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掘削装置
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- 【要約】
【課題】 掘削装置自身で掘削方向の修正ができるようにする。
【解決手段】 掘削面にビット5が設けられたビットヘッド3に推進駆動装置8から衝撃力と回転運動とを与えて掘削する構造の掘削装置において、掘削面は、全面がビットヘッド軸の垂直面に対し傾斜した1つの傾斜面4で形成されてなると共に、推進駆動装置8はビットヘッド3に揺動運動を与える揺動機構を備えて構成される。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与えて掘削する構造の掘削装置において、上記掘削面は、全面がビットヘッド軸の垂直面に対し傾斜した1つの傾斜面で形成されてなると共に、上記推進駆動装置はビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、ビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴とする掘削装置。
【請求項2】 掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与え掘削する構造の掘削装置において、上記掘削面は、ビットヘッド軸の垂直面に対し1つの傾斜した傾斜面と当該傾斜面に連なる上記ビットヘッド軸の垂直面に対し平行な水平面か傾斜した傾斜面かのいずれかの連続面との2面で形成され、かつ当該傾斜面と連続面との2面によって形成される稜線がビットヘッド軸の中心から外れて形成されてなると共に、上記推進駆動装置はビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、ビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴とする掘削装置。
【請求項3】 掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与え掘削する構造の掘削装置において、上記掘削面は円錐形に形成され、かつ当該円錐形の頂点がビットヘッド軸の中心から外れて形成されてなると共に、上記推進駆動装置はビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、ビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴とする掘削装置。
【請求項4】 請求項3において、上記円錐形の頂点の先端部に平面部が設けられていることを特徴とする掘削装置。
【請求項5】 掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与え掘削する構造の掘削装置において、上記掘削面は凹状の円錐形が形成され、かつ当該凹状の円錐形の頂点がビットヘッド軸の中心から外れて形成されてなると共に、上記推進駆動装置はビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、ビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴とする掘削装置。
【請求項6】 請求項5において、上記凹状の円錐形の頂点の先端部に平面部が設けられていることを特徴とする掘削装置。【請求項1】 掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与えて掘削する構造の掘削装置において、
上記掘削面は、全面がビットヘッド軸の垂直面に対し傾斜した1つの傾斜面で形成されてなると共に、
上記推進駆動装置はビットヘッド軸を揺動中心にしてビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、
同一の掘削装置でそのビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴とする掘削装置。
【請求項2】 掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与え掘削する構造の掘削装置において、
