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杭圧入装置
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- 【要約】
【課題】 ケーシング付きアースオーガで先掘りしながら杭を圧入する杭圧入装置において、アースオーガを自力で地盤から引き抜けるようにする。
【解決手段】 杭圧入装置は、杭チャック部22を有して杭を掴むチャック20と、該チャック20を昇降する油圧シリンダとを備える。また、チャック20には、アースオーガのケーシング16を掴むケーシングチャック23と、これをチャック20内で昇降する油圧シリンダ24とが備えられている。また、チャック2は、ケーシングチャック23とは別に、ケーシング16を掴む補助ケーシングチャック26を有する。そして、ケーシングチャック23、油圧シリンダ24及び補助ケーシングチャック26により、クレーンを使うことなく、アースオーガを地盤から引き抜くことができる。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 杭を地盤に圧入するに際し、ケーシング付きアースオーガで杭を圧入する部分や圧入部近傍を掘削して杭を圧入する杭圧入装置であって、上記杭を掴むチャックと、該チャックを昇降させることにより杭の圧入を可能とする杭昇降手段と、上記アースオーガのケーシングを掴むケーシングチャックと、該ケーシングチャックを昇降させることにより、上記杭に沿って上記アースオーガの昇降を行うアースオーガ昇降手段と、上記ケーシングチャックとは別に上記ケーシングを掴む補助ケーシングチャックとが備えられていることを特徴とする杭圧入装置。
【請求項2】 杭を地盤に圧入するに際し、ケーシング付きアースオーガで杭を圧入する部分を掘削して杭を圧入する杭圧入装置であって、上記杭を掴むとともに、上記杭を軸回りに回転させるように回転可能なチャックと、該チャックを昇降させることにより上記杭の圧入を可能とする杭昇降手段とが備えられ、かつ、上記チャックに、上記アースオーガのケーシングを掴むケーシングチャックと、該ケーシングチャックを昇降させることにより、上記杭に沿って上記アースオーガの昇降を行うアースオーガ昇降手段とが備えられ、上記ケーシングには、その軸回りの回転を上記チャックに係合することにより抑止する係合部材が、上記ケーシングの所定の高さ位置の部分を除いて上記ケーシングの軸方向に沿って設けられていることを特徴とする杭圧入装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬質地盤においても矢板等の杭を圧入可能とするために、アースオーガによる掘削を併用して杭を圧入する杭圧入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、既設の杭から反力を取って新たに杭を地盤に圧入する図8に示すような杭圧入装置1が知られている。この杭圧入装置1は、既に打ち込まれた杭(U型の鋼矢板2…)をクランプ3…で掴んで、既設の鋼矢板2…から反力を取った状態で、チャック4に掴まれた鋼矢板2を、チャック4を降下させることにより地盤に圧入するものである。また、図8に示される杭圧入装置1においては、油圧だけで鋼矢板2を圧入することが困難な硬質地盤に対しても、鋼矢板2を圧入できるように、ケーシング付きアースオーガ5で先掘りしながら、鋼矢板2を圧入できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記杭圧入装置においては、複数の鋼矢板を連続して圧入する際に、アースオーガで掘削を行っては、これを地盤から引き抜いて次ぎの掘削を行うことを繰り返すことになる。しかし、上記杭圧入装置は、例えば、チャックの上下動等により、アースオーガを短いスパンで昇降させることができるが、アースオーガを完全に地盤から引き抜くようなことはできなかった。従って、一つの鋼矢板を圧入した後に次ぎの鋼矢板を圧入する際には、クレーン等を用いてアースオーガを地盤から引き抜く必要があった。
