スポンサード リンク
水田作業機
スポンサード リンク
- 【要約】
【課題】 圃場の泥硬さに対して適正な感度での昇降制御を可能にすると共に、走行機体が前後方向に大きく傾斜した状態でも圃場面と基準とした適正な昇降制御を可能にする田植機を構成する。
【解決手段】 圃場面の泥硬さに対応して圃場面への沈み込み量が変化する泥面フロート18Bの上下変位量に基づいて感知フロート18Aの目標姿勢を設定して作業装置の昇降を行う第1制御モードと、泥面フロート18Bの対泥面への沈み込み量を目標値に維持するよう作業装置の昇降を行う第2制御モードとに切換自在な制御装置48を備え、ピッチングセンサ51で走行機体が前上がり側に設定量以上傾斜したことを計測すると第1制御モードから第2制御モードへ自動的に切換えるよう制御装置48の制御動作を設定した。

- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行機体の後端に対して昇降自在に作業装置を連結し、この作業装置に備えた複数の接地フロートのうちの何れかを、作業装置の対圃場面高さに対応して揺動姿勢が変化するよう横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在な感知フロートに構成し、この感知フロートを目標姿勢に維持するよう作業装置の昇降を行う制御装置を備えた水田作業機であって、前記複数の接地フロートのうち前記感知フロート以外の何れかを、圃場面の泥硬さに対応して圃場面に対する沈み込み量が変化するよう上下変位自在な泥面フロートに構成すると共に、前記制御装置が、この泥面フロートの上下変位に基づいて前記感知フロートの目標姿勢を設定して作業装置の昇降を行う第1制御モードと、泥面フロートの対泥面への沈み込み量を目標値に維持するよう作業装置の昇降を行う第2制御モードとに切換自在に構成されている水田作業機。
【請求項2】 前記走行機体に前後傾斜を計測する傾斜センサを備えると共に、この傾斜センサで所定値以下の傾斜を計測した際には、前記第1制御モードで作業装置の昇降を行い、この傾斜センサで所定値以上の傾斜を計測した際には前記第2制御モードで作業装置の昇降を行うよう前記制御装置の制御動作が設定されている請求項1記載の水田作業機【請求項3】 前記第1制御モードと、前記第2制御モードとの何れか一方の選択を行う選択スイッチを備えている請求項1記載の水田作業機【請求項4】 前記感知フロートが、作業装置の横方向での中心位置を基準に左右対称位置に配置された一対の接地フロートで構成され、前記泥面フロートが、この感知フロートに挟み込まれる位置に配置されると共に、泥面フロートの圃場面に対する沈み込み量を計測する泥面センサからの信号を目標信号とし、一対の感知フロートに対応する夫々の感知センサの信号値の平均値をフィードバック信号として作業装置の昇降を行うよう制御装置の制御動作が設定されている請求項1記載の水田作業機。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後端に対して昇降自在に作業装置を連結し、この作業装置に備えた複数の接地フロートのうちの何れかを、作業装置の対圃場面高さに対応して揺動姿勢が変化するよう横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在な感知フロートに構成し、この感知フロートを目標姿勢に維持するよう作業装置の昇降を行う制御装置を備えた水田作業機に関し、詳しくは、作業装置の昇降制御感度を圃場面の泥硬さに応じて自動的に調節する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のように構成された水田作業機として特開平7‐87817号公報に示されるものが存在し、この従来例では接地フロートの溝跡位置の圃場面と、接地フロートが接地しない圃場面とに接触する2つの接地部材を備え、夫々の接地部材で計測される圃場面レベルの差から接地フロートの溝跡の深さを計測するよう構成され、この計測によって深い溝跡を検出した場合には昇降制御の感度を高め、浅い溝跡を検出した場合には昇降制御の感度を低下させるよう自動的に昇降制御の感度を調節する制御系を備えたものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来例では圃場面の泥硬さを計測して制御感度を自動的に調節するので作業者に手間を掛けることなく圃場の状態に対応した最適な制御感度での昇降を可能にするものである。