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きのこ栽培補助具、及びきのこ栽培方法
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- 【要約】
【課題】 きのこの外形を均一に揃えて生育させやすく、きのこの収穫作業の能率を高める。
【解決手段】 きのこの菌を植え付ける菌床となる混合物が充填される生育瓶2の生育開口部3に装着されるきのこの栽培補助具1であって、下方から上方に向かうにしたがって内法が次第に増大して上下が開口した生育ガイド部5を水平方向に複数接続した状態で一体に形成し、各生育ガイド部の下端開口部6を上記生育開口部に連通した状態で生育瓶に装着可能とした。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 きのこの菌を植え付ける菌床となる混合物が充填される生育容器の生育開口部に装着されるきのこの栽培補助具であって、下方から上方に向かうにしたがって内法が次第に増大して上下が開口した生育ガイド部を水平方向に複数接続した状態で一体に形成し、各生育ガイド部の下端開口部を上記生育開口部に連通した状態で生育容器に装着可能としたことを特徴とするきのこ栽培補助具。
【請求項2】 前記生育ガイド部の内部形状を、きのこ収納容器の内部形状に対応させて形成したことを特徴とする請求項1に記載のきのこ栽培補助具。
【請求項3】 上下が開口したセパレーターを生育ガイド部内に取り外し可能な状態で設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のきのこ栽培補助具。
【請求項4】 下方から上方に向かうにしたがって内法が次第に増大して上下が開口した生育ガイド部を水平方向に複数接続した栽培補助具を、各生育ガイド部の下端開口部を生育容器の生育開口部にそれぞれ連通した状態で装着する栽培補助具装着工程と、この栽培補助具装着状態で、生育容器の生育開口部から発芽したきのこを生育ガイド部により横方向の広がりを規制しながら生育させる生育工程と、栽培補助具と生育容器とを相対的に上下方向に離隔して、生育ガイド部内で生育したきのこを菌床から一括して離脱させて収穫する収穫工程と、を経て栽培することを特徴とするきのこ栽培方法。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、きのこ、特にしめじや舞茸などのように下端が株状にまとまって生育するきのこの栽培に適したきのこ栽培補助具、およびこの栽培補助具を使用したきのこ栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、きのこの栽培は、なら、くぬぎ、しいなどの広葉樹を粉状にしたおが粉とふすまなどの栄養剤と水とを所定の比率で混合し、この菌床となる混合物を生育瓶に充填するとともに、充填された混合物の表面を球面状に形成する菌床形成工程を行ってから、この菌床が形成された生育瓶を、例えば、高圧殺菌釜に収納し所定時間の間加熱して滅菌する滅菌工程を行う。滅菌工程を終了した生育瓶は自然冷却された後に、クリーンルームに搬送されてきのこの種菌、例えば、しめじの種菌が生育瓶内の菌床に植菌される植菌工程を行う。
【0003】植菌工程が終了した生育瓶は、上面が開放し内部が4行4列に区画された箱状のコンテナの各区画部に収納されて、培養室内に安置され培養される培養工程が行われる。この培養室内は、空調機や加湿機の作用によって培養に適した温度と湿度に調整されている。そして、適度の温度と湿度の下で種菌が十分培養されると、生育瓶が収納されたコンテナは発生室に移されて、上下に複数段の棚を備える棚部材の棚に安置して生育させる生育工程が行われる。
【0004】生育工程は、発芽生育工程と抑制生育工程とに分かれ、まず、培養工程が終了した生育瓶は、コンテナに収納された状態で生育瓶の菌床に照明装置による光が当たらない上方の棚に所定日数安置して芽出しをする発芽生育工程が行われる。
【0005】発芽生育工程が終了した生育瓶は、コンテナに収納された状態で照明装置による光が当たる下方の棚に移され、照明装置の光の下で所定日数安置してしめじの傘等の生育を行わせる抑制生育工程が行われる。そして、抑制生育工程が終了した生育瓶は出荷工程に移される。
