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中空容器の殺菌方法及び装置
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- 【要約】
【課題】本発明は、高い効率で殺菌効果を得ることができる中空容器の殺菌方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】中空容器7の中にキセノン、クリプトンのいずれか1種又はそれらの混合物を主成分とする原料ガスが封入された無電極のランプ3を挿入し、該容器7の外側より高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーをパルス状に印加することで、該ランプ3内のガスを放電させ、そこから発するエネルギーで中空容器7内面を殺菌する方法及び前記中空容器7とこれを囲む天面及び下面が封止された金属製の円筒容器2と、前記円筒容器2の外側より高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加する手段とが一体となっていることを特徴とする中空容器の殺菌装置である。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空容器の中に原料ガスが封入された無電極のランプを挿入し、該容器の外側より高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加することで、該ランプ内のガスを放電させ、そこから発するエネルギーで中空容器内面を殺菌することを特徴とする中空容器の殺菌方法。
【請求項2】
前記原料ガスがキセノン、クリプトンのいずれか1種又はそれらの混合物を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の中空容器の殺菌方法。
【請求項3】
前記電気エネルギーをパルス状に印加することを特徴とする請求項1又は2記載の中空容器の殺菌方法。
【請求項4】
高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加することで、ランプ内のガスを放電させ、そこから発するエネルギーで中空容器内面を殺菌する装置であって、前記中空容器とこれを囲む天面及び下面が封止された金属製の円筒容器と、前記円筒容器の外側より高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加する手段とが一体となっていることを特徴とする中空容器の殺菌装置。
【請求項5】
前記高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加することで、該ランプ内のガスを放電させるにあたり、赤外領域の波長の放電エネルギーを取り込めるように前記円筒容器内面が銀等の薄膜をコーティングした反射鏡になり、かつ該中空容器の外側を真空状態に保つことを特徴とする請求項4記載の中空容器の殺菌装置。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元中空容器、例えばプラスチックボトル、プラスチックカップ、プラスチックトレイ、紙容器、紙カップ、紙トレイ、その他中空のプラスチック成型品等の内面を殺菌する殺菌方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元中空容器は、食品分野や医薬品分野等の様々な分野で多用され、そのため品質において種々の機能が要求されている。この3次元中空容器のなかでも、プラスチック容器は、軽量,低コストとしての利便性から、広く用いられるようになってきている。近年、内容物の保護の面から、3次元中空容器に対して、殺菌処理を薬品等を用いないで施すケミカルフリーのアセプティック滅菌の要求が高まってきている。このため、プラスチック容器に殺菌処理を施す技術が様々開発されている。
【0003】
そして、これらの殺菌技術の中からケミカルフリーな殺菌技術としてランプによる殺菌方法が紹介されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
以下に先行技術文献を示す。
【特許文献1】特開2003−210555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した殺菌処理方法においては、ランプの電極が各々問題となる可能性がある。
【0006】
