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冷凍そばの製造方法
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- 【要約】
【課題】 加熱下で急速解凍したときは勿論のこと、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍等のような緩慢解凍を行ったときにも、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさに優れていて食感や風味の良好な解凍そばにすることのできる冷凍そば、その製造方法およびそれに用いるそば用穀粉組成物の提供。
【解決手段】 粒径106μm以下のそば粉、澱粉、並びにグルテンを用い、好ましくは更に卵白および/または乳清タンパクを用いて、α化したそばを製造した後、凍結することからなる本発明の冷凍そばの製造方法、それにより得られる冷凍そば、並びにそのためのそば用穀粉組成物により、上記の課題が解決される。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)粒径106μm以下のそば粉;(b)澱粉;並びに(c)グルテンを用いて、α化したそばを製造した後、凍結することを特徴とする冷凍そばの製造方法。
【請求項2】 (a)粒径106μm以下のそば粉;(b)澱粉;(c)グルテン;並びに(d)卵白および/または乳清タンパクを用いて、α化したそばを製造した後、凍結することを特徴とする冷凍そばの製造方法。
【請求項3】 粒径82μm以下のそば粉を用いる請求項1または2記載の製造方法。
【請求項4】 そばの製造に用いる穀粉類の合計重量に基づいて、粒径106μm以下のそば粉(a)を30〜60重量%、澱粉(b)を25〜55重量%、およびグルテン(c)を2〜13重量%の割合で用いる請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
【請求項5】 (a)粒径106μm以下のそば粉;(b)澱粉;並びに(c)グルテンを含有することを特徴とするそば用穀粉組成物。
【請求項6】 (a)粒径106μm以下のそば粉;(b)澱粉;(c)グルテン;並びに(d)卵白および/または乳清タンパクを含有することを特徴とするそば用穀粉組成物。
【請求項7】 前記そば粉(a)の粒径が82μm以下である請求項5または6記載のそば用穀粉組成物。
【請求項8】 そば用穀粉組成物中の穀粉類の合計重量に基づいて、粒径106μm以下のそば粉(a)を30〜60重量%、澱粉(b)を25〜55重量%、およびグルテン(c)を2〜13重量%の割合で含有する請求項5〜7のいずれか1項記載のそば用穀粉組成物。
【請求項9】 冷凍そば用である請求項5〜8のいずれか1項記載のそば用穀粉組成物。
【請求項10】 緩慢解凍を行う冷凍麺類用である請求項9記載のそば用穀粉組成物。
【請求項11】 請求項1〜4のいずれか1項記載の方法で製造される冷凍そば。【請求項12】 緩慢解凍用の冷凍そばである請求項11記載の冷凍そば。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍日本そば(以下日本そばを単に「そば」という)の製造方法、それにより得られる冷凍そば、およびそれに用いるそば用穀粉組成物に関する。より詳細には、本発明は、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行った場合にも、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、弾力性、滑らかさなどの特性に優れる高品質のそばを得ることのできる冷凍そば、その製造方法およびそれに用いるそば用穀粉組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】長期にわたって保存が可能であり、しかも必要なときに解凍するだけで簡単に喫食可能であることから、近年、茹で処理や蒸し処理などによってα化した麺類を凍結してなる冷凍麺類の需要が延びており、その生産量がますます増える傾向にある。そして、冷凍麺類の解凍法としては、電子レンジ、熱湯、加熱水蒸気などの加熱手段を用いる急速解凍法と、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などの緩慢解凍法が挙げられる。緩慢解凍の場合は、解凍に時間がかかるものの、冷凍そばをそのまま室温下に放置したり、冷蔵庫中に置いておくだけで解凍できるので、解凍作業に手間がかからず、しかも加熱手段を用いないために設備面および熱効率の点で経済的であるという長所がある。しかしながら、緩慢解凍による場合は、麺がほぐれにくくなり、しかも解凍時に茹伸びが徐々に進行して、粘弾性、滑らかさなどが失われる。特に、冷凍そば(日本そば)では、自然解凍や冷蔵解凍などの緩慢解凍を行うと、麺がほぐれにくくなり、しかもロウを食べたような食感となって、そば本来の風味、食感、食味が著しく損なわれるという欠点がある。一方、急速解凍による場合は、緩慢解凍に比べてそばの品質低下が少ないが、電子レンジ、熱湯、加熱水蒸気などの加熱手段を用いる必要があり、解凍作業に余分な手間がかかったり、設備面や熱効率などの点でコストがかかるなどの問題がある。
