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袋口開口具
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- 【要約】
【課題】簡素な構成でありながら、袋を簡単に装着したり取り外したりすることのできる袋口開口具を提供すること。
【解決手段】袋口開口具1は、環状に形成されていて当該前端部3Aに袋の開口部の一端部位が被せられる環状枠体2と、環状枠体2の前後略中央部に前後揺動自在に枢支されていて当該揺動先端部11Aに袋の開口部の他端部位が被せられる揺動枠11とを備え、揺動枠11の揺動先端部11Aが環状枠体2の前端部3Aと後端部4Aとに近接・離間するように揺動する構成とされている。また、環状枠体2の前端部3Aに直線部14が形成されている。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に形成されていて当該前端部に袋の開口部の一端部位が被せられる環状枠体と、環状枠体の前後略中央部に前後揺動自在に枢支されていて当該揺動先端部に袋の開口部の他端部位が被せられる揺動枠とを備え、揺動枠の揺動先端部が環状枠体の前端部と後端部とに近接・離間するように揺動する構成としたことを特徴とする袋口開口具。
【請求項2】
環状枠体の前端部に直線部が形成されている請求項1に記載の袋口開口具。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋の開口部を開いた状態に保持する袋口開口具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
公園や公共広場などにおいて、一方の手でトングや短箒を持ち他方の手でゴミ袋を持ってボランティアで掃除している人をよく見かける。ところが、ゴミ袋は素材が軟らかくその開口部が閉じやすいことからゴミを入れにくく、風の強い日は尚さらであった。このように開口部が閉じやすいと、ゴミを入れる際にゴミがゴミ袋の外面に付着して利用者を汚すこともある。
【0003】
一方で、ゴミ袋の開口部を開いた状態に保持する袋口開口具が提案され、下記の特許文献1〜3に開示されている。かかる文献開示の袋口開口具は、いずれも、互いに折り畳み自在の第1枠部材および第2枠部材からなる環状枠体と、第1枠部材に被せられたゴミ袋の開口部の一端部を第1枠部材との間で着脱可能に挟持する第1揺動枠と、第2枠部材に被せられたゴミ袋の開口部の他端部を第2枠部材との間で着脱可能に挟持する第2揺動枠とを備えている。
これらの袋口開口具は、ゴミ袋が装着された環状枠体の第2枠部材に対し第1枠部材を略60度ないし90度開いた状態にして壁などに掛けて使用されるようになっている。
【0004】
【特許文献1】特開平9−169402号公報
【特許文献2】特開平11−49305号公報
【特許文献3】特開2003−292104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前記した各文献開示の袋口開口具は、少なくとも第1枠部材、第1揺動枠、第2枠部材、第2揺動枠を必要とするために部品点数が多く、構成が複雑で高価であった。また、第1枠部材にゴミ袋の一端部を被せたのちに第1揺動枠で挟持し、第2枠部材にゴミ袋の他端部を被せたのちに第2揺動枠で挟持させなければならず、環状枠体への装着に手間がかかっていた。当然ながら、環状枠体からゴミ袋を取り外すときも同様に手間がかかる。そして、第1揺動枠と第2揺動枠は60度ないし90度しか開かないので、ゴミ袋の開口部を大きく開いて使用する野外での作業には適さなかった。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、簡素な構成でありながら、袋を簡単に装着したり取り外したりすることのできる袋口開口具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る袋口開口具は、環状に形成されていて当該前端部に袋の開口部の一端部位が被せられる環状枠体と、環状枠体の前後略中央部に前後揺動自在に枢支されていて当該揺動先端部に袋の開口部の他端部位が被せられる揺動枠とを備え、揺動枠の揺動先端部が環状枠体の前端部と後端部とに近接・離間するように揺動する構成としたことを特徴とする構成にしてある。
【0008】
また、前記構成において、環状枠体の前端部に直線部が形成されているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る袋口開口具は環状枠体と揺動枠とから主として成るので、簡素、軽量、および安価な構成で実現される。そして、袋開口部の一端部位を環状枠体の前端部に掛け、他端部位を揺動枠の揺動先端部に掛けた後に、揺動枠を環状枠体の後端部まで開くといった簡単な操作で、袋の開口部を大きく開いた状態に保持できる。また、開いた袋の開口部と揺動枠の揺動先端部と環状枠体の後端部とを近接させて片手で持つことができる。従って、他方の手で箒やトングを持ってゴミの掻き入れ作業を行なうことができる。その後、揺動枠の揺動先端部を手放すだけで、袋口開口具から袋をいとも容易に取り外せるのである。
