食品材料の成形装置
スポンサード リンク
- 【要約】
【課題】 食品材料を成形用の型に充填する際、空気の介在を抑制する。
【解決手段】 本願発明に係る食品材料の成形装置は、成形用型と、成形用型に食品材料を運ぶ通路221と、通路221内を摺動して通路内の食品材料を成形用型内へ押し込むことにより食品材料を成形用型内へ充填する充填用ピストン222とを備え、充填用ピストン222は、通路221内を成形用型の型面に向けて摺動することにより、成形用型1の型面に食品材料を押し込む。成形用型1の型面には、食品材料が押し込まれた際に、食品材料と当該成形用型1の型面との間に介在する空気を、他へ排出する空気抜き孔14が設けられている。
スポンサード リンク
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形用型と、当該成形用型内へ成形する食品材料を充填する充填手段とを備えた食品材料の成形装置において、
上記の成形用型は、食品材料を受容し成形する凹部を型面として備え、
上記型面と当該型面に充填される食品材料との間に介在する空気を、他へ排出する空気抜き孔が、当該型面に設けられたことを特徴とする食品材料の成形装置。
【請求項2】
上記空気抜き孔は、空気抜き孔の開閉を担う開閉弁を備え、
上記開閉弁の先端は、空気抜き孔を閉鎖した状態において、上記型面の一部を構成するものであり、空気抜き孔内から食品材料側へ変位して、空気抜き孔を開放するものであることを特徴とする請求項1記載の食品材料の成形装置。
【請求項3】
上記空気抜き孔は、上記型面の最深部の2/3の深さよりも、成形用型の奥に設けられたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の食品材料の成形装置。
【請求項4】
上記成形用型の型面は、奥に向かって狭くなる凹面を呈するものであり、
当該型面の奥に、上記空気抜き孔が設けられたものであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の食品材料の成形装置。
【請求項5】
上記空気抜き孔は、コンプレッサに接続され、充填後の食品材料が成形された後、型抜きされる際に、この食品材料と上記成形用型の型面との間に他より空気を導入するものであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の食品材料の成形装置。
【請求項6】
上記の開閉弁は、食品材料の型抜きの際に、食品材料を押圧し、食品材料の離型を促すものであることを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の食品材料の成形装置。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、食品材料の成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特公昭62−43660号公報
【特許文献2】特開平13−61462号公報
【0003】
練物状である食品材料、例えば加熱調理前のハンバーグを、自動的に成形する装置として、本願発明の発明者は以前に、上記特許文献1に示す装置を提案している。
上記特許文献1の図1へ示す通り、この装置において、専ら中空型部材2(シリンダ部)と、中間筒部材4及び作動軸部材5(ピストン部)とにて構成される押し出し用型を用いて、中空型部材2内に収容された食品材料に対して、中間筒部材4及び作動軸部材5とを上方から下方へ押圧し食品材料を中空型部材2から、押出し成形していた。
そして、この特許文献1に示す成形装置では、上型(押し出し用型)のみで、食品材料の上部のみを成形し、成型後は、作動軸部材5を中間筒部材4より下方に突出させて、下方に食品材料を落とすものである。
【0004】
従って、上記にて押し出された食品材料の先端部について、逐次カッターで水平にカットするか、或いは、上記の中空型部材2の下端を平らな板面或いは受け型(下型)に当てると共に、当該板面又は受け型に対し、上記中間筒部材4及び作動軸部材5の作動にて、食品材料を押し付けることで、食品の下部について形を整える必要がある。
【0005】
一方、練物状である食品材料を、適切に成形するには、食品材料を型へ充填する際、型面への密着を確実に行わせる必要がある。型面と食品材料とが密着していないと、成形後、その部分が巣となって食品表面に残ったり、また、型内において食品が偏ったり、また食品材料の表面が正確に成形されないなどの問題が生ずるからである。
しかし、特許文献1に示すものは、成形後に食品材料の型抜きを確実に行うために、型内へ空気を導入するためのものであり、上記の食品材料の充填時に、食品材料と型面との間の空気を排除するものではなく、食品材料と型面との間の密着性を向上しようとするものではない。即ち、型に押し込んだ中間筒部材4及び作動軸部材5を型から抜く際に円滑に食品材料から引き離させるように、中間筒部材4に空気導入用の溝部3を形成したものであり、食品材料の充填に際して型(中空型部材2)と食品材料との密着性を高めて、成形をより的確に行おうとするものではない。このように、型(中空型部材2)自身は、そのような密着性を高めるための手段を何ら備えていないのである。