特許文献1におけるランプの照射時に電極が中空容器内部にあると電極が照射を妨げて中空容器内の照射効果にばらつきが発生する可能性がある。さらにこれを解消するべく電極を中空容器外に位置するようにU字管等のランプ形状が考えられるが中空容器の口径サイズには限界があるためランプ形状が著しく制限されてしまい現実的な対策にならない可能性が極めて高い。さらに有電極のランプの照射メカニズムはフィラメント等から自身の電極間の電位差によって発生する熱加速電子をランプ内のガスに当てることで励起させることから電極自身のON/OFF繰り返し動作による劣化、励起されたガスの衝突による物理的劣化、化学反応による劣化が避けられない。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、高い効率で殺菌効果を得ることができる中空容器の殺菌方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、中空容器7の中に原料ガスが封入された無電極のランプ3を挿入し、該容器7の外側より高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加することで、該ランプ3内のガスを放電させ、そこから発するエネルギーで中空容器7内面を殺菌することを特徴とする中空容器の殺菌方法である。
【0009】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の中空容器の殺菌方法において、前記原料ガスがキセノン、クリプトンのいずれか1種又はそれらの混合物を主成分とすることを特徴とする中空容器の殺菌方法である。
【0010】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の中空容器の殺菌方法において、
前記電気エネルギーをパルス状に印加することを特徴とする中空容器の殺菌方法である。
【0011】
本発明の請求項4に係る発明は、高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加することで、ランプ3内のガスを放電させ、そこから発するエネルギーで中空容器7内面を殺菌する装置であって、前記中空容器7とこれを囲む天面及び下面が封止された金属製の円筒容器2と、前記円筒容器2の外側より高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加する手段とが一体となっていることを特徴とする中空容器の殺菌装置である。
【0012】
本発明の請求項5に係る発明は、請求項4記載の中空容器の殺菌装置において、前記高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加することで、該ランプ3内のガスを放電させるにあたり、赤外領域の波長の放電エネルギーを取り込めるように前記円筒容器2内面が銀等の薄膜をコーティングした反射鏡になり、かつ該中空容器7の外側を真空状態に保つことを特徴とする中空容器の殺菌装置である。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、請求項に記載されているように、電源側からの高周波エネルギーとランプ内の原料ガスの種類、配合、圧力等を最適化することで中空容器内面へ均一でかつ高レベルの殺菌、滅菌を施すことができる。また、中空容器内面への殺菌は、具体的にはその容器の内側にキセノンガスを封入したランプを置く。このとき、ランプ内のガス種は電子の出入りが安定している希ガスであり、しかも希ガス類の中でも重い原子量を持つため熱対流による位置的な不安定さが少なくなり安定した発光が得られるキセノンガスを用いる。こうすることでキセノンの電子数の多さから励起状態時間を準安定状態になりながらも比較的長くとれることと基底状態に戻る過程で放出される光の照射エネルギーが下記に記載の紫外領域から赤外領域まで幅広い波長をカバーできる特徴がある。
【0014】
