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発光機点灯回路用制御器の故障検知方法
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- 【要約】
【課題】 発光機の制御素子、ケーブルなどの構成要素の、オン故障、オフ故障、並びに故障検知回路のオン故障、オフ故障を非発報時に検知することができる発光機点灯回路用制御器の故障検知方法を提供すること。
【解決手段】 発光機2を点灯させる回路に用いられる制御器1の故障検知方法であって、制御器1の制御素子PMR1として、出力側が正逆に電圧が加圧可能で、そのいずれかの方向にも加圧した方向に出力電流が流れるものを使用し、発光機2の点灯電流とそれと逆方向の断続する故障検知電流を同一の素子PMR1に流すことによって、発光機を点灯させる回路の制御素子PMR1と、回路の故障を検知するための制御素子PMR6のオン故障、オフ故障、及び発光機を点灯させる回路の断線故障を検知することを特徴とする。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】 発光機を点灯させる回路に用いられる制御器の故障検知方法であって、制御器の制御素子として、出力側が正逆に電圧が加圧可能で、そのいずれかの方向にも加圧した方向に出力電流が流れるものを使用し、発光機の点灯電流とそれと逆方向の断続する故障検知電流を同一の素子に流すことによって、発光機を点灯させる回路の制御素子と、回路の故障を検知するための制御素子のオン故障、オフ故障、及び発光機を点灯させる回路の断線故障を検知することを特徴とする発光機点灯回路用制御器の故障検知方法。
- 【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄道の踏切道上の障害物を検知した信号、人が危険を認知して押しボタン等で発する信号、あるいは鉄道の沿線からの落石、路盤崩壊、プラットホームの異常、橋梁の異常など列車を緊急に停止させる信号などの特殊信号を発光する特殊信号発光機など各種の発光機の点灯回路に用いられる制御器の故障検知方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の故障検知方法の一例として、例えば出願人が提案した特公平7−23097号公報に記載の特殊信号発光機の点灯回路に用いられる制御器の故障検知方法を挙げることができる。この故障検知方法は公報第6頁の第1図(a)に示されているように、非発報時に発報リレーEPRの接点EPR´を用いて、発光機2の点灯電流と逆方向の故障検知電流を流し、その結果、ケーブルなど発光体L1〜L5を点灯する回路に断線があったとき、故障として検知するようにしている。
【0003】ところで、特殊信号発光機2は常時は使用されず、必要なとき(発報時)発光しなければならないから、可及的いかなる故障も、非発報時に検知し、速やかに保守しておく必要があるのであるが、前記従来の故障検知方法においては、発光機2の発光体L1〜L5への電流を制御する素子としてフォトカプラPC1〜PC5を用いており、これらフォトカプラPC1〜PC5に対する加圧は順方向にのみ可能で、逆方向に電流を流すことはできない。その結果、故障検知用電流は発光機2の制御素子のフォトカプラPC1〜PC5をダイオードD2〜D6でバイパスさせている。したがって、発生する故障のかなりの部分を占める発光機2の制御素子の故障は、その断線故障(オフ故障)も導通故障(オン故障)も検知できない。
【0004】また、故障検知用電流が流れていることを検知する素子としてのフォトカプラPC6〜PC10も、故障検知用電流が流れないことをそのフォトカプラの出力がなくなり故障検知用リレーRY1が復旧することにより検知し、故障としている。このような方法によると、検知用のフォトカプラPC6〜PC10の出力側である、コレクタ・エミッタ間が導通のままになる故障(オン故障)を起こすと、検知回路の電流が流れないという故障状態になっても、出力側の電流は流れつづけ、検知できないことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこでこの発明は、前記のような従来の問題点を解決し、発光機の制御素子、ケーブルなどの構成要素の、オン故障、オフ故障、並びに故障検知回路のオン故障、オフ故障を非発報時に検知することができる発光機点灯回路用制御器の故障検知方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、この発明は、発光機を点灯させる回路に用いられる制御器の故障検知方法であって、制御器の制御素子として、出力側が正逆に電圧が加圧可能で、そのいずれかの方向にも加圧した方向に出力電流が流れるものを使用し、発光機の点灯電流とそれと逆方向の断続する故障検知電流を同一の素子に流すことによって、発光機を点灯させる回路の制御素子と、回路の故障を検知するための制御素子のオン故障、オフ故障、及び発光機を点灯させる回路の断線故障を検知することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。この実施の形態は特殊信号発光機の制御器に適用した一例を示すものである。