【0006】
また、特許文献2において、その図13に示す通り、成形の際の加圧時に空気を抜くために、ピストン112側に空気を抜く手段即ち空気抜き溝134を備えたものが見受けられる。これは、この溝134によって、食品材料の加圧成形時に、ピストン112の加圧のための摺動を利用して、ピストン112と食品材料との間に介在する空気を排除しようとするものである。
しかし、この特許文献2へ示す装置においても、型114と当該型114に充填される食品材料との間に介在する空気を排除して、型114と食品材料との密着性を向上しようとするものではなく、この特許文献2の図13に示す型114においても、そのような空気を排除するための手段を何ら備えていない。
従って、上記特許文献の何れにおいても、食品材料を成形する型と食品材料と間における密着性を高めることはできず、上述の巣の発生などの問題を低減するには至っていない。
尚、上記において、用いた図番及び部材番号は、この特許文献1及び特許文献2の説明のみに用いるものであり、本明細書の他の記載と無関係である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本願発明は、成形型を用いて成形する食品材料の成形装置において、充填手段(ピストン)に対向する型面へ、加圧前食品材料を充填するに際して、食品材料と当該型面との間に空気が介在するのを抑制して、食品材料と型面との間の密着性を向上し、食品材料の表面への巣の発生や、食品材料の偏りを低減することにより上記の課題の解決を図るものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願第1の発明は、成形用型1と、当該成形用型1内へ成形する食品材料を充填する充填手段とを備えた食品材料の成形装置について、次の構成を採るものを提供する。
即ち、上記の成形用型1は、食品材料を受容し成形する凹部を型面として備える。上記型面と当該型面に充填される食品材料との間に介在する空気を、他へ排出する空気抜き孔14が、当該型面に設けられている。
【0009】
本願第2の発明では、上記本願第1の発明にあっては、次の構成を採る食品材料の成形装置を提供する。
即ち、上記空気抜き孔14は、空気抜き孔14の開閉を担う開閉弁15を備える。上記開閉弁15の先端は、空気抜き孔14を閉鎖した状態において、上記型面の一部を構成するものであり、空気抜き孔14内から食品材料側へ変位して、空気抜き孔14を開放する。
【0010】
本願第3の発明では、上記本願第1又は第2の発明にあって、次の構成を備えた食品材料の成形装置を提供する。
即ち、上記空気抜き孔14は、上記型面の最深部の2/3の深さよりも、成形用型1の奥に設けられたものである。
【0011】
本願発明4の発明では、上記本願第1乃至第3の何れかの発明にあって、次の構成を備えた食品材料の成形装置を提供するものである。
即ち、上記成形用型1の型面は、奥に向かって狭くなる凹面を呈するものであり、当該型面の奥に、上記空気抜き孔14が設けられたものである。
【0012】
本願発明5の発明では、上記本願第1乃至第4の何れかの発明にあって、次の構成を備えた食品材料の成形装置を提供するものである。
即ち、上記空気抜き孔14は、コンプレッサに接続され、充填後の食品材料が成形された後、型抜きされる際に、この食品材料と上記成形用型1の型面との間に他より空気を導入するものである。
【0013】
本願発明6の発明では、上記本願第2乃至第5の何れかの発明にあって、上記の開閉弁15が、食品材料の型抜きの際に、食品材料を押圧して型面から遠ざけるものである食品材料の成形装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本願の第1〜6の各発明は、成形型を用いて成形する食品材料の成形装置において、食品材料を受容する、凹部を呈する型面に空気抜き孔を設けることにより、成形用型へ食品材料の充填を行うに際して、食品材料が充填される型面と、当該食品材料との間に介在する空気を型面より他へ排除することを可能とした。これによって、食品材料の型への充填時に、食品材料と型面との密着性を向上し、空気の介在が原因で生じる巣の発生や、型内での食品材料の偏り、成形後の食品材料表面の乱れを、抑制した。
【0015】
また、本願第2の発明により、空気抜きのための空気抜き孔の開閉を担う開閉弁を設け、空気抜き孔を閉鎖することにより、空気抜き孔周囲の食品材料が、空気抜き孔によって成形を阻害され難いものとした。
本願第3の発明により、型内において、空気が滞留しやすい部に、空気抜き孔を設けることによって、上記の型面と食品材料との間の空気をより効果的に排除することを可能とした。
