知装置は、前記コンバイン運転状態として、エンジンの回転数を人為的に変更調節するエンジン回転数調節手段の操作目標位置を示すように構成してあることを特徴とした。
【0043】上記請求項12記載の発明によると、コンバイン運転状態として、エンジンの回転数を人為的に変更調節するエンジン回転数調節手段の操作目標位置を示すように構成することによって、コンバイン運転状態(エンジン回転数)をエンジン回転数調整手段によって人為的に調整する場合に、その操作目標位置に向けて人為操作すればよく、操作誤り等の少ない状態で最も適正な回転数に能率よく調整することが可能であり、それだけ作業能率が向上するものとなる。
【0044】〔効果〕従って、穀粒品質に応じた適切なエンジン回転数の操作目標位置を容易に現出することができて、穀粒品質の低下や不必要な作業効率の低下などを防止できるものでありながら、適切なコンバイン運転状態を現出させる場合の操作が能率よく行えるものとなった。
【0045】本発明のうちの請求項13記載の発明では、上記請求項1〜12のいずれか一つに記載の発明において、穀粒タンクに貯留された脱穀粒の重量を示す表示装置を備えている特徴とした。
【0046】〔作用〕上記請求項13記載の発明によると、表示装置にて穀粒タンクに貯留された脱穀粒の重量が示されることから、各圃場での収穫量などを容易に認識することができるようになる。特に、例えば検出装置により穀粒の含有水分が検出され、報知装置により穀粒の含有水分が示される場合には、穀粒の含有水分と収穫量を認識できることから、効率的あるいは計画的な乾燥処理がより一層行い易くなり、乾燥処理におけるエネルギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒の形質や食味の低下などをより効果的に防止することができるようになる。
【0047】〔効果〕従って、各圃場での収穫量などを容易に認識することができて、収穫作業後の乾燥処理におけるエネルギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒の形質や食味の低下などの防止をより効果的に図ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0048】本発明のうちの請求項14記載の発明では、上記請求項1〜13のいずれか一つに記載の発明において、前記検出装置による検出結果を示す品質報知装置を備えていることを特徴としている。
【0049】〔作用〕上記請求項14記載の発明によると、検出装置により収穫される穀粒の品質(含有水分、食味、外観品位など)が検出されると、運転状態報知装置によって、その検出結果に基づいた採用するべきコンバイン運転状態が示されるとともに、その検出結果自体もが示されるようになることから、作業者は、採用するべきコンバイン運転状態に加えて穀粒品質をも認識できるようになる。そしてこれによって、運転状態報知装置にて示されたコンバイン運転状態を単に現出させる以外に、そのコンバイン運転状態を参考にして、収穫する穀粒の品種や産地の特徴などを活かしならがらの穀粒品質に応じた独自のコンバイン運転状態を現出させることも容易に行えるようになる。又、収穫の段階から穀粒品質を認識できることによって、収穫作業後の穀粒の等階級選別などを容易にすることができるようになる。特に、例えば検出装置により穀粒の含有水分が検出される場合には、収穫の段階から穀粒の含有水分を認識できることから、収穫作業後の穀粒乾燥処理の際における穀粒の含有水分に応じた分別を容易にすることができるとともに、効率的あるいは計画的な乾燥処理が行い易くなる。つまり、収穫作業後の作業効率の向上を図ることができるとともに、乾燥処理におけるエネルギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒の形質や食味の低下などを防止することができるようになる。
【0050】〔効果〕従って、収穫する穀粒の品種や産地の特徴などを活かした適切なコンバイン運転状態をも容易に現出することができて、穀粒の品種や産地の特徴などに応じた品質を損なうことを防止できるとともに、収穫作業後の作業効率の向上や、乾燥処理におけるエネルギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒の形質や食味の低下などの防止を図ることのできるコンバインを提供し得るに至った。
【0051】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0052】図1にはコンバインの全体側面が示されており、このコンバインは、左右一対のクローラ式走行装置1Aを備えた走行機体1、走行機体1の前部に昇降自在に連結された刈取部2、刈取部2により刈り取られて搬送された穀稈を脱穀して穀粒を選別回収する脱穀装置3、脱穀装置3により選別回収された穀粒を貯留する穀粒タンク4、穀粒タンク4に貯留した穀粒を機外に排出する穀粒排出搬送装置5、及び走行機体1の右前部に配置された操縦部6、などによって自脱型に構成されている。