上記掘削面は、ビットヘッド軸の垂直面に対し1つの傾斜した傾斜面と当該傾斜面に連なる上記ビットヘッド軸の垂直面に対し平行な水平面か傾斜した傾斜面かのいずれかの連続面との2面で形成され、かつ当該傾斜面と連続面との2面によって形成される稜線がビットヘッド軸の中心から外れて形成されてなると共に、
上記推進駆動装置はビットヘッド軸を揺動中心にしてビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、
同一の掘削装置でそのビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴とする掘削装置。
【請求項3】 掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与え掘削する構造の掘削装置において、
上記掘削面は円錐形に形成され、かつ当該円錐形の頂点がビットヘッド軸の中心から外れて形成されてなると共に、
上記推進駆動装置はビットヘッド軸を揺動中心にしてビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、
同一の掘削装置でそのビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴とする掘削装置。
【請求項4】 請求項3において、上記円錐形の頂点の先端部に平面部が設けられていることを特徴とする掘削装置。
【請求項5】 掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与え掘削する構造の掘削装置において、
上記掘削面は凹状の円錐形が形成され、かつ当該凹状の円錐形の頂点がビットヘッド軸の中心から外れて形成されてなると共に、
上記推進駆動装置はビットヘッド軸を揺動中心にしてビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、
同一の掘削装置でそのビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴とする掘削装置。
【請求項6】 請求項5において、上記凹状の円錐形の頂点の先端部に平面部が設けられていることを特徴とする掘削装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するために、本発明の掘削装置は掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与えて掘削する構造の掘削装置において、上記掘削面は、全面がビットヘッド軸の垂直面に対し傾斜した1つの傾斜面で形成されてなると共に、上記推進駆動装置はビットヘッド軸を揺動中心にしてビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、同一の掘削装置でそのビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】このように形成された傾斜面4を有する掘削面のビットヘッド3で、曲がった掘削孔を修正しようとするとき、傾斜面4の最頂点となっている頂点P1を掘削孔の曲がった方向と反対側になるように設定し、そしてビットヘッド軸Aを揺動中心にしてビットヘッド3を揺動させる。すなわち傾斜面4の頂点P1が揺動スパンの真中となるような形態でビットヘッド3を揺動運動させる。このビットヘッド3の揺動運動で、傾斜面4の頂点P1の近傍部分のビット5は曲がった方向と反対側の掘削孔壁の岩盤を傾斜面4の底点L1の近傍部分のビット5に先進して重複粉砕する構造となり、ビットヘッド3の頂点P1側が底点L1側に比べ岩盤が受ける衝撃力及びその掘削量が増大し、掘削孔の曲がりが修正される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】またこの傾斜面4を有する掘削面のビットヘッド3に対し、掘削孔を曲げようとする方向に傾斜面4の最頂点となっている頂点P1を設定し、そしてビットヘッド軸Aを揺動中心にしてビットヘッド3を揺動させると、すなわち傾斜面4の頂点P1が揺動スパンの真中となるような形態でビットヘッド3を揺動運動させると、傾斜面4の最頂点となっている頂点P1の近傍部分のビット5が傾斜面4の底点L1の近傍部分のビット5に比べ岩盤を先んじて粉砕推進する構造となり、頂点P1側