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鉄道機器用リンクの長さ調整装置
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- 【要約】
【課題】 リンクの長さの調整の操作性,信頼性を高める。
【解決手段】 第1組立体Aと、第2組立体Bとからなっている。第1組立体Aは、第1のジョイント1と、スリーブ3と、ロックナット4との組合せであり、第2組立体Bは、第2のジョイント2と、ロッド5との組合せである。第1及び第2のジョイント1,2は、クランクやレールなどに連結される。スリーブ3は、第1のジョイント1の定位置に回転可能に保持されるものである。ロッド5は、第2のジョイント2に固定され、長さ調整用ねじ5aを有している。長さ調整用ねじ5aは、スリーブ3のねじ孔3a内にねじこまれ、リンクの長さは、スリーブ3の回転によって調整される。ロックナット4は、スリーブ3の緊締用ねじ3dにねじ込まれ、スリーブ3の一部を加圧し、スリーブ3は、ロッド5と一体的に結合され、リンクは調整された長さに保持される。
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- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1組立体と、第2組立体との組合わせから構成されたリンクの長さ調整装置であって、
第1組立体は、第1のジョイントと、スリーブと、ロックナットとの組み合わせであり、
第2組立体は、第2のジョイントと、ロッドとの組み合わせであり、
第1及び第2のジョイントは、クランクやレールなどの動力伝達部材に連結する部分であり、
スリーブは、ねじ孔及び緊締用ねじを有し、第1のジョイントの定位置に回転可能に保持され、
ロッドは、第2のジョイントに固定され、長さ調整用ねじを有し、
長さ調整用ねじは、スリーブのねじ孔内にねじこまれ、リンクの長さは、スリーブの回転によって調整されるものであり、
ロックナットは、スリーブの緊締用ねじにねじ込まれ、スリーブの一部を加圧し、その摩擦力をもってスリーブをロッドと一体的に結合させるものであり、ロックナットの締め付けによりリンクは調整された長さに固定されるものであることを特徴とする鉄道機器用リンクの長さ調整装置。
【請求項2】
第1のジョイントは連結用の二又部を有するブロックであり、第1のジョイントのブロックには、スリーブを差込む軸孔が開口され、
スリーブは、軸孔にロッドをねじ込むねじ孔を有する円筒体であることを特徴とする請求項1に記載の鉄道機器用リンクの長さ調整装置。
【請求項3】
スリーブの外周面には、中央部に突出形成された回転操作用の頭部を有し、頭部を挟んでその一側は、回転継手によって第1のジョイントのブロックの軸孔内に回転可能に支持され、他側の外周にロックナットをねじ込む緊締用ねじと、軸孔の外端部側に縮径する円錐形の締付座とを有し、
ロックナットは、スリーブの緊締用ねじにねじ込む孔と、軸孔の開口縁側に縮径し、前記スリーブにねじ込むことによって前記締付座に圧着されてスリーブの一部をロッドの外周面に緊締する円錐形の圧接面とを有するものであることを特徴とする請求項1に記載の鉄道機器用リンクの長さ調整装置。
【請求項4】
スリーブの外周面には、回転継手を挟んでその両側外面に、第1のジョイントの軸孔内径に圧接させるO−リングがはめ込まれていることを特徴とする請求項1又は3に記載の鉄道機器用リンクの長さ調整装置。
【請求項5】
ロックナットは、第1組立体と第2組立体との組合わせに先立って、予めスリーブにねじ込まれていることを特徴とする請求項1に記載の鉄道機器用リンクの長さ調整装置。
【請求項6】
第2のジョイントは、連結用の二又部を形成する2枚の板であり、
