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充填装置・充填方法
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- 【要約】
【課題】削り節等の薄肉で軽い低嵩密度の被充填物を充填する充填装置において、充填時間を短縮することができ、生産性の向上を図ることができるようにする。
【解決手段】定量計量されてホッパ15に投入された削り節47を、ケーシング5内にエアー吸引により吸引して拡散させた後、可動ブロック11を移動させて固定ブロック9との間で円柱状に圧縮し、その後ピストン35で押し出して排出管39にセットされた袋に詰める。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、定量計量された被充填物を前記ケーシング内に吸引する吸引手段と、前記ケーシング内を移動して前記ケーシング内の被充填物を前記ケーシングとの間で柱状に圧縮可能な可動ブロックと、該可動ブロックを駆動するブロック駆動手段と、柱状に圧縮された被充填物を包装体へ排出する排出手段とを有していることを特徴とする充填装置。
【請求項2】
請求項1記載の充填装置において、
前記ケーシングに、前記可動ブロックとの間で柱状の圧縮空間を形成する固定ブロックが設けられていることを特徴とする充填装置。
【請求項3】
請求項2記載の充填装置において、
前記ケーシングの内面が前記固定ブロックを兼ねることを特徴とする充填装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の充填装置において、
定量計量された被充填物を一旦収容するホッパを有し、該ホッパと前記ケーシングとの間が、前記可動ブロックに一体に設けられたプレートにより該可動ブロックの動作に伴って開閉されることを特徴とする充填装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の充填装置において、
前記排出手段が、柱状に圧縮された被充填物をピストンにより押し出す構成を有し、前記可動ブロックが移動して被充填物を圧縮した状態でブロック間の柱状空間の一端側が前記ピストンで塞がれるとともに他端側はシャッター部材で塞がれ、前記シャッター部材を開放した状態で前記ピストンを排出方向へ移動させることを特徴とする充填装置。
【請求項6】
定量計量された被充填物を、所定の容積を有するケーシング内に吸引し、前記ケーシング内に設けられた可動ブロックを移動させて前記ケーシング内の被充填物を柱状に圧縮し、圧縮された被充填物をその軸方向に押し出して包装体へ詰めることを特徴とする充填方法。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充填装置に係り、特に、削り節のような薄片状や、綿糸状等をなす低嵩密度の被充填物を充填するのに適した充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の嵩密度の低い被充填物は、重量が極めて軽いため空気抵抗を受けやすく、浮遊するような性質があり、自重を利用した充填は困難である。
また、互いに密着して凝集しやすいため、包装体へ偏りなく充填することも困難である。このため、従来より、振動を与えてほぐしながら充填する方式が採られている。
削り節を袋等に充填する充填装置としては、例えば、定量計量された削り節を振動フィーダで振動を与えながら、下端に袋がセットされたシュートへ送り込み、シュート内で突き棒を上下動させて逐次圧縮する構成のものが知られている。
特許文献1には、漏斗体に削り節を投入し、漏斗体に収容された螺旋体を回転させてほぐしながら下方の充填口から強制排出するようにし、充填口の下方に設けられたボトルを振動させながらボトル内へ充填する構成が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平07−123909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の方式は、いずれも被充填物をほぐしながら包装体へ逐次圧縮する方式であるため、時間がかかるという問題があった。
例えば、突き棒で逐次圧縮する方式では、80gの削り節を袋に充填するのに約7秒かかっており、その短縮化が強く望まれていた。
【0005】
本発明は、充填時間を短縮することができ、生産性の向上を図ることができる充填装置及び充填方法の提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、従来方式の欠点が「被充填物を包装体に逐次圧縮しながら充填する」点にあるとの認識に立ち、充填時間の短縮を図るべく、被充填物の包装体内での圧縮状態(商品状態)を予め形成し、その後、包装体へ詰めるという方式を採用した。
包装体に充填しながらの圧縮工程では大きな圧縮力をかけられず、結果的に逐次方式とならざるを得ないが、充填物のみの圧縮工程ではこの制約がないため、大きな力での高速圧縮が可能であり、時間短縮が可能となる。
また、ほぐし工程での時間短縮を図るべく、定量計量された被充填物を所定容積の空間内に強制的にエアー吸引して瞬時に拡散させるという手法を採用した。
【0007】
