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自動袋詰め包装機用給袋装置及び開口装置
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- 【要約】
【課題】包装袋自体に変形が生じている場合にも確実に包装袋の処理、具体的には給袋と開口を行うことができ、自動袋詰め包装機のより高速化をも実現できる装置を提供する。
【解決手段】移送アーム12に取付けたチャック13で包装袋を保持し、受渡し位置へ前進してグリッパ21,24に引き渡す給袋装置。チャックの固定側チャックに矯正部材52,53を取り付け、その矯正部52b、53bを包装袋の移動方向後側面の両側縁部に当接させ、その範囲で包装袋を平らに矯正し、グリッパで確実に保持できるようにする。グリッパ21,24で保持した包装袋に接離アーム46,47に取付けた吸盤33,39を吸着させ、接離アームを離すことにより包装袋の袋口2を開く開口装置。接離アームにそれぞれ矯正部材62,63を取付ける。矯正部材が袋口部分を挟圧して一時的に変形を矯正し、またそれの復元を制限し、吸盤でのリークを防止し、開口を確実に行う。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
受取り位置と受渡し位置との間を往復移動可能に設けられた移送アームと、該移送アームに取付けられた袋保持部材とを備えた自動袋詰め包装機用の給袋装置において、、前記給袋装置はさらに、前記移送アームに取付けられた矯正部材を備え、該矯正部材は、前記袋保持部材により垂下した状態で保持された包装袋の、前記移送アームが前記受取り位置から前記受渡し位置へ移動するときに進行方向後側となる側面において、少なくとも両側縁部に、上下方向所望の範囲で当接可能となっていることを特徴とする、給袋装置。
【請求項2】
請求項1記載の給袋装置において、前記矯正部材は、前記給袋装置から前記包装袋を受取る装置の袋保持部材により保持される部位より上側において前記包装袋に当接可能となっていることを特徴とする、給袋装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の給袋装置において、前記袋保持部材は開閉可能なチャック部材からなることを特徴とする、給袋装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1に記載の給袋装置において、前記矯正部材は左右に一対設けられ、該一対の矯正部材は、保持される包装袋の幅方向においてその取付けが調整可能となっていることを特徴とする、給袋装置。
【請求項5】
互いに接離可能な一対の接離アームと、互いに対向するように配置されて前記一対の接離アームにそれぞれ取付けられ、間に位置した包装袋の両側面にそれぞれ吸着可能な一対の吸着部材とを備えた自動袋詰め包装機用の開口装置において、前記開口装置はさらに、対向して配置され、互いに接離可能な一対の矯正部材を備え、前記矯正部材は、前記吸着部材が前記包装袋に吸着する部位の近傍で前記包装袋を両側から挟圧可能に構成されていることを特徴とする、開口装置。
【請求項6】
請求項5記載の開口装置において、前記矯正部材は、前記吸着部材の上側において前記包装袋を挟圧することを特徴とする、開口装置。
【請求項7】
請求項5又は6記載の開口装置において、前記矯正部材は、該矯正部材の接離方向において前後に位置調整が可能であることを特徴とする、開口装置。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、例えば食品などの包装袋への自動包装を行う自動袋詰め包装機の各処理工程で使用する装置に関し、さらに詳細に言えば、自動包装に使用する包装袋が変形している場合に、その変形を一時的に矯正しながら処理する装置、具体的には給袋装置及び開口装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動袋詰め包装機で食品などを自動包装する際には例えば回転テーブル上に設置されたグリッパに包装袋を供給する給袋装置と、グリッパに保持された包装袋の袋口を開ける開口装置とが他の装置とともに使用される。
【0003】