は底点L1側に比べ掘削の先進性が確保され、傾斜面4の頂点P1側に曲がるような掘削が推進される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】このように形成された1つの傾斜面4−1とこの傾斜面4−1に連なる1つの水平面4−2との2面を有する掘削面のビットヘッド3で、曲がった掘削孔を修正しようとするとき、稜線9が偏った側の水平面4−2の円弧の中点P2(図3図示の×印位置)を掘削孔の曲がった方向と反対側になるように設定し、そしてビットヘッド軸Aを揺動中心にしてビットヘッド3を揺動させると、すなわち水平面4−2の円弧の中点P2が揺動スパンの真中となるような形態でビットヘッド3を揺動運動させると、水平面4−2側のビット5は曲がった方向と反対側の掘削孔壁の岩盤を傾斜面4−1側のビット5に先進して重複粉砕する構造となり、ビットヘッド3の水平面4−2側が傾斜面4−1側に比べ岩盤が受ける衝撃力及びその掘削量が増大し、掘削孔の曲がりが修正される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】同様に、この傾斜面4−1と水平面4−2とを有する掘削面のビットヘッド3に対し、掘削孔を曲げようとする方向に水平面4−2の円弧の中点P2を設定し、そしてビットヘッド軸Aを揺動中心にしてビットヘッド3を揺動させると、すなわち水平面4−2の円弧の中点P2が揺動スパンの真中となるような形態でビットヘッド3を揺動運動させると、水平掘削面4−2側のビット5が傾斜面4−1側のビット5に比べ岩盤を先んじて粉砕推進する構造となり、水平面4−2側は傾斜面4−1側に比べ掘削の先進性が確保され、水平面4−2側に曲がるような掘削が推進される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】このように形成された2つの傾斜面4−1,4−3を有する掘削面のビットヘッド3で、曲がった掘削孔を修正しようとするとき、稜線(図3の稜線9と考えてよい)が偏った側の傾斜面4−3の円弧の中点(図3のP2と考えてよい)を掘削孔の曲がった方向と反対側になるように設定し、そしてビットヘッド軸Aを揺動中心にしてビットヘッド3を揺動させると、すなわち傾斜面4−3の円弧の中点が揺動スパンの真中となるような形態でビットヘッド3を揺動運動させると、傾斜面4−3側のビット5は曲がった方向と反対側の掘削孔壁の岩盤を傾斜面4−1側のビット5に先進して重複粉砕する構造となり、ビットヘッド3の傾斜面4−3側が傾斜面4−1側に比べ岩盤が受ける衝撃力及びその掘削量が増大し、掘削孔の曲がりが修正される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】同様に、この2つの傾斜面4−1,4−3を有する掘削面のビットヘッド3に対し、掘削孔を曲げようとする方向に傾斜面4−3の円弧の中点を設定し、そしてビットヘッド軸Aを揺動中心にしてビットヘッド3を揺動させると、すなわち傾斜掘削面4−3の円弧の中点が揺動スパンの真中となるような形態でビットヘッド3を揺動運動させると、傾斜面4−3側のビット5が傾斜面4−1側のビット5に比べ岩盤を先んじて粉砕推進する構造となり、傾斜面4−3側は傾斜面4−1側に比べ掘削の先進性が確保され、傾斜面4−3側に曲がるような掘削が推進される。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、掘削装置、特に岩盤が堅いなどの理由で掘削孔が曲がりやすいときに、同一の掘削装置でそのビットヘッドの回転運動を揺動運動に変えることにより、直進孔が容易に掘削できるようにした掘削装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の掘削装置のビットヘッドは、その掘削面がその面取り部分を除きビットヘッド軸に垂直な平らな掘削面となっており、このビットヘッド軸に垂直な平らな掘削面に岩盤を打ち砕くビットが設けられた構造となっていた。
