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入換信号機用中継ケーブルコネクタ
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- 【要約】
【課題】 入換信号機を信号制御機器室から引出された信号ケーブルに接続する作業を簡易化する。
【解決手段】 中継ケーブル2と、信号機固定用コネクタ7と、信号ケーブル固定用コネクタ8とを有している。中継ケーブル2は、入換信号機の各灯に接続する端子9a〜9cを一端に有し、他端は信号ケーブル固定用コネクタ8に接続され、フレキシブルチューブ10に内装され、ケーブルの有する柔軟性、屈曲性を保有させたものである。信号機固定用コネクタ7は、中継ケーブル2を入換信号機の本体1に脱着可能に結合するものであり、ケーブルの軸心に対して直角方向に360°回転可能である。信号ケーブル固定用コネクタ8は、信号ケーブル側のコネクタ8aと接続するものである。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継ケーブルと、信号機固定用コネクタと、信号ケーブル固定用コネクタとを有する中継ケーブルコネクタであって、
中継ケーブルは、信号ケーブルに伝送された信号灯点灯制御信号を入換信号機の本体に伝送するケーブルであり、入換信号機の各灯に接続する端子を一端に有し、他端は信号ケーブル固定用コネクタに接続され、その全長に渡りフレキシブルチューブに内装され、ケーブルの有する柔軟性、屈曲性を保有させたものであり、
信号機固定用コネクタは、中継ケーブルを入換信号機の本体に脱着可能に結合するものであり、ケーブルの円周方向に回転可能となっており、
信号ケーブル固定用コネクタは、信号ケーブル側のコネクタと接続するものであり、
信号ケーブル固定用コネクタは、信号制御機器室からの信号制御信号を伝送する信号ケーブル側のコネクタと接続するものであることを特徴とする入換信号機用中継ケーブルコネクタ。
【請求項2】
信号機固定用コネクタは、入換信号機の本体に対して斜め方向からの結合を可能とするものであることを特徴とする請求項1に記載の入換信号機用中継ケーブルコネクタ。
【請求項3】
信号機固定用コネクタは、スリーブを有し、
スリーブは、中継ケーブルを挿通して対のナット間に介在され、一定角度で屈曲し、ナットに対して相対回転可能であることを特徴とする請求項2に記載の入換信号機用中継ケーブルコネクタ。
【請求項4】
信号ケーブル固定用コネクタは、トラフ内からその外部に引き出された信号ケーブル側のコネクタと接続するものであることを特徴とする請求項1に記載の入換信号機用中継ケーブルコネクタ。
【請求項5】
保護筒を有し、
保護筒は、信号ケーブル固定用コネクタと、信号ケーブル側のコネクタとの結合部分を覆い、入換信号機の本体を支える信号柱に緊締するものであることを特徴とする請求項1に記載の入換信号機用中継ケーブルコネクタ。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入換信号機を信号制御機器室に通ずる信号ケーブルと接続する入換信号機用中継ケーブルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
入換信号機は、車両が停車場内である定められた区域の線路を操車係の誘導を受けないで構内運転をするときに、その防護区域に対する運転の条件を指示するための信号機である。基地内の車両が留置線から出庫しようとするときに、分岐器で進路が開通されて入換信号機の現示が進行現示になったことを車両の運転手が目視で確認して車両を出庫させるようにしているが、車上ATS装置と連動させ、入換信号機が停止現示のときに低速度のATC信号を送信し、進行現示のときにATC非設備信号を送信するシステムも提案されている。
【0003】
ところで、入換信号機に対する信号制御指令は、信号ケーブルを通して信号制御機器室から送り込まれ、信号ケーブルは、線路脇のトラフ内に布設されている。入換信号機を新規に設置する場合、或いは既設の入換信号機を交換するときには、従来は、トラフ内に布設された信号ケーブルと、入換信号機側から引出された中継ケーブルとを、中継コネクタを用いてトラフ内で接続していた。ところがトラフ内に布設された信号ケーブルには、耐候性、耐久性を高めるために非常に硬く、また、中継ケーブルにも信号ケーブルと同じケーブルが用いられていたため、いずれのケーブルも硬く、このため、ケーブルの引き回し作業が非常に厄介であった。
【0004】
特に、入換信号機は地上近くに設置される場合が多いが、入換信号機を地上近くに設置する場合に、入換信号機の本体と地上との間隔が狭くなるほど硬いケーブルを急角度に曲げなければならなくなるため、ケーブルの接続作業は益々難しくなる。一方、中継コネクタの接続をトラフ内で行うときには、ケーブルが硬いだけでなく、トラフ内には、他のケーブルも収容されているため接続作業は容易ではない。