【0004】また、U型の鋼矢板を地盤に連続して圧入することにより矢板壁を構築する場合には、一般的にU型の鋼矢板の突出する側を一本ずつ交互に左右に向けることで、矢板壁が平面視して波状となるようにしており、上記杭圧入装置では、チャックを左右に回転させることにより、鋼矢板の向きを一本ずつ左右に変えられるようになっている。従って、一つの鋼矢板を圧入してから次ぎの鋼矢板を圧入する際には、チャックを左右のどちらかに180度回転させることになるが、この際に、チャックにアースオーガが取り付けられた状態だと、アースオーガも回転してしまうことになる。すなわち、アースオーガのケーシングには、掘削時にケーシングが回転してしまわないように、チャックに係合してケーシングの回転を防止する係合部材が設けられており、チャックに係合部材が係合した状態でチャックを回転させるとケーシング(アースオーガ)も回転することになる。
【0005】しかし、アースオーガには、排土を行うための排土用チューブや、アースオーガを回転させる油圧モータへの油圧用配管等が取り付けられており、アースオーガを回転してしまうと、排土用チューブが回りの構造物に当たってしまったり、油圧用配管が引っ張られたりするといった問題が生じる可能性がある。そこで、ケーシングがチャックと一体に回転しないようにするには、少なくとも、ケーシングの係合部材がチャックに係合しない位置まで、ケーシングをクレーン等で吊上げ、この状態でチャックを回転させる必要があった。また、ケーシングを吊上げて、チャックからケーシングの係合部材を外しているので、再び掘削を行うために、ケーシングを降ろす際には、ケーシングの係合部材をチャックに係合するように調整する必要があった。以上のことから一本の鋼矢板を圧入し終わってから、次ぎの鋼矢板を圧入するまでに、煩雑な作業が必要となるとともに、時間を要していた。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、一本の鋼矢板を圧入してから次ぎの鋼矢板を圧入するまでの作業を省力化して作業時間の短縮を図れる杭圧入装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の杭圧入装置は、杭を地盤に圧入するに際し、ケーシング付きアースオーガで杭を圧入する部分を掘削して杭を圧入するものであり、上記杭を掴むチャックと、該チャックを昇降させることにより杭の圧入を可能とする杭昇降手段と、上記アースオーガのケーシングを掴むケーシングチャックと、該ケーシングチャックを昇降させることにより、上記杭に沿って上記アースオーガの昇降を行うアースオーガ昇降手段と、上記ケーシングチャックとは別に上記ケーシングを掴む補助ケーシングチャックとが備えられていることを特徴とする。上記構成によれば、上記ケーシングチャックとは別に上記ケーシングを掴む補助ケーシングチャックによりケーシングを支持しながら、ケーシングチャックの昇降により、順次ケーシング付きアースオーガを上昇させることができる。従って、アースオーガをクレーンを使わずに地盤から引き抜くことができる。
【0008】本発明の請求項2記載の杭圧入装置は、杭を地盤に圧入するに際し、ケーシング付きアースオーガで杭を圧入する部分を掘削して杭を圧入するものであり、上記杭を掴むとともに、上記杭を軸回りに回転させるように回転可能なチャックと、該チャックを昇降させることにより上記杭の圧入を可能とする杭昇降手段とが備えられ、かつ、上記チャックに、上記アースオーガのケーシングを掴むケーシングチャックと、該ケーシングチャックを昇降させることにより、上記杭に沿って上記アースオーガの昇降を行うアースオーガ昇降手段とが備えられ、上記ケーシングには、その軸回りの回転を上記チャックに係合することにより抑止する係合部材が、上記ケーシングの所定の高さ位置の部分を除いて上記ケーシングの軸方向に沿って設けられていることを特徴とする。上記構成によれば、杭(例えば、鋼矢板)を連続して圧入して、平面視して波状の矢板壁を構築するために、一本の鋼矢板を圧入した後に、次ぎの鋼矢板を圧入する際に、鋼矢板の向きを変えるためにチャックを回転させる場合に、チャックのケーシングに対する位置が上記所定の高さ位置となるようにし、かつ、ケーシング付きオーガが地盤に支持された状態で、チャックを回転させれば、ケーシングの係合部材がチャックに係合する位置にないので、チャックを回転してもケーシングが回転することがない。従って、ケーシングをクレーンで吊上げなくとも、ケーシングを回転させることなくチャックだけ回転させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態の一例の杭圧入装置を図面を参照して説明する。図1〜図3は、この一例の杭圧入装置10を示すものであり、図4〜図7は、上記杭圧入装置10のチャック20を示すものである。図1〜図3に示すように、杭圧入装置10は、従来の杭圧入装置と同様に、既設のU型の鋼矢板2…を掴むクランプ11…を下部に備えたサドル12と、該サドル12に対して前後にスライド移動するスライドベース13と、スライドベース13上で旋回する旋回部14と、旋回部14の前方において油圧シリンダ15、15により昇降可能で、かつ、鋼矢板2を掴むチャック20と、先掘り用のケーシング付きアースオーガ17と、該アースオーガ17の油圧モータ18に油圧を供給するホース(図示略)が巻き取られるリール19とを備えたものである。
