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移植機
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- 【要約】
【課題】 姿勢切換が簡単な予備苗移送装置を備えた移植機を提供することを課題としている。
【解決手段】 運転席8を備えた走行機体1上に畦際から予備苗14を補給する予備苗移送装置13を、運転席8の側方に設けられたステップ6,9,12の外側方に位置する張出し姿勢Xと、平面視においてステップ6,9,12と重複する格納姿勢Yとに姿勢切り換え自在に取り付けた。また予備苗移送装置13を走行機体1に支持するステー29と予備苗移送装置13との間に、予備苗移送装置13の姿勢を切り換える姿勢切換部を設けた。
- 【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席(8)を備えた走行機体(1)の後方に植付作業機(2)を連結し、走行機体(1)の側部に、走行機体(1)上に畦際から予備苗(14)を補給する予備苗移送装置(13)を設け、運転席(8)の側方にステップ(6),(9),(12)を設けた移植機において、予備苗移送装置(13)が、ステップ(6),(9),(12)の外側方に位置する張出し姿勢(X)と、平面視においてステップ(6),(9),(12)と重複する格納姿勢(Y)とに姿勢切り換え自在に取り付けられた移植機。
【請求項2】
予備苗移送装置(13)を走行機体(1)に支持するステー(29)を走行機体(1)側に設け、該ステー(29)と予備苗移送装置(13)との間に、予備苗移送装置(13)の姿勢を切り換える姿勢切換部を設けた請求項1の移植機。
- 【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗用田植機等の移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
運転席を備えた走行機体の後方に植付作業機を連結し、走行機体の前方側部に、走行機体上に畦際から予備苗を補給する予備苗移送装置を設け、運転席の側方にステップを設けた乗用田植機(移植機)が公知となっている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−73516号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記予備苗移送装置は、平面視においてステップと予備苗移送装置とが重複しないように、ステップの外側方位置に張り出た状態となっている。これにより作業者がステップ上を容易に移動することができる。しかし予備苗移送装置によって機体幅が拡大することになり、乗用田植機の格納用のスペースが大きくなるという欠点がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための本発明の移植機は、運転席8を備えた走行機体1の後方に植付作業機2を連結し、走行機体1の側部に、走行機体1上に畦際から予備苗14を補給する予備苗移送装置13を設け、運転席8の側方にステップ6,9,12を設けた移植機において、予備苗移送装置13が、ステップ6,9,12の外側方に位置する張出し姿勢Xと、平面視においてステップ6,9,12と重複する格納姿勢Yとに姿勢切り換え自在に取り付けられたことを特徴としている。
【0005】
また予備苗移送装置13を走行機体1に支持するステー29を走行機体1側に設け、該ステー29と予備苗移送装置13との間に、予備苗移送装置13の姿勢を切り換える姿勢切換部を設けたことを第2の特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
以上のように構成される本発明の構造によると、予備苗移送装置を格納姿勢にすることによって、機体幅がコンパクトになり、移植機の格納等を容易に、且つ省スペースで行うことができ、且つ作業時には張出し姿勢とすることによって、作業者がステップ上を容易に移動することができるという効果がある。
【0007】
そして予備苗移送装置を走行機体に支持するステーと予備苗移送装置との間に、予備苗移送装置の姿勢を切り換える姿勢切換部を設けることによって、予備苗移送装置の姿勢切換え機構を簡単に構成することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1,図2は本発明を採用した移植機である乗用田植機の側面図及び平面図である。該乗用田植機は従来同様、走行機体1の後方に植付作業機2が上下昇降自在に連結されている。
【0009】