【0005】
特に、目的の信号ケーブルが他のケーブルの下に埋もれているようなときには、目的の信号ケーブルを最上層に引っ張り出すこと自体が難しい。この作業が問題になる最大の理由は、信号機メーカーがユーザーに入換信号機を納入するときに、入換信号機の据え付けはメーカーが行うが、ケーブルの接続作業はユーザーにおいて行われているという事情がある。メーカーとしてはユーザーに対してユーザー側のケーブル接続作業に要する作業の負担をできるだけ軽減するように求められる。
【特許文献1】特許出願平3−233125
【特許文献2】特許公開2001−28210
【特許文献3】特許公開2004−120956
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
解決しようとする問題点は、入換信号機の本体側から引出された中継ケーブルや、信号制御機器室から信号を伝送する信号ケーブルが硬いために、入換信号機の中継ケーブルの接続作業が難しい点及びトラフ内での信号ケーブルの接続作業が難しい点である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、中継ケーブルの円周方向並びにケーブルの長さ方向に自由度の高い中継ケーブルを用い、トラフの外部で中継ケーブルを信号ケーブルに接続することによって、ケーブルの引き回し作業を簡易化した点を最大の特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入換信号機が地上近くに設置されていても、中継ケーブルの引き回し作業が容易であるため、中継ケーブルと入換信号機本体との結合や信号ケーブルとの接続が容易であり、また、トラフの外部で中継ケーブルを信号ケーブルに接続するため、その接続作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ケーブルの円周方向に360度回転可能な信号機固定用コネクタと、長さ方向に自在に屈曲する中継ケーブルとの組合せを有する入換信号機用中継ケーブルコネクタを用いることによって実現した。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明によるコネクタを用いて信号ケーブルと接続した入換信号機用中継ケーブルの引き回し作業要領を示している。図1において、入換信号機の本体1は、線路脇の地上の比較的低い位置に設置され、入換信号機は、中継ケーブル2を介して信号制御機器室3からトラフ4内を通して布設された信号ケーブル5に接続されるのは前述のとおりである。
【0011】
従来、信号ケーブルと中継ケーブルとの接続は、信号ケーブルコネクタを用いてトラフ内で接続されていたが、本発明においては、U字型トラフ4内に布設されている信号ケーブル5の先端部分をトラフ4の外部に引出し、トラフ4の外部で中継ケーブル2を信号ケーブル5に接続するものである。
【0012】
図2に本発明による入換信号機用中継ケーブルコネクタ6の構造を示す。図2において、本発明の中継ケーブルコネクタ6は、中継ケーブル2と、信号機固定用コネクタ7と、信号ケーブル固定用コネクタ8とを有している。中継ケーブル2は、信号ケーブル5に伝送された信号灯点灯制御信号を入換信号機の本体1に伝送するケーブルであり、入換信号機の各灯に接続する端子9a〜9cを一端に有し、他端は信号ケーブル固定用コネクタ8に接続され、その全長に渡りフレキシブルチューブ10に内装され、ケーブルの有する柔軟性、屈曲性を保有させたものである。
【0013】
信号機固定用コネクタ7は、中継ケーブル2を入換信号機の本体1に脱着可能に結合するものであり、ケーブルの円周方向、すなわち、ケーブルの軸心に直交して360°回転可能である。信号ケーブル固定用コネクタ8は、信号ケーブル側のコネクタ8aと接続するものである。信号機固定用コネクタ7は360°転回できるものであれば格別構造が限定されるものではない。この例では一定角度で屈曲させた信号機固定用コネクタを用いている。具体的には対のナット11,12間に、中継ケーブル2を挿通して一定角度で屈曲したスリーブ13を回転可能に介在させることによって、入換信号機の本体1に対して斜め方向からの結合を可能にしている。
【0014】
対のナット11、12とスリーブ13間は相互に転回可能であり、外端側のナット11には結合ねじ14を有し、ナット11を回転させて図3に示すように信号機固定用コネクタ7を入換信号機用の本体1側のコネクタ1aに結合させるものである。図4に入換信号機の信号灯回路を示す。入換信号機の本体1には、3灯(R灯、C灯、Y灯)が灯箱の中で仕切られ、各灯の点灯の状態により停止(横方向に2灯(R灯、C灯)点灯)、進行(45°方向に2灯(Y灯、C灯)点灯)の2位現示となる。コンモン(C灯)は常時点灯である。Z灯は識別標識である。
