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包装機並びに耳折り装置
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- 【要約】
【課題】 簡単な構成で確実に耳部の折り曲げ処理を行なうことができる耳折り装置を提供すること
【解決手段】 エンドシール装置15にてエンドシール処理されている筒状フィルム13の先端側の上面に接触すると共に、下方に付勢する上部抑え装置31と、その上部抑え装置で移動が抑制されている筒状フィルムの先端部分のエンドシールされた耳部17aを起立させて折り曲げる折り癖装置32と、を備える。折り癖装置は、正逆方向に回転可能に設置されたエアシリンダ35と、そのシリンダのシリンダロッドに連結された耳折り板36と、その耳折り板に接触し、シリンダロッドの往復移動に伴う耳折り板の昇降移動の軌跡を規制する固定ローラ37と、シリンダの本体に連結され、耳折り板を回転ローラ側に付勢するバネ38とを備える。耳折り板が上昇すると、バネによる付勢力により、耳折り板の上端側の押し当て部が、耳部を被包装物14側に押し付けるように構成した。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を包み込んだ包装フィルムに対し、幅方向にシールするとともにカットするエンドシール装置と、そのエンドシール装置の下流側に設置された耳折り装置と、を備えた包装機であって、
前記耳折り装置は、前記エンドシール装置にてエンドシール処理されている包装フィルム或いはエンドシール処理されて製造された包装体の上面に接触すると共に、下方に付勢する上部抑え装置と、その上部抑え装置で移動が抑制されている前記筒状フィルム或いは前記包装体の先端部分のエンドシールされた耳部を起立させて折り曲げる折り癖装置と、を備え、
前記折り癖装置は、正逆方向に回転可能に設置されたシリンダと、そのシリンダのシリンダロッドに連結された耳折り板と、その耳折り板に接触し、前記シリンダロッドの往復移動に伴う前記耳折り板の昇降移動の軌跡を規制する規制部材と、前記シリンダの本体に連結され、前記耳折り板を前記規制部材側に付勢する付勢手段と、を備え、
前記耳折り板が上昇すると、前記付勢手段による付勢力により、その耳折り板の上端側の押し当て部が、前記耳部を前記被包装物側に押し付けるように構成したことを特徴とする包装機。
【請求項2】
前記耳折り板は、先端が上下方向に伸びる押し当て部となり、その押し当て部の下端に連続して傾斜部を有する形状からなり、
前記シリンダロッドが延びる方向に移動することにともない、前記耳折り板が上昇し、その上昇移動の際に、前記規制部材と接触する部位が傾斜部の下側に徐々に移動することに伴い、付勢手段の付勢力によってシリンダが所定方向に回転することで、前記押し当て部は、上昇するにつれて徐々に被包装物側に移動するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の包装機。
【請求項3】
前記一対のエンドシーラのシール面が、進行方向の前後両側から中央部位に向けて上昇するように形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の包装機。
【請求項4】
包装機のエンドシール装置の下流側に設置され、包装体のエンドシールされた耳部を折り曲げる耳折り装置であって、
前記エンドシール装置にてエンドシール処理されている包装フィルム或いはエンドシール処理されて製造された包装体の上面に接触すると共に、下方に付勢する上部抑え装置と、その上部抑え装置で移動が抑制されている前記筒状フィルム或いは前記包装体の先端部分のエンドシールされた耳部を起立させて折り曲げる折り癖装置と、を備え、
前記折り癖装置は、正逆方向に回転可能に設置されたシリンダと、そのシリンダのシリンダロッドに連結された耳折り板と、その耳折り板に接触し、前記シリンダロッドの往復移動に伴う前記耳折り板の昇降移動の軌跡を規制する規制部材(固定ローラ37)と、前記シリンダの本体に連結され、前記耳折り板を前記規制部材側に付勢する付勢手段と、を備え、