【0016】
本願第4の発明により、成形する食品の形状に合わせて型面が奥に向かって狭くなる凹部を呈する、空気の滞留しやすい成形用型について、その最も空気の滞留しやすい部位に空気抜き孔を設けることにより、より一層効果的に当該空気を排除できるものとした。
本願第5の発明により、空気抜き孔が、型抜き時上記とは逆に、食品材料と型面との間に空気の導入して、離型を促進することができる。即ち、空気抜き孔が、食品材料の型抜きを促す空気の導入手段を兼ねるものであり、食品材料の充填時の食品材料と型面との密着性の向上と、成形後の食品材料の離型のしやすさという、相反する効果を得ることを可能とした。
【0017】
本願第6の発明により、開閉弁が、食品材料の型抜き時に、食品材料を押圧し、食品材料の離型をより一層円滑に行えるものとした。
上記の本願の各発明の実施によって、特に、ハンバーグやコロッケ、魚肉練り製品など、練物状である食品材料について、円滑で、正確な成形を行うことが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本願発明の好ましい実施の形態について、説明する。図1〜図9へ本願発明の一実施の形態を示す。図1は、上型(第1型構成部材1)が食品材料を充填される位置にある、本願発明に係る装置の略側面図である。図2は、食品材料が充填された後の上型の移動先を示す、上記装置の略側面図である。図3は、上型を下型(第2型構成部材2)へ押圧する配置(上型の移動先)を示す、上記装置の略側面図である。図4は、図1に示す装置の要部略斜視図である。図5は、図2に示す移動先に上記上型を移動させた後の、上記装置の要部略斜視図である。図6は、上記上型と下型とを対面させた状態の、上記装置の要部略斜視図である。図7は、上型を下型へ押圧して食品材料の成形を行う状態を示す上記装置の要部斜視図である。図8(A)は図1及び図4に示す状態の上記装置において、上型の下方に食品材料が移送されて来る状態を示す説明図(要部略縦断面図)であり、図8(B)はこの食品材料が上型内に充填される様子を示す説明図である。図9(A)は食品材料充填後の上型が下型と対面した状態を示す説明図(要部略縦断面図)であり、図9(B)は上型が下型に押圧され食品材料を成形している状態を示す説明図であり、図9(C)は成形後食品材料の型抜きの状態を示す上記装置の説明図であり、図9(D)は型抜きされた食品材料が型から移動する状態を示す説明図である。図10は、上記の上型の更に詳細を示す説明図である。
【0019】
各図において、説明の便宜上、Uは上方を、Sは下方を、Fは食品材料の移送方向の前方を、Bは食品材料の移送方向の後方を、夫々示している。
この食品製造装置は、投入部100と、成型部200と、抜型部300とを備える。
以下、加熱調理される前のハンバーグの成型を例に採り、成形の順を追って、各部の構成について詳しく説明する。
【0020】
図1〜図3へ示す通り、上記の投入部100に、成型する食品材料m即ちペースト状のハンバーグの素材が投入される。投入部100は、食品材料を受けるホッパ101と、ホッパ101に投入された食品材料を練りながら成型部200へ移送するスクリューコンベア102とを備える。
【0021】
上記の成型部200において、食品材料mが成型される。即ち、ハンバーグ表面の各部が滑らかな曲面となるように成型される。
成形部200において、成形用型は、先行技術1に示されるような押し出し型のみ、即ち1つの型で構成されるものであってもよいが、押出し型と受け型といった、複数の型構成部材にて構成されるものであってもよい。
この実施の形態では、1つの成形用型を構成する第1及び第2の少なくとも2つの型構成部材1,2を備え、両型構成部材1,2により加圧して食品材料を成形する食品材料の成形装置を例に採って説明する。
【0022】
即ち、この成型部200は、図1〜図3及び図4へ示す通り、基台210と、第1型構成部材1と、第2型構成部材2と、充填部220と、型合せ部230とを備える。
第1型構成部材1と第2型構成部材2とは、割型として、双方合されることにより、一つの型を構成し、食品材料mの表面全体を成型することができる。
この実施の形態において、第1型構成部材1は、ハンバーグの上部を成型し、第2型構成部材2は、ハンバーグの下部を成型する。
具体的には、第1型構成部材1は、ハンバーグの上部表面の曲面を模る凹状に形成された型面を備え、当該型面を下方に向ける。第2型構成部材2は、ハンバーグ下部表面の曲面を模る凹状に形成された型面を備え、当該型面を上方に向ける。
【0023】
図1〜図3へ示す通り、上記の基台210は、投入部100の前方に配置される。また、上記の基台210には充填部220と、第2型構成部材2とが固定されている。充填部220は、基台210の後部内部に設けられている。第2型構成部材2は、基台210の上面において、充填部220より前方に設けられている。尚、図2及び図3中の一点鎖線は、第1型構成部材1の移動先を示す。