【0015】
本発明による中継ケーブルコネクタを用いて入換信号機の信号灯回路を信号ケーブルに接続するときには、図2において、まず、中継ケーブルの各端子9a〜9cを、図4に示す信号灯回路の各端子9a〜9cに対応する入換信号機の信号灯回路の各端子(BX、CX、NX)にそれぞれ接続して信号機固定用コネクタ7を入換信号機の本体1に装着し、前述のように信号ケーブル5の先端部分をトラフ4内から外部に引出し、その先端に取り付けられている信号ケーブル側のコネクタ8aに信号ケーブル固定用コネクタ8を結合した後、結合された信号ケーブル固定用コネクタ8の周囲を保護筒15で覆い、緊締バンド16を用いて信号ケーブル固定用コネクタ8を収納した保護筒15を入換信号機の信号柱17に固定してケーブルの接続作業を完了する。
【0016】
本発明の入換信号機用中継ケーブルコネクタに備えた信号機固定用コネクタ8は、この実施例によれば、中継ケーブル2の軸線に対し、一定の角度をなして360°転回可能であり、また、中継ケーブル2は柔軟なフレキシブルチューブ10内に収められて屈曲可能であるため、例えば、入換信号機の本体が地面に近い位置に設置されていて、入換信号機の本体と地上との間が狭い場合であっても、ケーブルの接続作業は容易である。
【0017】
すなわち、中継ケーブル2を自由な方向から引き回して入換信号機の本体1の底面に設けられている換信号機の信号灯回路の各端子に中継ケーブルの各端子9a〜9cを接続することができ、しかも信号機固定用コネクタ7は、360°転回可能のため、中継ケーブルを片手でしっかりと掴んだままで中継ケーブル2を入換信号機の本体1側のコネクタに結合できる。
【0018】
特に一定角度屈曲させた信号機固定用コネクタ7を用いることによって、中継ケーブル2を斜め方向から入換信号機の本体1の底面に向わせることができ、入換信号機の本体1と地面との間の隙間に差し込む操作が容易であり、また中継ケーブル2の布設の自由度が増し、無理なく布設することができる。
【0019】
本発明によるコネクタを用いて入換信号機の信号灯回路を信号ケーブル5に接続させた後、中継ケーブル2を入換信号機の信号柱17に沿わせ、信号ケーブル固定用コネクタ7を保護筒15で覆い、緊締バンド16を用いて信号ケーブル固定用コネクタを収容した保護筒15を信号柱17に緊締するが、保護筒15を信号柱17に緊締するのは、柔軟な中継ケーブル2の振れを防止し、これを定位置に固定するためである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
信号ケーブルには、硬いケーブルが用いられているため、トラフ内から引出す際には、力が必要とされるが、信号ケーブルと中継ケーブルとの接続は、信号ケーブルをトラフ内から引出してトラフの外部で行うため、トラフの内部で接続する場合のような厄介な問題は生ぜず、接続作業は容易であり、また、信号ケーブルと入換信号機の本体の端子間の接続は、柔軟な中継ケーブルによって接続するため、従来のように作業者に大きな負担を与えることがなく、ケーブルの接続作業を行うことができ、これによって入換信号機の設置時にユーザーが行うケーブルの接続作業の負担を大幅に軽減し、その作業能率を著しく向上できる。
- 【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明による入換信号機用中継ケーブルコネクタを用いて信号ケーブルを入換信号機に結線する要領を示す図である。
【図2】本発明の中継ケーブルコネクタの断面図である。
【図3】本発明の中継ケーブルコネクタを用いて信号ケーブルを入換信号機に接続した状況を示す図である。
【図4】入換信号機の信号灯回路を示す図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
- 【公開番号】特開2006−204015(P2006−204015A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【発明の名称】入換信号機用中継ケーブルコネクタ
- 【出願番号】特願2005−12748(P2005−12748)
【出願日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
【識別番号】000144348
【氏名又は名称】株式会社三工社
- 【代理人】
【識別番号】100075306
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 中
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