前記耳折り板が上昇すると、前記付勢手段による付勢力により、その耳折り板の上端側の押し当て部が、前記耳部を前記被包装物側に押し付けるように構成したことを特徴とする耳折り装置。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装機並びに耳折り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ピロー包装機は、以下のような構成を備えている。まず、原反ロールに巻き取られた帯状フィルムを連続して製袋器に供給し、その製袋器を通過させる際に筒状に製袋された筒状フィルムを形成する。また、この製袋器の上流側には被包装物搬送供給装置を配置し、その被包装物搬送供給装置から所定間隔毎に搬送される被包装物が、製袋器内に供給される。これにより、被包装物が製袋器内を通過すると、筒状フィルム内に所定間隔毎に収納されることになり、その被包装物は筒状フィルムとともに搬送される。そして、その搬送方向に沿って、センターシール装置並びにエンドシール装置が配置されている。センターシール装置は、筒状フィルムのフィルム重合端をシールするものである。エンドシール装置は、筒状フィルムを進行方向横方向(前後の被包装物が存在していない部分)にシールするとともに、カットすることで、先端の被包装物が収納された筒状フィルムの部分を後続の筒状フィルムから分離し、包装体を製造するようになる。
【0003】
包装体のエンドシール部分は、「耳部」とも称され、この耳部を折り曲げたいという要求がある。これは、通常の包装処理をした状態では、耳部は水平方向に突出した状態となっているため、耳部を折り曲げることで、包装体の外形状が被包装物の外形状にほぼ等しくすることができ、これにより、例えば係る包装体(耳折り済み)を箱詰め作業する際に容易に行なえるばかりでなく、容積の小さい箱を用いて収納することができるなどのメリットを有するためである。また、片側の耳部を折り曲げることで、その耳部を折り曲げた側を平坦面にして底部とし、包装体を起立可能にすることもある。
【0004】
係る耳部を折り曲げるためには、エンドシール装置の後段に独立して、或いはエンドシール装置と一体に、エンドシールされるとともに筒状フィルムから切り離されてフリー状態となった耳部に対し、折り曲げ処理を行なう耳折り装置を設けている。係る耳折り装置を実装した包装機としては、従来特許文献1,2に開示されたものなどがある。
【0005】
これらの特許文献に開示された耳折り装置は、何れも、エンドシール処理直後で余熱を帯びて変形しやすい状態にあるエンドシール部に対し、エアーを吹き付けることで、そのエアーの圧力によりエンドシール部を上方に押し上げることで折り曲げるとともに、吹き付けられたエアーによって冷却されることで、その折り曲げ状態は維持される構成を採っている。
【特許文献1】特開2004−331135号公報
【特許文献2】特開2004−338741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来の技術では、エアーの吹き付けによりエンドシール部(耳部)が瞬時に冷却されることで、耳部の折り曲げ状態は維持されるが、そのエアーによりエンドシーラ自体の温度が低下してしまうおそれがある。そして、エンドシーラの温度が低下すると、エンドシーラ温度の不均一により、シール不良が発生するおそれがある。さらに、エアーの圧力という不確実な要素により折り曲げを行なうため、毎回確実に折り曲げを行なうことは困難である。さらに、フィルム材質、特に腰の強いフィルムなどでは、折り癖を付けることができないおそれがある。さらにまた、製品が軽い場合には、エアーの押圧力により、製品が浮いてしまい、やはり、折り曲げを確実に行なうことができないという問題を有する。
【0007】
本発明は、簡単な構成で確実に耳部の折り曲げ(耳折り)処理を行なうことができる包装機並びに耳折り装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために、本発明に係る包装機は、被包装物を包み込んだ包装フィルムに対し、幅方向にシールするとともにカットするエンドシール装置と、そのエンドシール装置の下流側に設置された耳折り装置と、を備えた包装機であって、前記耳折り装置は、前記エンドシール装置にてエンドシール処理されている包装フィルム或いはエンドシール処理されて製造された包装体の上面に接触すると共に、下方に付勢する上部抑え装置と、その上部抑え装置で移動が抑制されている前記筒状フィルム或いは前記包装体の先端部分のエンドシールされた耳部を起立させて折り曲げる折り癖装置と、を備え、前記折り癖装置は、正逆方向に回転可能に設置されたシリンダと、そのシリンダのシリンダロッドに連結された耳折り板と、その耳折り板に接触し、前記シリンダロッドの往復移動に伴う前記耳折り板の昇降移動の軌跡を規制する規制部材(実施の形態では、「固定ローラ37」に対応)と、前記シリンダの本体に連結され、前記耳折り板を前記規制部材側に付勢する付勢手段と、を備え、前記耳折り板が上昇すると、前記付勢手段による付勢力により、その耳折り板の上端側の押し当て部が、前記耳部を前記被包装物側に押し付けるように構成した。
【0009】
より具体的には、たとえば、前記耳折り板は、先端が上下方向に伸びる押し当て部となり、その押し当て部の下端に連続して傾斜部を有する形状からなり、前記シリンダロッドが延びる方向に移動することにともない、前記耳折り板が上昇し、その上昇移動の際に、前記規制部材と接触する部位が傾斜部の下側に徐々に移動することに伴い、付勢手段の付勢力によってシリンダが所定方向に回転することで、前記押し当て部は、上昇するにつれて徐々に被包装物側に移動するように構成することができる。