給袋装置の一例が例えば特開2002−173112号公報に開示されている。この給袋装置では、先端に固定挟持片及び可動挟持片を有する移送アームを設け、その移送アームを水平な回動軸を中心として下向きの挟持位置と略水平横向きの中間位置との間で往復回動させ、さらにこの回動軸を支持するフレームをグリッパへの受渡し位置に向けて前後進させるようになっている。すなわち、挟持位置で固定挟持片と可動挟持片とを閉じることにより袋を挟持し、移送アームは中間位置へと回動する。次いで移送アームは受渡し位置へ前進し、グリッパが袋を挟持すると可動挟持片が開いて袋のグリッパへの引渡しを完了する。この引渡しのときに袋は略垂直姿勢となって引渡される。そしてこの装置では袋を円弧状の経路をほぼその袋面に沿って下方から上方へ回動移送してその移送過程で袋を略垂直姿勢とし、そのままグリッパなどの保持手段の位置まで短距離水平移送することができ、空気抵抗を受け難いので袋を略垂直姿勢でグリッパへ引渡せるので、袋の受渡しのミスが起き難いとされている。
【0004】
開口装置においても確実に袋口を開けられるように色々な工夫がなされている。例えば特許第2587946号公報では、袋の材質が樹脂フィルムであるため静電気などの影響で袋口が密着しており、開口処理を行う際に吹付ける空気のために袋口が倒れて吸盤が外れてしまい、開口不能となる問題に対処するために、袋の開き始めである第1段階では袋口を僅かに開くとともに空気の吹込みを弱くし、第2段階で袋口を大きく開くとともに強く吹き込むようにして、開口作業が確実に行えるようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−173112号公報
【特許文献2】特許第2587946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、自動包装に使用される包装袋は包装袋メーカにより製造され、相当な枚数の袋を重ね、それを束ねた状態で供給されるのが一般的である。そのために一枚一枚の包装袋には図1に示されるように少なからず変形が生じているのが普通である。図1に示されているのはチャック付きの包装袋1で、(イ)は正面図、(ロ)は左側端面図、(ハ)は平面端面図である。包装袋1は上部は開口して袋口2となっており、左右側縁部3,4及び底縁部5はシールされている。そして袋口2より下の位置にチャック6が形成されている。図の(ロ)は左側縁部3のみが示されているが、図示のように波打っている。また図の(ハ)には袋口2の部分のみが示されており、これも波打っている。また図(ロ)で見た場合に袋口側が全体的に片側へ反っていることもある。この変形状態は袋の束ね方などの影響で変わり、一定しない。この包装袋の変形は図示のチャック付きタイプ或はスパウト付きの包装袋などで生じやすいが、いわゆる平袋でも程度の違いはあっても生じる可能性がある。ところで上記した特許文献に示された装置ではこのような包装袋自体の変形については考慮されていない。自動包装においては近年益々その高速化の要望が強まっているが、本願発明者は高速化する上でこの包装袋の変形が重用な問題を含んでいることを見出した。その問題は高速化の度合いが高まるほど重大である。以下、図面を参照して説明する。
【0007】
図2乃至図5は変形が生じている包装袋1を従来の給袋装置11で給袋する過程を示す図であり、それぞれ(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。給袋装置としては前述の特開2002−173112号公報などに記載され公知であるので、図には給袋装置11のうち本願発明と関連のある部分のみを示し、他の部分の図示は省略してある。
【0008】
図において符号12は移送アームであり、図示しないフレームに支持された回動軸を中心として下向き垂直位置と略水平な中間位置との間で往復回動可能であり、また、そのフレームは受取り位置とそこから前進した袋受渡し位置との間で前後進可能となっている。移送アーム12の先端には可動側チャック14と固定側チャック18とで構成されるチャック13が取付けられている。可動側チャック14は、図示しない駆動源により移送アーム12先端に取付けられた回動軸19周りに回動させられる回動部材15と、回動部材15の板状の取付け部15aに一体的に取付けられた細長いチャック板16と、そのチャック板16に貼着された細長いゴム板17とで構成されている。固定側チャック18は断面「L」字形をしており、移送アーム12の下面側に固定されている。従って図から判るとおり、可動側チャック14が回動することにより、チャック13は開閉するようになっている。符号21と24は、例えば袋詰め装置の回転テーブル(図示せず)に取付けられた一対のグリッパで、それぞれ可動側グリッパ22,25と固定側グリッパ23、26とで構成され、可動側グリッパ22,25が図示しない駆動源の作用により動作して開閉し、包装袋1の左右側縁部3,4を挟持する。
【0009】