しかし、圃場面に接触して圃場面の泥硬さを計測する専用の接地部材を備えるものでは、接地部材の大型化にも制約があり接地面積の拡大を図ることが困難となっており、接地フロートが接地しない圃場面に比較的小さい凹凸が存在した場合でも接地部材が凹凸に計測してしまうことから計測精度にも限度があり、又、圃場面の泥硬さを計測するために2つの接地部材の用いる構成であるので部品数が増大するものとなり、しかも、夫々の接地部材が接地フロートから後方に突出する形態で備えられることから破損も発生しやすいものとなっており改善の余地がある。
【0004】又、田植機を例に挙げると、移植作業の終了時には図11に示す如く畦Eに向けて傾斜面を登坂し乍ら苗の移植作業を継続することもある。しかし、このように前部が持ち上がる方向に走行機体3が傾斜した状態で苗の移植作業を行うものでは、走行機体3に対する感知フロート18の姿勢が大きく前下がりとなって、感知フロート18が目標姿勢から大きく外れ適正な昇降制御が行われないものとなる。
【0005】本発明の目的は、圃場の泥硬さに対して適正な感度での昇降制御を可能にすると共に、走行機体が前後方向に大きく傾斜した状態でも圃場面と基準とした適正な昇降制御を可能にする水田作業機を合理的に構成する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の特徴(請求項1)は冒頭に記したように、走行機体の後端に対して昇降自在に作業装置を連結し、この作業装置に備えた複数の接地フロートのうちの何れかを、作業装置の対圃場面高さに対応して揺動姿勢が変化するよう横向き姿勢の軸芯周りで揺動自在な感知フロートに構成し、この感知フロートを目標姿勢に維持するよう作業装置の昇降を行う制御装置を備えた水田作業機において、前記複数の接地フロートのうち前記感知フロート以外の何れかを、圃場面の泥硬さに対応して圃場面に対する沈み込み量が変化するよう上下変位自在な泥面フロートに構成すると共に、前記制御装置が、この泥面フロートの上下変位に基づいて前記感知フロートの目標姿勢を設定して作業装置の昇降を行う第1制御モードと、泥面フロートの対泥面への沈み込み量を目標値に維持するよう作業装置の昇降を行う第2制御モードとに切換自在に構成されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0007】本発明の第2の特徴(請求項2)は請求項1において、前記走行機体に前後傾斜を計測する傾斜センサを備えると共に、この傾斜センサで所定値以下の傾斜を計測した際には、前記第1制御モードで作業装置の昇降を行い、この傾斜センサで所定値以上の傾斜を計測した際には前記第2制御モードで作業装置の昇降を行うよう前記制御装置の制御動作が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0008】本発明の第3の特徴(請求項3)は請求項1において、前記第1制御モードと、前記第2制御モードとの何れか一方の選択を行う選択スイッチを備えている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0009】本発明の第4の特徴(請求項4)は請求項1において、前記感知フロートが、作業装置の横方向での中心位置を基準に左右対称位置に配置された一対の接地フロートで構成され、前記泥面フロートが、この感知フロートに挟み込まれる位置に配置されると共に、泥面フロートの圃場面に対する沈み込み量を計測する泥面センサからの信号を目標信号とし、一対の感知フロートに対応する夫々の感知センサの信号値の平均値をフィードバック信号として作業装置の昇降を行うよう制御装置の制御動作が設定されている点にあり、その作用、及び、効果は次の通りである。
【0010】〔作用〕上記第1の特徴によると、接地面積の広い接地フロートの変位作動を泥硬さセンサで計測するので、圃場面の小さい凹凸の影響を低減できると共に、水平な圃場で作業を行う場合には制御装置で第1制御モードの昇降制御を行うことで泥面フロートの泥面に沈み込み量に対応して感知フロートの目標姿勢を設定することで圃場面の泥硬さに対応した最適な制御感度で作業装置の昇降制御を行えるものとなり。又、畦に向けて傾斜面を登坂し乍ら苗の対地作業を継続する場合のように機体が大きく傾斜した状態で対地作業を行う場合には制御装置で第2制御モードの昇降制御を行うことで感知フロートが制御不能な姿勢にある場合でも泥面フロートの上下変位に基づいて作業装置の昇降を行えるものとなる。