【0010】
耳折り板にて、耳部を押さえつけることができるので、耳折りを確実に行なうことができる。しかも、シリンダによる往復移動により耳折り板が昇降移動し、耳折り処理をするため、簡単な構成で実現できる。さらに、耳折りを行なうのに従来のようにエアーを使用していないため、ヒーターの温度を低下させてしまうことが無く、シール不良が起こるおそれがなくなる。
【0011】
さらに、前記一対のエンドシーラのシール面が、進行方向の前後両側から中央部位に向けて上昇するように形成すると好ましい。このようにすると、このエンドシーラで挟まれたフィルム部位は、上に凸の山状(逆V字状)に成形される。よって、その中央部位をカットすることで、両端の耳部の耳折りを行なうことかできる。
【0012】
また、本発明に係る耳折り装置は、包装機のエンドシール装置の下流側に設置され、包装体のエンドシールされた耳部を折り曲げる耳折り装置であって、前記エンドシール装置にてエンドシール処理されている包装フィルム或いはエンドシール処理されて製造された包装体の上面に接触すると共に、下方に付勢する上部抑え装置と、その上部抑え装置で移動が抑制されている前記筒状フィルム或いは前記包装体の先端部分のエンドシールされた耳部を起立させて折り曲げる折り癖装置と、を備え、前記折り癖装置は、正逆方向に回転可能に設置されたシリンダと、そのシリンダのシリンダロッドに連結された耳折り板と、その耳折り板に接触し、前記シリンダロッドの往復移動に伴う前記耳折り板の昇降移動の軌跡を規制する規制部材(実施の形態の「固定ローラ37」に対応)と、前記シリンダの本体に連結され、前記耳折り板を前記規制部材側に付勢する付勢手段と、を備え、前記耳折り板が上昇すると、前記付勢手段による付勢力により、その耳折り板の上端側の押し当て部が、前記耳部を前記被包装物側に押し付けるように構成した。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、シリンダにより昇降移動する耳折り板で耳部の折り癖を付けるため、簡単な構成で確実に耳部の折り曲げ(耳折り)処理を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1,図2は、本発明の好適な一実施の形態の要部となる包装機におけるエンドシール装置と、耳折り装置を主に示している。図示省略するが、一般にピロー包装機は、包装機本体10と、その包装機本体10に対して帯状の包装フィルムを連続して供給するフィルム供給装置と、包装機本体の上流側に配置され、その包装機本体に対して被包装物14を所定間隔毎に供給する被包装物搬送供給装置とを備えている。
【0015】
各装置を簡単に説明すると、フィルム供給装置は、原反ロールから連続して帯状フィルムを引き出し(送り出し)、その帯状フィルムは、ローラに掛け渡されることで所定の経路を通って包装機本体10の製袋器に導かれる。帯状フィルムは、製袋器を通過することで筒状に整袋される。
【0016】
被包装物搬送供給装置は、被包装物を所定間隔で搬送し、包装機本体10の製袋器に順次供給する。これにより、上述したように製袋器には帯状フィルムが供給され、そこを通過することで筒状に整袋されるため、被包装物は、その筒状に整袋される筒状フィルム13内に供給されることになり、以後、被包装物10は、筒状フィルム13内に挿入された状態のまま包装機本体を搬送されることになる。
【0017】
包装機本体10は、上流側から順に製袋器(図示省略)と、その製袋器を通過した被包装物を内包する筒状フィルムのフィルム重合端縁をシールするセンターシール装置(図示省略)と、センターシールされた筒状フィルムを搬送する搬送コンベア11と、搬送コンベア11の上方に配置され被包装物(筒状フィルム)が持ち上がるのを抑制する上側抑えベルト12と、エンドシール装置15と、エンドシール処理されて製造された包装体14を搬出する搬出コンベア16を備えている。
【0018】
上側抑えベルト12は、エンドシール装置15の上流側の直近に配置されており、筒状フィルム13内の被包装物14が上方に持ち上がるのを抑制し、水平状態を保持しながら搬送できるようにしている。
【0019】
エンドシール装置15は、筒状フィルム13に対し、進行方向と直交する方向、つまり、横断する方向にシールすると共にカットするものである。そのシール・カットするフィルム部位は、前後の被包装物14の間の所定位置である。これにより、エンドシール装置15を通過することで、筒状フィルム13の先頭部分は、後続から分離され、包装体17が製造される。
【0020】