ロッドは、その一部が前記第2ジョイントの対をなす板間に挟んで固定され、二又部は、ロッドが取付けられた両板の延長上の部分であり、第2のジョイントより外部に突出させたロッドの突出部分には、そのほぼ全長にわたり、前記スリーブのネジ孔にねじ込む長さ調整用ねじが刻まれ、その外周一部は、スリーブに加圧され、摩擦抵抗によってスリーブと一体的に結合されるものであることを特徴とする請求項1に記載の鉄道機器用リンクの長さ調整装置。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道機器、例えば、分岐器に設置される転換鎖錠器のリンクの長さを調整する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分岐器は、1つの線路から他の線路に、列車又は車両を移動させる場合に、分岐器のトングレールを、左右いづれかの基本レールに密着させ、列車又は車両の通路ができる構造になっている。転てつ装置は、転換装置と鎖錠装置との組合せをいい、転換装置はトングレールを転換し、基本レールに密着させる装置であり、鎖錠装置は、密着状態のトングレールを、その位置に保持する装置である。
【0003】
本線以外のポイントの転換に使用される電気転てつ機、例えばYS形電気転てつ機は、転換鎖錠器(YS形)及び回路制御器(YS形)を併用し、背向割り出しが可能となっている。図4にYS形電気転てつ機の設置状況を示す。電気転てつ機(YS形電気転てつ機)7と、転換鎖錠器8とを軌道に設置するに際しては、図4に示すように、トングレール9a,9bを支えて基本レール10a,10bの外側に張出した2本の枕木11,11に跨って2枚の敷板12,12を平行に張り渡し、敷板12,12上に電気転てつ機7を載せ、爪ボルト13を用いて電気転てつ機を枕木11に固定し、転換鎖錠器8は、爪ボルト13を用いて基本レール10a,10b間の枕木11に直接固定している。
【0004】
転換鎖錠器8の上部クランク14は、リンク17及び該リンク17に連結された肘金(図示略)を介してトングレール9a,9bの対に接続され、さらに、下部クランク15は、オフセットリンク16を介して電気転てつ機7の転換クランク7aに連結されるが、電気転てつ機7と、転換鎖錠器8との据え付けは現場作業であり、転換鎖錠器8と、電気転てつ機7との位置関係や転換鎖錠器8とトングレール9a,9bとの位置関係の調整が必要である。例えば転換鎖錠器8の上部クランク14とトングレール9a,9b間の長さの調節は、上部クランク14とトングレール9a又は9bとをつなぐリンク17の長さを調節することによって行われる。
【0005】
図6に従来のリンクの1例として特許文献1に従来例として記載された鉄道用推力伝達杆の構成を示す。この鉄道用推力伝達杆は、かならずしもYS形電気転てつ機の転換鎖錠器とトングレールとをつなぐリンクとして用いられていたわけではないが、基本的構成としては、図4に示すリンク17と同様のものである。この鉄道用推力伝達杆には、図6に示すようにロッド25と、ジョイント部材26との組合せが用いられ、ロッド25の雄ネジ部25aをジョイント部材26の雌ネジ孔26aにねじ込み、ロックナット27と、ワッシャ28とを用いてロッド25とジョイント部材26とを緊締して一体に結合する構造である。
【0006】
特許文献1によれば、上記構造の問題点として、レール上を重量のある列車などが通過する度に衝撃力を受けるため、ジョイント部材26とロッド25との結合が緩んでロッド25が回動し、長さが変化して線路分岐装置の切替が不確実になるといった欠点を指摘し、図5(a),(b)に示すようにレールに回動可能に結合するジョイント部材20と、ジョイント部材20を介してレールに横方向の推力を伝達するロッド19とを、ジョイント部材20に対して自由に回動でき、且つロッド19との結合位置が調整可能なスリーブ部材21を設けて結合するようにした鉄道用推力伝達杆及び鉄道用転轍装置を提案している。
【0007】
そして、特許文献1には、この装置を用いることによって、レールなどへの取付・取り外しが簡単容易であるうえ、過大な外力が加わっても推力伝達杆の機能が損なわれることがなく、レールの間隔の調整を極めて容易に実施でき、鉄道用転轍装置などを含む鉄道設備の信頼性を高め、維持管理のための労力や費用を大幅に低減できるという効果が強調されている。
【0008】
特許文献1によれば、要するに、従来の推力伝達杆は、ジョイント部材にロッドが直接ねじ込まれていたが、改良された特許文献1に記載の鉄道用推力伝達杆においては、ジョイント部材20のロッド貫通孔20a内に、スリーブ部材21を軸方向に摺動可能に挿通してその突出端にナット部材22を覆着し、スリーブ部材21のフランジ部21aと、ナット部材22で軸方向の移動を阻止して回転可能に支えたので、スリーブ部材21にロッド19をねじ込めば、スリーブ部材21を回転させて推力伝達杆(リンク)18の長さを調整でき、さらに、予めロッド19にねじ込んだロックナット24をスリーブ部材21の後端部に締め付けると、ロッド19の雄ネジの内部引っ張り応力によって、ロッド19とスリーブ部材21とが固く結合されるというのである。