植付作業機2に設けられた苗載せ台3にマット苗を載置し、走行機体1を走行させながら植付作業機2の植付部5を作動させることによって、植付部5が苗載せ台3のマット苗から苗を掻き取り、圃場に植え付け、苗の植付作業を行う。本植付作業機2は、5条植えとなっており、苗載せ台3に最大5条分のマット苗を搭載することができ、植付部5も5条分(5つ)設けられている。
【0010】
走行機体1の前方にはボンネット4が設けられている。ボンネット4の後方には、左右の中央に位置する座席7を備えた運転席8が設けられている。座席7の前方にはステアリングハンドル1が設けられている。ボンネット4の左右側方にはフロントステップ6が設けられている。
【0011】
運転席ステップ9は運転席8の床面を構成し、座席7の前方から側方に広がる。座席7の下方をカバーする機体カバー11には、上記運転席ステップ9より一段高く平坦な苗供給用ステップ12が座席7の左右両側に位置して形成されている。
【0012】
作業者はフロントステップ6と苗供給用ステップ12との間を運転席ステップ9を通過して自由に移動することができる。フロントステップ6と運転席ステップ9と苗供給用ステップ12とによって、走行機体1の側部(座席7より側方)に、作業者が走行機体1の側部前方から後方に移動する移動通路を形成している。
【0013】
ボンネット4の左右側方の機体側部(フロントステップ6の外側位置)には、苗載せ台3に補給する予備のマット苗(予備苗)14を畦際から移送する予備苗移送装置13が取り付けられている。予備苗14は、スクレーパ18を内装する苗箱17をトレイとして、スクレーパ18の上に載置されて苗箱17に収容されている。
【0014】
左右の各予備苗移送装置13はそれぞれ、走行機体1側に固定される固定苗台19と、固定苗台19の前方に位置する第1苗台21と、固定苗台19の後方に位置する第2苗台22とから構成されている。
【0015】
第1苗台21と第2苗台22は、固定苗台19に対して回動可能に連結されている。固定苗台19の底面側には固定板27を介して支持フレーム23が一体的に取り付けられている。支持フレーム23の底面側の前後には、ブラケット28が取り付けられている。
【0016】
これに対して走行機体1側には、左右両側の前後にステー29が設けられている。図3に示されるように、ステー29は、下端部分が走行機体1側に取り付けられ、上方に向かって突出している。ステー29の上端側は外側に向かって湾曲し、概ね水平状態となっている。
【0017】
左右の前方側のステー29の略水平となった上端部分にはベース板31が、左右の後方側のステー29の略水平となった上端部分にはベース板32が取り付けられている。ベース板31,32と前後のブラケット28とはそれぞれ対応している。両ベース板31,32には、それぞれ左右に2つ支持フレーム取付用のボルト33が取り付けられる。
【0018】
ブラケット28には、ベース板31,32側の2つのボルト33に対応する2つのボルト孔で1組となるボルト孔組が2組設けられている。各ボルト孔には、ナット36がブラケット28に固定されて設けられている。両ボルト孔組34A,34Bは、左右にずれた状態で配置されている。
【0019】
前方側のブラケット28のいずれか一方のボルト孔組34A又は34Bのボルト孔に、前方側のベース板31のボルト33を通してナット36に螺合させ、後方側のブラケット28のいずれか一方のボルト孔組34A又は34Bのボルト孔に、後方側のベース板32のボルト33を通してナット36に螺合させる。
【0020】
これにより前方側のベース板31に前方側のブラケット28がボルト固定され、後方側のベース板32に後方側のブラケット28がボルト固定される。ボルト孔組34A又は34Bは、前後のブラケット28において同じ側を使用する。以上により固定苗台19が走行機体1に取り付けられ、各予備苗移送装置13が走行機体1に取り付け支持される。
【0021】
予備苗移送装置13は、図1に示されるように、各苗台19,21,22が側面視で一直線状に展開される展開姿勢Aと、図4に示されるように、第1苗台21及び第2苗台22が固定苗台19の上方に折畳まれた折畳み状態となる折畳み姿勢Bとに姿勢切換可能な折畳み式となっている。
【0022】
展開姿勢Aの予備苗移送装置13は前高後低の傾斜姿勢となっている。展開姿勢Aにおいて第1苗台21は、前端が走行機体1の前端より前方に突出する。第2苗台22は、後端が植付作業機2の苗載せ台3に近接するように、苗供給用ステップ12の上方近傍に位置する。
【0023】