図2は給袋装置11のフレームが受取り位置にあって、移送アーム12が垂直位置で袋マガジン(図示せず)から取出し吸盤装置(図示せず)により取出された袋1を受け取った後、中間位置まで回動した状態を示している。この状態で袋口2側をチャック13により挟持されて吊下げられている包装袋1は自己の変形により図示のような状態になっている。図3は図2の位置からフレームが受渡し位置まで前進した状態を示している。フレームが前進する際に包装袋1は空気の抵抗を受け、底縁部5側が図2の状態よりさらに袋口2側より遅れた状態となっている。このときグリッパ21,24はまだ開いている。次いで所定のタイミングでグリッパ21,24は図4に示されるように閉じた状態となるが、袋1の変形があるために、或はそれに加えて空気抵抗による変形が戻りきらないために袋1の左右側縁部3,4をグリッパ21、24で挟持することができていない。そして図5に示すようにそれまで包装袋1を挟持していたチャック13が所定のタイミングで開くと、包装袋1がグリッパ21、24により挟持されないままに落下してしまう。包装袋1の変形がより小さい場合にはそれでもグリッパ21,24により挟持することは可能となるであろうが、挟持状態が不安定となる可能性がある。また、移送アーム12が受渡し位置へ移動したときには包装袋1はそれ自体の変形に加えて空気抵抗による変形も加わっており、少なくともその空気抵抗による変形がグリッパにより挟持可能な位置まで戻る必要があり、それだけグリッパを閉じるタイミングを遅らせなければならず、高速化の妨げとなる。上記のとおり包装袋1自体の変形により袋の受渡しが行えず、行えたとしても挟持状態が不安定となり、或は袋がグリッパに中途半端に引っかかった状態でグリッパが閉じられて包装袋1が変形してしまう。
【0010】
次に図6乃至9を参照して、包装袋1に変形が生じている場合の従来の開口装置31による包装袋1の開口動作について説明する。図において(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。この場合においても開口装置31は、本願発明に関連のある部分のみを示し、他の部分の図示は省略する。開口装置31は公知のように一対の吸着部材32、38を備えている。吸着部材32、38のそれぞれの吸盤33、39は軸35、41によりホルダ34、40に摺動自在に取付けられ、吸盤33、39とホルダ34、40との間には軸35、41の周りに巻き回された圧縮バネ36、42が配設されている。軸35、41の後端には円盤状の抜止め37、43が設けられている。吸盤33、39は図示しない真空源に配管44,45を介して接続されており、ホルダ34,40はそれぞれの接離アーム46,47の先端に取付けられている。接離アーム46,47の動作、吸盤33、39への真空の作用のさせ方については公知であり、説明は省略する。符号48はノズルであり、開口処理を行う際に空気を吹込み、開口を補助する。
【0011】
図6は、一対の吸着部材32、38の間にグリッパ21,24により保持された包装袋1が移動して停止した状態である。包装袋1はグリッパ21,24によりチャック6の少し下側の位置でその左右側縁部3,4において挟持され、グリッパ21,24は所定の間隔で隔てられているので、挟持された部分においては包装袋1はある程度緊張しているが、それより上の袋口2側は先に説明したようにその幅方向に渡って波打っていたり、全体的に反っていたりして変形している。図7では接離アーム46,47が移動し、吸着部材32,38が包装袋1の両側面に押し付けられている。この包装袋1は前述のようにチャック付きであり、吸盤33、39は包装袋1の幅方向略中央でこのチャック6の部分に押付けられる。なお、この際に接離アーム46,47は吸盤33,39の吸着面33a,39aが包装袋1の両側面に当たった後もさらに若干互いに向かって前進し、したがって圧縮バネ36、42が図6の状態より圧縮され、そのため吸盤33,39の吸着面33a,39aは包装袋1の両面に圧接して互いに押圧しており、少なくとも吸着面33a、39aにより挟まれた部分とその周辺において包装袋は略平らになっている。この状態で真空が吸盤33、39に作用する。
【0012】
次に図8に示すように接離アーム46,47が先と反対側に移動し始め、吸盤33、39は互いに離れる方向に移動する。その際に、吸着面33a、39aが圧着されることにより平らになっていた包装袋の部分が元の状態に戻ろうとし、その復元力が吸盤の吸引方向と逆方向に作用する部分においてはそれが吸引力に対する抵抗となり、その部分において包装袋1は吸盤33,39から離れようとしてリークし易くなる。それに加えて開口作用に対する抵抗力、この例ではチャック6の部分の抵抗力がさらに吸引力に抵抗することとなり、それが抵抗力が吸引力に打ち勝った側においてリークが発生して吸引が機能しなくなり、その吸盤は図9に示すように包装袋1から離れてしまい、開口を行うことができなくなってしまう。