【0003】そのため、室温下や冷蔵温度で緩慢解凍したときにも、ほぐれ易く、しかも茹伸びが少なくて、弾力性、滑らかさに優れる食感の良好なそばを得ることのできる冷凍そばが極めて望ましいが、従来、そのような要望を十分に満足し得る冷凍そばが未だ開発されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加熱下で急速解凍したときは勿論のこと、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行ったときにも、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさに優れていて、食感や風味の良好なそばにすることのできる冷凍そばを提供することである。そして、本発明は、上記した優れた特性を備える冷凍そばの製造方法、およびそれに用いるそば用穀粉組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく本発明者らは、原料、製麺工程などについて多面的に研究を重ねてきた。その結果、従来汎用されてきた通常のそば粉とは異なる特定の粒径を有するそば粉、すなわち粒径が106μm以下、好ましくは82μm以下のそば粉を用い、これに澱粉および更にグルテンを組み合わせて用いて冷凍そばを製造したところ、それにより得られる冷凍そばが、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍のような緩慢解凍を行った場合にも、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさに優れる、食感の極めて良好なものとなることを見出した。さらに、本発明者らは、粒径が106μm以下、好ましくは82μm以下のそば粉と共に、澱粉およびグルテンを用い、さらに卵白および/または乳清タンパクを用いて冷凍そばを製造すると、緩慢解凍したときにも、ほぐれ易さ、茹伸び耐性、粘弾性、滑らかさなどの点に一層優れるそばが得られることを見出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。【0006】すなわち、本発明は、(a)粒径106μm以下のそば粉;(b)澱粉;並びに(c)グルテンを用いて、α化したそばを製造した後、凍結することを特徴とする冷凍そばの製造方法である。
【0007】そして、本発明は、(a)粒径106μm以下のそば粉;(b)澱粉;(c)グルテン;並びに(d)卵白および/または乳清タンパクを用いて、α化したそばを製造した後、凍結することを特徴とする冷凍そばの製造方法である。
【0008】さらに、本発明は、(a)粒径106μm以下のそば粉;(b)澱粉;並びに(c)グルテンを含有することを特徴とするそば用穀粉組成物である。
【0009】そして、本発明は、(a)粒径106μm以下のそば粉;(b)澱粉;(c)グルテン;並びに(d)卵白および/または乳清タンパクを含有することを特徴とするそば用穀粉組成物である。
【0010】上記した本発明の冷凍そばの製造方法およびそば用穀粉組成物においては、そば粉として、粒径82μm以下のものが好ましく用いられる。
【0011】上記したそば用穀粉組成物は、特に冷凍そば用に好ましく用いられ、そのうちでも室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行う冷凍そば用のそば用穀粉組成物として特に好ましく用いられる。さらに、本発明は、上記の方法で製造される冷凍そばを包含する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明する。本発明では、粒径106μm以下のそば粉[以下これを「そば粉(a)」ということがある]を用いることが必要である。粒径106μmのそば粉(a)を用いることによって、緩慢解凍したときにも、ほぐれ易く、茹伸びがなくて、弾力性、滑らかさに優れる状態に解凍される、冷凍そばを得ることができる。ここで、本発明でいう「粒径106μm以下のそば粉」とは、目開き106μmの篩で分級したときに、該篩を通過したそば粉をいう。すなわち、そば粉中に含まれる粒径が106μmを超える粗粒を、目開き106μmの篩で分級して除去したそば粉をいう。本発明では、粒径が82μm以下のそば粉、すなわち目開き82μmの篩を通過したそば粉がそば粉(a)としてより好ましく用いられ、その場合には、緩慢解凍したときに、ほぐれ性、茹伸び耐性、弾力性、滑らかさに一層優れる状態に解凍される、冷凍そばを得ることができる。
【0013】従来汎用されているそば粉は、粒径が106μmを超える粗粒を通常5重量%以上(一般に5〜35重量%程度)の割合で含有しており、かかる点で、本発明で用いるそば粉は従来汎用のそば粉と区別される。粒径が106μmを超える粗粒を含有する、そのような従来汎用のそば粉を用いて冷凍そばを製造した場合には、緩慢解凍したときにほぐれ性、茹伸び耐性、弾力性、滑らかさなどに優れた状態に解凍される冷凍そばを得ることができない。