【0006】出荷工程では、作業者が手作業により生育瓶の菌床からしめじを離脱させて収穫し、収穫したしめじを包装容器内に入れてからラップフィルムで包装し、これを箱詰めして出荷する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したきのこの栽培において、培養工程、発芽育成工程及び抑制育成工程を管理することで生育するきのこ、例えばしめじの生育状態を均一に管理することができるが、生育するしめじの外形までも均一に揃えて管理することは困難であった。すなわち、商品価値に大きな影響を及ぼす商品の見た目までも均一に揃えて管理することは困難であった。
【0008】また、生育したしめじの外形が不均一であると、収穫したしめじを包装容器内に入れて包装する際に、しめじの笠が包装容器の開口縁とラップフィルムとの間に挟まれる所謂「噛み込み」が発生しやすく、包装不良を起こす。この噛み込みが発生すると、挟まれた部分が折れて千切れんたり、傷んだりでしてしまい、商品価値が低下する。
【0009】また、収穫する際に、作業者が1つずつ手作業によって生育瓶から採る採取する作業は、重労働であるばかりでなく作業能率も悪い。
【0010】そこで、本発明は、きのこの外形を均一に揃えて生育させやすく、きのこの収穫作業の能率を高めることができるきのこの栽培補助具およびその栽培方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するために提案されたもので、請求項1に記載のものは、きのこの菌を植え付ける菌床となる混合物が充填される生育容器の生育開口部に装着されるきのこの栽培補助具であって、下方から上方に向かうにしたがって内法が次第に増大して上下が開口した生育ガイド部を水平方向に複数接続した状態で一体に形成し、各生育ガイド部の下端開口部を上記生育開口部に連通した状態で生育容器に装着可能としたことを特徴とするきのこ栽培補助具である。
【0012】請求項2に記載のものは、前記生育ガイド部の内部形状を、きのこ収納容器の内部形状に対応させて形成したことを特徴とする請求項1に記載のきのこ栽培補助具である。
【0013】請求項3に記載のものは、上下が開口したセパレーターを生育ガイド部内に取り外し可能な状態で設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のきのこ栽培補助具である。
【0014】請求項4に記載のものは、下方から上方に向かうにしたがって内法が次第に増大して上下が開口した生育ガイド部を水平方向に複数接続した栽培補助具を、各生育ガイド部の下端開口部を生育容器の生育開口部にそれぞれ連通した状態で装着する栽培補助具装着工程と、この栽培補助具装着状態で、生育容器の生育開口部から発芽したきのこを生育ガイド部により横方向の広がりを規制しながら生育させる生育工程と、栽培補助具と生育容器とを相対的に上下方向に離隔して、生育ガイド部内で生育したきのこを菌床から一括して離脱させて収穫する収穫工程と、を経て栽培することを特徴とするきのこ栽培方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1(a)は本発明に係わるきのこ栽培補助具(以下、栽培補助具1という)の平面図、(b)は栽培補助具1の断面図、図2は生育瓶2に栽培補助具1を装着した状態を示す正面図である。
【0016】きのこの栽培補助具1は、きのこの菌を植え付ける菌床となる混合物が充填される生育瓶2などの生育容器に装着して使用するもので、培養工程が終了したきのこの種菌を生育させる発芽生育工程および抑制生育工程において用いられるものである。
【0017】図1に示す栽培補助具1は、生育容器として生育瓶2を用いて、この生育瓶2の上端に開口した生育開口部3に装着してしめじを栽培する際に使用するものであり、生育瓶2を収納するコンテナ4の形状と大きさに合わせた略正方形のプラスチック製の平板に生育ガイド部5を水平方向に等間隔で4行4列接続した状態で一体成型してある。