図1はその回路の全体図、図2は故障検知の動作を説明するための1回路分、図1で最上段の制御及び故障検知の回路E1を抜き出した部分拡大図であり、(A)は非発報時、(B)は発報時のものである。図1において、1は特殊信号発光機用の制御器、2はその発光機である。EPRは外部から制御される発報リレーで、この発報リレーEPRは発報しない状態では動作し、発報時に復旧する。EPR1〜EPR4はその接点で、Cは共通、Nは動作、Rは復旧の接点である。図1で、発振器は10Hzと80Hzの矩形波を出力する。10Hzは発光機2の5個の発光体L1〜L5(LED)が2個ずつ重なり合いながら点灯し、1周する時間に合うように設定された周波数である。また、80Hzは故障検知用電流を断続して流すために使われるもので、そのために設定された周波数である。
【0008】回路E1〜E5は発光機2の発光体L1〜L5に対応した数分、制御器1に設けられており、ぞぞれ同構成のため、回路E1以外は図示省略している。以下には回路E1を基に説明をすることとする。
【0009】非発報時、図2(A)に示すようにプラスの電位は発報リレーEPRのEPR1の動作接点Nを経由し、発光用制御素子としてのフォトモスリレーPMR1に図面上左から右に加圧される。それによる電流はチェック用パルス信号に80Hzの制御信号として加圧される。その出力側には同様の80Hzの断続波が現われ、故障検知用制御素子としてのフォトモスリレーPMR6を経てDRV1に与えられる。DRV1は与えられた断続信号でリレー1Rを駆動する回路で、断続した入力信号がなくなるか、構成回路の部品、回路の断線などの故障時にはリレー1Rが復旧するようにしたもので、その出力はリレー1Rを動作させる。断続電流はさらに、図面上右方向に流れ、発光機2の発光体L1をダイオードD13でバイパスし、コモン回路Cを経由し、図面上左方向へ進み、EPR2の動作接点Nを経由して電源に帰着する。この回路構成で非発報時に発生するフォトモスリレーPMR1の、オン故障、オフ故障いずれのときにもリレー1Rは復旧し、かつフォトモスリレーPMR6のオン故障、オフ故障にもリレー1Rは復旧する。
【0010】このような回路を図1に示すように発光機2の各発光体L1〜L5の回路に組み込み、リレー1R〜5Rまで動作していれば、回路は故障しておらず、正常なことが確認できる。図1のリレーRY2は従来のものでも説明されているように発報時、点灯回路の断線が連続した2回路に発生したとき、その発光タイミングだけ復旧し、2灯を点灯させるように働く。DRV6、リレーRY1は80Hzの信号が得られないことを検出するもので、リレー1R〜5Rを駆動するのと同様の回路である。接点EPR4、アンドゲートA6及びアンドゲートA1〜A5、オアゲートOR1〜OR5、及びインバータIV1〜IV5、の論理組合せ回路はフォトモスリレーPMR1〜PMR5に80Hzのチェック用信号を与えるか、10Hzの順繰り出力を与えるかを選択する。このような回路構成によって、リレーCHRが動作していることが故障のない保証となる。
【0011】発報時、電流は図2(B)に示すように流れ、このときフォトモスリレーPMR1の入力側には10Hzの発報制御信号が与えられ、これにより発光体L1〜L5は2個ずつ重なり合いながら点灯を繰り返す。この連続した点灯の作用は従来と変わらない。
【0012】尚、前記において、フォトモスリレーPMR1〜PMR5はチェック用パルス信号によって断続されるものであれば、例えば電磁リレーに代えてもよいし、フォトモスリレーPMR6〜PMR10も、入出力が分離されるフォトカプラや電磁リレーなどに代えてもよい。その他、この発明は実施に際して、種々の変更形態での実施が可能である。
【0013】
【発明の効果】この発明は前記のように、発光機を点灯させる回路に用いられる制御器の故障検知方法であって、制御器の制御素子として、出力側が正逆に電圧が加圧可能で、そのいずれかの方向にも加圧した方向に出力電流が流れるものを使用し、発光機の点灯電流とそれと逆方向の断続する故障検知電流を同一の素子に流すことによって、発光機を点灯させる回路の制御素子と、回路の故障を検知するための制御素子のオン故障、オフ故障、及び発光機を点灯させる回路の断線故障を検知するので、制御器内の素子故障、制御器−発光機間のケーブル断線、発光機内の回路断線など故障が検知され、発報が必要なとき、確実に発報することが保証され、安全の確保に高い効果がある。
- 【公開番号】特開2001−71907(P2001−71907A)
【公開日】平成13年3月21日(2001.3.21)
【発明の名称】発光機点灯回路用制御器の故障検知方法
- 【出願番号】特願平11−249484
【出願日】平成11年9月3日(1999.9.3)
【出願人】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
【識別番号】000144348
【氏名又は名称】株式会社三工社
【識別番号】000207470
【氏名又は名称】大同信号株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100071478
【弁理士】
【氏名又は名称】佐田 守雄 (外1名)
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