【0010】図1に示すように、上記アースオーガ17には、円筒状のケーシング16が備えられるとともに、ケーシング16内に、先端にビットを有するとともに外周に沿って上下に螺旋状に設けられたスクリューを有する図示しないスクリューロッドが、上記油圧モータ18により回転可能に設けられている。また、ケーシング16の上端部には、掘削土砂を排土するための排土部16aが設けられ、該排土部16aに図示しない排土用の管が接続されるようになっている。また、ケーシング16の表面には、図1及び図6に示すように、上下に、例えば、突条16bが形成されている。該突条16bは、チャック20の後述するケーシングチャック23に係合して、ケーシング16の回転を抑止するものである。また、上記突条16bは、ケーシング16の所定高さ位置としての上端部を除く部分に設けられるようになっており、図1に示すように、チャック20に対してケーシング16を最も下げた状態で、ケーシング16のチャック20より下の部分から下方に向かって延在するように突条16bが形成されている。従って、チャック20に対して上述のようにケーシング16を下げた状態では、チャック20に対してケーシング16が回転可能、すなわち、ケーシング16に対してチャック20が回転可能となっている。なお、突条16bの数は一つでもそれ以上でも良い。
【0011】そして、上記チャック20は、旋回部14の前面に図4等に示す環状支持部21を介して上下動自在に嵌合した状態とされるとともに、該環状支持部21を介して油圧シリンダ15,15に取り付けられて、上下に駆動されて昇降するようになっている。また、チャック20は、環状支持部21の内周に沿って、後述するようにチャック20に保持されたケーシング16の中心軸を回転中心として左右に回転自在となっている。そして、チャック20の断面を示す図4とチャック20の底面を示す図7とに示されるように、チャック20の下部の図中右側には、鋼矢板2を掴む杭チャック部22が設けられ、該杭チャック部22は、チャック20内に固定的に設けられた固定保持部22aと、該固定保持部22aに対向して配置され、固定保持部22aに向かって伸長可能な油圧シリンダ22bとを備え、固定保持部22aと油圧シリンダ22bとにより鋼矢板2(図4においては、鋼矢板2の左右側縁部を削除して中央部のみを図示)を挟持するものである。従って、杭チャック部22を有するチャック20が鋼矢板2を掴むことになり、チャック20を昇降する油圧シリンダ15,15が杭昇降手段となる。
【0012】また、図4と、一部を破断したチャック20の左側面を示す図5と、チャック20の一部を破断した平面を示す図6とに示されるように、チャック20の図中左側には、上記ケーシング16を掴むケーシングチャック23が設けられるとともに、ケーシングチャック23を、チャック20内で昇降させる油圧シリンダ24(図4及び図5に図示)が設けられている。そして、ケーシングチャック23には、ケーシング16を挿通させる挿通孔を備えた保持部23aと、該保持部23aの右側の内面に向かってケーシング16の外周面からケーシング16を押圧する油圧シリンダ23bとが備えられており、保持部23aに挿通されたケーシング16をケーシング16の外側に配置された油圧シリンダ23bで、油圧シリンダ23bに略対向する保持部23aの内面に押し付けることで、ケーシング付きアースオーガ17を鋼矢板2の略凹部内に挟持できるようになっている。
