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電動式アースオーガの駆動制御装置
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- 【要約】
【課題】出力回転数の低いところから高いところまで広い範囲で高トルクが得られるようにした電動式オーガの駆動制御装置を提供する。【解決手段】インバータ回路21を付設した極数変換モータ10を備えてインバータ回路21を使用した運転時には、各極数の周波数に対応する最大出力トルクの特性が交差する点Aの周波数に基づいて自動的に極数の切り換えを行うようにした。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】インバータ回路を付設した電動モータを備えたアースオーガなどの駆動制御装置において、極数変換できる電動モータを備えてインバータ回路を使用した運転時には、各極数の周波数に対応する最大出力トルクの特性が交差する点の周波数に基づいて自動的に極数の切り換えを行うようにしたことを特徴とする電動式アースオーガの駆動制御装置。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モータによりオーガスクリューなどを回転駆動するアースオーガの駆動制御装置に関するものである。【0002】
【従来の技術】図1に示すように、アースオーガは、ベースマシン1に立設したリーダ2を備え、該リーダ2に付設したガイドレール3に係合させてオーガ駆動装置5が昇降可能に吊持され、このオーガ駆動装置5の下部にオーガスクリュー6を備えて構成される。
【0003】オーガスクリュー6の下端には掘削具が備えられ、上記オーガ駆動装置5により、これを回転させながら地中に押し進め、オーガスクリュー6の径の孔を地中に形成する。オーガ駆動装置5は、ベースマシン1の後部に搭載された発電機8から電力を得て電動モータを駆動し、減速機を介してオーガスクリュー6に伝達している。
【0004】アースオーガによる掘削作業では、掘削時の負荷が土質によって大きく異なるばかりでなく負荷変動が大きいためオーガスクリューの回転を適宜に変更できるのが望ましい。また、アースオーガは、オーガスクリューに変えて攪拌用アタッチメントを取り付けて、地盤改良など削孔以外の工事にも使用されるが、非常に低速な回転が必要とされたり、高速回転で行わなければならない作業もある。そこで、例えば特開平7−208054号公報に見られるように、電動モータにインバータ回路を付設して出力回転数を無段階に制御できるようにしたものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電動モータにインバータ回路を付設した場合には、出力回転数は無段階に変えられるが、最大出力トルクはいずれの回転数においても一定ではなく、ある回転数の範囲では所定の値が得られるが、範囲外の場合は、最大出力トルクが低下し、作業に必要なトルクが不足してしまうことがあった。
【0006】また、インバータ回路を使用する運転(以下、インバータ運転という)は、インバータ回路を介さない運転(以下、通常運転という)に比べ効率が悪いので、負荷が大きい場合には通常運転に切り換えて作業する場合が多いが、搭載されている電動モータの極数によって回転数と最大出力トルクが固定されるので、これが作業条件に適合しない場合がある。
【0007】本発明は、上記の点に鑑み開発されたもので、出力回転数の低いところから高いところまで広い範囲で高トルクが得られるようにした電動式オーガの駆動制御装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、次の手段を採った。即ち、インバータ回路を付設した電動モータを備えたアースオーガなどの駆動制御装置において、極数変換できる電動モータを備えてインバータ回路を使用した運転時には、各極数の周波数に対応する最大出力トルクの特性が交差する点の周波数に基づいて自動的に極数の切り換えを行うようにしたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す実施形態例に基づいて説明する。図2は、本発明の電動式アースオーガの駆動制御装置の一例を示すブロック図で、4Pまたは8Pに極数変換できる極数変換モータ10にインバータ回路21が付設され、通常運転またはインバータ運転に切り換える運転モード切換手段11と、極数変換モータ10の極数を切り換える極数切換装置12と、インバータ運転時に回転数を適宜設定するための回転数設定装置23によって構成されている。
【0010】上記運転モード切換手段11と回転数設定装置23は、運転者の操作によって切換または調整が行われる。また、極数切換装置12は、通常運転時においては運転者によって切り換えられるが、インバータ運転時においては、運転者が回転数設定装置23の操作によって変更される周波数の値に基づいて自動的に切り換えられる。
【0011】即ち、回転数設定装置23を操作して、周波数が変更され予め定めた周波数faを基準として、これを超えた場合は4Pに、これより低くなった場合は8Pに自動的に切り換えられる。この周波数faは、次のように定められた値である。図3は、4Pと8Pの極数変換モータの周波数に対する出力トルクの特性を示すもので、8Pの場合は、周波数がfoまでは高トルクで使用できるが、それ以上では周波数が高くなるにつれ最大トルクは低い値となる。一方、4Pの場合の最大トルクは、周波数がfrまでは漸増し、frを越えると次第に減少する。
【0012】上記周波数faは、モータの極数が8Pと4Pの場合の最大出力トルクが等しくなる点A、即ち各極数の最大トルク曲線の交点である。図4は、上記の実施形態例の電気結線を示す図で、ベースマシン1に搭載した発電機8からの交流電源Eから極数変換モータ10までの主要機器の接続を示している。
【0013】運転モード切換手段11をインバータ運転側に切り換えた場合は、インバータ駆動接触器33およびインバータ駆動接触器35がONになり、インバータ21が作動する。なお、運転モード切換手段11をインバータ運転側に切り換えると、これに連動して8P用接触器36および8P用接触器38はONとなり、4P用接触器37はOFFとなる。したがって、このとき極数変換モータ10は8Pの極数となる。
【0014】運転者が回転数設定装置23を操作して、オーガ回転数を次第に上げて行き、対応する周波数がfaになると、インバータ回路から周波数faに到達した旨の信号が極数切換装置12に送られ、8P用接触器36および8P用接触器38をOFFにし、4P用接触器37をONにする。これにより、極数が8Pから4Pに切り換えられる。また、同様に、周波数がfaより高い場合に回転数設定装置23を操作して回転数を下げてきたときは、周波数がfaの近くまでは4Pのままであるが、周波数がfaになると自動的に8Pに切り換えられる。なお、運転モードが通常運転側である場合は、作業者の判断で極数切換手段11を切り換ええることによって4Pか8Pに設定される。
【0015】図中30は回路内で漏電があった場合に電源を遮断する漏電遮断器であり、31および32は極数変換モータ10を正転または逆転させるための逆転用接触器および正転用接触器で、別途設けた切換器の操作によって切り換えられる。なお、上記実施形態例では、極数変換モータ10を8Pと4Pのもので説明したが特にこれに限定するものではなく、8P、6Pおよび4Pの3種類の極数に変換できるものの外、そのモータの特性によって適宜の種々の組み合わせで使用すれば良い。
【0016】また、極数変換モータ10の負荷電流を検出して、所定の条件を満たす場合に運転モード切換手段11を自動的に切り換えられるようにすることも可能である。以上本発明は上記の実施形態例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電動式アースオーガの駆動制御装置は、極数変換できる電動モータを備えてインバータ回路を使用した運転時には、各極数の周波数に対応する最大出力トルクの特性が交差する点の周波数に基づいて自動的に極数の切り換えを行うようにしたので、インバータ運転において低回転から高回転の広い回転数の範囲において高トルクを作業者のカンや熟練によることなく得ることができ、また、通常運転においては、その作業における適した極数に設定できるので、多様な工事に対して対応できる。
- 【公開番号】特開2000−8754(P2000−8754A)
【公開日】平成12年1月11日(2000.1.11)
【発明の名称】電動式アースオーガの駆動制御装置
- 【出願番号】特願平10−176178
【出願日】平成10年6月23日(1998.6.23)
【出願人】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100082500
【弁理士】
【氏名又は名称】足立 勉 (外1名)
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