【0009】
ところで、改良された図5に記載の鉄道用推力伝達杆の構成は特許文献1の記載によれば、ナット部材22は、スリーブ部材21後端部の外側に設けられた多角形ブロック面に覆着されるが、スリーブ部材21の後端部に環状溝21bが設けられ、ナット部材22がスリーブ部材21の多角形ブロック面から逸脱しないように環状溝21bにナット部材22の脱落防止用のストッパとして、環状ワッシャ23が嵌められている。
【0010】
したがって、ロックナット24を緩めて推力伝達杆18の長さを調整するときに、環状ワッシャ23には、ロッド19から受ける圧縮力によるスラスト荷重が直接環状ワッシャ23に作用し、環状ワッシャ23には力学的に大きな負担となると考えられる。
【特許文献1】特開2003−96701公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする問題点は、特許文献1に記載された鉄道用推力伝達杆(リンク)によるときには、ジョイント部材を回転させずに、ロッドを任意の位置まで回転させることができ、またロックナットを緩めることによって、スリーブ部材を回転させることができるものの、その構造には改良すべき問題が残されている点である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明装置を備えたリンクを、特許文献1に記載の鉄道用推力伝達杆(リンク)の構成に対応させたときに、部品点数が少なく、ロックナットを予めスリーブ部材に装備してリンクの組立て時の操作を簡略化すると共にロッドに作用するスラスト荷重を回転継手に作用させることによって、力学的に構造上の信頼性を高めたことを最大の特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による鉄道機器用リンクの長さ調整装置によれば、対をなすジョイントの一方のジョイントにスリーブ部材を回転可能に一体的に支持させてこれを第1組立体とし、他方のジョイントにロッドを取付けてこれを第2の組立体とし、ロックナットは、第1組立体のスリーブの外周に予め装備することによって現場作業では第1組立体のスリーブに第2組立体のロッドをねじ込むだけでリンクの組立てを行うことができ、さらに両組立体の組合わせによって構成されたリンクの長さの調整の操作性,信頼性を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
リンクの長さの調整の操作性,信頼性を改善するという目的を、回転継手をもって一方のジョイントの定位置にスリーブを回転可能に保持させ、当該スリーブを直接回転させることでリンクの長さの調節を可能とし、またロックナットはスリーブの外周の締め付けねじにねじ込み、スリーブを周囲から加圧し、その一部をロッドの周面に押付け、スリーブとロッド間の摩擦抵抗力により、固定することによって実現した。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明装置の分解状態を示す断面図、図2は、本発明装置を組み込んだリンクの平面図及び断面図である。
(1)リンクの構成
図において、リンクは、対をなす第1及び第2のジョイント1,2と、スリーブ3と、ロックナット4と、ロッド5との組合わせによって構成される。第1及び第2のジョイント1,2はリンクの取付け部である。また、第1及び第2のジョイント1,2の区別は専ら説明の都合の区別であって、いずれが第1又は第2であってもかまわない。
【0016】
本発明において、リンクは、第1組立体Aと、第2組立体Bとの組合わせから構成されたものである。第1組立体Aは、第1のジョイント1と、スリーブ3と、ロックナット4との組み合せであり、第2組立体Bは、第2のジョイント2と、ロッド5との組み合せである。第1及び第2のジョイント1,2は、クランクやトングレールなどの動力伝達部材に連結する部分である。スリーブ3は、ねじ孔3a及び緊締用ねじ3dを有し、第1のジョイント1の定位置に回転可能に保持されたものである。
【0017】