【0003】ヘッド部に斜面をもたせたものとして、リード管の先端のヘッド部に斜面をもたせたものが特開平9−60474号に開示されている。しかしながら特開平9−60474号に開示されている斜面したヘッド部は、岩盤を打ち砕きながら掘削する、いわゆるビットヘッドそのものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ビットヘッド軸に垂直な掘削面にビットが設けられた従来の掘削装置では、掘削すべき岩盤の状態によりその掘削孔が曲がって掘削されてしまうことが多く、掘削孔が曲がって掘削されてしまったとき、曲がった掘削孔をその掘削装置では修正できない欠点があった。
【0005】本発明は、上記の欠点を解決することを目的としており、掘削孔が曲がって掘削されるとき或いは掘削されてしまったとき、その掘削孔の修正が可能となる形状の掘削面に形成しておくと共に、ビットヘッドの回転運動に替え、ビットヘッドに掘削孔の修正を行わせるための揺動運動を与える構成にして、その掘削装置自身で掘削方向の修正ができる掘削装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決するために、本発明の掘削装置は掘削面にビットが設けられたビットヘッドに推進駆動装置から衝撃力と回転運動とを与えて掘削する構造の掘削装置において、上記掘削面は、全面がビットヘッド軸の垂直面に対し傾斜した1つの傾斜面で形成されてなると共に、上記推進駆動装置はビットヘッドに揺動運動を与える揺動機構を備え、ビットヘッドの揺動運動により直進掘削を可能ならしめたことを特徴としている。
【0007】また上記掘削面は、ビットヘッド軸の垂直面に対し1つの傾斜した傾斜面と当該傾斜面に連なる上記ビットヘッド軸の垂直面に対し平行な水平面か傾斜した傾斜面かのいずれかの連続面との2面で形成され、かつ当該傾斜面と連続面との2面によって形成される稜線がビットヘッド軸の中心から外れて形成されていてもよく、そして上記掘削面は円錐形に形成され、かつ当該円錐形の頂点がビットヘッド軸の中心から外れて形成されており、またその円錐形の頂点の先端部に平面部が設けられていてもよい。
【0008】更に上記掘削面は凹状の円錐形が形成され、かつ当該凹状の円錐形の頂点がビットヘッド軸の中心から外れて形成されており、またその凹状の円錐形の頂点の先端部に平面部が設けられていてもよい。
【0009】掘削面の一部分であって岩盤に対し先行粉砕するビットが設けられた形状部分の掘削面が、ビットヘッドの揺動運動により揺動すると、その先行粉砕ビット面は他の面の掘削面に先んじて岩盤を粉砕推進する。従って先に粉砕された岩盤の部分が他の部分に比べ掘削し易くなり、その方向にビットヘッドが推進され、曲がった掘削孔の修正や希望の方向に掘削することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る掘削装置の主要部の一実施例概略部分断面説明図を示している。
【0011】同図において、ケーシング1の先端部分の内部にはディバイス2が配設されており、そして当該ディバイス2のビットヘッド3はケーシング1の先端から突出した形で回転自在に取り付けられている。ビットヘッド3の掘削面は同図図示の如く、その全面がビットヘッド軸Aの垂直面に対し傾斜した1つの傾斜面4で形成されており、この傾斜した傾斜面4に複数個のビット5が設けられている。
【0012】ディバイス2の傾斜面4の反対側にはドリルハンマ6がディバイス2と結合され、そして当該ドリルハンマ6は、ドリルロッド7を介しビットヘッド3に衝撃力と回転運動或いは揺動運動とを与える推進駆動装置8に連結されている。また推進駆動装置8は、従来からの衝撃力及び回転力の付与のほか、回転運動機構と共に揺動運動機構を備えており、切替えにより揺動運動機構でビットヘッド3に揺動運動を付与できるようになっている。
【0013】このように形成された傾斜面4を有する掘削面のビットヘッド3で、曲がった掘削孔を修正しようとするとき、傾斜面4の最頂点となっている頂点P1を掘削孔の曲がった方向と反対側になるように設定し、そして傾斜面4の頂点P1を中心にビットヘッド3を揺動運動させる。このビットヘッド3の揺動運動で、傾斜面4の頂点P1の近傍部分のビット5は曲がった方向と反対側の掘削孔壁の岩盤を傾斜面4の底点L1の近傍部分のビット5に先進して重複粉砕する構造となり、ビットヘッド3の頂点P1側が底点L1側に比べ岩盤が受ける衝撃力及びその掘削量が増大し、掘削孔の曲がりが修正される。