【0013】また、ケーシングチャック23は、チャック20の内部のガイド部20a、20aに上下動自在に嵌合しており、ガイド部20a、20aにガイドされた状態で、油圧シリンダ24により昇降できるようになっている。また、チャック20内部には、ケーシングチャック23のストロークを検知するストロークセンサ25が設けられている。また、上記保持部23aの内面及び油圧シリンダ23bのケーシング16への当接面には、上記ケーシング16の突条16bに対応する溝23c…が形成されており、ケーシング16の突条16bがこれら溝23c…の一つに係合することで、掘削時のケーシング16の回転を阻止できる。また、図4、図5及び図7に示されるように、チャック20の最下部の図中左側には、上記ケーシングチャック23とは別に、ケーシング16を掴む補助ケーシングチャック26が設けられ、該補助ケーシングチャック26は、チャック20内に固定的に設けられた上記固定保持部22aと、該固定保持部22aの裏面に対向して配置され、固定保持部22aに向かって伸長可能な油圧シリンダ26aとを備えたものである。なお、固定保持部22aは、杭チャック部22と共用されている。そして、補助ケーシングチャック26は、ケーシングチャック23より下方において、固定保持部22aと油圧シリンダ26aとによりケーシング16を挟持できるようになっている。
【0014】次ぎに、以上のような杭圧入装置により鋼矢板2を地盤に圧入して矢板壁を形成する方法を説明する。まず、図1に示すように、杭圧入装置10は、既設の鋼矢板2…をクランプ11…により掴んだ状態で、新たに鋼矢板2を圧入することになる。この際には、アースオーガ17をチャック20内のケーシングチャック23で掴んだ状態でケーシングチャック23をアースオーガ昇降手段である油圧シリンダ24により下降させることで、圧入される鋼矢板2の下方を先掘りする。次ぎに、ケーシング16を掴んだケーシングチャック23を上昇させることによりアースオーガ17を引き上げるとともに、鋼矢板2を杭チャック部22で掴んだチャック20を杭昇降手段となる油圧シリンダ15,15で下降させて鋼矢板2を圧入する。
【0015】これにより、アースオーガ17を引き上げることで形成された空間に土砂を押込みながら鋼矢板2が圧入されるので、硬質地盤でも杭を確実に圧入することができるとともに、杭圧入装置10は、自身の重量、掴んだ既設の杭の重量及び引抜抵抗力から反力を取るだけではなく、アースオーガ17を引き上げる際のケーシング16の引抜抵抗力からも反力を取ることができるので、杭圧入時の反力に対して余裕を持った状態で、杭を圧入することができる。すなわち、安定した状態で杭を圧入することができる。次ぎに、鋼矢板2及びアースオーガ17を放した状態で、チャック20を油圧シリンダ15,15により上昇させ、再び、上述のようにアースオーガ17を下降させて先掘りを行なった後に、アースオーガ17を引き上げながら鋼矢板2を下方に圧入する。そして、以上の動作を繰り返し行うことにより、順次鋼矢板2を圧入していき、最終的に鋼矢板2を予め決められた深さまで圧入する。
【0016】そして、図1に示すようにチャック20に掴まれた鋼矢板2を圧入し終わった段階で、チャック20から鋼矢板2を外し、鋼矢板2によりチャック20の回転を邪魔されない位置までチャック20を上昇させる。そして、次ぎに圧入するU型の鋼矢板2の凸部が前に圧入した鋼矢板2の逆となるように、チャック20を上記環状支持部21内で180度回転させる。この際に、チャック20は、ケーシング16を中心として回転するとともに、ケーシング16の上述のように突条16bが無い所定高さ位置にチャック20が配置された状態で回転するので、上部を除く部分が地盤中に埋設された状態のアースオーガ17がチャック20内に挿入された状態で、アースオーガ17を回転させることなくチャック20だけを回転させることができる。従って、従来のようにクレーンでアースオーガ17をチャック20の回転の邪魔にならない高さまで引き上げる必要がない。また、ケーシング16の上端部にチャック20が配置された状態では、ケーシング16の突条16bとチャック20の係合が外れた状態となる。しかし、ケーシング16の突条16bが係合するケーシングチャック23の溝23c…が、互いに等間隔で4つ配置されており、90度毎に溝23c…が配置されていることになるので、ケーシング16に対してチャック20を180度回転させた場合には、ケーシング16の突条16bの位置と、ケーシングチャック23に設けられた溝23c…の位置が再び一致することになる。従って、この状態、例えば、チャック20に対してケーシング16を上昇させれば、そのまま、再び、チャック20にケーシング16が係合する。なお、ケーシング16の突条16bが設けられない所定高さ位置とは、必ずしも、ケーシング16の上端部でなくとも良いが、ケーシング16の上端部にチャック20が配置された状態、すなわち、ケーシング16の上端部を除く部分が略地盤に埋設されて地盤に支持された状態で、ケーシング16に対してチャック20が回転可能となることが好ましい。