【0013】
本願発明は上記従来例の問題点に鑑みなされたものであり、包装袋それ自体に変形が生じていたとしても、確実に包装袋の処理、具体的には給袋と開口を行うことができる給袋装置と開口装置を提供し、自動袋詰め包装機のより高速化をも実現することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために本願発明によれば、受取り位置と受渡し位置との間を往復移動可能に設けられた移送アームと、該移送アームに取付けられた袋保持部材とを備えた自動袋詰め包装機用の給袋装置において、さらに移送アームに取付けられた矯正部材を備えた給袋装置が提供され、該矯正部材は、袋保持部材により垂下した状態で保持された包装袋の、移送アームが受取り位置から受渡し位置へ移動するときに進行方向後側となる側面において、少なくとも両側縁部に、上下方向所望の範囲で当接可能となっている。
本発明によれば、互いに接離可能な一対の接離アームと、この一対の接離アームにそれぞれ取付けられ互いに対向するように配置され、間に位置した包装袋の両側面にそれぞれ吸着可能な一対の吸着部材とを含んだ自動袋詰め包装機用の開口装置において、さらに、互いに接離可能に対向して配置された一対の矯正部材を備えた開口装置が提供され、その矯正部材は、吸着部材が包装袋に吸着する部位の近傍で包装袋を両側から挟圧可能に構成されている。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、矯正部材によって包装袋自体に生じた変形を一時的に矯正しながら処理を行うので、これを給袋装置に採用したときには包装袋の受渡しを安定的に且つ確実に行うことができる。そして開口装置に採用したときには、吸着部材の吸着作用にリークが発生せず、確実に包装袋の袋口を開けることができる。そして自動袋詰め包装機のより一層の高速化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下図面を参照して本発明の実施の形態について説明するが、以下の実施の形態は例示的に示すものであり、本願発明の範囲がそれに限定されるものではない。
【0017】
図10乃至14は本願発明の実施の形態による給袋装置51を示す図であり、先に説明した従来例での図2乃至5にそれぞれ対応する図である。この実施の形態に係る給袋装置51の構成は、大半において図2乃至5に示した従来例の構成と同じであるので、同じ部材には図2乃至5で使用した参照番号と同じ番号を使用し、詳細な説明は省略する。図から判るとおり、この給袋装置51は、従来例でのそれと同じように移送アーム12、移送アーム12の先端に取付けられた可動側チャック14と固定側チャック18とで構成されるチャック13を備えている。移送アーム12の動作は先に説明した従来例でのそれと同じである。可動側チャック14は回動部材15とチャック板16とゴム板17とで構成されている。断面「L」字形の固定側チャック18は移送アーム12の下面側に固定されている。
【0018】
本実施の形態での給袋装置51は、上記の構成に加えて左右の矯正部材52,53を備えている。以下図14の部分拡大図を併せて参照しながら説明する。図14は右側の矯正部材53とその関連部材のみを示しているが、左側の矯正部材52の構成はそれと対称となっており、その詳細な説明は省略する。図14はチャック13が開いた状態で示されている。
【0019】
矯正部材53は幅の狭い板材をL字状に折り曲げて形成され、その長さが短い取付け部53aにおいて固定側チャック18の移送アーム12への取付け部18aの下面側へ取付けられている。すなわち、固定側チャック18の右側端部に近い位置で、固定側チャック18の長手方向に延びる長穴18aが形成されており、その穴を通る取付けボルト54により移送アーム12に取付けられており、その取付け位置は長穴18aの長手方向すなわち保持される包装袋1の幅方向に沿って調整可能である。そして下側へ延びる矯正部53bは、固定側チャック18の下向きに延びる挟持部18bの内面に沿って下へ、挟持部18bの先端を越えて延びている。
【0020】