【0024】
上記の充填部220は、特許請求の範囲の充填手段に対応するものであり、この実施の形態において、基台210内部に設けられている。この充填部220は、図8(A)へ示す通り、通路221と、充填用ピストン222と、副通路223とを備える。この通路221の後端は、スクリューコンベア102の前方に接続されており、この通路221の先端は、基台210上面にて開口する。副通路223は、充填用ピストン222を収容すると共に通路221下方から通路221に連絡する。
上記の型合せ部230は、第1型構成部材1を保持するものであり、上記通路221の基台210上面の開口部を、型合せ部230に保持された第1型構成部材1の型面が塞いでいる。
上記の充填用ピストン222は、上方へ変位することにより、副通路223から通路221内へ突出して、スクリューコンベア102にて成型部200の上記通路221へ送られてきた食品材料mを、図8(B)へ示す通り、通路221の先端を封じている上記第1型構成部材1の型面1aに、下方より押し込むものである。
【0025】
充填用ピストン222は、流体圧にて作動する周知のアクチュエータを採用して実施することができる。
充填用ピストン222と対向する第1型構成部材1の型面には、型面内の空気を他へ排出する空気抜き孔14と、この空気抜き孔14を開閉する開閉弁15とが設けられている。上記の空気抜き孔14は、第1型構成部材1の型面と他とを連絡する孔である。この空気抜き孔14の孔内に、上記の開閉弁15が、設けられており、第1型構成部材1の型面より、(下方に)開閉弁15の先端(下端)が突出することにより、空気抜き孔14を開放する。
図8(B)へ示す通り、上記の空気抜き孔14は、第1型構成部材1の型面1aに向けて、当該型面に対向する上記の充填用ピストン222が押し込めてくる食品材料mの移動先、即ち上記型面の、食品材料mの移動方向(図8において下方から上方)の突き当りとなる部位(図8において型の下方を臨む部位)に、設けられている。
【0026】
図10へ示す通り、第1型構成部材1は、上記の開閉弁15の開閉を制御する開閉制御部16を備える。開閉制御部16には、周知の機構を採用して実施することができる。この実施の形態において、開閉制御部16は、その先端(下端)にて開閉弁15を支持する軸16aと、軸16aの後端を収容するエアシリンダ16bと、エアシリンダ16b内へ空気を導入し或いは排出して上記軸の16aを変位させる駆動部16cと、駆動部16cの動作のタイミングを計るタイマ16dと、タイマ16dからタイミングを検出して駆動部16cの作動の指令を出す制御回路16eとを備える。上記の駆動部16cとしては、エアコンプレッサを用いて実施することができる。
制御回路16eがタイミングを検出し、駆動部16cを駆動させることにて、駆動部16cを駆動することにより、上記開閉弁15の開閉を行うことができる。
【0027】
詳しくは、上記のタイマ16dは、充填用ピストン222の作動を検出するセンサを備え、当該充填用ピストン222の作動の開始を、開始時刻として時間のカウントを始める。制御回路16eは、上記のタイマ16dにおいてカウント開始から所定時間カウントしたことを検出することにより、上記駆動部16cを駆動させて開閉弁15を作動させ空気抜き孔14 を閉鎖する。上記の所定時間として、食品材料mが第1回構成部材1内へ充填されるに必要な時間が、制御回路16eにセットされており、制御回路16eは、当該時間と、タイマ16dがカウントした時間とを比較して、当該時間の経過を検出する。そして、上記の通り、駆動部16cを動作させるのである。
充填用ピストン222に設ける上記のセンサは、充填用ピストン222の作動に連動して、タイマ16dのカウント開始時刻を報せるものとしたが、タイマ16dのカウントを開始させる時刻を他の方法によって検出するものとしても実施可能である。
また、開閉弁15の閉鎖動作のタイミングを上記のタイマ16dの使用に代え、別途のセンサを用いて、検出するものとしても実施可能である。
上記のセンサとしては、例えば、充填用ピストン222の位置(上死点)を検出する位置センサを採用することができる。上記の充填部220は、充填用ピストン222に代えて、例えばスクリューコンベアを採用することができる(図示しない)。このようなスクリューコンベアを用いた場合、上記のセンサとして、ロータリーエンコーダを採用して、スクリューの回転を検出するものとしてもよい(図示しない)。
【0028】
上記の空気抜き孔14は、型面1aにおいて、充填されてくる食品材料mと対向する位置に設けるのが好ましい。
具体的には、この第1型構成部材1の型面1aは、食品材料mを充填する凹部として形成されたものであり、当該型面1aにおいて、その最深部Pの深さdの2/3より型面1aの奥(深さdの2/3よりも深い位置、即ち、図10において当該2/3の位置より上方)に上記空気抜き孔14を設けるのが好ましい。図10へ示す通り、この実施の形態において、型面1aが呈する凹部は、ハンバーグの上面の形状に合わせ、型の奥即ち上記最深部pに向かって狭くてなっており(即ち型面1aは、ドーム状に凹んでおり)、特に、このドームの頂部(最深部p)に上記空気抜き孔14を形成するのが好ましい。