【0014】またこの傾斜面4を有する掘削面のビットヘッド3に対し、掘削孔を曲げようとする方向に傾斜面4の最頂点となっている頂点P1を設定し、そして傾斜面4の頂点P1を中心にビットヘッド3を揺動運動させると、傾斜面4の最頂点となっている頂点P1の近傍部分のビット5が傾斜面4の底点L1の近傍部分のビット5に比べ岩盤を先んじて粉砕推進する構造となり、頂点P1側は底点L1側に比べ掘削の先進性が確保され、傾斜面4の頂点P1側に曲がるような掘削が推進される。
【0015】図2は本発明に係る掘削装置の掘削部分の他の実施例部分断面説明図、図3はその左側面図を示している。
【0016】図2の場合の掘削面は、ビットヘッド軸Aの垂直面に対し傾斜した1つの傾斜面4−1とこの傾斜面4−1に連なるビットヘッド軸Aの垂直面に対し平行な面、すなわち水平面4−2との2面で形成され、この2つの傾斜面4−1と水平面4−2とが交差する稜線9は、図3に示されている様にビットヘッド軸A(図3の×印位置)から外れ、水平面4−2側に偏った位置となっている。
【0017】なお、図2において、ケーシング1の先端にケーシングシュー10が固着されており、ビットヘッド3はケーシング1に回転自在に取り付けられた構造となっている。
【0018】このように形成された1つの傾斜面4−1とこの傾斜面4−1に連なる1つの水平面4−2との2面を有する掘削面のビットヘッド3で、曲がった掘削孔を修正しようとするとき、稜線9が偏った側の水平面4−2の円弧の中点P2(図3図示の×印位置)を掘削孔の曲がった方向と反対側になるように設定し、そして水平面4−2の円弧の中点P2を中心にビットヘッド3を揺動運動させると、水平面4−2側のビット5は曲がった方向と反対側の掘削孔壁の岩盤を傾斜面4−1側のビット5に先進して重複粉砕する構造となり、ビットヘッド3の水平面4−2側が傾斜面4−1側に比べ岩盤が受ける衝撃力及びその掘削量が増大し、掘削孔の曲がりが修正される。
【0019】同様に、この傾斜面4−1と水平面4−2とを有する掘削面のビットヘッド3に対し、掘削孔を曲げようとする方向に水平面4−2の円弧の中点P2を設定し、そして水平面4−2の円弧の中点P2を中心にビットヘッド3を揺動運動させると、水平掘削面4−2側のビット5が傾斜面4−1側のビット5に比べ岩盤を先んじて粉砕推進する構造となり、水平面4−2側は傾斜面4−1側に比べ掘削の先進性が確保され、水平面4−2側に曲がるような掘削が推進される。
【0020】この水平面4−2を、傾斜面4−1と反対方向に傾斜した傾斜面としても、当該水平面4−2の場合と同様の効果を得ることができる。すなわち、図4は本発明に係る掘削装置の掘削部分の他の実施例部分断面説明図を示しおり、図4の場合の掘削面は、ビットヘッド軸Aの垂直面に対し傾斜した傾斜面4−1とこの傾斜面4−1に連なるビットヘッド軸Aの垂直面に対し傾斜した傾斜面4−3との2面で形成されている。これは図2の水平面4−2の部分を傾斜面4−1と反対方向に傾斜させた構造のものである。このときの傾斜面4−3の傾斜角は傾斜面4−1の傾斜角と同じかそれより小さく形成されている。このような2つの傾斜面4−1,4−3が交差する稜線9は、図2のものと同様にビットヘッド軸Aから外れ、傾斜面4−2側に偏った位置となっている。すなわち図3において、水平面4−2の部分が傾斜面4−1と反対方向に傾斜しているものとして見做すことができる。
【0021】なお、図4において、ケーシング1の先端にケーシングシュー10が固着されており、先端面すなわち掘削面にビット5が設けられたリングビット11はケーシングシュー10から突出し、当該ケーシングシュー10に対して回転自在に保持され、リングビット11はケーシング1に回転自在に取り付けられた構造となっている。そしてリングビット11の内部にはディバイス2のビットヘッド3が着脱自在に嵌め込まれ、ディバイス2とリングビット11とが一体的に回動する結合構造となっている。
【0022】このように形成された2つの傾斜面4−1,4−3を有する掘削面のビットヘッド3で、曲がった掘削孔を修正しようとするとき、稜線(図3の稜線9と考えてよい)が偏った側の傾斜面4−3の円弧の中点(図3のP2と考えてよい)を掘削孔の曲がった方向と反対側になるように設定し、そして傾斜面4−3の円弧の中点を中心にビットヘッド3を揺動運動させると、傾斜面4−3側のビット5は曲がった方向と反対側の掘削孔壁の岩盤を傾斜面4−1側のビット5に先進して重複粉砕する構造となり、ビットヘッド3の傾斜面4−3側が傾斜面4−1側に比べ岩盤が受ける衝撃力及びその掘削量が増大し、掘削孔の曲がりが修正される。