【0014】本発明では、粒径106μm以下のそば粉(a)と共に、澱粉[以下これを「澱粉(b)」ということがある]を用いることが必要である。澱粉の種類は特に制限されず、食品に用い得る澱粉であればいずれも使用できる。本発明で用い得る澱粉としては、例えば、未処理のタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、トウモコロコシ澱粉(ワキシーコーンスターチを含む)、甘薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、それらの化工澱粉などを挙げることができ、本発明では前記した澱粉の1種または2種以上を用いることができる。
【0015】澱粉(b)として用い得る化工澱粉の種類や化工方法などは特に制限されず、食品に使用可能な化工澱粉であればいずれも使用できる。本発明で使用可能な化工澱粉としては、例えば、エーテル化澱粉、アセチル化澱粉、エーテル化・ジエステル化澱粉、酸化澱粉、酸化アセチル化澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチル化澱粉、ヒドロキシメチル化澱粉、リン酸架橋澱粉、リン酸架橋アセチル化澱粉、その他のエステル化澱粉などを挙げることができ、そのうちでも化工澱粉としては、アセチル化澱粉、エーテル化澱粉、エーテル化・ジエステル化澱粉、酸化アセチル化澱粉の1種または2種以上が好ましく用いられる。
【0016】特に、本発明では、澱粉(b)として、未処理または上記した種々の化工処理がなされたタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉およびワキシコーンスターチの1種または2種がより好ましく用いられる。何ら限定されるものではないが、例えば、化工タピオカ澱粉としては、種々のものが市販されているが、本発明ではそのいずれもが使用でき、その調製法などは特に制限されない。そのうちでも、アセチル化度が0.01以上、エーテル化度0.023以上および/またはエステル化度0.03以上のタピオカ澱粉が麺の老化防止の点から好ましく用いられる。なお、タピオカ澱粉の場合は、脱シアン処理しただけのものは、一般に未処理のタピオカ澱粉の範疇に含まれる。
【0017】さらに、本発明では、上記したそば粉(a)および澱粉(b)と共にグルテンを用いることが必要である。グルテンは小麦に由来する蛋白質であり、したがってそばの製造時にそば粉と併用することのある小麦粉中にもグルテンが含まれているが、本発明で(c)成分として用いるグルテンは、そのような小麦粉中に元々含まれているグルテンを意味せず、小麦粉から予め分離回収されていて本発明の目的達成のために別途使用されるグルテンをいう[以下これを「グルテン(c)」ということがある]。本発明では、グルテン(c)として、乾燥グルテン(グルテン粉末)および湿グルテンのいずれもが使用でき、それらの一方のみを用いてもまたは両者を併用してもよい。また、グルテン(c)の種類や調製法なども特に制限されず、いずれのものも使用でき、例えば活性グルテン、凍結乾燥グルテンなどを用いることができる。
【0018】各原料の配合量は、一般に、そばの製造に用いる穀粉類の全重量[すなわちそば粉(a)、澱粉(b)、グルテン(c)および場合により用いられる小麦粉等の他の穀粉類の合計重量]に基づいて、そば粉(a)を30〜60重量%、澱粉(b)を25〜55重量%、およびグルテン(c)を2〜13重量%(乾物換算)の割合で用いることが好ましく、そば粉(a)を30〜50重量%、澱粉(b)を35〜45重量%、およびグルテン(c)を3〜10重量%(乾物換算)の割合で用いることがより好ましい。そば粉(a)、澱粉(b)およびグルテン(c)の使用割合が、上記した範囲から外れると、冷凍そばを室温や冷蔵温度で緩慢解凍したときに、ほぐれにくくなり、茹伸びが生じ易くなって、粘弾性、滑らかさなどに優れるそばが得られにくくなる。
【0019】また、本発明において、上記した成分と共に、卵白および/または乳清タンパク[以下これらを総称して「卵白等(d)」ということがある]を用いることが好ましい。卵白および/または乳清タンパクを併用することによって、緩慢解凍したときにも、ほぐれ性、茹伸び耐性、弾力性、滑らかさに一層優れ、風味などにも優れる冷凍そばを得ることができる。
【0020】卵白としては、乾燥卵白、液状卵白、凍結卵白などのいずれもが使用可能であり、そのうちでも乾燥卵白粉末が取り扱い性、他の成分との均一混合性、保存性などの点から好ましく用いられる。卵白等(d)として卵白を単独で用いる場合は、そばの製造に用いる穀粉類の全重量[すなわちそば粉(a)、澱粉(b)、グルテン(c)および場合により用いられる小麦粉等の他の穀粉類の合計重量](乾燥重量)に対して、外割りで、約1〜5重量%の割合で用いることが好ましい。また、乳清タンパクは、通常乾燥粉末の形態で入手できる場合が多いことから、本発明では乾燥乳清タンパク粉末が好ましく用いられ、その場合には、取り扱い性、他の成分との均一混合性、保存性などが良好である。卵白等(d)として乳清タンパクを単独で用いる場合は、そばの製造に用いる穀粉類の全重量[すなわちそば粉(a)、澱粉(b)、グルテン(c)および場合により用いられる小麦粉等の他の穀粉類の合計重量](乾燥重量)に対して、外割りで、約1〜5重量%の割合で用いることが好ましい。また、卵白等(d)として卵白および乳清タンパクを併用する場合は、両者の合計重量が、そばの製造に用いる穀粉類の全重量[すなわちそば粉(a)、澱粉(b)、グルテン(c)および場合により用いられる小麦粉等の他の穀粉類の合計重量](乾燥重量)に対して、外割りで、約1〜5重量%であることが好ましい。