【0011】上記第2の特徴によると、傾斜センサの計測結果に基づいて第1制御モードと第2制御モードとに自動的に切換られるので、作業状態に最適な状態での昇降制御を行えると共に、人為的に切換操作を行う必要がない。
【0012】上記第3の特徴によると、必要に応じて選択スイッチを操作することで任意のタイミングで作業者が意図する制御を選択して行えるものとなる。
【0013】上記第4の特徴によると、泥面フロートが左右方向での中心側に配置されているので、作業装置で作業を行う圃場面の中心位置の泥面の泥硬さを計測できるものとなり、又、泥面フロートを挟む位置に感知フロートを配置し、夫々の泥面フロートの平均姿勢が目標姿勢となるよう制御が行われるので、走行機体が横方向に傾斜しても適正な昇降制御を行い得るものとなる。
【0014】〔発明の効果〕従って、圃場の小さな凹凸の影響を排除した状態で、圃場面の泥硬さに対応した適正な感度を自動的に設定して対地作業装置の昇降制御を行うと共に、走行機体が前後方向に大きく傾斜した場合でも作業装置を圃場面を基準として適正に昇降制御し得る水田作業機が合理的に構成されたのである(請求項1)。又、走行機体の前後傾斜に基づいて自動的に最適な制御モードで作業装置の昇降を行えるものとなり(請求項2)、作業者が必要とするタイミングで必要とするモードで作業装置の昇降を行えるものとなり(請求項3)、作業に最も必要な位置の圃場面の泥硬さに基づき、走行機体が横方向に傾斜した場合でも適正な昇降制御を行い得るものとなった(請求項4)。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、ステアリング操作される駆動型の前車輪1、及び、駆動型の後車輪2を備えた走行機体3の前部にエンジン4を搭載すると共に、この走行機体3の後部にエンジン4からの動力が伝えられる静油圧式の無段変速装置5、及び、ミッションケース6を配置し、又、走行機体3の中央部に運転座席7を配置し、走行機体3の後端部に対し油圧シリンダ8で駆動昇降するリンク機構9を介して対地作業装置としての苗植付装置Aを連結して水田作業機としての乗用型の田植機を構成する。
【0016】前記運転座席7の右側部に苗植付装置Aの昇降制御と植付クラッチ(図示せず)の入り切り操作とを行う昇降レバー10を備え、又、機体前部位置にはステアリングハンドル11と強制昇降レバー19とを備えている。尚、前記植付クラッチは、前記ミッションケース6に内蔵され、このミッションケース6から苗植付装置Aに対して動力を伝える伝動軸12が決まった回転位相にある場合にのみ切り操作を許容して苗植付装置Aの植付アーム(後述する)が圃場との接触を回避した姿勢で動力を遮断するよう構成されている。
【0017】苗植付装置Aはマット状苗Wを載置する苗載せ台13、前記伝動軸12からの動力が伝えられる伝動ケース14この伝動ケース14からチェーンケース15を介して伝えられる動力で回転するロータリケース16、このロータリケース16に一対ずつ備えられた植付アーム17、図5に示す如く配置された4つの整地フロート18(接地フロートの一例)夫々を備えて8条植用に構成されると共に、該苗植付装置Aの後端位置には施肥装置Bを備え、作業時には苗載せ台13に載置されたマット状苗Wの下端から苗を植付アーム17が1株ずつ切出して圃場面Sに植え付けると同時に、植付けた苗の近傍の圃場面下に施肥装置Bで肥料を供給するよう構成されている。
【0018】前記4つの整地フロート18は左右方向での中心を基準にして左右対称の位置に配置され、4つの整地フロート18のうち外側の部の一対のものを苗植付装置Aの対圃場面高さを計測する感知フロート18Aとして用い、その内側に配置された一対のものを圃場面Sの泥面フロート18Bとして用いており、又、後車輪2の通過跡が左右の2つのフロート18A,18Bの間に位置するよう配置している。