さらに、このランプから発せられる200〜380nmの紫外線の中には、酸性食品あるいは貧栄養の飲料の腐敗の原因となるDNAが核膜に覆われた真核生物(カビ、酵母)に含まれる芳香族に吸収される波長のエネルギーも含まれる。この芳香族は真核生物の遺伝情報の入ったDNA、RNAに含まれていて、芳香族の2重結合部分の安定を破壊する。このように安定を壊された分子は運動を始め熱を発生する。さらに上記パルス光から発せられる紫外線の他に可視から赤外領域に至る波長のエネルギーによって瞬間的に蓄熱され、これが中空容器の外側に放熱し難いように中空容器の外側を断熱真空状態に保つことで、また一度照射された可視から赤外領域に至る波長のエネルギーも金属製の円筒容器内面が銀等の薄膜をコーティングした反射鏡になることで再度反射光として真核生物に照射され、蓄熱される効果が期待できる。こうして、真核生物にとって重要なDNA、RNAを破壊し、不活性化させる。つまりこのキセノンフラッシュランプには、断続的な加熱の必要がなく、パルス化された光の瞬間的照射で殺菌効果が得られる。よって熱的影響がパルス化されることで極めて少ないので容器自身の耐熱性が要求されることがなく、充填される内容液の風味の変化や栄養成分の劣化がなく、また薬剤を使用しないのでその品質管理と作業環境管理に費用を要せずかつ設備にコストも嵩まない汎用性のある流動性のある食品即ち酸性食品あるいは貧栄養の飲料の無菌充填方法に発展させることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明するがこれに限定されるものではない。
【0016】
図1は本発明に係る中空容器の殺菌装置の1実施例を示す構成断面図である。
【0017】
図1に示すように、空洞共振器1は、金属製の円筒容器2において、ランプ3が配設されることで形成されている。図示しない高周波エネルギーの発生器として、例えばマイク
ロ波発振器を用いた場合、インピーダンスマッチングを行うインピーダンス整合器を介して、方形導波路4においてマイクロ波が伝送され前記マイクロ波がランプ3付近で十分に共振される。
【0018】
ここで、高周波エネルギーの発生器としてマイクロ波発振器の例を用いているが発振周波数2.45GHzのマグネトロンが用いられているが、他の周波数のマグネトロンでも良い。上記インピーダンス整合器は、方形導波路4での整合器配置位置から、円筒容器2側をみたインピーダンスと、マイクロ波発振器側をみたインピーダンスをマッチングさせ、マイクロ波発振器側への反射波が発生しないように、これらのインピーダンスの整合を取るようにインピーダンス調整を行う。該インピーダンス整合器は、スリースタブチューナーや、E−Hチューナー(方形導波路4の一点においてE面T型分岐及びH面T型分岐を設けて、各々の分岐に稼動短絡器を組み込み、その短絡面を移動させて整合の調整を行う)が用いられている。
【0019】
前記ランプ3は、円筒容器2の下部蓋となる下面板5の面中心部から、面に垂直な方向、すなわち、円筒容器2の円筒軸に平行方向に配設されている。このときマイクロ波が十分に共振されるように円筒軸対称な均一電磁界分布を得るためにもランプ3本体の形状、材質、原料ガスの種類、配合、圧力等の最適化が不可欠となる。
【0020】
前記ランプ3本体の原料ガスの種類としては、キセノン、クリプトン、アルゴン、及びネオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の希ガス単体または前記希ガスにアンチモンまたはアンチモン化合物または水銀、スズを適宜混合したものを使用することができるが、好ましくは、キセノン、クリプトンのいずれか1種又はそれらの混合物を主成分とする原料ガスが良い。
【0021】
このような原料ガスがランプ3内に封入されてなる無電極の放電ランプを中空容器7の中に挿入し、該容器7の外側より高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーをパルス状に印加することで、該ランプ3内のガスを放電させ、そこから発するエネルギーで該中空容器7内面を殺菌する中空容器の殺菌方法である。
【0022】
また、装置としては、このように高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加することで、ランプ3内のガスを放電させ、そこから発するエネルギーで中空容器7内面を殺菌する装置であって、前記中空容器7とこれを囲む天面及び下面が各々天面板6と下面板5で封止された金属製の円筒容器2と、前記円筒容器2の外側より高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加する手段とが一体となっていることを特徴とする中空容器の殺菌装置である。
【0023】
このような中空容器の殺菌装置において、前記高周波又はマイクロ波のような電気エネルギーを印加することで、該ランプ3内のガスを放電させるにあたり、赤外領域の波長の放電エネルギーを取り込めるように前記円筒容器2内面が銀等の薄膜をコーティングした反射鏡になり、かつ該中空容器7の外側を真空状態に保つことを特徴とする中空容器の殺菌装置である。
【0024】