【0021】本発明では、穀粉類として、上記のそば粉(a)、澱粉(b)およびグルテン(c)を必須原料として用い、必要に応じて、そばの製造に従来から用いられている小麦粉、米粉、大麦粉、山芋粉などの穀粉類の1種または2種以上を使用することができる。
【0022】特に、本発明では、そば粉(a)と共に、つなぎ粉として小麦粉を用いることが好ましい。小麦粉としては、薄力小麦粉、中力小麦粉、強力小麦粉、それらの2種以上の混合粉のいずれもが使用でき、そのうちでも強力小麦粉が好ましく用いられる。特に、粗蛋白含量が12重量%以上である強力小麦粉を用いる場合は、緩慢解凍したときにも、ほぐれ性、茹伸び耐性、弾力性、滑らかさに一層優れたものとなる冷凍そばを得ることができる。そのうちでも、小麦粉として、粗蛋白含量が12重量%以上の強力小麦粉を分級して粒径が106μmを超える粗粒を除去して得られる、粒径が106μm以下の強力小麦粉を使用すると、緩慢解凍したときに、ほぐれ性、茹伸び耐性、弾力性、滑らかさに極めて優れる冷凍そばを得ることができる。小麦粉の配合量は、製麺時の作業性、得られるそばの食感、食味、風味、色調などの点から、そば粉(a)100重量部に対して、10〜230重量部の範囲であることが好ましい。
【0023】また、本発明では、上記した成分以外に、従来からそばに汎用されている副原料や添加剤、例えば、食塩、乳化剤、アルコール、ゲル化剤、着色料、防腐剤、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸などの栄養強化剤、茶粉末、海草粉末などの1種または2種以上を使用することができる。
【0024】そして、上記したそば粉(a)、澱粉(b)およびグルテン(c)を用いて、好ましくは更に卵白等(d)、および必要に応じて小麦粉や他の穀粉類、上記したような他の副原料や添加剤を用いて生地を製造し、その生地から麺線を製造し、それをα化した後、凍結して冷凍そばを製造する。
【0025】麺生地の製造に当たっては、(i) そば粉(a)、澱粉(b)、乾燥したグルテン(c)、および場合により乾燥卵白等(d)および/または小麦粉、さらに必要に応じて他の穀粉類や上記した他の副原料や添加剤のうち1種または2種以上(但し乾燥物)を予め混合して、そば用穀粉組成物(そば用ミックス粉)を製造しておき、そのそば用穀粉組成物に水および必要に応じて他の添加剤を添加して常法にしたがって混練して生地を製造する方法;または(ii) そば粉(a)、澱粉(b)、乾燥または湿潤したグルテン(c)、水、および場合により卵白等(d)および/または小麦粉、さらに必要に応じて他の穀粉類や上記した他の副資材や添加剤を、製麺時に混合・混練して生地を製造する方法;のいずれもが採用できる。
【0026】そして、上記(i)において、そば粉(a)、澱粉(b)、乾燥したグルテン(c)、場合により乾燥卵白等(d)および/または小麦粉、および必要に応じてさらに他の穀粉類、上記した他の副原料や添加剤のうちの乾燥物の1種または2種以上(但し乾燥物)を予め混合して得られるそば用穀粉組成物は、一般に水分含量が少なく乾燥粉末の状態になっているので、長期間常温で保存が可能であり、いわゆるそば用ミックス粉として、そのまま保存、流通・販売することができ、したがって本発明はそのようなそば用穀粉組成物(そば用ミックス粉)を本発明の範囲に包含する。本発明のそば用穀粉組成物は、それを購入して、水を加え、必要に応じてさらに他の成分を添加し、通常の冷凍そばの製法に準じて製麺、α化、凍結処理を行うだけで、室温や冷蔵温度で緩慢解凍したときにも、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、弾力性、滑らかさなどに優れる麺に解凍することのできる、高品質の冷凍そばを簡単に製造できるので極めて便利である。
【0027】また、上記(ii)においては、そば粉(a)、澱粉(b)、乾燥または湿潤したグルテン(c)、水、場合により卵白等(d)、および必要に応じて他の穀粉類、上記した他の副原料や添加剤を、適当な方法および順序で混合し、それを混練すればよい。
【0028】上記(i)および(ii)のいずれの方法を採用する場合でも、生地製造時の条件や方法(例えば加水率、混練条件など)は特に制限されず、そばを製造する際に従来から採用されている方法や条件などに準じて行うことができる。また、麺生地からそばを製造する際の製麺工程や条件なども特に制限されず、適宜選択して行うことができる。さらに、そばのα化方法なども特に制限されず、茹で処理、蒸し処理、茹で処理と蒸し処理の併用などによってα化を行うことができ、特に茹で処理が好ましく採用される。