【0019】つまり、感知フロート18Aは図2に示すように、前記苗植付装置Aに横向き姿勢の軸芯周りで回動自在に支持された植付深さ調節軸21から後方に延設した支持アーム22の後端位置に対して横向き姿勢の軸芯P周りで揺動自在に支持され、植付深さ調節軸21から前方に向けて形成したリンク部材23に対して該フロート18Aの前部を支持することで該感知フロート18Aを横向き姿勢の軸芯P周りでの揺動自在に構成してある。
【0020】支持アーム22に対して横向き姿勢の操作軸24周りで揺動自在にポテンショメータ型のレベルセンサ25を支持し、この操作軸24に備えた操作アーム24Aと感知フロート18Aに固定した固定アーム26との間に操作ロッド27を備え、植付深さ調節軸21に固設した部材28とレベルセンサ25を支持する部材とに亘ってロッド29を備えることで植付深さ調節軸21の回動操作時に操作軸24周りでのレベルセンサ25本体の姿勢を変更して感知フロート18の苗植付装置Aに対する揺動姿勢を一定に維持する限りはレベルセンサ25本体に対する操作アーム24Aの姿勢を維持するよう構成されている。又、植付深さ調節軸21に固設された調節アーム30を介して上下方向に揺動操作される部材31と感知フロート18Aの前部との間に圧縮コイル型のバネ32を介装することで、植付深さ調節軸21の回動操作時にもセンサフロート18の苗植付装置Aに対する揺動姿勢を一定に維持する限りはバネ32の付勢力を変化させないように構成されている。
【0021】図3,図4に示すように、泥面フロート18Bは、前記植付深さ調節軸21から後方に延設した支持アーム22の後端位置に対して横向き姿勢に形成した支軸35を該フロート18Bの後部位置に突設したブラケット36の縦長姿勢の長孔36Aに挿通することで、該フロート18Bの後部が支軸35周りで揺動自在、かつ、長孔36Aの形成方向に沿って上下方向に移動自在に支持されている。又、このフロート18Bの前部は屈伸型のリンク部材37を介して苗植付装置Aのフレーム38に支持されている。
【0022】又、ブラケット36の長孔36Aの上下方向での中央位置に支軸35を保持するためのバネ39,39を備えると共に、苗植付装置Aの側に固設された板状の支持材40に対して平行四連型に作動するリンク片41,41を介して上下変位自在にプレート42を支持し、このプレート42に対して横向き姿勢の軸芯周りで回動操作される操作アーム43Aを有したポテンショメータ型の泥硬さセンサ43を備えている。この泥硬さセンサ43の操作アーム43Aと泥面フロート18Bの前後方向の中間位置の上面に固定した支持片44との間に操作ロッド45を備え、更に、前記支持アーム22と、泥硬さセンサ43を支持するリンク片41とをリンク部材55で連係することにより植付深さ調節軸21の回動操作時には支持アーム22の揺動と連係した支持プレート42の上下変位により操作アーム43Aと支持片44との上下方向での距離を一定に維持するよう構成されている。同図に示すように側面視において、前記植付アーム17に備えた植付爪17Aの先端軌跡Tと圃場面Sとが交差する点の直上位置に前記支持片44を配置してある。
【0023】又、前述のように泥面フロート18Bを支持したので、後部の支軸35とブラケット36の長孔36Aとの間での相対移動、及び、前部のリンク部材37の屈伸作動によって圃場面Sの泥硬さに対応して該フロート18B全体の上下変位が許されるものとなっている。特に、該フロート18Bの後部の支軸35周りで揺動自在に支持されるため、走行機体3が前後方向に傾斜した場合にも無理な力を支持系に作用させずに済み、前述のように支持片44の位置を設定したので該フロート18Bの圃場面Sに対する沈み込み量を計測する場合にも泥硬さセンサ43からの電圧信号を計測することで済むものとなっている。
【0024】図6に示すように、運転座席7の前方位置にはダイヤル46で操作されるポテンショメータ型の感度設定器47が配置され、この感度設定器47を「敏」の側に操作するほど感知フロート18Aの目標姿勢前下がり側に設定してバネ32から感知フロート18Aに作用する付勢力の低減を図って該感知フロート18Aの敏感な揺動を許すものとなっており、「鈍」の側に操作するほど感知フロート18Aの目標姿勢を前上がり側に設定してバネ32から感知フロート18Aに作用する付勢力の増大を図って該感知フロート18Aの揺動を鈍らせるものとなっている。又、前記泥面フロート18Bは圃場面Sに対する沈み込み量に基づいて圃場面Sの泥硬さを計測するものであり、後述するように、苗植付装置Aの昇降制御時には泥面フロート18Bの圃場面Sに対する沈み込み量が大きいほど圃場面Sが軟質であると判断して制御感度を高め、泥面フロート18Bの圃場面Sに対する沈み込み量が小さいほど圃場面Sが硬質であると判断して制御感度を低下させる側に補正するために使用される。