各苗台19,21,22は、それぞれ左右の側板37が連結部材38によって連結され、左右の側板37の間にローラが軸に一体的に形成されたローラ軸39が回転自在に取り付けられた構造となっている。展開姿勢Aの予備苗移送装置13において、第1苗台21の前端から予備苗14をローラ軸39の上に載置すると、苗箱17がローラ軸39のローラに接し、予備苗移送装置13の傾斜によって、予備苗14が第2苗台22の後端に向かって自重により順次移動する。
【0024】
予備苗14の移動は、ローラ軸39が回転して苗箱17を案内するため、円滑に行われる。予備苗移送装置13は、展開姿勢Aでローラコンベア状となり、第1苗台21の前端を畦際に位置させ、畦際から第1苗台21に予備苗14を補給することで、予備苗移送装置13に複数の予備苗14を連続的に補給することができる。予備苗移送装置13の前後長さいっぱいに複数の予備苗14を載置してストックすることができる。
【0025】
オペレータは苗供給用ステップ12に立ち、第2苗台22の後端側の予備苗14を苗載せ台3に載せることによって苗載せ台3への苗の補給を容易に行うことができる。第2苗台22の最後端の予備苗14からの苗載せ台3への苗の補給後は、当該予備苗14の苗箱17を第2苗台22から下ろすと、前方の予備苗14が自重によりローラ軸39上を移動し、苗載せ台3への次の補給候補となり、苗載せ台3に順次連続的に苗を補給することができる。
【0026】
第2苗台22の高さは、苗供給用ステップ12に立つオペレータが、最後端の予備苗14からマット苗16を容易にとることができるように、運転席8内のステアリングハンドル10の高さ位置程度に、ある程度高く設定されている。これによりオペレータはほとんど屈むことなく容易に予備苗14を取り、苗載せ台3に補給することが可能となっている。また畦際からの予備苗14の補給も容易となり、オペレータの作業姿勢が良くなり疲労が少なくなる。
【0027】
なお第2苗台22の後端が上記のように比較的高位置となっているため、相対的に第1苗台21の前端の位置が高くなっている。このため予備苗移送装置13が展開姿勢Aであり、第1苗台21の下方に施肥用の肥料タンクが配置されている場合でも、肥料タンクに上面側の供給口からペースト肥料等の肥料を容易に供給することができる。その他トラック等から直接予備苗14を第1苗台21の前端から予備苗移送装置13に補給することも可能となる。
【0028】
本予備苗移送装置13は、第1苗台21のみを、固定苗台19の上方に折り畳んだ状態に展開することもできる。第1苗台21のみを折畳み状態とすることによって、固定苗台19の前端から予備苗14を予備苗移送装置13に供給することができる。畦際から走行機体1までが比較的近い場合、予備苗14の補給を容易に行うことができる。
【0029】
なお折畳み状態の第1苗台21の上部(展開状態での第1苗台21の下部)に予備苗14を載置し、第1苗台21を通常の補助苗載せ台として使用することもできる。第1苗台21を折畳み状態とすると、ボンネット4の前方に予備苗移送装置13が突出しないため、走行機体1の回行性は高い。
【0030】
運転席8に対する乗降時には、予備苗移送装置13を折畳み姿勢Bとしたり、第2苗台22のみを、固定苗台19の上方に折り畳んだ状態とすることによって、少なくとも第2苗台22を折畳み状態とすることが望ましい。固定苗台19がボンネット4の側方に位置しており、第2苗台22を折畳み状態とすると、運転席8の側方の空間に予備苗移送装置13が突出しないため作業者の乗降は容易となる。
【0031】
前述のように支持フレーム23側のブラケット28の2組のボルト孔組34A,34Bは、左右にずれた状態で設けられている。このため図3に示されるように、走行機体1の内側となる内側ボルト孔組34Bを使用して予備苗移送装置13を取り付けた場合は、図5に示されるように、走行機体1の外側となる外側ボルト孔組34Aを使用して予備苗移送装置13を取り付けた場合に比較して、予備苗移送装置13が走行機体1の外側方に突出して張り出る。
【0032】
本実施形態においては、内側ボルト孔組34Bを使用することによって、図2に示されるように、全体がフロントステップ6,運転席ステップ9,供給用ステップ12の外側に位置する張出し姿勢Xに、予備苗移送装置13を取り付けることができる。
【0033】
一方外側ボルト孔組34Aを使用することによって、図6に示されるように、平面視において、一部がフロントステップ6,運転席ステップ9,供給用ステップ12と重複する格納姿勢Yに、予備苗移送装置13を取り付けることができる。なお図6においては、左側の予備苗移送装置13のみ格納姿勢Yとした平面図である。格納姿勢Y時には、予備苗移送装置13は、本乗用田植機の予備苗移送装置13を除く機体幅内に略収容される。
【0034】