【0018】生育ガイド部5は、下方から上方に向かうにしたがって内法が次第に増大して上下が開口したテーパー筒体状である。そして、本実施形態では、下端開口部6を生育開口部3に連通した状態で生育瓶2に装着できるように、生育ガイド部5の下端部分を、生育瓶2の生育開口部3内に丁度嵌合し得る大きさに設定し、上端開口部7の内径を生育瓶2の生育開口部3の内径よりも大きく設定し、下端開口部6と上端開口部7とを接続する内周面が滑らかなテーパー面となって、全体として、上方に向かって拡径した中空の擂り鉢状となるように成型してある。なお、生育ガイド部5は、コンテナ4の内部を区画部材により4行4列に区画して区画部を形成し、各区画部内に生育瓶2を1本ずつ収納するので、この区画部の間隔と同じ間隔で配置されている。したがって、隣り合う生育ガイド部5の間の平面部分が生育ガイドを接続する連結部9として機能する。
【0019】上記した構成からなる栽培補助具1を生育瓶2に装着するには、しめじの種菌を植えた生育瓶2をコンテナ4の各区画部内に入れ、これら生育瓶2の上方から栽培補助具1を被せるように下降して、各生育ガイド部5の下端部分を生育瓶2の生育開口部3内にそれぞれ挿入する。この様にして栽培補助具1を装着すると、図3に示すように、各生育ガイド部5の下端開口部6の開口縁が菌床10の表面に載置され、菌床10の表面の大部分が下端開口部6によって囲まれる。したがって、菌床10の表面から発芽すると、この芽は生育ガイド部5内で生育することになる。
【0020】なお、図面に示す本実施形態では、生育ガイド部5の下端開口部6が菌床10表面に当接するようにしたが、これに限らず、生育ガイド部5の外周面の途中が生育瓶2の生育開口部3の開口縁に当たって下端開口部6が菌床10表面から少し浮いた状態になるように生育ガイド部5の寸法を設定してもよい。また、生育ガイド部5の下端部分を生育開口部3の内周面に沿ってほぼ平行に延在するように同一径の円筒体で構成してもよい。この様に、生育ガイド部5の下端部分をストレートな円筒体とすると、生育開口部3の内周面との間の隙間を最小にすることができるので、生育瓶2に装着した際に、生育ガイド部5の下端開口部6から外側に外れる菌床10表面の面積を最小に抑えることができる。したがって、下端開口部6の外側で発芽するとことを防止でき、栽培補助具1が発芽したきのこによって持ち上げられることを防止できる。
【0021】次に、栽培補助具1を使用したしめじの栽培方法について説明する。本実施形態では、培養工程が終了しコンテナ4に収納された状態の生育瓶2に装着して、発芽生育工程及び抑制生育工程を行う。すなわち、発芽する前に栽培補助具1を装着する。したがって、培養工程が終了した生育瓶2は、コンテナ4に収納された状態で、生育開口部3に栽培補助具1が装着されて、発芽生育工程及び抑制生育工程を行う発生室に移される。
【0022】そして、発芽生育工程において、生育ガイド部5の下端開口部6内で発芽する。発芽したしめじは、抑制生育工程で笠や軸の生育が所定の大きさになるまで行なわれる。
【0023】抑制生育工程においては、図4に示すように、上方への生育は自由であるが横方向への拡がりが生育ガイド部5の内周面により規制された状態で生育される。このため、各生育ガイド部5内のしめじの外形は生育ガイド部5の形状に矯正される。そして、温度や湿度の管理が十分に行なわれるので、生育速度も揃えることができ、これにより生育度合も横方向への広がり方も揃ったしめず、換言すれば均一な外形と大きさを有するしめじが栽培できる。
【0024】なお、複数の生育瓶2に対して1つの栽培補助具1を使用し、複数の生育ガイド部5が連結されているので、生育瓶2ごとに1つの生育ガイド部5を装着した場合に比較して、管理が容易であり、しめじの外形や大きさも均一に揃えやすい。すなわち、生育ガイド部5が連結されていない単独タイプである場合には、生育瓶2に対して1つずつ装着しなければならないので手間が掛かって面倒であるばかりでなく、装着した時の生育瓶2に対する角度や深さが少しずつ異なり、また、搬送時の振動などによっても生育瓶2と生育ガイド部5との角度が変化しやすい。このため、生育ガイド部5を装着して同じコンテナ4内で栽培したにも拘らず外形や大きさが不揃いになりやすい。これに対して、複数の生育ガイド部5を連結した栽培補助具1を使用した場合には、複数の生育瓶2に一度の装着作業で簡単に装着することができ、しかも各生育瓶2に対する角度や深さを揃え易く、コンテナ4の搬送時等で振動を受けても各生育瓶2に対する角度等の姿勢が変化し難い。