尚、上記において、空気抜き孔14は、上記の開閉制御部16にて、タイマ16d或いは別途のセンサを用いて、食品材料mの充填完了時に、開閉弁15にて空気抜き孔14を閉じるものした。この他、開閉弁15は、バネやエアといった弾性体によって、空気抜き孔14を開放する方向(下方)へ常時付勢を受けるものとし、そして、型内へ充填されてくる食品材料mが、当該付勢に抗して開閉弁15を閉ざす方向に押圧して、徐々に空気抜き孔14を閉じさせるものとし、食品材料mの型面への充填完了と共に開閉弁15を完全に閉ざすものとしても実施可能である。この場合上記の弾性体の調整や設定により、上記開閉弁15の制御を行うことができるので、前述の開閉制御16を別途用意する必要がない(特に、この場合、タイマ作動の開始点を検出する必要がないので構成を簡略化するのに有利である)。
【0029】
図8(A)へ示す通り、充填用ピストン222が、食品材料mを第1型構成部材1の型面1aに押し込む間、開閉弁15は、空気抜き孔14を開放しており、上記の空気抜き孔14より、他へ第1型構成部材1内の空気が抜かれる。そして、上記の開閉制御部16の働きにて、図8(B)へ示す通り、第1型構成部材1への食品材料mの充填が完了すると、上記充填用ピストン15が空気抜き孔14を閉じる。上述の通り充填用ピストン222による食品材料mの第1型構成部材1への充填完了のタイミングを上記のタイマ16dによって検出し、この開閉弁15の作動を行わせればよい。このように、第1型構成部材1への食品材料m充填時、空気抜き孔14を開放して、第1型構成部材1の型面内から空気を抜くことにより、食品材料mに巣や偏りや表面の乱れが生じにくくなり、成形をより的確に行うことができる。
【0030】
型合せ部230は、第1型構成部材1の型面と第2型構成部材2の型面とを合せるものである。図4〜図7へ示す通り、型合せ部230は、基台210に固定された第2型構成部材2に対して、第1型構成部材1を移動して上記の型合せを行うものであり、図4へ示すように、第1型構成部材1の当該移動を担う、移動部240と、変位部250とを備える。
移動部240は、支持板241と、支持板241を前後に摺動するアクチュエータ242と、横ガイド部243とを備える。この実施の形態において、アクチュエータ242は、流体圧シリンダと、この流体圧シリンダに収容されたピストンとにて構成されており(図1〜図3において省略する。)、このピストンの先端に、上記支持板241が取り付けられている。上記支持板241は、上記ピストンの摺動にて、前後に移動することができる。
図示しないが、支持板241の底部に車輪を設けると共に、基台210の上面に充填部220上から第2型構成部材2にかけてガイドレールを設け、支持板241の移動に伴い、当該車輪を当該ガイドレールに沿って基台210上で転がすことにより、上記支持板241の移動を円滑に行うことができる。
【0031】
上記の支持板241には、上記の第1型構成部材1が取り付けられている。
第1型構成部材1は、支持板241にて、上記充填部220の上方に配位される。そして、上記の支持板241の摺動によって、図5へ示す通り、第1型構成部材1を、充填部220(の上)から、第2型構成部材2の(上に)移動(前進)させることができる。
【0032】
上記の支持板241は、当該支持板241を上下に貫通する筒状部244を備え、この筒状部244内に、第1型構成部材1が収容される。第1型構成部材1は、この筒状部244に対し上下へ変位可能に収容されている。
この実施の形態において、第1型構成部材1には、キャスタ13,13が設けられている。
移動部240が備える前記横ガイド部243は、支持板241の前後の移動に伴い、キャスタ13,13を乗せて前後の移動のガイドを行う2本のレールであり、基台210に固定されている。
【0033】
上記の変位部250は、移動部240の横ガイド部243の前端に配置されており、図6へ示す通り、第1型構成部材1を、基台210上面の第2型構成部材2へ向け下方に案内する。
この変位部250は、キャスタ受部251,251と、受部作動部252と、縦ガイド部253,253と、押圧部254とを備える。
【0034】
キャスタ受部251,251は、夫々上記の第1型構成部材1が備える上記キャスタ13,13を収容するものであり、横ガイド部243の先端に配置されている。受部作動部252は、キャスタ受部251,251を横ガイド部243より下方に移動させることが可能なアクチュエータである。この実施の形態において、受部作動部252は、軸方向を鉛直とするシリンダ部材と、当該シリンダ部材に収容されてシリンダ部材の上方にて出没するピストン部材とを備える。このシリンダ部材は流体圧によって、ピストン部材を上下に作動することができる。そして、上記ピストン部材の先端(上端)に上記キャスタ受部251,251が設けられている。上記ピストン部材の上下動にて、キャスタ受部251は、横ガイド部243と同じ高さから、下方の第2型構成部材2側へ、キャスタ13,13を移動させる。上記の縦ガイド部253,253は、キャスタ受部251,251の上記上下の移動をガイドする、鉛直に配置されたガイドレールである。