【0010】
また、環状枠体の前端部に直線部が形成されている場合は、この直線部を地面上に密着して置けるので、袋付きのチリトリとしてゴミを取りこぼすことなく袋内に掻き入れることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係る袋口開口具の外観図、図2は前記袋口開口具の平面図、図3は前記袋口開口具の左側面図、図4は図2におけるA−A線矢視断面図である。
各図において、この実施形態に係る袋口開口具1は、平面視矩形状に形成された環状枠体2と、環状枠体2の両側枠の前後略中央部に架け渡されて前後揺動自在に枢支された揺動枠11とから主に構成されている。環状枠体2は、いずれも平面視コ字状に形成された、前側の枠部材3と後側の枠部材4とがそれぞれの両側の端部3B,3B,4B,4Bで連結されて成っている。
【0012】
枠部材3の端部3B,3B近傍には軸穴5,5がそれぞれ貫通して形成されており、枠部材4の端部4B,4B近傍には軸穴6,6がそれぞれ形成されている。これらの軸穴5および軸穴6に挿通されたボルト7がナット8で締止されることにより、枠部材3と枠部材4が連結される。尚、ナット8を緩めると、枠部材4と枠部材3はボルト軸心回りに相互揺動自在となってコンパクトに折り畳まれる。枠部材3における両側の端部3B,3Bの下辺部は左右内向きに切り起こされて、係止突起12,12と成っている。前記係止突起12,12と対面する位置の枠部材4には、それぞれ係合凹部13,13が形成されている。各係止突起12と各係合凹部13とは、枠部材3と枠部材4が略180度開いたときに係合して枠部材3と枠部材4を同一平面上に保持する構成に成っている。枠部材3における端部3Bと軸穴5との間には軸穴9が貫通して形成されている。枠部材3と枠部材4が略180度に開いた状態において前記軸穴9と対面する位置の枠部材4には、軸穴10が貫通して形成されている。また、枠部材3において両側の端部3B,3B間の中央部に位置する前端部3Aは、直線状に形成された直線部14となっている。
【0013】
揺動枠11は棒体で平面視コ字状に形成されている。揺動枠11の両方の端部11B,11Bはそれぞれ左右内向きに屈曲しており、前記した枠部材3の軸穴9および枠部材4の軸穴10に挿通される。これにより、揺動枠11が軸穴9,10に前後揺動自在(図3中の矢印17,18)に枢支される。このように、揺動枠11の端部11B,11Bが軸穴9および軸穴10に一連に挿通されることにより、枠部材3と枠部材4の相互揺動が規制されて、枠部材3と枠部材4が側面視略直線状の姿勢に固定される。また、揺動枠11の側腕長Mは、揺動枠11を枠部材3の前端部3A側に倒したとき揺動先端部11Aとの間に、袋Fの開口部20を挿通可能な空間15を形成する寸法に設定されている。一方、枠部材4の側腕長Nは、揺動枠11を枠部材4の後端部4A側に倒したときに揺動枠11の揺動先端部11Aが枠部材4の後端部4Aに十分に近接して、これらを共に片手で握ることのできる寸法に設定されている。そして、左右の端部11B,11Bが軸穴9,9に挿通された状態で、揺動枠11および枠部材3から成る枠の全周長は、袋Fの開口部20の全周長よりも長めに設定されている。
【0014】
上記構成の袋口開口具1は、図4に示すように、使用にあたって揺動枠11が枠部材3の前端部3Aに近接するように倒される。そして、揺動枠11の揺動先端部11Aと枠部材3の前端部3Aとの間の空間15に、袋Fの開口部20が枠部材3内に下方から挿入される。ついで、袋Fの開口部20の前部分である一端部位が外向きに折り返され、前記一端部位の外面20Aが第1掛止部位21として枠部材3の直線部14およびこの直線部14の両側から後方に延びる両側腕にわたって被せられる。続いて、開口部20の前記第1掛止部位21と対向する他端部位の外面20Aが第2掛止部位22として揺動枠11の揺動先端部11Aおよびこの揺動先端部11Aの両側から延びる両側腕にわたって被せられる。
【0015】
前記のように被せられた状態で、枠部材3の前端部3Aおよび袋Fの第1掛止部位21が一方の手で持たれる。そして、他方の手で揺動枠11の揺動先端部11Aと袋Fの第2掛止部位22が一体に持たれ、図5(a)に示すように、揺動枠11および第2掛止部位22が持ち上げられて枠部材3の前端部3Aから離間される(矢印23方向)。更に、揺動枠11および袋Fの第2掛止部位22は、図5(b)に示すように、枠部材4の後端部4Aに向けて揺動される(矢印24方向)。このとき、揺動枠11および枠部材3から成る枠の全周長は袋Fの開口部20の全周長よりも若干長めに設定されているので、環状枠体2の前端部3Aが袋Fの第1掛止部位21に食い込み、環状枠体2の後端部4Aが袋Fの第2掛止部位22に食い込んで、第1掛止部位21および第2掛止部位22をそれぞれ前後に押し広げる。これによって、袋Fの開口部20の開口縁20Eは環状枠体2の前端部3Aの下方および揺動枠11の揺動先端部11Aの下方に潜り込むこととなる。また、袋Fの第2掛止部位22は枠部材4の両側腕上に当接して揺動枠11の揺動先端部11Aとの間に挟まれる。これらの諸動作に起因して、袋Fは枠部材3および揺動枠11から抜け落ちることがなく袋口開口具1に強固に保持される。そして、袋Fの開口部20は、図6に示すように、目一杯に開いた開口25となるのである。