【0053】図1〜3に示すように、脱穀装置3は、刈取部2から供給搬送される刈取穀稈の株元側を挾持して後方に向けて搬送するフィードチェーン7、フィードチェーン7により搬送される刈取穀稈の穂先側が供給される扱室8、扱室8にて刈取穀稈の穂先側に打撃を与えて脱穀処理を施す扱胴9、脱穀処理が施されて単粒化した穀粒や切れワラなどを漏下させる受網10、受網10から漏下した穀粒や切れワラなどを篩い選別する揺動選別ケース11、揺動選別ケース11により篩い選別される穀粒や切れワラなどに向けて選別風を供給する唐箕12、揺動選別機構11にて選別された穀粒を回収する一番物回収部13、揺動選別機構11にて選別された穀粒や切れワラなどからなる混在物を回収する二番物回収部14、一番物回収部13に回収された穀粒を脱穀装置3の右側方に搬送する回転スクリュー型の一番物回収コンベヤ(穀粒搬送装置の一例)15、二番物回収部14に回収された混在物を脱穀装置3の右側方に搬送する回転スクリュー型の二番物回収コンベヤ(穀粒搬送装置の一例)16、一番物回収コンベヤ15にて搬送された穀粒を穀粒タンク4に向けて揚送する回転スクリュー型の揚送コンベヤ(穀粒搬送装置の一例)17、及び二番物回収コンベヤ16にて搬送された混在物を揺動選別ケース11に向けて還元搬送する回転スクリュー型の二番還元装置(穀粒搬送装置の一例)18、などによって構成されている。揺動選別ケース11には、単位時間当たりの処理量に応じて開度調節可能なチャフシーブ11Aや、穀粒を一番物回収部13に向けて漏下させるグレンシーブ11Bなどが装備されている。二番還元装置18には、二番物回収部14に回収された混在物に対して再脱穀処理を施す再脱穀処理部18Aが装備されている。
【0054】図1に示すように、穀粒排出搬送装置5は、穀粒タンク4内の穀粒を後方に向けて搬送する回転スクリュー型の底部コンベヤ(穀粒搬送装置の一例)19、底部コンベヤ19にて搬送された穀粒を上方に向けて搬送する回転スクリュー型の縦送りコンベヤ(穀粒搬送装置の一例)20、及び縦送りコンベヤ20にて搬送された穀粒を所定の排出位置に向けて搬送する回転スクリュー型の排出オーガ(穀粒搬送装置の一例)21、などによって構成されている。
【0055】図3に示すように、クローラ式走行装置1Aは、走行機体1の右前部に搭載されたエンジン22からの動力が、主クラッチ23、静油圧式無段変速装置24、及びギヤ式変速装置25、などを介して伝達されることによって駆動されるようになっている。刈取部2は、ギヤ式変速装置25からの動力が刈取クラッチ26などを介して伝達されることによって駆動されるようになっている。脱穀装置3は、エンジン22からの動力が脱穀クラッチ27及び脱穀装置伝動系28などを介して伝達されることによって駆動されるようになっている。脱穀装置伝動系28には、扱胴9の駆動速度変更用の第一変速機構28A、一番物回収コンベヤ15及び揚送コンベヤ17の駆動速度変更用の第二変速機構28B、並びに二番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18の駆動速度変更用の第三変速機構28Cが装備されている。穀粒排出搬送装置5は、エンジン22からの動力が排出クラッチ29、及び穀粒排出搬送装置5の駆動速度変更用の変速機構30、などを介して伝達されることによって駆動されるようになっている。第一変速機構28A、第二変速機構28B、第三変速機構28C、及び変速機構30は、夫々ベルト無段型に構成されるとともに、操縦部6に装備された各操作レバー(図示せず)にて操作できるよう構成されている。
【0056】ところで、コンバインの収穫対象となる籾などの穀粒は、同一圃場内のものであっても含有水分にバラツキのあるものであり、その含有水分が所定値(籾の場合は含水率が24〜25%)より多くなると脱穀処理時などにおいて損傷し易くなる。そこで、図1に示すように、穀粒タンク4の上部には、揚送コンベヤ17にて搬送された穀粒の一部を受け取って穀粒品質の一例である穀粒の含有水分を計測する検出装置Aとしての破壊型の水分計31が配備されている。又、図4に示すように、水分計31は、検出した穀粒の含有水分を走行機体1に搭載されたマイクロコンピュータなどからなる制御部32へ出力するようになっている。制御部32には、穀粒の含有水分に応じたコンバイン運転状態として、穀粒の含有水分に応じた扱胴9の適正駆動速度、一番物回収コンベヤ15及び揚送コンベヤ17の適正駆動速度、二番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18の適正駆動速度、並びに穀粒排出搬送装置5の適正駆動速度の夫々が記憶されており、制御部32は、水分計31により検出された穀粒の含有水分が入力されると、穀粒の含有水分、採用するべき扱胴9の駆動速度状態、一番物回収コンベヤ15及び揚送コンベヤ17の駆動速度状態、二番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18の駆動速度状態、並びに穀粒排出搬送装置5の駆動速度状態の夫々を操縦部6に配備した液晶表示部33に表示させるようになっている。つまり、制御部32及び液晶表示部33によって、検出装置Aとしての水分計31による検出結果に基づいて採用するべきコンバイン運転状態を示す運転状態報知装置Bが構成されている。