このキャスタ13,13の下方への移動に伴い、当該キャスタ13,13が設けられた第1型構成部材1は、支持板241に対し筒状部244内を下方へ変位することができる(図6)。
第1型構成部材1の下方への上記変位によって、図9(A)へ示す通り、第1型構成部材1の型面を第2型構成部材2の型面へ対面させることができる。
【0035】
上記の型合せによる食品の成形について、更に詳しく説明する。
上記の第1型構成部材1は、図8及び図9へ示す通り、シリンダ部11と、先端がシリンダ部11内へ収容されたピストン部12と、付勢部とを備える。
シリンダ部11は、軸方向を上下として配置されたものであり、ピストン部12はシリンダ部11内を上下に変位することができる。
また、上記の付勢部(図示せず。)により、ピストン部12はシリンダ部11内において上方へ付勢されている。付勢部には、バネを採用することができる。但し、バネの弾性を利用するものに限定するのではなく、電磁的な機構によって作動する周知の他の付勢手段を備えたものを採用することができる。
前述のキャスタ13,13は、上記シリンダ部1の外部(表面)に設けられている。
【0036】
前記押圧部254は、第2型構成部材2の上方に配置され、図7及び図9(B)へ示す通り、第2型構成部材2の上に移動してきた第1型構成部材1の上記ピストン部12の後端(上端)を押圧する。これにて、上記付勢部の付勢に抗して、シリンダ部11に対してピストン部12を下方へ変位させることができる。
押圧部254には、流体圧を利用して作動するピストンロッド255を備えた周知のアクチュエータを採用することができる。上記の通り、押圧部254は、当該ピストンロッド255の先端にて、第1型構成部材1のシリンダ部11から上方に露出する、ピストン部12の後端(上端)を、下方へ押し付けることにより、上記の通りピストン部12を下方へ変位させる。押圧部254には、押圧の衝撃を緩和するための緩衝部材256を設けておくのが好ましい。緩衝部材として、バネを採用することができる。
【0037】
尚、図8〜図10へ示す通り、この実施の形態において、上記ピストン部12の先端面(下面)とシリンダ部11の内周面とが、第1型構成部材1の前記の型面1aとして形成されている。従って、上記押圧部254にて、ピストン部12の先端面が、下方の第2型構成部材2の型面へ押し付けられ、食品材料mが成形される(食品材料mの下部が成形される)。前述の深さdとは、当該第2部材2への押し付け前の型面1aの、型面1aの最深部pとシリンダ部11の先端(下端)との間の幅をいう(上記成形時のピストン部12の変位前の状態を基準として上記の深さdを決定している)。
また、他より上記型面に空気を導入する前述の空気抜き孔14と、抜型時に食品材料を押圧する前述の開閉弁15とは、上記のピストン部12の先端面に設けられている。即ち、この実施の形態において、空気抜き孔14は、ピストン部12の先端面と、ピストン部12のシリンダ部11より露出する部分とを連絡する孔である。このように、この実施の形態において、ピストン部12の先端面に空ク抜き孔14の一端が開口するものとしたが、シリンダ部11内周面において、食品材料と接触する部位に開口するものとしても実施可能である。但し、上記の通りピストン部12の先端に設けるほうが好ましい。
前述の通り、この空気抜き孔14の孔内に、上記の開閉弁15が、空気抜き孔14の開閉を担うべく、設けられている。
【0038】
この空気抜き孔14は、第1型構成部材1の外部即ち外気に連絡しており、前述の第1型構成部材1への食品材料m充填に際しては、空気抜きとして、第1型構成部材1内の空気を外部へ導出(排出)するものであったが、型抜きに際しては、第1型構成部材1内に外部より空気を導入するものである。
この空気の導入に関して、上記開閉弁15を開くことにより、食品材料の型抜きの際に、即ち、第1型構成部材1を第2型構成部材2から遠ざける際に、生じる負圧を利用して、自然に第1型構成部材1の型面内に、空気抜き孔14から空気(外気)を引き込むものとして実施することができる。
この他、空気抜き孔14は、開閉弁15の前述のエアシリンダの駆動部16cとは別に、空気を他から空気抜き孔14内へ導入するコンプレッサ(図示しない。)を備えるものとし、当該コプレッサにて強制的に型内へ空気を導入するものとしても実施可能である。この場合、空気導入時のコンプレッサの連絡と、空気抜き時のコンプレッサの遮断及び空気の排気先との連絡を担う副開閉弁を、上記開閉弁15とは別に空気導入孔14に設けておく。但し、第1型構成部材1内への食品材料の充填時の上記空気の排気においても、コンプレッサにより強制的に食品材料と型面間の空気を他へ排出するものとしても実施可能である。