【0017】次ぎに、アースオーガ17を地盤から引抜くことになるが、この際には、上記補助ケーシングチャック26があるので、アースオーガ17を掴んだ状態のケーシングチャック23を油圧シリンダ24で上昇させ、次いで、アースオーガ17のケーシング16を補助ケーシングチャック26で掴み、この状態で、ケーシングチャック23からアースオーガ17を放して、ケーシングチャック23を下降させ、再び、ケーシングチャック23でアースオーガ17を掴み、次いで、補助ケーシングチャック26がアースオーガ17を放した状態で再びアースオーガ17を掴んだケーシングチャック23を上昇させる。このような動作を繰り返すことにより、アースオーガを地盤から完全に引抜いた状態とすることができる。従って、地盤に支持されていない状態のアースオーガ17をケーシングチャック23から放しても、アースオーガ17が落ちてしまうことがないので、クレーンを使用せずにアースオーガ17を地盤から引抜くことができる。なお、アースオーガ17を地盤から引き抜いた状態でも、アースオーガ17がケーシングチャック23に掴まれているので、ケーシング16の突条16bとチャック20とが係合した状態が保たれる。
【0018】次ぎに、杭圧入装置のサドル12に対してスライドベース13を前方にスライド移動させることにより、チャック20を次ぎの杭圧入位置に前進させ、チャック20に鋼矢板2をセットして、再び、上述のように鋼矢板2を圧入する。そして、このような鋼矢板2の圧入を繰り返し行うことにより、矢板壁を構築することができる。なお、杭圧入装置10は、鋼矢板2上を自走可能となっており、順次杭圧入装置10を前進させて鋼矢板2を連続して圧入することができる。そして、上述のように、一つの鋼矢板2を圧入し終わってから次ぎの鋼矢板2を圧入する際に、クレーンでアースオーガ17を引き上げることなく、チャック20の回転と、アースオーガ17の地盤からの引き抜きを行うことができるので、一つの鋼矢板2を圧入し終わってから次ぎの鋼矢板2を圧入するまでの作業の簡略化及び省力化を図ることができ、かつ、作業時間の短縮を図ることができる。なお、本発明の杭圧入装置は、鋼矢板2用に限定されるものではなく、他の鋼管矢板、H型矢板、Z型矢板、直線型矢板、コンクリート矢板等や他の矢板以外の杭にも応用でき、補助ケーシングチャック26を設けることにより、先掘りを行うケーシング付きアースオーガ17をクレーンなしで地盤から引き抜くことができる。また、一つの鋼矢板2を圧入し終わってから次ぎの鋼矢板2を圧入する際に、鋼矢板2を左右逆向きに圧入する必要がない矢板や杭を圧入する杭圧入装置においては、ケーシング16の所定高さ位置に、突条16b、すなわち、チャック20との回転防止用の係合部材を設けないようにする必要はない。
【0019】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の杭圧入装置によれば、補助ケーシングチャックを設けたことにより、クレーンで吊上げることなく、ケーシングチャック、アースオーガ昇降手段及び補助ケーシングチャックによりアースオーガを地盤から引き抜くことができる。本発明の請求項2記載の杭圧入装置によれば、鋼矢板の左右を交互に変更するようにして連続して地盤に複数の鋼矢板を圧入するために鋼矢板を圧入した後にチャックを回転する必要がある場合に、チャックがケーシングの回転止め用の係合部材がない所定高さ位置に配置された状態で、チャックを回転するようにすれば、クレーンによりチャックからケーシングを引き抜くことなく、チャックを回転することができる。さらに、請求項1記載のように補助ケーシングチャックを設ければ、一つの鋼矢板を圧入し終わってから次ぎの鋼矢板を圧入する際に、クレーンでアースオーガを吊上げる必要がなくなり、連続して杭を圧入する際に、作業の省力化と作業時間の短縮を図ることができる。
- 【公開番号】特開2000−2071(P2000−2071A)
【公開日】平成12年1月7日(2000.1.7)
【発明の名称】杭圧入装置
- 【出願番号】特願平10−165657
【出願日】平成10年6月12日(1998.6.12)
【出願人】
【識別番号】000141521
【氏名又は名称】株式会社技研製作所
- 【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
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