【0025】また、複数の生育ガイド部5を接続して一体化した栽培補助具1を装着して栽培すると、収穫工程において、1つのコンテナ4内で生育したしめじを一括して収穫することができる。すなわち、栽培補助具1と生育瓶2とを相対的に上下方向に離隔すると、各生育ガイド部5の内周面が傾斜しているので、しめじは生育ガイド部5の内周面に支えられて下方に抜け落ちることがなく、相対的に上昇し、これによりしめじの軸の下端が一斉に菌床10から離脱する。したがって、栽培補助具1を上昇させることにより、1つのコンテナ4で生育した複数株のしめじを菌床10から一斉に離脱させることができる。そして、この作業は収穫装置20によって自動化ができる。
【0026】例えば、十分に生育したしめじは栽培補助具1が装着された状態で、コンテナ4ごと棚から降ろされて、図5に示すように、収穫装置20の一部を構成するベルトコンベア21上に移される。ベルトコンベア21に載せられたコンテナ4が図5中矢印方向に移動すると、進行方向の下流側から略水平に所定の間隔を空けて複数配置された上昇抑制レール22の端部が各生育瓶2の両肩部の直上に位置して生育瓶2の上昇を阻止し、これと共に、進行方向の下流側から上流側に向けて少し下り傾斜させて設けた複数本のレール状のリフト部材23が栽培補助具1の平面部分の下面に差し込まれる。この状態でコンテナ4がさらに移動すると、生育瓶2は上昇抑制レール22に抑えられて上昇しないが、栽培補助具1はリフト部材23にすくい上げられるようにして持ち上げられる。
【0027】栽培補助具1が生育瓶2に対して上昇すると、生育ガイド部5の内周面は、上方に向かって拡径するテーパー面とされているので、各生育ガイド部5内に生育したしめじ株は上記テーパー面にそれぞれ支えられて持ち上げられ、これにより株の下端(しめじの軸の下端)が菌床10の表面から一括して離脱される。なお、本実施形態では、栽培補助具1を傾斜した状態で上昇させるので、1つのしめじ株の端部から円滑に離脱させられる。そして、しめじが離脱した生育瓶2とコンテナ4はそのままベルトコンベア21上を移動し、次回の使用に備えて清掃される。
【0028】なお、上昇抑制レール22によって生育瓶2を押さえる部位は、生育瓶2の肩部に限らず、生育瓶2の胴側部に上昇抑制レール22が嵌合する嵌合凹部を形成しておき、この嵌合凹部に上昇抑制レール22を嵌合させることで生育瓶2を押さえるようにしてもよい。また、しめじを菌床10から離脱させるに栽培補助具1と生育瓶2とを相対的に上下方向に離隔すればよいので、生育瓶2を下降してもよい。
【0029】このようにして生育瓶2から取り外された栽培補助具1は、リフト部材23がチルトしてほぼ水平な状態になり、リフト部材23が水平方向に約90度回動することによりベルトコンベア21上方から収穫装置20の一部を構成している株取り外し装置24上に移送される。
【0030】株取り外し装置24は、各生育ガイド部5内のしめじの株を下方から突き上げて生育ガイド部5から外す突き上げ部材25と、突き上げたしめじの株を受ける株受け部材26と、これらを駆動する駆動装置とから構成される。そして、突き上げ部材25は、生育ガイド部5の数に対応して設けられており、生育ガイド部5の下端開口部6より小さい径を有する円形の皿部27と、この皿部27の下部に連接して垂直方向に昇降する昇降軸28とからなり、この皿部27の上面には先端の尖った複数の針29が設けられている。また、株受け部材26は、各突き上げ部材25の皿部27の直径よりも大きいがしめじ株の直径、すなわち生育ガイド部5の下端開口部6よりも小さな幅の通過溝30を生育ガイド部5の行または列に対応する数(本実施形態では4本)だけ平行に形成した板状の部材であり、エアシリンダ31の駆動により突き上げ部材25の上昇位置よりも少し下で水平方向に進退可能である。
【0031】したがって、株取り外し装置24の突き上げ部材25を上昇すると、図7に示すように、各生育ガイド部5材内のしめじ株を下方から突き上げて外すことができる。なお、しめし株を突き上げても、しめじ株の下面を皿部27により支持するとともに針29を突き刺すので、しめじ株が倒れることはない。
【0032】この状態で株受け部材26を前進させると、通過溝30内に突き上げ部材25の昇降軸28が通るので支障なくしめじ株の下方に位置する。この状態で突き上げ部材25を下降すると、突き上げ部材25は通過溝30内を通過して株受け部材26よりも下降するが、しめじ株は通過溝30よりも太いので通過溝30内を通過することができずに突き上げ部材25から外れて株受け部材26上に残る。したがって、株受け部材26を後退すると、収穫されたしめじ株だけを次の包装工程に送ることができる。一方、栽培補助具1は、次回の使用に備えて清掃工程に送られる。また、リフト部材23は、90度戻り回動してベルトコンベア21上に戻り、次のコンテナ4から栽培補助具1をリフトするために待機する。