【0029】α化したそばの凍結に当たっては、α化したそばを1食分または複数食分ずつ型容器に充填し、その際に好ましくは凍結や解凍が行い易いように偏平な状態で充填して、一般的には約−30℃以下の温度になるまで急速に凍結する。凍結時に用いる型容器は、冷凍そばを包装、流通させるのに用いるトレーをそのまま型容器として用いても、または冷凍麺専用の型容器を用いてもよい。上記のようにして得られた本発明の冷凍そばは、従来の冷凍そばと同様にしてプラスチックフイルムやシート、それからなる袋などの包材を用いて包装して、流通、販売することができる。
【0030】更に、本発明では、上記で製造した冷凍そばのみを包装して流通・販売しても、または冷凍そばと共につゆおよび/または具材などを添付して流通・販売してもよい。つゆおよび/または具材などを冷凍そばに添付する場合は、麺にのびを生じたり、麺類の食感や食味を損なわない限りは、冷凍そばの上、下、横、中間などの適当な場所につゆおよび/または具材を冷凍そばに直接接触させた状態にして添付してもよく、或いはつゆおよび/または具材を冷凍そばとは別に包材中に入れ、それを冷凍そばに添付してもよい。
【0031】本発明により得られる冷凍そばは、包装したまま又は包材から取り出して、室温下における自然解凍や、冷蔵庫中での冷蔵解凍などのような緩慢解凍を行うことができ、その場合にも、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさなどに優れる、食感の極めて良好なそばを得ることができる。また、本発明により得られる冷凍そばは、電子レンジ、熱湯、加熱蒸気などを用いる急速解凍によって解凍しても何ら勿論さしつかえはなく、その場合にも、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさなどに優れる食感の良好なそばを勿論円滑に得ることができる。【0032】
【実施例】以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。以下の例中、特に断らない限り、部は重量部を表し、%は重量%を表す。なお、以下の例において、茹あげたそばの茹で歩留りは下記の数式により求めた。
【0033】
【数1】茹で歩留り(%)=(Wb/Wa)×100[式中、Wa=茹でる前の生そばWグラムの製造に用いられた粉(穀粉組成物)の重量(g)、Wb=生そばWグラムを茹あげて得られる茹でそばの重量(g)を表す。]
【0034】例えば、粉100gを用いて生そば138gが得られ、その生そば138gを茹上げときの茹でそばの重量が290gである場合には、茹で歩留り=(290/100)×100=290%となる。
【0035】《実施例1》
(1) 市販のそば粉(石森製粉社製「特エビス」)を目開き106μmの篩を用いて分級処理して、篩を通過した粒径106μm以下のそば粉画分を回収した。(2) 上記(1)で得られた粒径106μm以下のそば粉30部、強力小麦粉(日清製粉株式会社製「オーション」;粗蛋白含13.0%)26部、エーテル化タピオカ澱粉(ナショナルスターチ&ケミカル社製「ナショナル7」)39部、活性グルテン(小川製粉社製「Oグル」;水分含量8%)5部および卵白粉末(キューピー社製「Mタイプ」)2部を混合して、そば用穀粉組成物を予め調製した。
(3) 上記(2)で調製したそば用穀粉組成物102部に水38部を加えて、横型ミキサー(東京麺機株式会社製のテスト用ミキサー)にて、120回転/分の回転速度で2分間、その後90回転/分の回転速度で6分間混練して麺生地を製造した。
(4) 上記(3)で製造した麺生地を常法にしたがって圧延して厚さ1.4mmの麺帯にし、これを切刃#20角にて切り出して麺線を製造した。
【0036】(5) 上記(4)で得られた麺線450gを沸騰水45リットル中で2.5分間茹でた後、水洗い、冷却を行って茹歩留り260%の茹そばを製造し、これを230gずつ型容器に平らに充填して、−35℃に急速凍結して、冷凍そばを製造した。
(6) 上記(5)で得られた冷凍そばを温度−18℃の冷凍庫で7日間保管した後、冷凍庫より取り出して、冷蔵庫(温度5℃)に入れて一昼夜(24時間)かけて緩慢解凍した。解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0037】《実施例2》
(1) 強力小麦粉として、実施例1で使用した強力小麦粉(日清製粉株式会社製「オーション」)を、目開き106μmの篩を用いて分級して該篩を通過した粒径106μm以下の小麦粉画分26部を用い、それ以外は実施例1の(1)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。
(2) 上記(1)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0038】《実施例3》
(1) 市販のそば粉(石森製粉社製「特エビス」)を目開き82μmの篩を用いて分級処理して、該篩を通過した粒径82μm以下のそば粉画分を回収した。(2) そば粉として上記(1)で得られた粒径82μm以下のそば粉を用い、それ以外は実施例1の(2)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。