具体的には、請求項1記載の発明は、ケーシングと、定量計量された被充填物を前記ケーシング内に吸引する吸引手段と、前記ケーシング内を移動して前記ケーシング内の被充填物を前記ケーシングとの間で柱状に圧縮可能な可動ブロックと、該可動ブロックを駆動するブロック駆動手段と、柱状に圧縮された被充填物を包装体へ排出する排出手段とを有していることを特徴とする充填装置である。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の充填装置において、前記ケーシングに、前記可動ブロックとの間で柱状の圧縮空間を形成する固定ブロックが設けられていることを特徴とする充填装置である。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の充填装置において、前記ケーシングの内面が前記固定ブロックを兼ねることを特徴とする充填装置である。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちのいずれかに記載の充填装置において、定量計量された被充填物を一旦収容するホッパを有し、該ホッパと前記ケーシングとの間が、前記可動ブロックに一体に設けられたプレートにより該可動ブロックの動作に伴って開閉されることを特徴とする充填装置である。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載の充填装置において、前記排出手段が、柱状に圧縮された被充填物をピストンにより押し出す構成を有し、前記可動ブロックが移動して被充填物を圧縮した状態でブロック間の柱状空間の一端側が前記ピストンで塞がれるとともに他端側はシャッター部材で塞がれ、前記シャッター部材を開放した状態で前記ピストンを排出方向へ移動させることを特徴とする充填装置である。
【0012】
請求項6記載の発明は、定量計量された被充填物を、所定の容積を有するケーシング内に吸引し、前記ケーシング内に設けられた可動ブロックを移動させて前記ケーシング内の被充填物を柱状に圧縮し、圧縮された被充填物をその軸方向に押し出して包装体へ詰めることを特徴とする充填方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1又は6記載の発明によれば、被充填物の包装体内での圧縮状態(商品状態)を予め形成し、その後、包装体へ詰める方式としたので、充填時間を大幅に短縮することができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、2つのブロックにより被充填物を対称形に圧縮できるなど、圧縮形状の自由度を高めることができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、固定ブロックを別途形成する必要が無く、構成の簡易化を図ることができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、ホッパとケーシング間の開口部を開閉する開閉駆動手段を可動ブロックが兼ねるので、構成の簡易化を図ることができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、シャッター部材の開放タイミングを変えることにより被充填物の圧縮度を調整することができ、ユーザーの好みに応じて包装体への充填後の被充填物の膨らみ具合を調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る充填装置を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、充填装置としての削り節充填装置1は、架台3と、架台3の上に設置された、横断面が長方形状のケーシング5と、ケーシング5内を任意に負圧にすることが可能な吸引手段7と、ケーシング5の一端側に設けられた半円筒状の圧縮面を有する固定ブロック9と、固定ブロック9に対向してケーシング5内に配置され、同じく半円筒状の圧縮面を有する可動ブロック11と、可動ブロック11を固定ブロック9に対して接離(進退動)させるブロック駆動手段としてのエアシリンダ13と、ケーシング5の上面に固定されたホッパ15と、シュート17を介してホッパ15に接続された計量装置19と、柱状に圧縮された被充填物を包装体へ排出する排出手段21等を備えている。計量装置19は従来周知の構造を有している。
【0019】
図2に示すように、吸引手段7は、ケーシング5の側面に形成された図示しない吸気口を塞ぐようにフランジで接続された吸気管23と、前記吸気口に設けられた多数の孔を有するフィルタ25と、吸気管23内の途中に設けられた開閉弁27と、吸気管23に接続された図示しないエアー吸引源(ブロワ)等を有している。
フィルタ25の孔は被充填物としての削り節が通り抜けし難く、且つ、適正なエアー吸引力が得られる大きさに設定されている。ケーシング5の側面自体に孔を形成してフィルタ機能を持たせてもよい。
開閉弁27は図示しない駆動源(エアシリンダ)により開閉されるようになっている。
【0020】
ケーシング5の固定ブロック9の反対側における外部近傍には、ベースプレート29が立設されている。ベースプレート29の中央部にはエアシリンダ13が支持されており、その可動ロッド13aの先端は可動ブロック11の背面(圧縮面の反対側)に連結されている。
可動ブロック11の背面には、可動ロッド13aの連結部を挟んでその上下にガイドロッド31、33の一端が固定されており、ガイドロッド31、33の自由端側はベースプレート29に挿通されて摺動可能に支持されている。
【0021】
排出手段21は、可動ブロック11が固定ブロック9に当接したときに両ブロック間に形成される円柱状の空間の上端を塞ぐピストン35と、このピストン35を可動ロッド37を介して上下動させる図示しない駆動源としてのエアシリンダを有している。
図2において、符号39は包装体がセットされる排出管を示し、41は固定ブロック9を覆うカバーを示している。
図3に示すように、両ブロック間に形成される円柱状の空間の下端はシャッター部材としてのプレート43で塞がれ、このプレート43は駆動源としてのエアシリンダ45により開閉されるようになっている。
可動ブロック11が移動を開始する段階において、固定ブロック9の上下端はピストン35、プレート43によりそれぞれ塞がれており、固定ブロックに対する可動ブロック11の当接により、略密閉の円柱状空間が形成され、被充填物としての削り節はその形状に沿った塊として圧縮される。
本実施形態において、固定ブロック9と可動ブロック11はポリアセタール樹脂により一体成形されている。
【0022】
図4に示すように、ホッパ15の下端とケーシング5の上面との間は開口されており、計量装置19からホッパ15に投入された削り節47Aをケーシング5内に供給できるようになっている。
可動ブロック11の上部には、ホッパ15とケーシング5間の開口部を49を閉塞する大きさのプレート51が固定されており(図1、図2では省略)、可動ブロック11の進退動に伴い、開口部49はプレート51により開閉される。