【0033】そして、収穫装置20は、上記操作を繰り返すことにより、順次送られてくるコンテナ4からしめじ株を自動的に収穫することができる。
【0034】このように、栽培補助具1を使用すると、生育されるしめじ株の形を均一に揃えることができ、また、複数のしめじの収穫を自動化することができる。
【0035】なお、栽培補助具1は、4行4列の生育ガイド部5を備えたものに限らず、栽培設備に適合させて、生育ガイド部5の数および配置を変更して構成すればよい。
【0036】また、栽培補助具1に一体成型する生育ガイド部5は、下方から上方に向かうにしたがって内法が次第に増大して上下が開口し、下端開口部6が生育開口部3に連通した状態で生育容器に装着可能であればよい。例えば、図8(a)に示すように、生育ガイド部5の下部に生育瓶2の開口筒部(首の部分)31の高さと略同一であって、この開口筒部31の内径より小さい外径を有する円筒状の筒部32を形成し、この筒部32の上端から上方に向かって次第に拡径したものでもよい。
【0037】また、図9に示すように、生育ガイド部5の下端開口部6の内径を生育瓶2の開口筒部31の外径より大きくするとともに、下端開口部6から上方に向かって次第に拡径したものでもよい。この場合、図10に示すように、生育瓶2の開口筒部31の高さ分だけは筒部32にしてもよい。これらの生育ガイド部5においては、生育瓶2の開口筒部31を生育ガイド部5の下端開口部6から生育ガイド部5内に収めて、生育ガイド部5の下端部を生育瓶2の肩部上に載置するので、栽培補助具1を装着した際に、生育ガイド部5と生育瓶2との高さが揃え易い。
【0038】また、生育ガイド部5と生育瓶2との高さを揃えるには、図11に示すように、生育ガイド部5の下端開口部6の周縁に生育瓶2の開口筒部31の上端周縁と嵌合する嵌合溝部33を形成してもよい。そして、この嵌合溝部33は、図12に示すように、生育ガイド部5の外周面の上下途中に形成してもよい。
【0039】上述した各生育ガイド部5は、内部の形状が円形であるが、形状はこれに限らず、角形であってもよい。生育ガイド部5の内部形状を、きのこ収納容器の内部形状に対応させて形成すると、例えば、きのこ収納容器が円筒状であれば円形に、また、略四角形であれば生育ガイド部5の内部形状も略四角形にすることもできる。この様にすると、生育したしめじは収納容器と同様な形状となるので、収めやすく、収納容器をラップフィルムで包装する際に、収納容器の縁にしめじの笠等を挟むことがなく、包装不良を起こすことがない。また、生育したきのこの形状と収納容器の内部形状が同じになるので、収納した際に収まりが良好であり、無駄な空間を減少させることができ、収納容器の嵩を減らして運搬費用の節減に寄与できる。
【0040】なお、上述した生育ガイド部5はいずれも上端開口部7同士を平面の連結部9で連結したが、図13に示すように、高さの途中で連結してもよい。この場合、図14に示すように、生育瓶2の上端に連結部9を載置すると、生育瓶2と生育ガイド部5との高さを揃えやすい。
【0041】また、これまで説明した栽培補助具1は、生育ガイド部5の内面に、生育したきのこが直接接触するが、生育ガイド部5内にセパレーター40を取り外し可能な状態で設けてきのこの生育ガイド部5への接触を回避し、生育後は、セパレーター40ごと収穫できるように構成してもよい。例えば、図3に示すように、薄い合成樹脂製で上下が開口した略筒状あるいはポット状のセパレーター40を生育ガイド部5内に上方から嵌め入れて生育ガイド部5の内周面に添わせる。この状態できのこを栽培すると、図4に示すように、きのこは、前記実施形態と同様に、生育ガイド部5により拡がりが矯正され、均一な外形に生育し、十分に生育してから栽培補助具1の上昇により菌床10から一斉に離脱する。この状態で、きのこは生育ガイド部5の内面に直接接触していないので、セパレーター40を上昇させるだけで生育ガイド部5から簡単に取り出すことができる。そして、この状態、すなわちセパレーター40内にきのこが入った状態で袋詰めしたりラッピングフィルムで包むするなどのパッケージ(包装)工程を行うと、きのこがセパレーター40によって保護されているので傷付け難くなり、しかも包装の取り扱いが容易になる。したがって、セパレーター40を使用すると、収穫および包装の作業性を向上することができる。また、搬送途中においても、きのこはセパレーター40内で保護されているので、傷みが少なくなる。なお、図面に示すセパレーター40は上端開口部に鍔を設けたが、鍔に代えて、生育ガイド部5の上開口から摘み部を突出させ、この摘み部を手で、或は自動機械のグリッパーで摘んでセパレーター40を取り出すように構成してもよい。