ロッド5は、第2のジョイント2に固定され、長さ調整用ねじ5aを有し、長さ調整用ねじ5aは、前記スリーブ3のねじ孔3a内にねじこまれる、リンクの長さはスリーブ3の回転により、ロッド5の一部をスリーブ3内に引き込み、或いはスリーブ3内から引き出すことによって調整される。ロックナット4は、スリーブ3の緊締用ねじ3dにねじ込まれ、スリーブ3の一部を加圧し、その摩擦力をもってスリーブ3をロッド5と一体的に結合させるものである。ロックナット4の締め付けによりリンクは調整された長さに固定される。
【0018】
(2)第1組立体Aの構成
第1のジョイント1は一端(図1では左端)に二又部1aを有するブロックであり、例えば、肘金を介してトングレール(図4参照)に連結される。二又部1aには、肘金に脱着可能に連結するピン1bを備えている。第1のジョイント1のブロックには、スリーブ3を差込む軸孔1cが開口され、その内周面には、回転継手の円筒ころ6の上半分をはめ込む環状溝1dが形成されている。
【0019】
スリーブ3は、軸孔にロッド5をねじ込むねじ孔3aを有する円筒体であり、スリーブ3の外周面には、中央部に突出形成された回転操作用の頭部3cと、頭部3cを挟んでその軸方向の一側外周に前記回転継手の円筒ころ6の下半分を受け入れる環状溝3bを有し、他側の外周にはロックナット4をねじ込む緊締用ねじ3dと、軸孔の外端部側に縮径する円錐形の締付座3eとを有している。また、回転継手を構成する環状溝3bを挟んでその両側外面には、第1のジョイント1の軸孔内径に圧接させるO−リング3f,3fがはめ込まれている。
【0020】
ロックナット4は、スリーブ3の緊締用ねじ3dにねじ込むねじ孔4aと、軸孔の開口縁側に縮径し、前記スリーブ3にねじ込むことによって前記締付座3eに圧着されてスリーブ3をロッド5の外周面に緊締する円錐形の圧接面4bとを有するものである。
【0021】
第1のジョイント1の軸孔1c内にスリーブ3を差込み、ブロックの環状溝1dと、スリーブ3の環状溝3b間に跨って、回転継手の円筒ころ6,6・・・をはめ込む。これによってスリーブ3と第1のジョイント1のブロックとは、図3に示すように円筒ころ6,6・・・による木杭によって結合され、軸方向の移動が阻止された状態で、第1のジョイント1に回転可能に保持される。また、スリーブ3の外周にはめ込んだO−リング3fが第1のジョイント1の軸孔1cに圧接されて回転方向に対する抵抗となる。なおスリーブ3には、予めロックナット4をねじ込んでおく。
【0022】
(3)第2組立体Bの構成
第2のジョイント2は、連結用の二又部2aを一端(図1では右端)に形成する2枚の板2f、2fの組み合わせである。ロッド5は、前記第2ジョイント2の対をなす板2f、2fの隙間2bに挟み、両板2f、2f及びロッド5を貫通差し込まれたボルト2dの突出端をナット2eで締め付けることによって、2ジョイント2の板2f、2fに一体に固定するとともに、その一部を2枚の間から一方に突出させたものである。二又部2aは、ロッド5が取付けられた両板の延長上の両板2f、2fの部分である。二又部2aには、例えば、トングレールの肘金と接続するピン2cを備えている。
【0023】
第2のジョイント2より外部に突出させたロッド5の突出部分には、そのほぼ全長にわたり、前記スリーブ3のネジ孔にねじ込む長さ調整用ねじ5aが刻まれている。本発明においては、ロックナット4を予めスリーブ3にねじ込んでおくことによって、スリーブ3を保持する第1のジョイント1と、ロッド5が固定された第2のジョイント2との2つの組立体A,Bの組合せとなる。
【0024】
(4)リンクの長さ調整の要領
リンクの長さの調整(ピン間距離1b−2cの調節)に際しては、まずロックナット4を緩めた状態で、スリーブ3の頭部3cをスパナなどの標準工具で回転させながら、ロッド5の長さ調整用ねじ5aをそのねじ孔3aにねじ込み、あるいは逆にねじ孔3aから引き出すことによってリンクの長さ(ピン間距離1b−2c)の調整を行い、所望のピン間距離に調整されれば、ついでロックナット4をスリーブ3の緊締用ねじ3dに沿って強くねじ込むと、ロックナット4の圧接面4bがスリーブ3の締付座3eを外周から加圧し、その内周縁の一部がロッド5に食い込み、その摩擦力によってロッド5と、スリーブ3とが一体的に結合され、両ジョイント1,2のピン間距離(1b−2c)は、所望の距離に固定される。ロッド5をスリーブ3内にねじ込んで組立体Aと組立体Bとを一体的に組み付けた状態を図2に示す。図2に明らかなとおり、組立体Aと組立体Bとは、両端に二又部1a、2aを有するリンクが構成され、スリーブ3の頭部3cを回転操作することによって長さの調整が可能であり、ロックナット4の締め付けによって調整長さを保持することができる。