ケーシング5の一側面は固定ブロック9により構成され、反対側の側面は可動ブロック11により構成され、全体として略密閉された空間が構成されている。
【0023】
以下に削り節充填装置1による充填動作を説明する。
図4は可動ブロック11が圧縮動作を開始する前のホームポジションに戻った状態を示している。この状態でホッパ15の開口部49は開放されている。
図示しないコントローラからの指令により吸引手段7の開閉弁27が開くと、ケーシング5内が負圧となり、ホッパ15に収容されていた、一定重量(ここでは80g)に計量された削り節47Aがケーシング5内に吸い込まれて瞬時に略均一に拡散される。
所定の吸い込み時間が経過すると、開閉弁27が閉じられ、エアー吸引が遮断される。続いてエアシリンダ13が駆動され、可動ブロック11が固定ブロック9に向けて移動する。
ここで、「所定の吸い込み時間」とは、削り節47Aをホッパ15から吸引・拡散でき、且つ、削り節47がフィルタ25の部位に凝集しない程度の時間を指し、実験により適宜決定されるものである。
図5に示すように、可動ブロック11が固定ブロック9に当接すると、削り節47Aは圧縮されて円柱状の塊となる。この状態でホッパ15の開口部49はプレート51により塞がれており、次の充填工程における計量された削り節47Bのホッパ15への投入が可能となる。
【0024】
可動ブロック11が固定ブロック9に当接して削り節47Aが円柱状に圧縮されると、図6に示すように、シャッター部材としてのプレート43が開き、ピストン35が下降して円柱状の削り節47Aを包装体としての袋53に排出する。
円柱状の削り節47Aが詰められた袋53は排出管39から外され、熱融着や紫外線硬化等の手法により密封される。
袋53に排出したとき、円柱状の削り節47Aは圧縮を開放されるため、袋53内で若干膨れ、嵩密度が低下する。
排出後の削り節の膨れ状態の程度は充填後の商品の質感に影響を与えるが、シャッター部材としてのプレート43の開きタイミングを調整することにより、膨れ状態を調整することができる。例えば、充填密度を大きくしたい場合には、プレート43の開きタイミングを遅らせればよい。
【0025】
削り節47Aの排出後、可動ブロック11、プレート43及びピストン35は元の位置に戻される。
可動ブロック11の戻り工程の途中からホッパ15の開口部49は開き始めるため、吸引手段7の開閉弁27は可動ブロック11の戻り動作の開始と略同時に行ってもよい。
したがって、可動ブロック11がホームポジションに位置したときは既に次の削り節47Bは図4で示した状態にケーシング5内で拡散しており、可動ブロック11はホームポジションに到達後、直ちに次の充填を行うべく固定ブロック9に向かって移動する。
これにより連続した充填動作が可能となり、充填時間の大幅な短縮が可能となる。従来の振動によるほぐし工程に比べて、エアー吸引により所定空間内に瞬時に拡散させるほぐし方式では時間を大幅に短縮できる。また、被充填物の圧縮は可動ブロック11の1回の移動により完了するので、圧縮工程においても従来に比べて大幅に短縮できる。
実験の結果、80gの削り節を充填するのに約4秒かかり、従来の約5分の3の時間で充填することができた。
従来の方式では充填量(グラム数)が増えるとそれに伴って突き棒等による圧縮回数も増え、益々時間がかかるが、本発明の方式によれば充填量の増加による影響を受けない。
したがって、充填量が増えれば増えるほど、充填時間の短縮機能を高めることができる。
【0026】
本実施形態では、ケーシング5とは別個に固定ブロック9を設ける構成としたが、ケーシング5の内面が固定ブロック9を兼ねる構成としてもよい。すなわち、ケーシング5の内面に固定ブロック9の圧縮面を一体に形成してもよい。
また、被充填物を固定ブロック9と可動ブロック11とにより円柱状に圧縮する構成としたが、可動ブロック11のみで圧縮するようにしてもよい。すなわち、可動ブロック11をケーシング5の側面に押圧して圧縮し、半円柱状の圧縮形状としてもよい。この場合、排出手段21のピストン35の形状も半円柱状となる。
【0027】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、固定ブロック9と可動ブロック11の圧縮面は半円筒状とし、両ブロックが当接したときに円柱状の空間が形成される構成としたが、四角柱やその他の多角柱形状としてもよい。
また、可動ブロック11を直線移動させる方式としたが、円弧状に移動させて固定ブロック9と対面するようにしてもよい。
また、被充填物としては、削り節に限らず、綿糸状のものやチップ状の海苔等も扱うことができ、同様の充填機能を得ることができる。
- 【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係る充填装置の斜視図である。
【図2】図1で示した充填装置の一部破断の要部斜視図である。
【図3】固定ブロックと可動ブロックは合わさった状態の斜視図である。
【図4】被充填物を圧縮する前の吸引状態を示す断面図である。
【図5】被充填物を円柱状に圧縮した状態の断面図である。
【図6】円柱状に圧縮された被充填物を袋に排出する状態の断面図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
- 【公開番号】特開2007−191163(P2007−191163A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【発明の名称】充填装置・充填方法
- 【出願番号】特願2006−8926(P2006−8926)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】
【識別番号】391025419
【氏名又は名称】友和産業株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
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