以上説明したように、本発明は、電源側からの高周波エネルギーとランプ3内の原料ガスの種類、配合、圧力等を最適化することで中空容器7内面へ均一でかつ高レベルの殺菌、滅菌を施すことができる。また、中空容器7内面への殺菌は、具体的にはその容器7の内側にキセノンガスを封入したランプを置く。このとき、ランプ3内のガス種は電子の出入りが安定している希ガスであり、しかも希ガス類の中でも重い原子量を持つため熱対流による位置的な不安定さが少なくなり安定した発光が得られるキセノンガスを用いる。こうすることでキセノンの電子数の多さから励起状態時間を準安定状態になりながらも比較
的長くとれることと基底状態に戻る過程で放出される光の照射エネルギーが下記に記載の紫外領域から赤外領域まで幅広い波長をカバーできる特徴がある。
【0025】
さらに、このランプ3から発せられる200〜380nmの紫外線の中には、酸性食品あるいは貧栄養の飲料の腐敗の原因となるDNAが核膜に覆われた真核生物(カビ、酵母)に含まれる芳香族に吸収される波長のエネルギーも含まれる。この芳香族は真核生物の遺伝情報の入ったDNA、RNAに含まれていて、芳香族の2重結合部分の安定を破壊する。このように安定を壊された分子は運動を始め熱が発生する。
【0026】
また、上記パルス光から発せられる紫外線の他に可視から赤外領域に至る波長のエネルギーによって瞬間的に蓄熱され、これが中空容器7の外側に放熱し難いように中空容器7の外側を断熱真空状態に保つことで、また一度照射された可視から赤外領域に至る波長のエネルギーも金属製の円筒容器2内面が銀等の薄膜をコーティングした反射鏡になることで再度反射光として真核生物に照射され、蓄熱される効果が期待できる。
【0027】
こうして、真核生物にとって重要なDNA、RNAを破壊し、不活性化させる。つまりこのキセノンフラッシュランプには、断続的な加熱の必要がなく、パルス化された光の瞬間的照射で殺菌効果が得られる。よって熱的影響がパルス化されることで極めて少ないので該容器7自身の耐熱性が要求されることがなく、充填される内容液の風味の変化や栄養成分の劣化がなく、また薬剤を使用しないのでその品質管理と作業環境管理に費用を要せずかつ設備にコストも嵩まない汎用性のある流動性のある食品即ち酸性食品あるいは貧栄養の飲料の無菌充填方法に発展させることもできる。
【0028】
また、前記空洞共振器1を用いて得られた殺菌効果は前記中空容器7の内側にあらかじめ塗布した黒カビを6Dレベルの殺菌効率で死滅させることが可能となる。このとき、均一な電磁界分布が得られている根拠としては空の中空容器7の内面に均一に塗布し、前記空洞共振器1内に保持しランプ発光後に滅菌水で中空容器7内表面全てから黒カビを回収した状態での殺菌効率であることから裏付けられる。
【0029】
次に、この殺菌装置による中空容器7の内面への殺菌方法について具体的に説明する。先ず、図1における装置形態を用いて、実際に、該中空容器7の内表面に対して殺菌処理をした結果について説明する。
【0030】
該中空容器7として、ポリエチレンテレフタレートで延伸成形した容器500ml、口内径25mm、平均肉厚0.5mmのPETボトルの内面に黒カビ個数が10-9/mlオーダーのものを準備する。次に滅菌済みの注射器を用いて前記黒カビを0.1ml計量することで10-8オーダーの濃縮溶液を準備し、これを前記中空容器7の内表面に均一に塗布した。ランプ発光後に滅菌水100mlで中空容器7内面全てから黒カビを回収しそのうちの1mlを寒天培地を使って培養し、殺菌効果が全く得られなければ10-6オーダーの生菌数を有し、最大の殺菌効果が得られれば前記生菌数が1桁オーダーになることで6Dの殺菌効果となる。
【0031】
このときの装置の寸法は、図1に示すように空洞共振器1(円筒容器2)の直径215mm、円筒容器2の下部蓋となる下面板5の面中心部から、面に垂直な方向、すなわち、円筒容器2の円筒軸に平行方向に配設されているランプ3の直径10mm、長さを180mmで行った。(空洞共振器1の円筒軸方向の内部空洞の長さ230mm)。
【0032】
このとき、ランプ3の原料ガスは、キセノンガスを主成分として圧力を133Pa(パスカル)から13300Paに調整して封入されている。ここで用いられる中空容器7の基材としては、PET以外に、PE、PPなどを選ぶことも可能であり、ブロー成形・射
出成形・押出成形等により容器の形状に成形される。また、これらの材料の複数層からなる積層体を用いた容器もありうる。
【0033】