【0042】また、上述した実施形態においては、生育容器として生育瓶2を用いた例を挙げたが、本願発明に係る栽培補助具1は生育瓶2に装着するものに限らない。例えば、従来の生育瓶2よりも大きな容器の上面に、生育開口部3を複数個開設した生育容器でもよい。そして、栽培するきのこの種類は、前記しめじに限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以下に述べる効果を奏する。請求項1の発明によれば、下方から上方に向かうにしたがって内法が次第に増大して上下が開口した生育ガイド部を水平方向に複数接続した状態で一体に形成し、各生育ガイド部の下端開口部を上記生育開口部に連通した状態で生育容器に装着可能としたので、菌床から生育するきのこの拡がりを生育ガイド部により矯正して、きのこの外形を均一にすることができる。したがって、きのこの見栄えが良くなり、購買者の購買意欲を高めることができる。また、均一な外形を有しているので、収穫したきのこを収納容器に入れてラップフィルムで包装する際に、きのこの笠等をラップフィルムと収納容器の縁の間に挟むことが少なくなり、包装不良を減らすことができる。
【0044】また、複数の生育ガイド部が接続されて一体化されているので、栽培補助具を生育容器から取り外すことで、各生育ガイド部内で生育したきのこを一括して収穫できる。したがって、収穫工程が簡便となり、収穫作業の効率が向上するとともに、作業者の作業負担が軽減できる。
【0045】また、複数の生育ガイド部が接続されて一体化されているので、複数の生育開口部に対して一括して生育ガイド部を装着することができる。したがって、生育ガイド部を単体で構成し、この生育ガイド部を生育瓶などに1つずつ装着する場合に比較して作業効率が向上する。
【0046】請求項2の発明によれば、生育ガイド部の内部形状を、きのこ収納容器の内部形状に対応させて形成したので、きのこ収納容器内にきのこを収納した際の収まりが良く、空き空間の減少を図ることができる。したがって、収納容器の小型化が可能であり、輸送効率を向上することができる。
【0047】請求項3の発明によれば、セパレーター内できのこが生育して生育ガイド部の内面にきのこが接触しない。したがって、生育ガイド部からセパレーターを取り出すだけできのこをまとめて簡単に取り出すことができ、この状態で包装することも可能である。したがって、きのこを傷めることも少なくすることができ、また、作業性を向上することができる。
【0048】請求項4の発明によれば、下方から上方に向かうにしたがって内法が次第に増大して上下が開口した生育ガイド部を水平方向に複数接続した栽培補助具を、各生育ガイド部の下端開口部を生育容器の生育開口部にそれぞれ連通した状態で装着する栽培補助具装着工程と、この栽培補助具装着状態で、生育容器の生育開口部から発芽したきのこを生育ガイド部により横方向の広がりを規制しながら生育させる生育工程と、栽培補助具と生育容器とを相対的に上下方向に離隔して、生育ガイド部内で生育したきのこを菌床から一括して離脱させて収穫する収穫工程と、を経て栽培するので、栽培能率、特に収穫工程を著しく高めることができる。
- 【公開番号】特開2001−25321(P2001−25321A)
【公開日】平成13年1月30日(2001.1.30)
【発明の名称】きのこ栽培補助具、及びきのこ栽培方法
【発明者】
【氏名】越 裕之
- 【出願番号】特願平11−200535
【出願日】平成11年7月14日(1999.7.14)
【出願人】
【識別番号】395011023
【氏名又は名称】株式会社ハーツ
- 【代理人】
【識別番号】100098073
【弁理士】
【氏名又は名称】津久井 照保
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