この実施の形態においては、上述の通り、空気抜き孔14について、コンプレッサを用いずに、自然吸排気により、空気抜きと空気の導入とを行うものとする。
この型抜き時の、空気抜き孔14を利用した、空気の型内への導入については、後に具体的に説明する。
【0039】
一方、前記の抜型部300は、図1〜図7へ示す通り、上記の第2型構成部材2の型面の上方に配されたシート3と、当該シート3を第2型構成部材2から前方に変位させるシート移動部4とを備える。シート3には、シリコンゴムに代表されるゴム或いはビニールに代表される軟質プラスチックといった、弾力性を有するものを採用する。
【0040】
シート3は、第2型構成部材2の型面を覆う寸法を備える。更に、シート3は、型合せ時、第1型構成部材1のシリンダ部11と第2型構成部材2とにて挟まれる部分を備える。即ち、シート3は、平面視において、上記ピストン部12と第2型構成部材2との間より、周囲にはみ出す広さを有する。
この実施の形態において、シート3は、環状のベルトとして形成され、そして、上記のシート移動部4は、複数のローラ40…40にて構成される。これらのローラ40…40の少なくとも一部は、電動機といった周知の動力源(図示せず。)から回転力を得て回転する。上記環状のベルトであるシート3は、これらのローラ40…40に掛けられ、シート3とこのシート移動部4(ローラ群)は、第2型構成部材2から成形後の食品材料を他へ搬出するコンベアを構成する。
即ち、ローラ40…40に掛けられ、駆動されることによって、環状のベルトであるシート3は、循環する。その循環経路の途中に上記の第2型構成部材2が配置されているのである。成形時ローラ40…40は、作動を止め、シート3の上記循環を停止させる。即ち、上記の循環は、型合せ時停止し、型抜き後開始するよう、断続的に行われる。
弾力性を有する上記シート3は、加圧されることによって、平らな状態から変形して第2型構成部材2の型面に沿う。シート3は、皺が生じず、当該型面の形状を損なわない程度の厚みを有するものが好ましい。
【0041】
既述の通り受部作動部252の動作により第1型構成部材1が支持板241の筒状部244内にて下方に移動した際、第1型構成部材1のシリンダ部11の先端(下端)と第2型構成部材2とが、上記シート3の、第2型構成部材2の上に位置する部位を挟む(図9(A))。この状態において、前述の通り、押圧部254の押圧にて、ピストン部12の先端面が、下方の第2型構成部材2の型面へ押し付けられて第1型構成部材1(ピストン部12)の型面に充填されている食品材料mが、第2型構成部材2の型面に押し込まれ、ビストン部12の型面と、第2型構成部材2の型面とが合わされる。このとき、押圧部254の押圧にて、シート3の、上記シリンダ部11の先端と第2型構成部材2とに挟まれた部分の内側の部分が、食品材料mに押されて伸び、第2型構成部材2の型面に沿う(図9(B))。
このように、食品材料mは、上記シリンダ部11と、シート3にて型面が覆われた第2型構成部材2とにて成形される。
【0042】
成型後、受部作動部252は、キャスタ13,13を上方に変位させ、第1型構成部材1が、第2型構成部材2から上方へ、離される。このとき、図9(C)へ示す通り、上記の開閉弁15の先端は、空気抜き孔14内から下方に移動して、成型後の食品材料を下方に押すと共に、空気抜き孔14を開放して外部より第1型構成部材1の型面に空気を導入する。この開閉弁15の押圧と空気の導入により、成形後の食品材料mが、上記の抜型時、第1型構成部材1から確実に離され、第2型構成部材2の上に残される。
一方、受部作動部252にて第1型構成部材1が、第2型構成部材2から上方へ、離されることによって、食品材料mが押し付けられて変形していたシート3は、当該押圧から開放されて、元の平らな状態に復元する。これによって、食品材料2は、シート3と共に第2型構成部材2の型面から抜かれる。
上記の型抜き後、図9(D)へ示す通り、ローラ40…40の駆動によって、シート3は、第2型構成部材2から前方へ成型後の食品材料を搬出する。そしてシート3の循環によって、当該シート3の、次に成形される食品材料に対応する部分が、第2型構成部材2の上に移動してくる。
【0043】
第1型構成部材1は、受部作動部252の上記動作にて上方に移動し、再び元の高さに戻る。そして、キャスタ13,13が、横ガイド部243と同じ高さに戻ると、アクチュエータ242が、支持板241を後方へ移動させ、充填部220の上に戻す。
このような動作を繰り返して、食品材料を順次自動的に成形して行く。
【0044】