(3) 上記(2)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0039】《実施例4》
(1) 卵白粉末を用いなかった以外は実施例1の(1)〜(2)と同様にしてそば用穀粉組成物を調製し、そのそば用穀粉組成物を用いて実施例1の(3)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。
(2) 上記(1)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0040】《実施例5》
(1) 卵白粉末を乳清タンパク粉末に代えた以外は実施例1の(1)〜(2)と同様にしてそば用穀粉組成物を調製し、そのそば用穀粉組成物を用いて実施例1の(3)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。
(2) 上記(1)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0041】《比較例1》
(1) 市販のそば粉(石森製粉社製「特エビス」)30部および強力小麦粉(日清製粉株式会社製「オーション」;粗蛋白含13.0%)70部を混合してそば用穀粉組成物を予め調製した。
(2) 上記(1)で調製したそば用穀粉組成物を用いて実施例1の(3)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。
(3) 上記(2)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0042】《比較例2》
(1) 市販のそば粉(石森製粉社製「特エビス」)を目開き106μmの篩を用いて分級処理して、篩を通過した粒径106μm以下のそば粉画分を回収した。(2) 上記(1)で得られた粒径106μm以下のそば粉30部および強力小麦粉(日清製粉株式会社製「オーション」;粗蛋白含13.0%)70部を混合してそば用穀粉組成物を予め調製し、そのそば用穀粉組成物を用いて実施例1の(3)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。
(3) 上記(2)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0043】《比較例3》
(1) そば粉として市販のそば粉(石森製粉社製「特エビス」)をそのまま用いた以外は実施例1の(2)と同様にしてそば用穀粉組成物を予め調製し、そのそば用穀粉組成物を用いて実施例1の(3)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。(2) 上記(1)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、下記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0044】
【表1】
[そばの品質の評価基準]
○ほぐれ易さ: 5点 :非常にほぐれ易く、極めて良好である。
4点 :かなりほぐれ易く、良好である。
3点 :ほぐれ易く、ほぼ良好である。
2点 :ほぐれにくく、不良である。
1点 :非常にほぐれにくく、極めて不良である。 ○茹伸び: 5点 :非常に茹伸びが少なく、極めて良好である。
4点 :かなり茹伸びが少なく、良好である。
3点 :茹伸びが少なく、ほぼ良好である。
2点 :茹伸びが多く、不良である。
1点 :茹伸びが非常に多く、極めて不良である。 ○弾 力 性: 5点 :弾力が非常に強く、極めて良好である。
4点 :弾力がかなりあり、良好である。
3点 :弾力があり、ほぼ良好である。
2点 :弾力があまりなく、ぼそついており、不良である。
1点 :弾力が全くなく、ぼそつきが強く、極めて不良である。 ○滑らかさ: 5点 :非常に滑らかであり、極めて良好である。
4点 :かなり滑らかであり、良好である。
3点 :滑らかであり、ほぼ良好である。
2点 :滑らかさにやや劣っており、不良である。
1点 :滑らかさが全くなく、極めて不良である。 【0045】
【表2】
[そばの品質]
ほぐれ易さ 茹伸び 弾力性 滑らかさ 総 合 実施例1 4.7 4.6 4.6 4.7 18.6 実施例2 4.9 4.9 4.9 4.9 19.6 実施例3 4.8 4.7 4.7 4.7 18.9 実施例4 4.2 4.1 4.2 4.3 16.8 実施例5 4.1 4.1 4.2 4.3 16.7 比較例1 1.1 1.2 1.3 1.2 4.8 比較例2 2.5 2.3 2.3 2.4 9.5 比較例3 2.0 2.3 2.7 2.2 9.2 【0046】上記の表2の結果から、粒径106μm以下のそば粉(a)、エーテル化澱粉(b)およびグルテン(c)を少なくとも用いて製造した実施例1〜4の冷凍そばは、いずれも、緩慢解凍したときに、ほぐれ易く、茹伸びがなくて、弾力性および滑らかさに優れており、高い品質を有していることがわかる。