【0023】同様に、この2つの傾斜面4−1,4−3を有する掘削面のビットヘッド3に対し、掘削孔を曲げようとする方向に傾斜面4−3の円弧の中点を設定し、そして傾斜掘削面4−3の円弧の中点を中心にビットヘッド3を揺動運動させると、傾斜面4−3側のビット5が傾斜面4−1側のビット5に比べ岩盤を先んじて粉砕推進する構造となり、傾斜面4−3側は傾斜面4−1側に比べ掘削の先進性が確保され、傾斜面4−3側に曲がるような掘削が推進される。
【0024】以上の説明から分かるように、ビットヘッド3を揺動運動させたとき、掘削面の一部分であって岩盤に対し先行粉砕するビットが設けられた形状面を備えた掘削面であれば、先行粉砕ビット面側は岩盤を先んじて粉砕推進する構造となり、曲がった掘削孔の修正や希望の方向に掘削を推進することができることになる。この様な掘削面として図5ないし図10の如き形状が存在する。
【0025】図5は掘削面の他の実施例断面図を示している。
【0026】図5(I)のビットヘッド3の掘削面は、傾斜面4−1と当該傾斜面4−1より傾斜が小さい傾斜面4−4との同方向に傾斜した2面で形成され、この2つの傾斜面4−1と傾斜面4−4とが交差する稜線9は、ビットヘッド軸Aから傾斜面4−4側に外れ、偏った位置となっている。この2つの傾斜面4−1と傾斜面4−4とが交差する稜線9が、図5(II)図示の如くビットヘッド軸Aから傾斜面4−1側に外れ、偏った位置となっていてもよい。
【0027】図6(I)のビットヘッド3の掘削面は、傾斜面4−1と当該傾斜面4−1より傾斜が大きい傾斜面4−5との同方向に傾斜した2面で形成され、この2つの傾斜面4−1と傾斜面4−5とが交差する稜線9は、ビットヘッド軸Aから傾斜面4−5側に外れ、偏った位置となっている。この2つの傾斜面4−1と傾斜面4−5とが交差する稜線9が、図6(II)図示の如くビットヘッド軸Aから傾斜面4−1側に外れ、偏った位置となっていてもよい。
【0028】図7のビットヘッド3の掘削面は、円錐形12に形成され、かつ当該円錐形12の頂点Pがビットヘッド軸の中心Aから外れて形成されている。この円錐形12の頂点Pの先端部に図8図示の如く、平面部13が形成されていてもよい。図7、図8において、形状を分かりやすくするためビット5の描画が省略されている。
【0029】図9のビットヘッド3の掘削面は、凹状の円錐形14に形成され、かつ当該凹状の円錐形14の頂点Pがビットヘッド軸Aから外れて形成されている。この凹状の円錐形12の頂点Pの先端部に図10図示の如く、平面部15が形成されていてもよい。図7、図8においても、形状を分かりやすくするためビット5の描画が省略されている。
【0030】曲がった掘削孔の修正や希望の方向に掘削する場合は、上記説明の如くビッドヘッド3に所定の揺動運動を与えるが、通常はビッドヘッド3に回転運動を与え掘削する。このときビッドヘッド3の掘削面は回転運動をするので、揺動運動のときと異なり直進性のある掘削がなされる。
【0031】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、掘削面の一部分であって岩盤に対し先行粉砕する掘削面を形成し、この先行粉砕する掘削面を揺動運動させるようにしたので、先行粉砕する掘削面の部分は他の面の掘削面に先んじて岩盤を粉砕推進すようになり、先に粉砕された岩盤の部分が他の部分に比べ掘削し易い岩盤掘削構造が醸成され、その方向にビットヘッドが推進される。従って曲がった掘削孔の修正や希望の方向に掘削することができるようになる。
- 【公開番号】特開2000−45672(P2000−45672A)
【公開日】平成12年2月15日(2000.2.15)
【発明の名称】掘削装置
- 【出願番号】特願平10−217197
【出願日】平成10年7月31日(1998.7.31)
【出願人】
【識別番号】598102764
【氏名又は名称】白河井戸ボーリング株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100081640
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 靖男
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