図10は前述の通り従来例の図2に対応する図であり、チャック13により包装袋1を保持した移送アーム12が中間位置まで回動した状態である。図から判るとおり、矯正部材52,53の矯正部52b、53bは、包装袋1に対して、移送アーム12が受取り位置から受渡し位置(図11)へ前進する際にその進行方向で後側となる側面の、左右側縁部の後側に位置する。そしてその下端近くで包装袋1のチャック部に当たり、下端部はそれを超えて下に伸びている。したがって、包装袋1はチャック13により挟持されている部分の下側で矯正部52b、53bが存在する範囲とそれを少し越える範囲において変形が一時的に矯正されている。この状態から図11に示される受渡し位置へ移送アーム12が前進する。その際包装袋1の矯正部52b、53bに対面する部分は空気の抵抗により矯正部52b、53bに押付けられ、矯正部52b、53bより少し下側の部分までを含んで平らな状態に矯正されている。そして図から判るとおり、グリッパ21,24は上下方向で矯正部52b、53bの下端より少し下方に位置しており、それに対応する部分において包装袋1は後方へ変形しているが、グリッパ21,24が安定的な状態で挟持可能な位置に入り込んでいる。そして所定のタイミングでグリッパ21,24が閉じ(図12)、次いでチャック13が開いて包装袋1の受渡しが完了する(図13)。なお、上記の説明では給袋装置51の包装袋を保持するための保持部材はチャック13としたが、吸盤装置を使用することもできる。
【0021】
次に図15乃至19を参照して、本発明の他の実施の形態を説明する。図15乃至18は本願発明の実施の形態による開口装置61を示す図であり、先に説明した従来例での図6乃至9にそれぞれ対応する図である。この実施の形態に係る開口装置61の構成は、大半において図6乃至9に示した従来例の構成と同じであり、同じ部材には図6乃至9で使用した参照番号と同じ番号を使用し、詳細な説明は省略する。図から判るとおり、この開口装置61は前述の従来例と同様に、吸盤33、39、軸35、41、ホルダ34、40、圧縮バネ36、42、抜止め37、43などで構成される一対の吸着部材32、38を備え、これらはそれぞれの接離アーム46,47の先端に取付けられている。44,45は真空源に繋がる配管、符号48はノズルである。
【0022】
本実施の形態での開口装置61は、上記の構成に加えて一対の矯正部材62,63を備えている。図15において左側に配置された矯正部材62とその関連部材の拡大図である図19も併せて参照して説明すると、矯正部材62,63はそれぞれ取付けブラケット64.65を介して吸着部材32,38のホルダ34,40に互いに対向するように取付けられている。したがって、接離アーム46,47が互いに近づき或は離れると吸着部材32,38と一緒に包装袋1に向かってその両側から近づき或は離れる。なお、矯正部材62,63の対向する当接面62a、63aは、それぞれ吸盤33、39の吸着面32a、39aよりも後側に位置しており、したがって接離アーム46、47が互いに近づく時には吸着面32a、39aが包装袋1を挟んで先に当接し、さらに接離アーム46,47が近づくと矯正部材62,63の当接面62a、63aが包装袋1を間にして当接し、離れるときには矯正部材62、63が先に離れる。なおブラケット64,65には矯正部材62,63の移動方向において長くなっている長穴(65a、65a)64a、64aが形成されており、矯正部材62,63はこの長穴(65a、65a)64a、64aに通されるボルト(図示せず)によりブラケット64、65に取付けられる。したがって矯正部材62、63は移動方向においてその取付け位置を調整することができる。
【0023】
図15は前述の通り従来例の図6に対応する図で、一対の吸着部材32、38の間にグリッパ21,24により保持された包装袋1が移動して停止した状態である。包装袋1の袋口2側は先に説明したようにその幅方向に渡って波打って変形している。図16では接離アーム46,47が移動し、吸着部材32,38が包装袋1の両側面に押し付けられるとともに、矯正部材62,63の当接面62a、63aも吸着部材32,38が吸着している部位の近傍で、具体的には本実施の形態の場合吸着部材32,38の直ぐ上側で袋口2まで包装袋1を挟んで互いに押圧している。したがってこの部分においては包装袋1の変形は一時的に矯正されており、吸盤の吸着力に対する抵抗とはなっていない。したがって吸盤33,39は完全な状態で包装袋1に吸着することができる。この状態から図17に示すように接離アーム46,47が僅かに遠ざかると、矯正部材62,63は僅かに離れる。したがって包装袋1の袋口2側は元の変形状態に戻ろうとするが、矯正部材62,63は未だ僅かにしか離れていないので、袋口2側の復元を制限して、吸盤33,39の吸着している部位でリークの生じるのを防止している。その間に包装袋1のチャック6が吸盤33,39が吸着している部分で開かれる。包装袋1はそのチャック6が僅かにでも開かれると残余の部分は最初より小さい力でも容易に開くので、その後の開口動作中でのチャック部による抵抗は小さく、図18に示すように完全に包装袋1の袋口を開くことができる。その際ノズル48から噴射されるエアーにより包装袋1はその底部5まで完全に拡げられる。なお、上記では矯正部材62,63は吸着部材32,38の直ぐ上側で包装袋1を挟圧するとして説明したが、挟圧する部位はそれに限定されない。例えば吸盤33,39の両側で挟圧してもよい。