本発明の中空容器の殺菌装置の装置構成としては、空洞共振器1の側面と直結する方形導波路4から、空洞共振器1に対して2.45GHzのマイクロ波エネルギーを加える方式である。そして、図示しないマイクロ波発振器によって得られるマイクロ波エネルギーが方形導波路4を伝搬し、空洞共振器1内で均一な電磁界分布をランプ3付近で発生させる。このとき前記マイクロ波エネルギーをパルス状に印加することでランプ3内のガスがパルス化された光を瞬間的に照射し中空容器7内面の殺菌が可能となる。
【0034】
上記殺菌装置により、中空容器7の内面で殺菌された黒カビの評価を行う。この評価方法としては、寒天培地を用いた混釈法で中空容器7内表面全てから黒カビを回収し適宜希釈した状態で培養し30℃雰囲気下でその生菌数を1日毎に1回計測し、総計1週間に渡って安定するまで目視計測する。
【0035】
本発明の殺菌装置を用いて発光の有無による生菌数を目視で計測すると発光無しの場合は滅菌水100mlで中空容器7内表面全てから黒カビを回収した前記生菌数はその1mlを計量した段階で10-6オーダーとなる。これは混釈法で10倍希釈毎にその生菌数を目視で計測した場合、理論上1桁オーダーの生菌数になるまでどの希釈段階でも黒カビの存在が確認できる状態をさす。
【0036】
一方、適宜調整された発光有りの場合は滅菌水100mlで中空容器7内表面全てから黒カビを回収した前記生菌数はその1mlを計量した段階で1桁オーダーとなる。これは混釈法で10倍希釈毎にその生菌数を目視で計測した場合、理論上生菌数がその殺菌効果のために最初の原液1mlの場合でも1桁オーダーしか計測されないことになり、さらに10倍希釈された段階から以降は生菌数が目視計測されない状態をさす。
【実施例】
【0037】
以下、本発明の具体的実施例を挙げて説明するが、それに限定されるものではない。
【0038】
<実施例1>
中空容器7として、ポリエチレンテレフタレートで延伸成形した容器500ml、口内径25mm、平均肉厚0.5mmのPETボトルの内面に黒カビ個数が10-9/mlオーダーのものを準備した。次に、滅菌済みの注射器を用いて前記黒カビを0.1ml計量することで10-8オーダーの濃縮溶液を準備し、これを前記中空容器7の内表面に均一に塗布した。
【0039】
次に、殺菌装置としては、図1に示す、空洞共振器1を用いた。該空洞共振器1(円筒容器2)の直径215mm、円筒容器の下部蓋となる下面板5の面中心部から、面に垂直な方向、すなわち、円筒容器2の円筒軸に平行方向に配設されているランプ3の直径10mm、長さを180mmで行った(空洞共振器1の円筒軸方向の内部空洞の長さ230mm)。このとき、ランプ3の原料ガスは、キセノンガスを主成分として圧力を133Pa(パスカル)から13300Paに調整して封入した。
【0040】
マイクロ波発振器によって得られた周波数2.45GHzのマイクロ波エネルギーが方形導波路4を伝搬し、空洞共振器1内で均一な電磁界分布をランプ3付近で発生させた。このとき前記マイクロ波エネルギーをパルス状に印加することでランプ3内のガスがパルス化された光を瞬間的に照射し中空容器7内面の殺菌を行った。
【0041】
この中空容器7の内面で殺菌された黒カビの評価を行った。この評価方法としては、寒
天培地を用いた混釈法で中空容器7内表面全てから黒カビを回収し適宜希釈した状態で培養し30℃雰囲気下でその生菌数を1日毎に1回計測し、総計1週間に渡って安定するまで目視計測した。その結果を表1に記す。
【0042】
次に、比較例を示す。
【0043】
<比較例1>
実施例1において、プラズマ発光を行なわなかった以外は実施例1と同様にして評価を行った。その結果を表1に記す。
【0044】
【表1】
表1は、実施例1及び比較例1の殺菌評価結果を記す。
【0045】
<評価結果>
実施例1の場合は、回収原液の生菌数は2個/mlであった。一方、比較例1の場合は、前記生菌数は106個/mlであった。
- 【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る中空容器の殺菌装置の1実施例を示す構成断面図である。
【図1】
【図2】
- 【公開番号】特開2007−216996(P2007−216996A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【発明の名称】中空容器の殺菌方法及び装置
- 【出願番号】特願2006−37665(P2006−37665)
【出願日】平成18年2月15日(2006.2.15)
【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
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