そして、粒径106μm以下のそば粉(a)、エーテル化澱粉(b)およびグルテン(c)と共に卵白(d)を併用している実施例1〜3の場合は、卵白を用いない実施例4以上に、緩慢解凍したときに、ほぐれ易く、茹伸び耐性、弾力性および滑らかさにより優れるそばとなる、冷凍そばが得られることがわかる。また、粒径82μm以下のそば粉を使用した実施例3による場合は、粒径106μm以下のそば粉を使用した実施例1および実施例4以上に、緩慢解凍したときに、ほぐれ易く、茹伸び耐性、弾力性および滑らかさにより優れるそばとなる、冷凍そばが得られることがわかる。さらに、実施例2の結果から、本発明の冷凍そばの製造に当たって、106μm以下のそば粉と併用する小麦粉として、粒径が106μm以下の強力小麦粉を用いる場合は、緩慢解凍したときに、ほぐれ易く、茹伸び耐性、弾力性および滑らかさに一層優れるそばとなる、冷凍そばが得られることがわかる。
【0047】一方、上記の表2に示した比較例1の結果から、粒径が106μmを超える粗粒を含む従来汎用のそば粉と強力小麦粉を用いて製造した冷凍そばの場合は、緩慢解凍したときに、ほぐれにくく、茹伸び耐性、弾力性および滑らかさに劣ったものとなることがわかる。また、上記の表2に示した比較例2の結果から、106μm以下のそば粉と強力小麦粉を用いる場合であっても、エーテル化タピオカ澱粉およびグルテンを用いない場合は、それにより得られる冷凍そばが、緩慢解凍したときに、ほぐれにくく、茹伸び耐性、弾力性および滑らかさに劣ったものとなることがわかる。さらに、上記の表2に示した比較例3の結果から、そば粉、エーテル化タピオカ澱粉、グルテンおよび卵白を用いる場合であっても、粒径が106μmを超える粗粒を含む市販のそば粉を用いて得られる冷凍そばは、緩慢解凍したときに、ほぐれにくく、茹伸び耐性、弾力性および滑らかさに劣ったものとなることがわかる。
【0048】《実施例6》
(1) エーテル化タピオカ澱粉の代わりに、下記の表3に示す未処理タピオカ澱粉(生タピオカ澱粉)または各種の化工タピオカ澱粉を用いた以外は実施例1の(1)〜(2)と同様にしてそば用穀粉組成物を調製し、そのそば用穀粉組成物を用いて実施例1の(3)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。(2) 上記(1)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
【0049】
【表3】
[そばの品質]
タピオカ澱粉 ほぐれ易さ 茹伸び 弾力性 滑らかさ 総 合の種類1) A 4.7 4.6 4.6 4.6 18.5 B 4.6 4.6 4.5 4.6 18.3 C 4.4 4.5 4.5 4.5 17.9 D 4.3 4.3 4.4 4.4 17.4 E 4.2 4.2 4.2 4.1 16.7 F 4.1 4.1 4.1 4.0 16.3 G 4.0 4.0 4.1 4.0 16.1 1) タピオカ澱粉の種類: A:アセチル化タピオカ澱粉(ホーネンコーポレーション製「A−700」) B:酸化アセチル化タピオカ澱粉(ホーネンコーポレーション製「HCS−1」) C:エーテル化ジエステル化タピオカ澱粉(ナショナルスターチ&ケミカル社製 「ナショナルフリジェックス」)
D:リン酸架橋アセチル化タピオカ澱粉(ホーネンコーポレーション製「ATP −27」)
E:未処理タピオカ澱粉(ステーリー社製「Unmodified Tapioca Starch #1」)
F:酸化タピオカ澱粉(松谷化学社製「MKK−100」)
G:リン酸化タピオカ澱粉(ホーネンコーポレーション製「TP−1」)【0050】上記表3の結果から、本発明において、澱粉(b)として、エーテル化タピオカ澱粉以外のタピオカ澱粉を用いた場合にも、緩慢解凍したときに、ほぐれ易く、茹伸びがなくて、弾力性および滑らかさに優れており、高い品質を有するそばに解凍され得る冷凍そばが得られることがわかる。
【0051】《実施例7》
(1) エーテル化タピオカ澱粉の代わりに、下記の表4に示す各種の馬鈴薯澱粉を用いた以外は実施例1の(1)〜(2)と同様にしてそば用穀粉組成物を調製し、そのそば用穀粉組成物を用いて実施例1の(3)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。(2) 上記(1)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表4に示すとおりであった。
【0052】
【表4】
[そばの品質]
馬鈴薯澱粉 ほぐれ易さ 茹伸び 弾力性 滑らかさ 総 合 の種類1) A 4.2 4.3 4.2 4.3 17.0 B 4.0 4.1 4.1 4.0 16.2 C 4.0 4.0 4.1 4.1 16.2 D 3.7 3.7 3.8 3.7 14.9 E 3.5 3.5 3.6 3.5 14.1 F 3.4 3.4 3.4 3.4 13.6 G 3.3 3.3 3.4 3.3 13.3 1) 馬鈴薯澱粉の種類: A:エーテル化馬鈴薯澱粉(ホーネンコーポレーション製「BO−13」) B:アセチル化馬鈴薯澱粉(ホーネンコーポレーション製「BA−5」) C:エーテル化ジエステル化馬鈴薯澱粉(ナショナルスターチ&ケミカル 社製「トレコメックスAET−4」)