【0057】以上の構成から、水分計31がコンバインにて収穫される穀粒の含有水分を検出し、この検出結果に基づいて運転状態報知装置Bが採用するべきコンバイン運転状態として、扱胴9、一番物回収コンベヤ15及び揚送コンベヤ17、二番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18、並びに穀粒排出搬送装置5、の各駆動速度状態を示すようになることから、運転状態報知装置Bにて示されたそれらの駆動速度状態に基づいて、操縦者が人為操作によって、扱胴9用の第一変速機構28A、一番物回収コンベヤ15及び揚送コンベヤ17用の第二変速機構28B、二番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18用の第三変速機構28C、並びに穀粒排出搬送装置5用の変速機構30、の各変速操作を行うことによって、収穫される穀粒の含有水分に応じた適切な扱胴9、一番物回収コンベヤ15及び揚送コンベヤ17、二番物回収コンベヤ16及び二番還元装置18、並びに穀粒排出搬送装置5、の駆動速度状態を容易に現出することができるようになっている。つまり、穀粒の含有水分を考慮した適切な脱穀処理及び穀粒搬送を行えるようになることから、含有水分が所定値を越える損傷し易い穀粒であるにもかかわらず扱胴9を高速駆動させることによって、脱穀処理の際に穀粒に与える扱胴9の打撃力が不必要に強くなって穀粒が損傷する、及び、含有水分が所定値を越える損傷し易い穀粒であるにもかかわらず一番物回収コンベヤ15、二番物回収コンベヤ16、揚送コンベヤ17、二番還元装置18、及び穀粒排出搬送装置5を高速駆動させることによって、穀粒搬送の際に穀粒が受ける回転スクリューとの間での摩擦力が不必要に強くなって穀粒が損傷する、といった不都合が生じることを防止できるようになっている。
【0058】又、運転状態報知装置Bには、水分計31により検出された穀粒の含有水分を表示する品質結果を示す品質報知装置35が備えられ、操縦者は採用するべきコンバイン運転状態に加えて穀粒の含有水分をも認識できることから、運転状態報知装置Bにて示されたコンバイン運転状態を単に現出させる以外に、そのコンバイン運転状態を参考にして、収穫する穀粒の品種や産地の特徴などを活かしならがらの穀粒の含有水分に応じた独自のコンバイン運転状態を現出させることも容易に行えるようになっている。又、収穫の段階から穀粒の含有水分を認識できることによって、収穫作業後の穀粒乾燥処理の際における穀粒の含有水分に応じた分別を容易にすることができるとともに、効率的あるいは計画的な乾燥処理が行い易くなることから、収穫作業後の作業効率の向上を図ることができるとともに、乾燥処理におけるエネルギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒の形質や食味の低下などを防止することができるようになっている。
【0059】図1及び図4に示すように、走行機体1には、穀粒タンク4に貯留された脱穀粒の重量を検出するロードセルからなる重量計34が配備されている。運転状態報知装置Bには、重量計34による検出結果を示す表示装置36が備えられている。つまり、表示装置36にて穀粒タンク4に貯留された脱穀粒の重量が示されることから、穀粒の含有水分に加えて収穫量を認識できることから、効率的あるいは計画的な乾燥処理がより一層行い易くなり、乾燥処理におけるエネルギーの損失あるいは過乾燥に起因した穀粒の形質や食味の低下などをより効果的に防止することができるようになっている。
【0060】〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)検出装置Aとしては、穀粒品質として穀粒の食味を計測する食味計や、穀粒品質として穀粒における外観品位を計測する品位計、などであってもよく、又、穀粒の含有水分、食味、外観品位のうちのいずれか二つ以上を計測するものであってもよく、更に、非破壊型のものであってもよい。
(2)検出装置Aの配設箇所としては、刈取部2、脱穀装置3、あるいは穀粒排出搬送装置5、などであってもよい。