ステー29と支持フレーム23との間のベース板31,32とブラケット28とをボルト33によって固定する固定手段と、ブラケット28側の内外のボルト孔組34A,34Bとによって、予備苗移送装置13の姿勢を張出し姿勢Xと格納姿勢Yとに切り換えて取り付ける姿勢切換部が構成されている。
【0035】
これにより植付作業時に予備苗移送装置13を張出し姿勢Xとすることにより、フロントステップ6及び運転席ステップ9及び供給用ステップ12の上方に予備苗移送装置13が重複することが無く、作業者は各ステップ6,9,12上に立っての上記作業や、各ステップ6,9,12の上の移動等を容易に行い各種作業を行うことができる。
【0036】
また本乗用田植機を格納する際には、予備苗移送装置13を格納姿勢Yとすることによって、予備苗移送装置13が、本乗用田植機の予備苗移送装置13を除く機体幅から殆ど突出することがなく、略機体幅の範囲のスペースで、本乗用田植機を格納することができる。
【0037】
一方ステー29と支持フレーム23との間の姿勢切換部を、図7に示されるように、平行リンク機構41によって構成することもできる。該平行リンク機構41は、ステー29の上端部に固定される左右方向の固定板42と、該固定板42の左右両側にそれぞれ左右回動自在に軸支される回動アーム43を中心に構成されている。
【0038】
回動アーム43の下端側は連結アーム44によって連結されている。回動アーム43の上端側は支持フレーム23に固定されたブラケット46に連結されている。これにより予備苗移送装置13は左右に位置変更が可能となる。連結アーム44にはノブ付きボルト47が取り付けられている。ただしノブ付きボルト47は、固定板42側に設けられた長孔48を介して連結アーム44に取り付けられている。
【0039】
上記長孔48は、平行リンク機構41を左右揺動させた際のノブ付きボルト47の移動軌跡に沿っている。このためノブ付きボルト47を緩めることによって、平行リンク機構41を自由に左右に揺動させて予備苗移送装置13を左右移動させることができ、平行リンク機構41の所定の揺動角度でノブ付きボルト47を締め込むことによって、平行リンク機構41が固定され、予備苗移送装置13が所定の位置に固定的にセットされる。
【0040】
上記のように姿勢切換部を平行リンク機構41によって構成することにより、予備苗移送装置13の姿勢切換を、図7(a)に示されるような張出し姿勢Xと、図7(b)に示されるような格納姿勢Yとにワンタッチで簡単に行うことができる。
【0041】
なお上記ステー29と予備苗移送装置13は、図8に示されるように、6条分の苗を搭載できる苗載せ台51と、6条の植え付け作業を行うことができるように6つの植付部5を設けた植付作業機52と走行機体1とからなる6条植え用の乗用田植機に取り付けることもできる。
【0042】
この場合張出し姿勢X時の予備苗移送装置13が、乗用田植機の予備苗移送装置13を除く機体幅内に略収容され、6条植え用の乗用田植機において予備苗移送装置13が座席7の側方の各ステップ6,9,12に平面視で重複することはない。このため6条植え用の乗用田植機において予備苗移送装置13が、上記ステップ6,9,12上での作業を妨げることはなく、本ステー29と予備苗移送装置13とを5条用と6条用の両乗用田植機に兼用して使用することができる。
【0043】
また図9に示されるように、走行機体1の左右の一方に、本予備苗移送装置13を上記のように取り付け、他方に従来公知の補助苗載せ台53を取り付けることもできる。補助苗載せ台53を従来公知のように、乗用田植機の格納時に折り畳むことができるようなものとすることによって、補助苗載せ台53を折り畳み、予備苗移送装置13を格納姿勢Yとすることにより、予備苗移送装置13及び補助苗載せ台53を、乗用田植機の予備苗移送装置13及び補助苗載せ台53を除く機体幅からほぼ突出しないようにすることができる。
- 【公開番号】特開2007−37450(P2007−37450A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【発明の名称】移植機
【発明者】
【氏名】福間 英明
【氏名】野上 久男
【氏名】鐵見 幸一
- 【出願番号】特願2005−224938(P2005−224938)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱農機株式会社
- 【代理人】
【識別番号】100081673
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 誠
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