すなわち、袋Fの装着に際し、揺動枠11の揺動先端部11Aは枠部材3の前端部3Aに近接して配置されるので、枠部材3の前端部3Aに袋Fの開口部20の一端部位を被せたのちに、開口部20の他端部位を揺動枠11の揺動先端部11Aに被せるといったように、袋Fを袋口開口具1に極めて容易に掛けることができる。その後、揺動枠11の揺動先端部11Aを袋Fの他端部位とともに枠部材3の前端部3Aから離間させるだけで、いとも簡単に開口部20を開くことができる。
【0016】
上記のように袋Fが装着された袋口開口具1は、図7に示すように、公園清掃のボランティア、その他で使用される。その場合、袋Fの開口部20を目一杯開いた開口25にして保持することができる。その際に、袋口開口具1および袋Fを片手で持てるので、他方の手で箒やトングを持ってゴミの掻き入れ作業を行なうことができる。また、環状枠体2の直線部14を地面に密着させて置けるので、チリトリ代わりとしてゴミを取りこぼすことなく掻き込むことができる。しかも、この袋口開口具1は環状枠体2と揺動枠11とから主として成っているので、構成が簡素、軽量であり安価に実現される。
そうして、ゴミで一杯になった袋Fを袋口開口具1から取り外すときは、揺動枠11の揺動先端部11Aが手から放される。すると、ゴミおよび袋Fの自重により、揺動枠11が枠部材3に向かって揺動し、袋Fの開口部20が枠部材3の前端部3Aおよび揺動枠11の揺動先端部11Aから外れて脱落する。すなわち、袋Fの取り外しが極めて簡単であり、新たな袋と直ちに取り替え得ることから、野外での使用に好適である。
【0017】
一方で、上記した袋口開口具1は、図8に示すように折り畳むことができる。すなわち、揺動枠11の両側の端部11B,11Bが軸穴9,10,9,10から取り外される。ナット8が緩められて枠部材3と枠部材4が揺動自由にされる。次に、枠部材3に対し枠部材4が矢印26のように前方に揺動され、枠部材4の後端部4Aが枠部材3の前端部3Aの内側に格納される。続いて、揺動枠11の端部11B,11Bが枠部材3の軸穴9,9に再度装着された後、矢印27のように、揺動枠11が軸穴9回りに揺動されて揺動先端部11Aが前端部3A近傍の枠部材3上に当接する。このように、袋口開口具1はコンパクトに折り畳むことができるので、保管時や商品包装時に便利である。
【0018】
尚、上記の実施形態において、揺動枠11の側腕長Mは枠部材3の前端部3Aとの間に袋開口部挿通用の空間15を形成させるために比較的短い寸法に設定してあるが、本発明はそれに限定されるものでない。すなわち、揺動枠11を上向きに揺動させれば、揺動先端部11Aと枠部材3の前端部3Aとの間に袋開口部挿通用の空間を作れるので、例えば揺動先端部11Aが枠部材3の前端部3Aに届く程度まで側腕長を伸ばした揺動枠でも構わない。
また、上記では2つの枠部材を連結して環状枠体を構成するようにしたが、本発明の袋口開口具はそれに限定されるものでなく、例えば環状枠体を一の部材で一体形成したものも含まれる。
また、環状枠体はその平面形状が上記した矩形のものに限らず、平面視で、円形状、楕円形状、長円形状、多角形状、その他の形状でも構わない。その場合、揺動枠は環状枠体の平面形状を半割りにした形状に形成される。これらの場合でも、先述した袋口開口具1と同様の作用、効果を呈することは言うまでもない。
- 【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る袋口開口具の外観図である。
【図2】前記袋口開口具の平面図である。
【図3】前記袋口開口具の左側面図である。
【図4】図2におけるA−A線矢視断面図である。
【図5】(a)は図4に示した袋口開口具に袋を掛けて揺動枠を起こした態様を示す動作説明図、(b)は(a)に示した袋口開口具の揺動枠を更に倒した態様を示す動作説明図である。
【図6】図5(b)に示した袋口開口具および袋の外観図である。
【図7】前記袋口開口具および袋を用いてゴミを収容する態様を示す使用説明図である。
【図8】前記袋口開口具を折り畳む態様を示す説明図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
- 【公開番号】特開2007−302277(P2007−302277A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【発明の名称】袋口開口具
- 【出願番号】特願2006−131145(P2006−131145)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】
【識別番号】506158256
【氏名又は名称】
- 【代理人】
【識別番号】100076406
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 勝徳
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