【0025】図7に示すように、前記昇降レバー10は、ガイド34に形成された経路に沿って操作自在に構成され、該昇降レバー10を経路内の「下降」位置より前方側に操作すると苗植付装置Aを下降させ、「上昇」位置より後方側に操作すると苗植付装置Aを上昇させ、「中立」位置に操作すると苗植付装置Aをそのレベルに維持するよう制御系と連係し、又、該昇降レバー10を「入」位置に操作した場合には植付クラッチを入り操作した状態で後述する制御モードで苗植付装置Aの自動昇降を行い、「切」位置に操作した場合には植付クラッチを切り操作し、更に、該昇降レバー10を「自動」位置に設定すると前記強制昇降レバー19の操作に従って、後述する制御モードで苗植付装置Aの自動昇降を行う状態と、植付クラッチを切り操作して苗植付装置Aを上限まで強制上昇させる状態とに切換自在となるよう制御系と連係している。
【0026】図6に示すように、前記強制昇降レバー19は非操作状態で中立位置「N」に復帰するようバネ(図示せず)で付勢されると共に、この中立位置「N」から上方側の上昇位置「U」に操作すると植付クラッチの切り操作して苗植付装置Aを上限まで上昇させ、このこの中立位置「N」から下方側の下降位置「D」に操作すると、上昇状態の苗植付装置Aを整地フロート18が接地するまで下降させるよう制御系と連係している。尚、この強制昇降レバー19で苗植付装置Aを下降させた場合には植付クラッチは切り状態を維持しており、この下降の後に強制昇降レバー20を再度、下降位置「D」に操作することで植付クラッチの入り操作を行うよう制御動作が設定されている。
【0027】図6に示すように、該田植機の制御系が構成され、この制御系ではマイクロプロセッサ(図示せず)を備えた制御装置48に対して前記昇降レバー10の基端に備えた昇降レバーセンサ49からの信号、強制昇降レバー19の基端に備えた切換スイッチ50からの信号、前記感度設定器47からの信号、前記レベルセンサ25からの信号、前記泥硬さセンサ43、及び、走行機体3の前後傾斜量を計測するポテンショメータ型のピッチングセンサ51(傾斜センサの一例)、リンク機構9の揺動量から苗植付装置Aの対走行機体高さを計測するリンクセンサ52からの信号が入力する系が形成されると共に、前記油圧シリンダ8を制御する電磁弁53を制御する出力系が形成されている。又、電磁弁53はソレノイドに供給される電流値の値を増大させるほど該電磁弁53の開度を大きくする電磁比例型の特性のものが用いられている。
【0028】苗植付装置Aを昇降制御する自動昇降制御ルーチンが図8のフローチャートに示すよう設定されている。つまり、この制御では前記ピッチングセンサ51で走行機体3の前後方向への傾斜を計測して、走行機体3の前上がり側への傾斜が設定値以化の場合にはフラグを「0」に設定して(このフラグは後述する補助昇降制御ルーチンで使用される)昇降レバー10が「自動」位置にあるかを判別する(#101〜#104ステップ)。この判別で「自動」位置以外の位置にある場合には前記感度設定器47からの信号に基づいて制御目標を設定すると共に、左右のレベルセンサ25,25からの信号値の和を1/2する単純な演算で平均化し、この平均値と制御目標を基準に形成される不感帯と比較し、比較の結果、不感帯の域外に平均値が存在する場合には、制御目標と平均値との偏差に対応する値を電磁弁53の目標開度に設定して偏差が小さくなる側に昇降制御を設定して電磁弁53の操作し、又、比較の結果、不感帯の域内に平均値が存在する場合には電磁弁53を操作せず(中立位置の保持)、これらの処理によって苗植付装置Aを圃場面Sを基準にした昇降制御を行い得るものとなっている(#105〜#109ステップ)。
【0029】又、昇降レバー10が「自動」位置に設定されている場合には、左右の泥硬さセンサの信号値の和を1/2する単純な演算で平均化し、この平均値に基づいて感度設定器47からの信号値を補正し、この補正結果を制御目標に設定し(#110〜#111ステップ)、前述の#106ステップの処理の流れに移行して苗植付装置Aを圃場面を基準にした昇降制御を行い得るものとなっている。