この実施の形態において、シート3は、環状のベルト全体を構成するものとしたが、この他、カット(平面視矩形状或いは他の形状にカット)された複数のシート3…3を連結して、上記の環状に形成するものとしても実施可能である。その場合、隣接するシート3,3間には、シート3のような弾力性を持たない別途の素材を介して、シート3,3同士を連結するものとしても実施可能である。但し、このように、一本のベルトをシート3とそうでない部分とにて形成するものとすると、成形時に、各シート3を第2型構成部材2へ位置決めする手段が必要となる。この点、上述の通り、ベルト全体をシートとすれば、このような位置決めの手段を講ずる必要がない。
また、抜型時、適当な張力をシート3に与えて平らな状態に戻すものとすれば、シート3を弾力性のない素材にて形成することも可能である。但し、皺を生じさせないように、型面に沿わすために、シート3を、上記の通り弾力性を有する素材にて形成するのが好ましい。
【0045】
上記の実施の形態において、第1型構成部材1を移動させて第2型構成部材2との型合せを行うものとしたが、第2型構成部材2を第1型構成部材1側へ移動して型合せするものとしても実施可能である。また、第1及び第2の型構成部材1,2の双方を移動させて型合せするものとしても実施可能である。
また、上記の実施の形態において、第1型構成部材1を上型(食品材料の上部を成型する型)とし、第2他構成部材2を下型(食品材料の下部を成型する型)とした。この他、各型構成部材がこのような上下の位置関係をとるのではなく、右型(食品材料の右部を成型する型)や左型(食品材料の左部を成型する型)としても実施可能である。
上記の実施の形態では、型は、第1及び第2の2つの型構成部材1,2にて構成されるものとしたが、第3型構成部材或いはそれ以上の数の型構成部材を用いて一つの型を構成するものとしても実施可能である。
更に、上記のシート3は、第2型構成部材2に設けるものに限定するものではなく、他の型構成部材に設けるものとしても実施可能である。
上記の充填用ピストン222や他の作動部において示した、アクチュエータの夫々については、シリンダとピストン、シリンダ部とピストン部、シリンダ部材とピストン部材、或いはピストンロッド255を備え、油圧その他の流体圧で作動するものとした。しかし、上記の各アクチュエータは、このような流体圧にて作動するものに限定するものではなく、他の、周知である機械的或いは電磁気的手段によって作動するものとしても実施可能である。
上記において、ハンバーグを例に採って説明したが、ハンバーグ以外の他の食品材料にも、本願の装置を利用することができる。
【0046】
上記の実施の形態において、成形後の食品材料を第2型構成部材2から取り出すのに、シート3を利用したが、成形の精度が多少落ちても問題ないのであれば、このようなシート3を用いずに実施することも可能である。また、上記の実施の形態において、受け型として凹部を備えた第2型構成部材2を採用するものを示したが、ハンバーグの下部について手作りのような曲面を求めないのであれば、上記の受け型に代え、図11(A)〜(C)へ示すように、凹部のない板面を備えた受け台20を用いて実施することができる。
この図11(A)〜(C)に示す各動作は、前述の実施の形態の図9(A)〜(C)に示す各動作に対応している。このように、凹部のない受け台20を用いた場合、上記のシート3を用いる必要はない(従って図11において、図9(D)に対応する図はない。)が、成形された食品材料mを他へ搬出するのに周知のコンベアを採用することは可能である。
またハンバーグに手作りのような曲面をハンバーグの下部と共に上部に求めないのであれば、既述の実施の形態の第1型構成部材1のピストン部12のように凹部を備えない、例えば、図12(A)〜(C)に示すように、先端が平らなピストン部120を用いて実施することも可能である。
尚、図11及び図12に示す実施の形態夫々においても、特に言及しない事項(特に空気抜き孔14や開閉弁15)については、上記図1〜図10へ示す実施の形態と同様である。
- 【公開番号】特開2007−14203(P2007−14203A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【発明の名称】食品材料の成形装置
【発明者】
【氏名】下川 克介
- 【出願番号】特願2005−195628(P2005−195628)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】
【識別番号】391017447
【氏名又は名称】サン・プラント工業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100086346
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 武信
★当サイトのどのページも全てリンクフリーです、自由にお使いください
※以下のタグをホームページ中に張り付けると便利です。
★携帯電話でも特許データを見られます 携帯URL:http://m.tokkyoj.com/md/tk2007-14203.php
【友達に教える】
スポンサード リンク