D:リン酸架橋アセチル化馬鈴薯澱粉(松谷化学社製「パーフェクトアミ ール75」)
E:未処理馬鈴薯澱粉(ホクレン製「なかしゃり」)
F:酸化馬鈴薯澱粉(松谷化学社製「スタビローズ1000」)
G:リン酸化馬鈴薯澱粉(ホーネンコーポレーション製「BP−100」)【0053】上記表4の結果から、本発明において、澱粉(b)として、エーテル化タピオカ澱粉の代わりに各種の馬鈴薯澱粉を用いた場合にも、緩慢解凍したときに、ほぐれ易く、茹伸びがなくて、弾力性および滑らかさに優れており、高い品質を有するそばに解凍され得る冷凍そばが得られることがわかる。
【0054】《実施例8》
(1) エーテル化タピオカ澱粉の代わりに、下記の表5に示す各種のワキシーコーンスターチを用いた以外は実施例1の(1)〜(2)と同様にしてそば用穀粉組成物を調製し、そのそば用穀粉組成物を用いて実施例1の(3)〜(5)と同様にして冷凍そばを製造した。(2) 上記(1)で得られた冷凍そばを、実施例1の(6)と同様にして、冷凍保存し、次いで緩慢解凍し、解凍したそばを軽く水洗いした後、つけつゆにて10名のパネラーに食してもらい、上記の表1に示す評価基準にしたがってほぐれ易さ、茹伸び、弾力性および滑らかさを評価してもらってその平均値を採ったところ、下記の表5に示すとおりであった。
【0055】
【表5】
[そばの品質]
ワキシーコーン ほぐれ易さ 茹伸び 弾力性 滑らかさ 総 合スターチの種類1) A 4.0 4.0 4.1 4.1 16.2 B 3.9 3.9 4.0 4.0 15.8 C 3.4 3.4 3.5 3.4 13.7 D 3.3 3.3 3.3 3.3 13.2 E 3.0 3.0 3.1 3.1 12.2 1) ワキシーコーンスターの種類: A:アセチル化ワキシーコーンスターチ(松谷化学製「フードスターチY− 90」) B:エーテル化ジエステル化ワキシーコーンスターチ(ナショナルスターチ &ケミカル社製「ピュリティW」)
C:リン酸架橋アセチル化ワキシーコーンスターチ(松谷化学社製「フード スターチYS」))
D:未処理ワキシーコーンスターチ(ホーネンコーポレーション製「ワキシ ーY」)
E:リン酸化ワキシーコーンスターチ(ホーネンコーポレーション製「P− 400」)【0056】上記表5の結果から、本発明において、澱粉(b)として、エーテル化タピオカ澱粉の代わりに各種のワキシーコーンスターチを用いた場合にも、緩慢解凍したときに、ほぐれ易く、茹伸びがなくて、弾力性および滑らかさに優れており、高い品質を有するそばに解凍され得る冷凍そばが得られることがわかる。
【0057】
【発明の効果】粒径106μm以下のそば粉(a)、澱粉(b)、並びに(c)グルテンを用いて冷凍そばを製造する本発明による場合は、加熱下で急速解凍したときは勿論のこと、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行ったときにも、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさに優れていて、食感や風味の良好なそばに解凍することのできる冷凍そばを得ることができる。そして、本発明において、そば粉(a)として、粒径82μm以下のそば粉を用いる場合は、緩慢解凍を行ったときに、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさに一層優れるものとなる、冷凍そばを得ることができる。また、本発明において、粒径106μm以下のそば粉(a)、澱粉(b)、並びに(c)グルテンと共に、卵白および/または乳清タンパクを併用する場合は、緩慢解凍を行ったときに、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、粘弾性、滑らかさに一層優れ、風味にも優れるものとなる、冷凍そばを得ることができる。【0058】さらに、本発明のそば用穀粉組成物を用いる場合は、上記した優れた特性を備える冷凍そばを、所定の原料成分を個々に購入して配合するなどの繁雑な手間を要することなく、極めて短時間に且つ簡単に製造することができる。そして、本発明の冷凍そばは、室温下での自然解凍や冷蔵温度での解凍などのような緩慢解凍を行っても、ほぐれ易く、茹伸びが少なくて、弾力性および滑らかさに優れるそばが得られるので、電子レンジ、熱湯供給装置、加熱水蒸気発生装置などのような加熱解凍装置が不要になり、設備面および熱効率の点で経費をかける必要がなくなり、所定の作業予定を組んでおくだけで、美味しいそばをタイムリーに供給することができる。
- 【公開番号】特開平11−69950
【公開日】平成11年(1999)3月16日
【発明の名称】冷凍そばの製造方法
【発明者】
【氏名】広瀬 明朗
【氏名】水上 将一
- 【出願番号】特願平9−213941
【出願日】平成9年(1997)7月25日
【出願人】
【識別番号】000226998
【氏名又は名称】日清製粉株式会社
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 良子 (外1名)
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