このエンドシール装置15の具体的な構成は、筒状フィルム13を挟んで上下に対向配置される一対のエンドシーラ21,22を備え、そのエンドシーラ21,22のシール面21a,22aを対向させた状態を保持しながらそれぞれを所定の軌跡で公転移動させるようになっている。このエンドシーラ21,22を所定の軌跡で公転移動させるための機構は、いわゆるボックスモーションと称される公知の機構を用いることができる。このボックスモーションは、エンドシーラ21,22同士が噛み合って筒状フィルム13を挟んでいるとき(図2参照)は、筒状フィルム13と同一速度で前進移動し、その後、エンドシーラ21,22が筒状フィルム13から離反すると所定の軌跡で後進移動することを繰り返すものである。これにより、一定期間、筒状フィルム13を両エンドシーラ21,22で挟み込んで加圧・加熱した状態を維持できるので確実に熱シールできるとともに、筒状フィルム13を連続移動させることができる。もちろん、筒状フィルム13を間欠移動させる場合には、エンドシーラ21,22は上下移動のみする機構にし、筒状フィルムが一時停止しているときにエンドシーラ21,22を1回上下移動させシール・カットすることもできる。また、ボックスモーション機構の場合、搬出コンベア16や搬送コンベア11等は、エンドシーラ21,22の前後進移動にあわせてエンドシール装置15側の先端を前後方向に移動させるようにしても良い。係る技術は、例えば特開平9−286413号公報等に開示された機構を用いることができる。
【0021】
ここで本発明では、一対のエンドシーラ21,22のシール面21a,22aは、進行方向の前後両側から中央部位に向けて上昇するように形成した。より具体的には、上側のエンドシーラ21のシール面21aは、中央部位が奥まった(中央部位の位置が上になる)形状で、全体として略谷型となる。下側のエンドシーラ22のシール面22aは、中央部位に行くほど突き出た上方に突出し、全体として略山型となる。何れのシール面21a,22aも傾斜面(シール目は形成されている)となり、両シール面21a,22aの傾斜角度は一致し、符合し合うように形成される。
【0022】
さらに、図2に示すように一対のエンドシーラ21,22が噛み合って筒状フィルム13を挟み込んだ際に、進行方向の前後両側縁の位置が、筒状フィルム13の上下方向の中間位置に位置するように設定される。これにより、このエンドシーラ21,22で挟まれたフィルム部位は、上に凸の山状(逆V字状)に成形される。
【0023】
また、エンドシーラ21,22の中央部位には、図示省略するが、それぞれカッター刃と受け刃が備えられており、その刃により筒状フィルム13の対向部位をカットする。つまり、山状にシールされた先端(頂点)部分を切断する。これにより、エンドシールされたシール部位(耳部)は、上方に向けて傾斜状に立ち上がった状態となるので、エンドシール処理が施されるとと共に、耳折りされる。
【0024】
上述のエンドシール装置15による耳折り処理が施される本実施の形態における被包装物14は、図3(a)に示すように、PTP包装体(錠剤を収納するために用いられる)14aを、図3(b)に示すように、複数個(図の例では4個)を積層した状態のものを用いている。もちろん、積層する個数は任意であるし、単品でも良い。図3(b),図4に示すように、本実施の形態の包装機により製造される包装体17は、エンドシール装置15にてエンドシールされた耳部17aが上方に立ち上がった姿勢をとる。さらに、エンドシール装置15で折り曲げた一方の耳部17aは、後述する耳折り装置30によって、よりしっかりと耳折りされる。
【0025】
排出コンベア16は、複数のプーリ25にエンドレスベルト26を掛け渡すことで構成される。図示省略の駆動モータからの動力を受けて回転する。ここで、搬出コンベア16の搬送面26aの一部に底があいた空間部分26bが形成されるように各プーリ25を配置する。この空間部分26b前後方向の長さは、包装体17の長さより短くしているため、包装体17はそのまま空間部分26bの上を搬送される。
【0026】
耳折り装置30は、エンドシール装置15の下流側上方に配置され、エンドシール処理されている筒状フィルム13の先端部分の上面に接触すると共に、下方に付勢する上部抑え装置31と、その上部抑え装置31で移動が抑制されている筒状フィルム13の先端部分の耳部17aをさらに起立させて折り曲げる折り癖装置32と、を備えている。
【0027】
上部抑え装置31は、エアシリンダ33と、そのエアシリンダ33のシリンダロッド33aに連結された上抑え板34とを備えている。エアシリンダ33は、下向きに設置され、これによりシリンダロッド33aは往復移動することでそれに連結された上抑え板34も昇降移動する。よって、図1に示すように、シリンダロッド33aがエアシリンダ33の本体内にほぼ収納された上昇位置から、シリンダロッド33aが延びることで上抑え板34が下降移動する。これにより、図2に示すように、上抑え板34は、エンドシール装置15の下流側に位置する筒状フィルム13の先端部分の上面に接触し、筒状フィルム13内に内包される被包装物14とともに下方に付勢する。すると、その筒状フィルム13の先端部分は、搬出コンベア16上に位置しているため、搬出コンベア16と上抑え板34との間で所定の圧力で挟まれ、移動が抑止される。これにより、筒状フィルム(被包装物)の位置決めが行なわれ、耳折り時の被包装物等の持ち上がりや、左右方向のズレが防止される。