- 【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】変形が生じている包装袋を示す図で、(イ)は正面図、(ロ)は左側端面図、(ハ)は平面端面図である。
【図2】従来例に係る給袋装置において移送アームが中間位置へ回動した状態を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図3】移送アームが受渡し位置まで前進したときの状態を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図4】グリッパが閉じたときの状態を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図5】包装袋を保持していたチャックが開いたときの状態を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図6】従来例にかかる開口装置において吸着部材が初期位置にある状態を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図7】吸盤が包装袋に吸着したときの状態を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図8】吸着部材が離れ始めたときの状態を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図9】吸着部材が初期位置へ戻る手前の状態を示す図で、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る給袋装置を示す図で、従来例の図2に対応する図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る給袋装置を示す図で、従来例の図3に対応する図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る給袋装置を示す図で、従来例の図4に対応する図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る給袋装置を示す図で、従来例の図5に対応する図である。
【図14】給袋装置の部分拡大図であり、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る開口装置を示す図で、従来例の図6に対応する図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る開口装置を示す図で、従来例の図7に対応する図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る開口装置を示す図で、従来例の図8に対応する図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る開口装置を示す図で、従来例の図9に対応する図である。
【図19】開口装置の部分拡大図であり、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
- 【公開番号】特開2007−210654(P2007−210654A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【発明の名称】自動袋詰め包装機用給袋装置及び開口装置
- 【出願番号】特願2006−33832(P2006−33832)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】東洋自動機株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100064562
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 徹男
【識別番号】100093207
【弁理士】
【氏名又は名称】醍醐 邦弘
【識別番号】100108073
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 育子
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