【0025】
ピン間距離の調整によって所要の長さに調整されたリンクは、図4に示したように例えば、YS形電気転てつ機と組み合わされる転換鎖錠器と、トングレール間をつなぐリンクに用いる例として両端に他のリンクを連結する二又部1a、2aを設けたリンクについて説明した。しかし、本発明装置を備えたリンクは、転換鎖錠器と、トングレール間をつなぐリンクとして用いる場合に限らず、また、二又部1a、2aに限らず、他の連結構造を用いてクランクやレールなどの動力伝達部材間をつなぐリンクとして用いることも当然できる。
【0026】
本発明の装置を備えたリンクは、第1及び第2のジョイント1,2のいずれをも回動させずに、ロックナット4を緩めた状態で、スパナのような標準工具を用いてスリーブ3の頭部3cを回転させつつ、ロッド5をスリーブ3内に引き込み、あるいはロッド5をスリーブ3内より引き出してリンクの長さ(ピン間距離)を任意の長さに調整し、ロックナット4の締め付けによって調整された任意の長さに固定できる。
【0027】
また、リンクを現場に設置後、ピン間距離の調整のため、ロックナット4を緩めたときにロッド5の推力はスリーブ3に作用するが、その際のスラスト荷重は、円筒ころ6に受け止められて第1のジョイント1のブロックに分散されるので、特定部位に局所的に集中荷重を受けることはない。
【0028】
さらに、本発明においては、ロックナット4はスリーブ3にねじ込まれているため、仮にロックナット4が緩んでもスリーブ3のO−リング3fの抵抗によって第1のジョイント1の軸孔1c内に保持されるため、スリーブ3は容易には回転せず、したがってリングの長さ(ピン間距離)が直ちに変化することにはならない。O−リング3fに限らず、スリーブに回転方向の抵抗を与えることは、リングの長さ(ピン間距離)の変動を防止するために好ましいことではあるが、これがなくても機構上不都合が生じるわけではない。本発明は、スリーブ3は第1のジョイント1に、ロッド5は第2のジョイント部材2にそれぞれ取付けられており、ロックナット4は予めスリーブ3にねじ込んでおくことによって、スリーブ3をロッド5にねじ込むだけで容易にリンクに組み立てることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上実施例では、転換鎖錠器とトングレールとをつなぐリンクに適用した例を説明したが、本発明によるリンクの長さ調整装置は、YS形電気転てつ装置の転換鎖錠器と、トングレールとをつなぐリンクに用いるほか、鉄道用機器における長さ調節が必要な各種のリンクに広く適用することができる。
- 【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明装置を備えたリンクを第1組立体と第2組立体とに分解した状態を示す断面図である。
【図2】(a)は本発明装置を有するリンクの平面図、(b)は同断面図である。
【図3】図2(b)のA−A線断面図である。
【図4】YS形電気転てつ機の設置状況を示す図である。
【図5】鉄道用推力伝達杆として紹介された従来のリンクの改良例を示す図である。
【図6】鉄道用推力伝達杆として紹介された従来のリンクの例を示す図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
- 【公開番号】特開2007−309013(P2007−309013A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【発明の名称】鉄道機器用リンクの長さ調整装置
- 【出願番号】特願2006−140466(P2006−140466)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】
【識別番号】000144348
【氏名又は名称】株式会社三工社
- 【代理人】
【識別番号】100075306
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 中
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