【0028】
折り癖装置32は、エアシリンダ35と、そのエアシリンダ35のシリンダロッド35aに連結された耳折り板36と、耳折り板36に接触し、シリンダロッド35aの往復移動に伴う耳折り板36の昇降移動の軌跡を規制する固定ローラ37と、エアシリンダ35の本体に連結されたバネ38と、を備えている。
【0029】
エアシリンダ35は、やや傾斜状に上向きに起立配置(シリンダロッド35aが上)されるとともに、その本体の下方部が回転軸39に連結され正逆回転可能となっている。そして、バネ38の弾性復元力(伸びようとする力)によって、エアシリンダ35は、図1,図2中反時計方向に回転する方向に付勢される。耳折り板36は、適宜折れ曲がった形状(本実施の形態では2カ所)からなり、図示するように、先端が上下方向に伸びる押し当て部36aとなり、その押し当て部36aの下端に傾斜部36bが続き、その傾斜部36bの下端にシリンダロッド35aとの連結部36cが続く形状からなる。
【0030】
シリンダロッド35aが本体内にほぼ収納された状態では、図1に示すように、耳折り板36の押し当て部36aが固定ローラ37に接触するとともに、押し当て部36の先端は搬出コンベア16の搬送面16aより上方に突出せず、これにより、搬出コンベア16上を包装体17が移動可能となる。また、この状態がエアシリンダ35がもっとも起立した状態となり、バネ38も圧縮変形される。
【0031】
一方、エアシリンダ35が作動して、シリンダロッド35aが延びると、耳折り板36も上昇移動し、固定ローラ37と接触する部位が傾斜部36bに移行し、そのままさらに耳折り板36が上昇すると、固定ローラ37との接触する部位が傾斜部36bの下側に徐々に移動することになる。これに伴い、バネ38の付勢力によってシリンダ35が反時計方向に回転する。よって、耳折り板36の押し当て部36aは、搬送面26aより上方に突出するとともに、上昇移動しながら搬出コンベア16の搬送方向の後方側、つまり、筒状フィルム13の先端側に向けて移動する。これにより、筒状フィルム13の先端の耳部17aは、上昇移動する押し当て部36aにより徐々に進行方向後方側に押されることになり、折り癖がさらに強く付けられる。
【0032】
さらに、本実施の形態では、エンドシール装置15にガゼット形成機構が実装されており、図2に示すように、エンドシーラ21,22が噛み合った際には、ガゼット挿入位置Pにガゼット爪(図示省略:特許文献2の図4,図5等参照)が挿入されることにより、フィルムに対する折り込みを行なうとともに、被包装物14が耳折り板36aの押し付けによりエンドシーラ21,22に接近・接触するのを抑制し、エンドシーラの熱による外観不良の発生を防止している。
【0033】
なお、包装体17の寸法等が変更された場合には、折り癖装置32の設置位置(搬送方向の前後の位置)を調整することで対応できる。また、本実施の形態では、エンドシーラ21,22のシール面21a,22aを傾斜面にしたことにより、包装体17の両側に耳部を形成するとともに、進行方向前側をさらに折り癖を強くすることで確実に耳部を折り曲げることができるようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、エンドシーラのシール面は、従来と同様に水平な平坦面にしても良い。この場合には、包装体の耳部は、片側のみ形成されることになる。
【0034】
また、本実施の形態では、トップシーラ同士が接触している最中に耳折り処理を行なうようにしたが、トップシーラが離れて、包装体17が製造された後で耳折り処理を行なうようにしてももちろん良い。
- 【公開番号】特開2007−106489(P2007−106489A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【発明の名称】包装機並びに耳折り装置
- 【出願番号】特願2005−302149(P2005−302149)
【出願日】平成17年10月17日(2005.10.17)
【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100092598
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 伸一
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