【0030】又、ピッチングセンサ51で走行機体3の前後方向への傾斜を計測して、走行機体3の前上がり側への傾斜が設定値以上であることが判別された場合には(102ステップ)、補助昇降制御ルーチン(#200ステップ)の処理を行うようになっている。
【0031】つまり、この補助昇降制御ルーチンは図9のフローチャートに示すように、フラグが「0」である場合には、走行機体3が傾斜状態に至るまでの自動昇降制御時の泥硬さセンサ43からの信号値の平均化処理し、この平均値を制御目標に設定すると共に、フラグを「1」に設定して左右の泥硬さセンサ43,43からの信号値の和を1/2する単純な演算で平均化し、この平均値と制御目標を基準に形成される不感帯と比較し、比較の結果、不感帯の域外に平均値が存在する場合には、制御目標と平均値との偏差に対応する値を電磁弁53の目標開度に設定して偏差が小さくなる側に昇降制御を設定して電磁弁53の操作し、又、比較の結果、不感帯の域内に平均値が存在する場合には電磁弁53を操作せず(中立位置の保持)、これらの処理によって苗植付装置Aを圃場面Sを基準にした昇降制御を行い得るものとなっている(#201〜#208ステップ)。
【0032】尚、走行機体3の前後傾斜がない状態でレベルセンサ25,25からの信号に基づいて圃場面Sに追従した昇降制御を行う制御動作(前述の#105〜#109ステップ)で第1制御モードが構成され、補助昇降制御ルーチン(#201〜#208ステップ)で第2制御モードが設定されている。
【0033】又、第2制御モードは図10に示すように、走行機体3が畦Eに向けて傾斜面を登坂し乍ら苗の移植作業を継続する際に、走行機体3の前部が持ち上がる方向に傾斜してレベルセンサ25での計測限界を越える、あるいは、この傾斜に対応した角度まで感知フロート18Aが揺動できないことに起因してレベルセンサ25を用いた昇降制御が不能になる不都合を回避するための制御であり、この第2制御モードでは、感知フロート18Aを用いた制御に代えて、泥面フロート18Bの上下方向への変位に基づいて、苗植付装置Aの圃場面Sに対するレベルを計測し、このレベルを維持するよう苗植付装置Aの昇降を行うことで走行機体3が大きく傾斜した状態でも圃場面Sを基準とした苗植付装置Aの昇降を円滑に行えるものとなっている。特に、この実施の形態では走行機体3の傾斜をピッチングセンサ51の計測結果に基づいて自動的に切換えるので作業者に対して操作上の手間を掛けずに最適な制御モードでの昇降を行い得るものとなっている。
【0034】〔別実施の形態〕本発明は上記実施の形態以外に、以下のように構成することも可能である。
【0035】(イ)図12に示すように、3つの整地フロート18を備えた6植え用の苗植付装置Aに適用すると共に、左右両側部のフロートを感知フロート18A,18Aとし、その中間の中央位置のフロートを泥面フロート18Bとする。
【0036】(ロ)図13に示すように、5つの整地フロート18を備えた10植え用の苗植付装置Aに適用すると共に、左右最外側の内側のフロートを感知フロート18A,18Aとし、その中間の中央位置のフロートを泥面フロート18Bとする。
【0037】(ハ)実施の形態、及び、別実施の形態(イ),(ロ)に示した感知フロート18Aと泥面フロート18Bとの配置を入換え、左右方向で外側に泥面フロート18Bを配置し、左右方向で内側に感知フロート18Aを配置する。
【0038】(ニ)第1制御モードと第2制御モードとの切換を人為的に行うために専用の選択スイッチを設ける。
【0039】(ホ)本発明の制御系を直播装置に適用する。
- 【公開番号】特開平11−89350
【公開日】平成11年(1999)4月6日
【発明の名称】水田作業機
【発明者】
【氏名】木村 浩人
- 【出願番号】特願平9−252986
【出願日】平成9年(1997)9月18日
【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
- 【代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
スポンサード リンク
- ★当サイトのどのページも全てリンクフリーです、自由にお使いください
※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。