(3)運転状態報知装置Bとしては、採用するべきコンバイン運転状態(例えば扱胴9の駆動速度など)を具体的に数値表示あるいはグラフィック表示するものであってもよい。このように数値表示する場合に、例えば、図5に示すように、現在の実数値(回転数)を表示すると共に、採用するべき目標回転数を別途表示するようにしてもよく、これらの表示を複数の作動部毎に各別に備える構成としてもよい。又、コンバイン運転状態として、例えば、エンジン22に対する燃料供給量を変更調整することによって出力を調整するアクセル装置37に対して、人為的に変更調整を指令するエンジン回転数調節手段として、図6に示すような回転操作式のアクセル操作具38の操作領域に沿って、例えば複数のLEDランプ40を並列配備させた状態で、採用するべき運転状態としての操作目標位置に対応するLEDランプ40を点灯させて、人為操作する場合、その目標位置に向けて操作させるように、運転状態報知装置Bを構成するものでもよい。尚、この場合エンジン回転数に限らず、扱胴や搬送装置の変速装置に対する調整手段に対して操作目標を表示するような構成としてもよい。更に又、図7に示すように、前記エンジン回転数調節手段としての揺動操作式のアクセル操作具39の近傍位置に、前記検出装置の検出結果に基づいて人為操作するべき操作方向を表示する運転状態報知装置Bを備える構成としてもよい。つまり、アクセル増速方向へ操作すべきことを表示する増速指令ランプ41aと、アクセル減速方向へ操作すべきことを表示する減速指令ランプ41bとを備えて、採用するべき運転状態としての操作目標位置に達するとそのランプが消灯するようにしてもよい。このような構成はエンジン回転数調節に限らず、扱胴や穀粒搬送装置の変速操作構成に適用してもよい。又、コンバイン運転状態を音声出力するものであってもよく、更には、文字表示、グラフィック表示、音声出力などのうちのいずれか二つ以上を行うものであってもよい。
(4)運転状態報知装置Bにより示されるコンバイン運転状態としては、扱胴9の駆動速度状態のみ、穀粒搬送装置の駆動速度状態のみ、あるいは穀粒搬送装置である穀粒排出搬送装置5、一番物回収コンベヤ15、二番物回収コンベヤ16、揚送コンベヤ17、及び二番還元装置18、のうちのいずれか一つの駆動速度状態であってもよい。又、それ以外に、エンジン22の回転数、チャフシーブ11Aの開度状態、揺動選別ケース11の駆動速度状態(揺動選別ケース11の揺動駆動速度が変速可能に構成されている場合)、送塵弁の開度状態(扱室8に開度調節可能な送塵弁が備えられている場合)、唐箕12の駆動速度状態(唐箕12が変速可能に構成されている場合)、あるいはフィードチェーン7の駆動速度状態(フィードチェーン7が変速可能に構成されている場合)、などをコンバイン運転状態として運転状態報知装置Bにより示すように構成してもよい。
(5)脱穀クラッチ27と脱穀装置伝動系28との間に変速装置を介装し、この変速装置の変速操作によって扱胴9、一番物回収コンベヤ15、二番物回収コンベヤ16、揚送コンベヤ17、及び二番還元装置18、の各駆動速度調節を一挙に行えるように構成してもよい。
(6)上記実施形態では、採用するべきコンバイン運転状態を運転状態報知装置によって示すようにして、操縦者が人為操作に基づいてそのコンバイン運転状態にさせるようにしたが、このように採用するべきコンバイン運転状態を運転状態報知装置によって示す構成に加えて、コンバイン運転状態(例えば、扱胴や穀粒搬送装置、その他の装置の駆動速度)が採用するべき運転状態になるように自動的に調整制御する自動制御構成を併用する構成としてもよい。更に又、このような自動制御構成を併用する構成であって、自動制御状態と手動による変更調整とに切り換え自在な構成を採用した場合において、自動制御状態から手動調整状態に切り換えられた状態で、例えば図5に示すように、採用するべき運転状態として、人為操作する場合の操作目標位置に対応する箇所を表示する構成として、自動制御状態ではそのような表示を行わないように切り換える構成としてもよい。
(7)上記実施形態では、検出装置による検出結果を示す品質報知装置35や穀粒タンクに貯留された脱穀粒の重量を示す表示装置36等を備える場合を例示したが、このような品質報知装置35あるいは表示装置36のいずれか一方を備えない構成であってもよく、あるいは、それらを共に備えない構成等であってもよい。
(8)コンバインとしては全稈投入型のものであってもよい。
- 【公開番号】特開平11−32550
【公開日】平成11年(1999)2月9日
【発明の名称】コンバイン
【発明者】
【氏名】高原 一浩
【氏名】大西 進
【氏名】河野 嘉之
【氏名】山形 浩司
- 【出願番号】特願平10−77337
【出願日】平成10年(1998)3月25日
【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
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